「艦載機離発着の中国空母」
【北京共同】「中国国営通信新華社と国営中央テレビは25日、中国海軍初の空母「遼寧」で艦載機「殲15」が着艦試験に成功したと伝えた。
新華社電によると、海軍は「空母と艦載機の性能は良好で、設計上の要求を全て満たした」とコメント。
★今回、中国海軍が実施した空母への離陸と着艦を同時に成功させたことで、中国空母が予想よりかなり早いスピードで開発を進められており、
10年以上かかるとされる空母群の実践配備がかなり早く実現する可能性があるものと報道されている。
第二次世界大戦当時、日本も数隻の空母を保有していたが、今まで空母を持っていなかった中国が海洋国家を目指すのであれば、空母を保有するのは不自然な事ではない。
10数年以上前から中国の空母保有は予想されたことであり、「経済発展には貿易が必要、貿易には商船隊が必要、商船隊には海軍が必要」が中国海洋進出思想だ。
つまり経済発展のためのシーレーン確保は必然的に必要となってくる。
問題は中国空母が当面の日本国防の脅威になり得るかということだが、「海国防衛ジャーナル」を読むと状況が分かり易い。
「中国空母が地域の軍事バランスを劇的に変えたり、明日いきなりゲーム・チェンジャーになるようなことはありません。」
「一隻では常時稼働状態に置けません。地域周辺国にとって政治的・戦略的意味合いは少なくないかもしれませんが、
大規模なミサイル・システムや対潜戦(ASW)能力、早期警戒管制機(AWACS)を備えておらず、米原子力空母に歯が立たないのは言うまでもありません。
優秀な潜水艦を擁する我が国にとっても、1隻の空母を脅威に感じる必要はありません」
「固定翼・回転翼機による艦載機群が最低限の戦闘能力を獲得するまでにはさらに数年はかかるでしょう。」
として、当面は怯えず、みくびらずで、静観した方が良いとの見解だ。
★一方、経済大国になった中国と領土問題で争っている日本が、戦争する可能性は現時点では全くないようだが、本当にそうだろうか。
「戦争なんか起こるわけがない」と決め付けて、「まさか」と思うような不合理な行動も相手は敢えて行うかもしれないし、ただの脅しだと思っていたら、実は本気だった、
と言うような事例は日本と米国の戦争や英国とアルゼンチンとのフォークランド紛争など、合理性がなくとも戦争は歴史上発生してきた。
我々は戦争などしたくないし、戦争をするくらいなら、誰も住んでいない遠い小島などいらないと宣言すれば、それで未来永劫日本が平和で占領されずに済むだろうか。
平和を守るには兵力がいるし国民の覚悟も必要。そのための国の外交優先が必須だとわかるが、相手が敵対的なら戦争は起こりうる。
「戦争に発展しない」ために冷静な危機感が必要だと言う考えには賛成で、そのための防衛力整備は必要だと思う。
★やはり、日米同盟保持は必要だろう。
日本防衛費用という観点から日米同盟をみた「コストを試算! 日米同盟解体」は参考になる。
「在日米軍の機能を代替する直接経費だけで年間4兆2000億円だが、経済的な間接経費が20兆円にのぼると推定している。
後者は日米同盟を破棄するとアメリカに敵性国家とみなされ、貿易や投資が途絶するという想定にもとづいており、それを日米同盟の機会費用と考えるべきかどうかは疑問だろう。
しかし直接経費だけでも現在の在日米軍関係費4300億円の約10倍であり、しかもアメリカの核の傘を失う。
独自に核武装するコストは、イギリスの例では年間3000億円程度だが、自衛隊の抑止力は米軍よりはるかに劣る。
核弾頭をつくることはむずかしくないが、それを搭載した兵器を開発するには3~5年かかるという。
日米同盟を解体して自主防衛する直接経費は不可能な額ではないが、現在の抑止力を維持できないので日米同盟は費用対効果が高い、というものだ。
したがって当面は同盟の維持が経済的だが、それが独立国として望ましいかどうかは別の問題である。
核戦争になった場合に、アメリカが自国が報復されるリスクをおかして日本を守ってくれる保証はない。」
今、ユン・チアン著の「誰も知らなかった毛沢東」を読んでいるが、中国共産党の権力闘争たるや凄まじい。
公文書、毛沢東と接触した数百人もの中国国内外の人々へのインタビュー、関係各地の調査多くの参考文献や関係者とのインタビューを通じて纏められた、
この本「マオ」は、毛沢東と中国共産党の軌跡を読むうえで非常に面白い。しかし権力闘争の過程で中国国民7000万以上の犠牲者が出したことや、
毛沢東が核兵器による超大国化を達成するためなら中国人民の半分が死ぬことも求めていたと主張している等、今なお、その思想を持つ政権であることを考え併せると、
中国の行動志向を注視しておく必要性を改めて感じさせるものだ。
「誰も知らなかった毛沢東」を読みながら、艦載機離発着に成功した中国空母報道を目にすると嫌でも東アジア動向が気になってくる。
