くらげほのぼの日和

もうすこし更新がんばります!

特別ドラマ「霧の火~樺太・真岡郵便局に散った9人の乙女たち」

2009年04月07日 23時47分19秒 |  -映画・DVD
この作品をみて真岡事件のこともはじめて知りました。
こういうドラマをみるたびに知らないことが多い、戦後世代の自分をなんか責めたくなります。

真岡事件とは、1945年8月20日、日本領だった樺太の真岡町(現・ホルムスク)で起きた事件です。
15日に終戦になっているのに、ソ連軍が不法に南樺太に20日に侵攻しておりた、その際に真岡郵便局の電話交換手のうち9人が「皆さんこれが最後です。さようなら、さようなら」という別れの言葉を本土の局に送った後、次々に青酸カリを飲んで集団自決しました。
ソ連兵の暴行を恐れ、自決したのではないかと推測されているが、電話交換手以外の局員や、この日、勤務に就いていなかった電話交換手に、自殺者はいないということで、非常時の集団心理の怖さも反映されている気がします。

このとき、電話交換業務は別館2階で行われていおり、ソ連軍艦からの艦砲射撃が始まると、真岡郵便局内も被弾するようになり、別館2階に女性のみが孤立することになったというのも客観的な判断ができなくなっていた理由なのかもしれません。
実際に、本館では、被弾を恐れた女性達は、奥の押入れに隠れていたが、ソ連兵が現われ、被弾の恐れも無くなり、金品の略奪はあったが、被弾することも陵辱されることも無かったということです。
なので、ほんとにもう少し冷静に判断できていたらこれほどまでに被害はでなかったのかもしれません。
だけど、ドラマのはなしだけど、あの集団自殺の場面の鬼気迫るものや、それまでの教育、雰囲気から、何が冷静な判断で、どれが正しい選択で、どうしたら最良の謙菽任覆里・覆鵑・茲瓩譴覆い任垢茲諭が個人の判断なんか弱くて、教育とか空気とか時代とかそういうので簡単にわからなくなってしまう、こわいなと感じます。

ドラマは、福田麻由子が主人公で、自決せず生き残ったという設定です。
福田麻由子、おとなになったねぇ・・・・・でもまだあどけなさが残るんです。
それが、この時代のまだ子供なのに一人前以上に働いて、一人前以上に国を背負っていた役柄にマッチしています。
ドラマでは、生き残った中村瑞枝(福田麻由子)が、戦後の混乱で長男・陽一を育てられず、手放したことを責め続けるながらも、陽一の死後、孫娘・井上愛子(香里奈)を捜し出し、自分の半生を口述筆記してもらう……。
という設定になっており、孫娘を香里奈が演じているんだけど、香里奈と福田麻由子の対比が、この時代と今の時代の対比をも表しているようです。
沖縄のひめゆりの塔の話は、よくドラマ化や映画化とかされていたりますが、この話したドラマ化されたのははじめてということです。