NHKのBSは良い番組を放送するので楽しみにしている。
先日、再放送だということだったが、「中国王朝 よみがえる伝説「悪女たちの真実」」を放送していた。で、西太后、楊貴妃、始皇帝の母・趙姫という三人の「悪女」をとりあげた番組。NHKの案内では、「この数年、国土の開発が進む中国では、工事現場から古代遺跡が発掘されるなど、歴史の新発見が相次いでいます。「中国王朝 よみがえる伝説」は最新の発見を取材し、中国史上の著名人物の実像を探ろうというシリーズです。4000年に及ぶ中国王朝史を見渡したとき気づかされるのは、活躍した人物が男性ばかりであること。権力を握った女性はごくわずか。しかもほとんどが「悪女」というレッテルを貼られています。彼女たちは、本当に「悪女」なのか?何故「悪女」と呼ばれたのか?第一集では、残虐さや強い権力欲を嫌悪されてきた、西太后の素顔に迫ります」とある。
以前、NHKの田中裕子主演「蒼穹の昴」と言う番組では、西太后を中心した当時の紫禁城の政権の動きを放送していたが、欠かさずみた。また、だいぶ前の番組だがBSフジの「宮廷の諍い女」も実に面白かった。「宮廷の諍い女」は清の第5代皇帝・雍正帝時代、そこの後宮、皇帝の寵愛を巡る側室達の争いが主題で、後宮で暮らす側室達の葛藤など、煌びやかに着飾った女が後宮側室の妨害に苦しみながらも上位と登りつめて行く物語だが、「蒼穹の昴」と言い、「宮廷の諍い女」と言い、当時の江戸末期から明治期の平等に貧しかった日本に比べ、少数民族が当時世界最大の大国家を運営し富を独占すると言う、中央集権化が極端に進んだ清国と言う国は何という国家かと目を皿にしてみたことを覚えている。
「西太后:NHK」
3年ほど前、田所竹彦著「近代中国 七人の猛女たち」を読んだことがある。中国女性の美しさへの追及と逞しさはどこから来るのか知りたくて読んだ。七人の猛女たちとは、西太后から共産党の江青までの近代中国に足跡を残した七人の女性を取り上げている。その巻頭にあるのが西太后だった。この本では、西太后をこう解説している。「美しく、穏やかな風貌で、40才(実際は68才)位にみえた。ひたいは広く、目元涼しく、口や鼻は整っていて、あごはふくよか。耳は平らで形よく、歯並びも綺麗だった」「肥ってもやせてもいず、白い皮膚にはシミ一つなかった」。そして、この美貌を維持するための美容法や食事がすごかった。しかし、西太后は清朝以来の典故や歴代皇帝の言行録、主な宮廷文書への知識は抜群で記憶力も優れていた。冷静で緻密を極めたその一挙手一投足は、他の妃はとても及ばなかった。このような人物が後宮の側室として皇帝の話し相手に成っていくのだが、皇帝の寵愛を受ければ受けるほど、皇帝亡き後の処遇に厳しいものがあった。生きるか死ぬかである。現代では清国を亡国に導いたとする否定的な評価も多いが、西太后は頭の回転は並はずれて素早く、行動はおおむね果断で、当時の最大国家清国の最高責任者としての威厳を終始失うことはなく、むしろ欧州列国や日本等列強の植民地化から清国を守ったとする評価もある。今回NHKで放送された、「悪女たちの真実」に描かれた西太后の素顔とは概ね一致していた。
このように怒涛の時代を生き延びた西太后の歴史の挙動をみると、民族間の殺戮を繰り返すことで国家を成り立たせてきた中国の歴史の中で、国家のリーダーとしての壮絶な女達の戦いの歴史だったと感じられるが、それにして何で中華の國の歴史はこんなに面白いんだろう。
**ところで、今日(29日)、またもや、北朝鮮が暴挙にでた。
「北朝鮮は29日早朝、同国西岸から弾道ミサイル1発を発射した。ミサイルは日本上空を通過し、北海道襟裳岬の東方約1180キロの太平洋上に落下した。事前通告なく日本を飛び越える打ち方をしたことで、北朝鮮を巡る緊張は一段と高まった」と報道されている。日本の上空を通過して太平洋に落下したとなると、日本政府の「遺憾」の口先苦情だけでは済まないような事態まで考えなければいけなくなる。こちらの金王朝は可愛げが全くなく白けてしまう。