【北京共同】「中国国営通信新華社と国営中央テレビは25日、中国海軍初の空母「遼寧」で艦載機「殲15」が着艦試験に成功したと伝えた。
新華社電によると、海軍は「空母と艦載機の性能は良好で、設計上の要求を全て満たした」とコメント。
★今回、中国海軍が実施した空母への離陸と着艦を同時に成功させたことで、中国空母が予想よりかなり早いスピードで開発を進められており、
10年以上かかるとされる空母群の実践配備がかなり早く実現する可能性があるものと報道されている。
第二次世界大戦当時、日本も数隻の空母を保有していたが、今まで空母を持っていなかった中国が海洋国家を目指すのであれば、空母を保有するのは不自然な事ではない。
10数年以上前から中国の空母保有は予想されたことであり、「経済発展には貿易が必要、貿易には商船隊が必要、商船隊には海軍が必要」が中国海洋進出思想だ。
つまり経済発展のためのシーレーン確保は必然的に必要となってくる。
問題は中国空母が当面の日本国防の脅威になり得るかということだが、「海国防衛ジャーナル」を読むと状況が分かり易い。
「中国空母が地域の軍事バランスを劇的に変えたり、明日いきなりゲーム・チェンジャーになるようなことはありません。」
「一隻では常時稼働状態に置けません。地域周辺国にとって政治的・戦略的意味合いは少なくないかもしれませんが、
大規模なミサイル・システムや対潜戦(ASW)能力、早期警戒管制機(AWACS)を備えておらず、米原子力空母に歯が立たないのは言うまでもありません。
優秀な潜水艦を擁する我が国にとっても、1隻の空母を脅威に感じる必要はありません」
「固定翼・回転翼機による艦載機群が最低限の戦闘能力を獲得するまでにはさらに数年はかかるでしょう。」
として、当面は怯えず、みくびらずで、静観した方が良いとの見解だ。
★一方、経済大国になった中国と領土問題で争っている日本が、戦争する可能性は現時点では全くないようだが、本当にそうだろうか。
「戦争なんか起こるわけがない」と決め付けて、「まさか」と思うような不合理な行動も相手は敢えて行うかもしれないし、ただの脅しだと思っていたら、実は本気だった、
と言うような事例は日本と米国の戦争や英国とアルゼンチンとのフォークランド紛争など、合理性がなくとも戦争は歴史上発生してきた。
我々は戦争などしたくないし、戦争をするくらいなら、誰も住んでいない遠い小島などいらないと宣言すれば、それで未来永劫日本が平和で占領されずに済むだろうか。
平和を守るには兵力がいるし国民の覚悟も必要。そのための国の外交優先が必須だとわかるが、相手が敵対的なら戦争は起こりうる。
「戦争に発展しない」ために冷静な危機感が必要だと言う考えには賛成で、そのための防衛力整備は必要だと思う。
★やはり、日米同盟保持は必要だろう。
日本防衛費用という観点から日米同盟をみた「コストを試算! 日米同盟解体」は参考になる。
「在日米軍の機能を代替する直接経費だけで年間4兆2000億円だが、経済的な間接経費が20兆円にのぼると推定している。
後者は日米同盟を破棄するとアメリカに敵性国家とみなされ、貿易や投資が途絶するという想定にもとづいており、それを日米同盟の機会費用と考えるべきかどうかは疑問だろう。
しかし直接経費だけでも現在の在日米軍関係費4300億円の約10倍であり、しかもアメリカの核の傘を失う。
独自に核武装するコストは、イギリスの例では年間3000億円程度だが、自衛隊の抑止力は米軍よりはるかに劣る。
核弾頭をつくることはむずかしくないが、それを搭載した兵器を開発するには3~5年かかるという。
日米同盟を解体して自主防衛する直接経費は不可能な額ではないが、現在の抑止力を維持できないので日米同盟は費用対効果が高い、というものだ。
したがって当面は同盟の維持が経済的だが、それが独立国として望ましいかどうかは別の問題である。
核戦争になった場合に、アメリカが自国が報復されるリスクをおかして日本を守ってくれる保証はない。」
今、ユン・チアン著の「誰も知らなかった毛沢東」を読んでいるが、中国共産党の権力闘争たるや凄まじい。
公文書、毛沢東と接触した数百人もの中国国内外の人々へのインタビュー、関係各地の調査多くの参考文献や関係者とのインタビューを通じて纏められた、
この本「マオ」は、毛沢東と中国共産党の軌跡を読むうえで非常に面白い。しかし権力闘争の過程で中国国民7000万以上の犠牲者が出したことや、
毛沢東が核兵器による超大国化を達成するためなら中国人民の半分が死ぬことも求めていたと主張している等、今なお、その思想を持つ政権であることを考え併せると、
中国の行動志向を注視しておく必要性を改めて感じさせるものだ。
「誰も知らなかった毛沢東」を読みながら、艦載機離発着に成功した中国空母報道を目にすると嫌でも東アジア動向が気になってくる。