しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

陸軍の軍用馬・軍用犬・軍用鳩

2020年09月18日 | 盧溝橋事件と歩兵10連隊(台児荘~漢口)
「帝国陸軍 戦場の衣食住」 学習研究社 2002年発行 より転記


日本陸軍①軍馬

日本陸軍の軍馬に対する依存度は大きなものだった。
馬を利用した戦闘兵科は、
騎兵、砲兵、輜重(しちょう)兵に代表される。

後方支援では兵站が中心、食糧・弾薬・資材の運搬に従事した。



帝国陸軍②軍用犬

日本陸軍で利用された軍用動物といえば馬が一番だが、それ以外に軍用犬や軍用鳩が存在した。
犬は人間の感情を理解し、言葉を聞き分ける能力があることから、各国の軍隊で伝令、捜索、警戒、補給といった重要な任務に利用していた。

日本陸軍では軍用犬の任務を、
警備任務の「警戒犬」
伝令任務の「伝令犬」
荷物運搬の「運搬犬」
医療任務の「衛生犬」
の四種に分けて運用した。

犬の種類はシェパード、ドーベルマン、エアーデル・テイアの三種類が中心である。

犬の条件は、
体格が50~70cm
年齢は2~6歳
性別は、極力雌犬
を選ぶようにしている。

日本陸軍では1931年の満州事変以降本格化し、
警戒犬は広範囲の守備地域を持つ人員不足の守備隊などで多用された。
伝令犬、運搬犬ももた通信部隊の補助任務と弾薬補給を行い、負傷者の捜索や救出、医療品輸送の衛生犬も活躍している。

軍用犬の運用は、軍犬兵一名と軍用犬一匹が常時ペアを組んで行動する。


帝国陸軍③軍鳩

鳩は、生まれつきもっている帰巣本能を利用することで、太古の昔より広く通信に用いられてきた。
大正8年急遽、鳩通信班が編成され、シベリアに派遣された。

固定鳩は、
発信する地点まで携行して通信文を持たせ、鳩舎へ帰還させる。通信能力300km。

移動鳩は、
着信地を固定せず、鳩舎を移動する方式で、司令部等の移動に合わせて鳩を鳩を適宜訓練しつつ通信を行う。通信能力40km。

往復鳩は、
生活用の棲息鳩舎と食事用の鳩舎を鳩が往復するのを利用して通信文を持たせる。通信能力30km。

夜鳩
性能優秀な鳩を夜間訓練し、夜間通信専門に用いる。夜鳩(やばと)と呼称した。通信能力5km。


戦争末期は電波妨害を受けないことから多用された。


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