「広島入団会見の黒田投手」
16日、MLBから広島に復帰した黒田投手の入団会見が行われた。さすが、広島の地元民放4局すべてが会見模様を放送し、“黒田一色”に染まったらしい。
広島のエースとして11年間で通算103勝を挙げ、07年にメジャーリーグに挑戦。昨年までヤンキースのエースとして活躍していたので黒田が投げるヤンキースの殆ど試合をTV観戦した。
MLBには複数の優秀な日本人投手が大活躍しているが、その安定性からいえば黒田投手が圧倒的に信頼されている。高額契約金を蹴って1/5の広島に入団する心意気を聞きたかった。
広島入団会見で、一語一語をかみしめて率直な思いを話す、黒田投手の入団会見の全記録の中から、これは言う言葉を抜き取ってみた。
(いろんな分野で活躍する日本の有名選手が、楽しくプレー出来たらとか、自分のプレーが出来ればとか発言するのを聞くが、黒田投手からは苦しかったの一言)
-- 気持ちの変化は
「実際、広島に来る日まで、色々もやもやした気持ちもありました。自分の決断は正しかったのかと考えることもありました。
広島に来てファンの人、色んな声を聞いてこれでよかったかなとそういう気持ちです」
-- 復帰の理由は
「色々考えないといけないことはたくさんありましたけど、最後はファンの人たちというか、球団の熱意もありましたけど、
2006年ですかね最初にFA権を取得したときに ファンの人たにち心を動かしてもらったので、
今度は自分がファンの人たちの気持ちを動かせればという気持ちが一番大きかったです」
-- 2008年からメジャー7年間を振り返って
黒田「
一言で言うと苦しかったです」
-- 苦しいというのは具体的には
「
野球をやる以上は日本でやろうが、アメリカでやろうがマウンドに上がるということは大変な事です。言葉も分からない中で、
シーズン162試合戦い抜く中で、体力的にも含めて、挑戦した以上はそれなりの結果を残さなければいけないと、勝手にプレッシャーをかけて、
7年間プレーしたつもりです。そういう意味では楽しいというよりは、苦しい方が多かったと思います」
-- 一番印象に残っている出来事は
「去年のヤンキースタジアムの最終戦。それがメジャーでの最後の登板になったんですけど、ジーターのヤンキースタジアム最終戦でしたし、
自分の中でも何か来年どうなるか分からない中での最終登板でしたので、印象に残っています」
-- 技術的な部分は
「技術的な部分はアジャストしながら、少しずつ自分のスタイルを築いていけたと思います。アジャストする力は7年間で身に付いたところだと思います。
メンタル面だとヤンキース、ドジャース大きいチームの中で、ローテーションで投げ続けることができたことは、苦しみながらもある程度やれたという気持ちはあります」
-- 今年しかないと結論を下したのは
「それを判断するのはなかなか難しいんですけど、年齢的な部分もそうですし、毎年メジャーではローテーションを投げていた中で、そこを大事にしたいなという部分があった。
果たして40歳になってメジャーのハードなスケジュールの中で、チームの期待に応えられるかなとか、色々考えました」
-- 黒田投手にとってカープとは
「最初にメジャー挑戦したときから。もしくは日本に帰ることがあれば、カープに帰ってきたいと思っていました。
そういうことを口には言っていましたけど、気持ちがぶれないためにもメジャーで結果を出し続けたい。
それが、
今考えると自分の中でのモチベーションになっていたと思います。それくらいの気持ちにさせてくれるチームだと思いますし、
今回僕と一緒に出て行った新井がカープに帰ってくる。球団としての懐の大きさというか、度量の大きさをまた改めて感じました。多少なりともカープに復帰する1つの要因になった」
-- 野球人生のなかでどういった決断になる
「今まで毎年毎年、1年契約で悩みながら進路を決めてきましたけど、今回ほどたくさん悩んだことはなかった。
実際、自分自身もどうしていいか分からなくなっていた部分があったので、僕自身これが最後の決断だと思って、決断しました」
-- 明日からチームに合流するが、期待と不安どちらが大きい
「
不安しかない」
-- カープファンに向けてメッセージを
「8年ぶりに広島に帰ってきてどこまでできるか本当に現時点では分からないですけど、マウンドに上がる気持ちは何歳になっても変わらないと思います。
勝ちたいという気持ちも変わらないです。そういう気持ちを常にマウンドで出していければいいと思います。たくさんの人に見てもらえたらいいです」
当ブログでも、ヤンキース時代の黒田投手を
いぶし銀の黒田投手として、登板した際の印象を少しだが取り上げてきた。
感情を表に出さず黙々と投げ続ける黒田投手は、まさに堂々たるマウンド度胸で、黒田がマウンドに立つと安心感が先に立つ不思議な感覚がTVから伝わってきた。
相手強打者を打たせて取るピッチングは安心して試合経過を追える。こんな印象をヤンキース時代の黒田投手に私はもっている。
昨年、最後まで阪神、巨人と覇権を争い続け広島カープだが、最近テレビでカープの活躍や高いビジネスマネージメントが高く評価されている。
阪神とは明らかに異なるファン層が占める広島に黒田投手が復帰して良かった。今年は応援する球団が増えた事は確かだ。