先日、再放送だということだったが、「中国王朝 よみがえる伝説「悪女たちの真実」」を放送していた。で、西太后、楊貴妃、始皇帝の母・趙姫という三人の「悪女」をとりあげた番組。NHKの案内では、「この数年、国土の開発が進む中国では、工事現場から古代遺跡が発掘されるなど、歴史の新発見が相次いでいます。「中国王朝 よみがえる伝説」は最新の発見を取材し、中国史上の著名人物の実像を探ろうというシリーズです。4000年に及ぶ中国王朝史を見渡したとき気づかされるのは、活躍した人物が男性ばかりであること。権力を握った女性はごくわずか。しかもほとんどが「悪女」というレッテルを貼られています。彼女たちは、本当に「悪女」なのか?何故「悪女」と呼ばれたのか?第一集では、残虐さや強い権力欲を嫌悪されてきた、西太后の素顔に迫ります」とある。
以前、NHKの田中裕子主演「蒼穹の昴」と言う番組では、西太后を中心した当時の紫禁城の政権の動きを放送していたが、欠かさずみた。また、だいぶ前の番組だがBSフジの「宮廷の諍い女」も実に面白かった。「宮廷の諍い女」は清の第5代皇帝・雍正帝時代、そこの後宮、皇帝の寵愛を巡る側室達の争いが主題で、後宮で暮らす側室達の葛藤など、煌びやかに着飾った女が後宮側室の妨害に苦しみながらも上位と登りつめて行く物語だが、「蒼穹の昴」と言い、「宮廷の諍い女」と言い、当時の江戸末期から明治期の平等に貧しかった日本に比べ、少数民族が当時世界最大の大国家を運営し富を独占すると言う、中央集権化が極端に進んだ清国と言う国は何という国家かと目を皿にしてみたことを覚えている。
「西太后:NHK」
3年ほど前、田所竹彦著「近代中国 七人の猛女たち」を読んだことがある。中国女性の美しさへの追及と逞しさはどこから来るのか知りたくて読んだ。七人の猛女たちとは、西太后から共産党の江青までの近代中国に足跡を残した七人の女性を取り上げている。その巻頭にあるのが西太后だった。この本では、西太后をこう解説している。「美しく、穏やかな風貌で、40才(実際は68才)位にみえた。ひたいは広く、目元涼しく、口や鼻は整っていて、あごはふくよか。耳は平らで形よく、歯並びも綺麗だった」「肥ってもやせてもいず、白い皮膚にはシミ一つなかった」。そして、この美貌を維持するための美容法や食事がすごかった。しかし、西太后は清朝以来の典故や歴代皇帝の言行録、主な宮廷文書への知識は抜群で記憶力も優れていた。冷静で緻密を極めたその一挙手一投足は、他の妃はとても及ばなかった。このような人物が後宮の側室として皇帝の話し相手に成っていくのだが、皇帝の寵愛を受ければ受けるほど、皇帝亡き後の処遇に厳しいものがあった。生きるか死ぬかである。現代では清国を亡国に導いたとする否定的な評価も多いが、西太后は頭の回転は並はずれて素早く、行動はおおむね果断で、当時の最大国家清国の最高責任者としての威厳を終始失うことはなく、むしろ欧州列国や日本等列強の植民地化から清国を守ったとする評価もある。今回NHKで放送された、「悪女たちの真実」に描かれた西太后の素顔とは概ね一致していた。
このように怒涛の時代を生き延びた西太后の歴史の挙動をみると、民族間の殺戮を繰り返すことで国家を成り立たせてきた中国の歴史の中で、国家のリーダーとしての壮絶な女達の戦いの歴史だったと感じられるが、それにして何で中華の國の歴史はこんなに面白いんだろう。
**ところで、今日(29日)、またもや、北朝鮮が暴挙にでた。
「北朝鮮は29日早朝、同国西岸から弾道ミサイル1発を発射した。ミサイルは日本上空を通過し、北海道襟裳岬の東方約1180キロの太平洋上に落下した。事前通告なく日本を飛び越える打ち方をしたことで、北朝鮮を巡る緊張は一段と高まった」と報道されている。日本の上空を通過して太平洋に落下したとなると、日本政府の「遺憾」の口先苦情だけでは済まないような事態まで考えなければいけなくなる。こちらの金王朝は可愛げが全くなく白けてしまう。