18日の兵庫県知事選挙は、自民党と維新が推薦した”斉藤”候補の圧勝だった。
NHKによると「斎藤氏は神戸市出身の43歳。総務省の理事官などを経て大阪府に出向し、財政課長を務めました。今回の選挙は、5期務めた井戸知事が引退を表明し、20年ぶりに新人どうしの争いとなり、自民党兵庫県連に所属する議員の支持が、党が推薦した斎藤氏と、井戸知事が推す金沢氏にわかれ、「保守分裂」の構図となりました。選挙戦で斎藤氏は、これまでの県政を刷新し、沿岸部の再開発などを通じた地元経済の活性化や子育て支援の拡充、それに、ワクチン接種の加速化など、新型コロナ対策の強化を訴えました。その結果、自民党支持層のおよそ50%、日本維新の会の支持層の70%あまりを固めたほか、無党派層などからも幅広く支持を集め、初めての当選を確実にしました」とあった。
「神戸新聞」
推薦する候補で自民党が二分化したので、接戦かなとの記事もあったが、維新が斉藤候補を推薦した時点で、知事は決まっていた。自民党が前に出て斉藤候補の選挙を戦ったとあるが、自民党の西村大臣が応援のため神戸に来た際に集まった聴衆の数のチラホラ感に比べ、大坂の吉村知事や松井市長が来神し斉藤候補の応援演説に集まった聴衆の数は引きも切らずで、この点をみても神戸と言えど、維新人気は不動なものに成長していたのだ。
大阪府知事と兵庫県知事の力量の差が明確に表れたのは、コロナ対応だった。
昨年の4月、安部総理は緊急事態宣言を発動し、7つの都道府県、兵庫県も該当県として指定された際、首相会見に続いて即開かれた東京都知事会見と当時に開かれた大阪府知事会見をパソコンで見ながら、東京都は営業自粛場所を含む詳細な説明をしていたが、大阪の自粛範囲は東京都と違って自粛範囲はかなり狭かった。その後相当経ってから兵庫県知事の会見を同じくパソコンで見ながら、自粛範囲は大阪と左程変わりなく聞こえた。3都市の首長の記者会見を見ながら、3者3様、知事の個性が前面にでる会見に見え、最も理解し易くかつ良かったのは大阪府知事の会見だった。都知事の会見も判り易かったけど、かなりの部分で国におんぶ抱っこのように聞こえた。大阪、東京の首長2名が下書きなしの前を向いての説明だったのにたいし、兵庫県知事の会見は書面の棒読みに終始し、コロナ危機に対する理解力の差が大いにあると、兵庫県民の一人として感じた。そして、極めつけは「
<吉村寝ろ><井戸起きろ><大阪府知事の目の下にクマ><兵庫県知事はどこに?>と知事2人への声がSNSを席捲したのだ。つまり井戸兵庫県知事のコロナ対応が酷評を受けたのだ。加えて、公用車のセンチュリーに乗って何が悪いと開き直った。その知事が推薦する候補は井戸知事の路線から脱却できないと有権者は感じたはずだ。つまり、本当の行動力とその実力に大きな違いがあることを有権者は分かったしまったのだ。
加えて、維新の凄い所は、なんとっても「公約は守る」ことに邁進することだと思う。
大阪維新の松井知事,吉村市長と言い、公約を達成しようという姿勢は、応援者にとっては非常に頼もしいものだ。例えば、こんな記事「公約を守る松井知事。反故にする小池知事」がある。東京都議会議員のやながせ裕文の意見「自民から立憲・共産まで仲良くそろって「党利党略だ!」とのキャンペーンを展開しているが、これは全くの的外れだ。公約を守るために、あらゆる手段を尽くすのは当然のこと。有権者が選挙で選択した民意を軽視し、その遂行を妨害することしか考えない者こそ「党利党略」だ」は全くの正論ではなかろうか。また加えて、「いったい小池知事は何をしたかったのだろうか。選挙目当てで、誰にも受けがよい「市場プラン」をぶち上げ、ほとぼりが冷めた頃に撤回する。自民党をブラックボックスと批判し選挙に勝利するが、再選に向けて自民党に擦り寄っていく。これだけ「公約」「選挙時の言葉」を軽視する知事も珍しいのではないか」として、大阪府知事の公約必達姿勢と東京都知事の変質を並べて述べている。市民との信頼こそ最も重要なことで、公約達成を守らない首長こそ信頼できないものはない。また、あの桁違いの私利私欲さは日本人には理解出来ないものの、元日産のゴーンさんも必達目標(コミットメント)厳守こそ重要とした、優秀な経営者と評価されていた。一方、理念や方針を説明しない、達成目標のコミットメントを出さない、しかも一度言ったことを朝令暮改で平然としている経営者の部下になったら最悪だ。
大阪の近く兵庫の神戸市に住んでいるが、「ケンミンショー」の関西3府県の比較話題では、いつも馬鹿にされ笑いものにされている大阪だが、しかし3府県のなかで最も活力があるのは大阪であることに間違いない。つい先日の神戸新聞を読むと、海外からの訪問客数は圧倒的に大阪と京都が多く、兵庫など低空飛行のままだ。多くの優れた観光資産を有しながら観光客の伸び悩みに悩む神戸の話題は、議員の節度のなさと神戸市の「ヤミ専従」ぐらいか。あの活力ある大阪のバイタリティは、もともと大阪住民の人力だと思うが、その力を上手に引き出しているが大阪知事と大阪市長の、ここ10数年の成果だと思う。毎年人口流出に悩む兵庫と、一方、人口増加の大阪の差。神戸に住んで、大阪の活力は本当に羨ましい!と感じながら、大坂で得られた知識と心意気で、是非兵庫県を立て直してもらいたいものだ。