イワン・アサノヴィッチの一日  畑と映画の好きな卒サラ男。

政官業癒着体質の某公共事業職場を定年退職。鞍馬天狗・鉄腕アトムの人類愛に未だに影響を受けっ放し。孫には目がない。(笑い)

『市長!と呼ばないで』

2009-03-01 23:44:05 | うんちく・小ネタ

  わが街の市長は昨秋10月に変わった。

「市政の流れを変えよう、市民委員会」選出の小池正孝氏(74歳、割り箸アート作家)が、政治的には全く無名で且つ高齢ながら、三期目を目指した現職を破り見事に当選した。

小池さん自身『現職市長に無投票当選なんかさせたくないと思い立候補したが、まさか私が当選するとは思っていなかった。』と当選後もさばけたことを言っている。『まさかのマサタカです!』などと駄洒落を飛ばしたりしている。

小池正孝氏は温厚でさばさばした方であるが気骨のある人である。幼少のころ5年ほど東京の江戸川区で暮らしたことのあるイワン・アサノヴィッチから見ると”江戸っ子気質”のある人に見える。

小池さんは市長就任式で市職員に向かって『わたしを市長と呼ばずに、小池さんと呼んでくれ』と挨拶した。

『職名で呼び合うと、その時点で上下の関係が決まってしまい、市民のための業務上の対等な議論が出来なくなってしまうから』と、いうのがその理由である。

全くそのとおりである。そもそも地方公務員法では意見が対立した場合、上司の意見が優先されると謳われている。すなわち、黙っていても上司の立場の優位は法律で保証されているのである。

ご承知のとおりサラリーマン世界では勤務時間内は勿論のこと、個人的な飲み会の場でも決して苗字で呼び合うことはない。

正確に言えば、部下が上司の職名を呼ばずに苗字で呼ぶことはない。もし上司を職名で呼ばずに苗字を使用すれば”身の程知らず・上司に反抗的・職場規律を乱す”ぐらいの評価を付けられるのが落ちである。

かかる状況は日本中の官民問わずの職場の実態である。

職場は機能組織である。職名呼びが苗字呼びに変わると職場規律やモラルが崩れ、機能が損なわれると恐れる度量の狭い輩がいまの日本社会を支配している証拠である。

『市長!と呼ばないで』と宣言した小池さんは、そんな日本の社会に風穴を明けようとする画期的なことを始めようとしている。