股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

衝撃吸収力低下の原因

2008-12-11 04:29:28 | 筋肉の話
股関節を守っている股関節周囲筋の筋力が股関節にかかる衝撃を吸収しています。

皆さんが脚を地面に着くと同時に、股関節周りの20本以上の筋肉は一斉に収縮します。
これは反射ですので、無意識に行われます。


股関節周囲筋の筋力が発揮できなくなったときに、股関節にかかる衝撃はダイレクトに骨や軟骨にかかります。
筋肉が衝撃を吸収できなくなるからです。


股関節にかかる衝撃を筋肉が吸収できなくなる原因は一般的に言われている筋力低下ではありません。
ですから、解決策の第一歩は筋力トレーニングではありません。


筋肉がやせる筋力低下よりも厄介な筋力低下現象があるのです。



それが、筋肉の病気(筋・筋膜症候群)なんです。



もちろん、レントゲン写真には写りません。
足の太さを計っても、そこには現れません。


強めの触診だけが、この病気を発見できる方法です。


以前、筋・筋膜症候群で握力が低下した患者さんがいました。
この患者さんの握力は10kgでした。

筋・筋膜症候群を施術した2週間後の握力は55kgでした。
この患者さんは、別に筋力トレーニングをしたわけではありません。

この方の場合、通常の握力の20%以下まで握力(筋力)が低下していたことになります。


筋肉の病気による筋力低下は、低下率が高いのです!


使わないことによる(足をかばうことによる)筋力低下とは別の筋力低下です。
いくら痛くて脚をかばったとしても、使わないことによる筋力低下では20%以下まで筋力が低下するということは考えられません。


同じ“筋力低下”と表現できますが、原因が全く異なるのです。


この事実は、なかなか理解してもらえません。
教科書にもほとんど出ていません。

筋・筋膜症候群については、滋賀医科大学教授 横田敏勝先生の『臨床医のための 痛みのメカニズム』(南江堂 1990)68ページ~71ページにかけて詳しく説明されています。


筋・筋膜症候群は、痛み・圧痛・しこり・関連痛という主症状のほかに、足が冷たくなる・足がつるといった症状がみられますが、筋力が低下するという記載はほとんど見られません。


しかし、筋肉の病気ですので、筋力は確実に低下します。



この2種類の筋力低下の違いをご理解いただきたいと思います。


股関節を長持ちさせるためには衝撃吸収力を高めればいいのですが、では、その衝撃吸収力を高めるにはどうすればいいのかが見えてくると思います。



手術をしている方、手術をしていない方、皆さんに共通した考え方です。





変形性股関節症を怖がらないでね