イワン・アサノヴィッチの一日  畑と映画の好きな卒サラ男。

政官業癒着体質の某公共事業職場を定年退職。鞍馬天狗・鉄腕アトムの人類愛に未だに影響を受けっ放し。孫には目がない。(笑い)

”カリスマ”市長、敗れる

2011-01-19 00:55:33 | 国際・政治

 住民投票で市長を解職された鹿児島県阿久根市の出直し市長選で、再選を目指した前職の竹原信一氏(51歳)が16日の投開票で敗れました。

前市長の竹原信一氏は議会に諮らず市長専決処分を幾度も繰り返し、議会と対立していました。

敗れた竹原信一氏は敗戦の弁で『職員組合に負けた』と語りました。竹原信一氏らしい言葉だと思いました。
 

 朝日新聞(H23年1月5日付け、5面政治欄)で長谷部・杉田両教授の対談は示唆に富んだ内容でした。即ち国内政治の流れにカリスマ指導者とポピュリズム(民衆主義≠民主主義)の台頭が顕著になって来ていると言うものです。

対談では小泉純一朗氏が『自民党をぶっ壊す』と言って直接国民に向かって街頭演説しカリスマ的な首相に登り詰め、総選挙では劇場型の選挙戦を展開し「刺客」だ「くのいち」だと言ってポピュリズムの波に乗って大勝しました。

同じような政治的傾向は名古屋市や阿久根市の首長選挙でも観られるようになりました。これら政治的傾向の特徴は、カリスマ指導者と民衆がいれば中間の議会や審議会、役所機構から果てはマスコミさへ不要だとするところにあります。

例えば尖閣諸島衝突問題の国家機密資料が直にインターネットに流失した事件が象徴的に観られます。

 竹原信一氏にとってはこのような職員組合なども中間勢力であり無用・ムダなものという事になる訳です。こんなやり方、いつか何処かで観ましたね。

カリスマ的指導者のヒトラーが中間勢力を排して直接ゲルマン民衆と結びつき、あの忌まわしい全体主義ナチスドイツを作り上げたことを。