股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

腰骨の内側ちょ腸腰筋

2007-04-16 21:32:04 | 股関節の基礎
大阪です。
今回は近畿全県と名古屋から多くの方に来ていただいています。
新しい出会いがいっぱいありました。
柿の葉スシ、おたべをお食べになりました。
ありがとうございました。
明日、夜まで施術して新幹線で帰ります。
すみません、地震には気づきませんでした・・・鈍感。


股関節を曲げる大腰筋と腸骨筋を合わせて腸腰筋と言います。
つまり、腸腰筋=大腰筋+腸骨筋です。
いろいろな本が出版されていますが、『大腰筋』を使っている本と『腸腰筋』を使っている本があります。ほとんど同じ筋肉のことを言っているんですよ。
一般的には腸腰筋という場合のほうがはるかに多いと思います。

大腰筋は腰の内臓側(お腹の深いところで内臓の裏)から出発して大腿骨の小転子にくっ付きます。大転子が大腿骨の外側にあるのに対して、小転子は大腿骨の内側にあります。この筋肉が病気になると、ソケイ部やももの痛みが出るばかりではなく、出発点である腰の痛みが出ます。
変形性股関節症患者さんに多い腰のトラブル(腰痛や腰椎すべり症)の原因となっているかもしれません。
一方の腸骨筋は腰骨の内側から出発して大腿骨の小転子にくっ付きます。
この筋肉が病気になるとやはりソケイ部やももに痛みが出るようです。

厄介なことにこの腸腰筋は股関節の真上を通って小転子にくっ付きますので、病気になるといかにも股関節から痛みが出ているように感じてしまいます。
この筋肉に激痛が出たとき、多くの患者さんは『いよいよ骨が悪くなってしまったか・・・』とか『骨がつぶれたんではないか・・・』と考えてしまうようです。
その確率は非常に、ひっじょう~に少ないんですよ。

この筋肉が病気になると、ソケイ部周辺に痛みが出るのですが他にも2つの問題が発生します。

1、ももが上がりにくくなる。
ももを上げる腸腰筋が病気になり、筋力が出せなくなるからです。
2、股関節の曲がる角度が悪くなる。
股関節を曲げたとき、股関節の真上を通る腸腰筋にコリがあると、股関節の前側につっかえる感じが出るのです。事実、腸腰筋のコリが邪魔して股関節の曲がりを阻害します。

1、も2、も同じことを言っているように思えますが、1、は自分の意思で起こす筋力の問題、2、は先生に曲げられたとき(自分は力を抜いていて)にも感じる関節可動域障害のことです。

急にももの上がりが悪くなった場合や、急に股関節の曲がりが悪くなった場合は腸腰筋の病気を疑いましょう。
ももが上がらなくなったからももを上げる運動をしよう・・・という考え方は間違いの可能性が高いのです。
病気の腸腰筋を鍛えてしまったら・・・腸腰筋ちゃんかわいそう。

このことはプロの治療者の方にも良く考えていただきたいことです。

例えば2、の股関節の曲がりが悪くなったとき。
股関節周辺を温めてから、股関節を曲げる・・・という方法では関節可動域の改善は少ないです。
温める必要もなく、力まかせに曲げる必要もありません。
腸腰筋をほぐしてあげるだけで、股関節前のつっかえが取れて股関節の曲がりが良くなる人が実に多いです。
患者さんによっては、いきなり30度以上可動域が改善する方もいます。

一般的に、股関節の曲がりが悪いときは腸腰筋の逆の働きをする筋肉(拮抗筋:きっこうきんと言います)である大殿筋の短縮が原因であると考えがちですが、実は腸腰筋自身に問題がある場合が多いのです。

皆さんが腸腰筋をほぐすのであれば、内臓の裏は難しいので、腰骨の内側を押してあげるといいですよ。
腰骨から恥骨までの間の、一見下腹部を親指や手のひらや電気マッサージャーでね。
それをしっかりやって、痛みが楽になってきたらもも上げのトレーニングをすればいいんですね。
もも上げはダイエットにも効果があるようですしね。

問題です。

     腸腰筋=(   )+(   )


変形性股関節症を怖がらないでね