21日、残っていた1都3県の緊急事態宣言が解除された。
解除理由として「
首相官邸 のFB」は次のように説明している。
●病床のひっぱくが続いていた千葉県などの病床使用率は50%という解除の目安を下回って40%以下となった。
しかしながら、現状、感染者数には横ばい、あるいは微増の傾向が見られ、リバウンドも懸念されるので、宣言の解除にあたり、感染の再拡大を防ぐための5本の柱からなる総合的な対策を決定した。
●飲食を通じた感染防止
●変異株に関する監視体制の強化
●感染拡大の予兆をつかむための戦略的な検査の実施
●安全・迅速なワクチン接種
●感染拡大に備えた医療体制の強化です。
官邸の談話には、首都圏の緊急事態宣言2週間延長理由であった「感染者の減少速度が鈍化」と「リバウンドの可能性がある」の2点はなんら進展なく、コロナ対策は手強いと言う結果が改めて分かっただけ、と読める。で、コロナ現状について、コロナリスク領域の年寄りの一人として自分なりに理解しようと、色々な報道を読んだ中で、今回、気になった報道を羅列してみた。
総理記者会見に同席した新型コロナ分科会の尾身会長の意見をテレビで聞いたが、サーキットブレーカーやマンボウと言った、聞きなれない言語以外、目立った改善対策案は聞こえてこなかった。マンボウとは「まん延防止等重点措置」の略称だそうだ。結局、我々国民は従来の「飲食を通じた感染防止」を徹底するようにとの事だった。しかし、感染対策と感染者数の変動は具体的にどのように推移したのか、減る傾向が鈍化した時期はどんな人たちが感染していたのか、飲食店での感染は何故か等を、合理的な数字に置き換えて解説してこなかった。だから、我々は情緒的に感じる以外に現状を理解できないでいる。結果的に、東京での「
グローバルダイニング」の対応に注目が集まる。
ところで、現状の実効再生産数はどうなっているかと言うと、東洋経済の
新型コロナウイルス国内感染の状況では、東京、千葉は小康状態となったが、3月7日に解除した大阪、兵庫は感染者数は増加傾向にある。政府や各自治体は大阪・兵庫の感染者数の増加についてコメントしていないので、例えば兵庫の1.41の数字は大きいように思えるが、このくらいの実効再生産数の変化は容認したという事だろうか。
国の英知を結集したと思われる新型コロナ分科会や医療機関の立派な先生方が集まっても、今になって「見えない感染源」などと言いだす始末では、これ以上のコロナ対策は見つからないようだ。しかも、国民が守るべき対策が「飲食を通じた感染防止」を徹底するようとのことだが、今朝(21日)神戸新聞を読んでも,全国知事会は強力な保健・医療体制の再構築を政府に要望し、加えて緊急事態宣言の長期化に伴い、営業時間の短縮に応じた飲食店をはじめ幅広い業種が激しい状況にあるとして、「Go Toトラベル」の再開を要望しているとあった。こうしてみると、桜見物や飲食店での会食等と感染拡大は複雑に関係すると言う定性的な事以上のことは分からないし、その代わりの経済的損失の方が大きいようだ。
しかし、どうなんだろう。「二度とリバウンドさせない」という目標設定は可能なんだろうか。欧米のコロナ感染者の動向を見ても、例えば街をロックダウンしようがしまいが、リバウンドしている。だからワクチン接種を目を色を変えて急がせている。加えて、不思議で仕方ないのだが、リバウンドすると病床の逼迫を懸念されるからとあるが、それなら、首都圏の首長は病床の増加に何故取組まないのだろうか。日本の比ではないほどにコロナ感染者と死者をだす欧米各国から病床が緊迫している等を新聞や報道で見たことがない。それでいて、日本のコロナワクチンはまずもって医者を最優先としている。報道を読むと、欧米のコロナワクチン接種は死亡率の高い高齢者優先とあるが、日本は医者優先でしかもその対象数は報道される度に増加する不思議な国日本。常に政府の対応が遅い遅いと指摘される度に菅総理は平謝りで、欧米各国を見習え、と報道するるメデイアは、なぜこのような矛盾を指摘しないのだろう。
何となく妄想してしまうが、コロナ禍は太平洋戦争以来の国家の危機と言われる戦争だという割には、米国のように国家のベクトルを合理的に一つに纏める力はなく、国民の大多数は非常事態宣言を情緒的に受け入れ、政権の悪口を言っておれば何となく過ぎる。なんかぁ不思議だなと思う。
ところで、福岡県の「
新型コロナウイルス感染症の緊急事態措置の解除とその後の対応について」は非常に分かりやすい。でも、飲食店からコロナ感染はイメージ的にはそうかなと思えど、定量的に把握されていなので、そこを責めるのは無理があるようにも思える。
とは言っても、
次のピークの波はいつ来るのかに、面白い指摘もある。
●次のピークはいつになるか、日本の場合ですが、昨年来の過去3回のピークの周期性から見ますと、1月上旬のピークから計算して次のピークは6~7月初旬あたりではないかと考えるのが自然ですよね。つまりオリンピック直前です。しかし夏場は感染者数の割に重症者が増えないので医療崩壊にはなりませんでした。冬場は空気が乾燥していて粒子が細かくなるので肺に病原体が到達しやすく、重症化しやすい説は呼吸器の専門医の中では常識だと聞きました。
●コロナは勝手に感染拡大して勝手に収束する。蔓延期のロックダウンは家庭内感染を爆発させてピークを早める効果しかありません。少なくとも欧米よりかかりやすい人の比率が数十分の1の日本では今後もそうなるでしょう。