La douce vie

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フィギュアスケート:高橋大輔選手 引退.5

2014-10-18 | figure skathing、ice show
ちょっと、信じられないくらい長くなってきてしまいましたが、いろいろ思い出すこと、当時は書けなかったな、と思う事もあったし、メディアはほとんど五輪に関することしか書かないだろうし、個人のブログくらい、こんなことしてもいいかな、ということで。
フィギュアスケートのジャッジに対する不信感というのは今に始まったことではありません。スケートに詳しくない頃から、ミシェル・クワンが金を取れなかったのはアジア系だからだと思ったし、スルツカヤが取れなかったのも、開催地がアメリカだったからだと思っていました。


高橋クンの偉業の1つは「大怪我でも夢は諦めなくていい」という実例を見せたことだと思う。

高橋大輔の芸術性と技術について。それは曲想に合った、腕の洗練された動きと首の動きがある。足ではジャッジの要求に応えた正確なエッジさばきをしながら、腕は音楽にエレガントに寄り添う。それは自然なことに見えるが氷の上でスケート靴を履いてみると、普通は腕はバランスを取る必要がある。昔はロシアの選手は手首を動かすことでしか表現していなかった。バランスのためだと思う。しかし、高橋大輔は首をぐるぐる動かしながら、縦横無尽な腕の動きを振付ける。恐らく可動範囲が広いから表現と曲想がしっくりくるのだと思う。卓越した技術があるからこそ可能な音楽解釈と芸術性なのだと思う。

世界選手権を終えて、すっかり引退すると思い込んでいた私。
ただ、翌年は東京ワールドだったんですね。

この年のSPはマンボ。FSはブエノスアイレスの春。今だから言えば、両方共あまり好みではなかった。とにかくマンボは曲が好きじゃなかったので、今でもアンコールで「マンボ」が流れると「お腹いっぱいです」としか思えません。ただ、CaOIのアンコールで魅せたマンボステップだけは、常人じゃない!今でも驚愕してしまう。
ブエノスアイレスは彼の最後にしては暗すぎる、と思った。ただ、失った女性を思う切ないスローパートが本当に美しかった。こういうのって、男子だとあとできるのはステファンくらいかなぁ。
EXは「アメリ」僅差でメダルを逃したステファンが五輪直後に高橋選手に声を掛けたのがきっかけで作られたプログラム。
依頼を受けたステファンの狂喜乱舞ぶりが分かる(笑)高橋選手はもちろんステファンが好きだったし、彼の振付師というキャリアの手助けもしたい、という気持ちもあったと思う。しかし、高橋クンの能力の高さが向こう側にいるステファンがよく見えるプログラムになってしまって、観客が自分の向こうにステファンを感じるのがちょっと精神的につらかったのではないかと思う。

シーズンが開けてみると右肩上がりによくなっていくだろうと思った足の怪我の影響が再発。大変なシーズンとなった。
結局のところ、引退まで、いつどのような影響が出てくるか分からない印象を受けた。
世界選手権前にまさかの変更。ロシアへ。そして、あのFS。高橋選手はソチまでの現役続行表明をする。
この時、トリノ五輪からトリノワールドへのドラマのようにロシアワールドからソチ五輪へのドラマがあるのではないかと頭で思ってしまった。

翌年。デービッド・ウィルソン氏の言葉を借りれば「やっと、やっと、やっと、来てくれた。でも、SPだけだった。」デービッドと高橋選手の初タッグ。
「In The Garden Of Soul」は競技プログラム史に残る名プログラムではないかと思う。
スケート・カナダからNHK杯の短期間の間で同じ作品とは思えないほど、劇的の変わった。オリエンタルな音楽の解釈が研ぎ澄まされた。
そして、尊敬するオリビエに習った研ぎ澄まされたスケーティングで魅せたプログラムはカート・ブラウニング氏が解説を忘れてしまうほどの演技だった。
ただ、この時、小塚選手の「インナー・アージ」も傑作だった。もし、高橋選手と同じNHK杯ではなく、他のGPだったら、このプログラムはもっと注目されたのではないかと思う。

「ブルース・フォー・クルックス」が進化を遂げたのは、GPF。3試合目にして、ブルースがウィスキーのように熟成された。
ブルースで大切な事は腰の位置だという。それを体得した上、そして、彼はクラッシックやタンゴとはまた別の綺麗すぎないけど洒脱な腕の動きとcoolな表情で表現をしてみせた。
この2つのプログラムの成功で「アーティスト・高橋大輔」の世界的評価は大げさに言えば前人未到の域に達したと思う。4回転に失敗しても、カナダのお客さんはスタンディング・オーベーション。私はパトリックより、高橋選手の方がよかったと思った。

高橋選手のSP。4-2で転倒。しかし、そのあとのオリヴィエ氏(彼のノーブルなアイスダンスもぜひ見てください)と作り上げた圧倒的なスケーティングは彼の競技生活史上最高の1つだと思っている。
そして、FS。スケート史に残る傑作。
彼はただ一人だけ観客に「作品」を見せていた。
「SWAN LAKE」は傑作と言われ、男子スケーター達に大きな衝撃を与えたにも関わらず、これほど踊るスケートを他のスケーターが真似できなかったことと同様、このブルースの後に、ブルースをここまで魅力的に表現するスケーターは現れないだろうと思う。

結果は銀メダル。あれが銀?プラチナだ、と私は思う。
この時、会場では長いブーイングが起きる。テレビから見ていて、パトリックがかわいそうだった。スケーターは自分の精一杯を出し切っただけだ。多分、日本のファンは同じように思ったのではないか?直後の国別でパトリックには暖かい声援と拍手が送られ続け、この時からパトリックは日本で演技を終えた後はまず観客席に挨拶、そして、ジャッジに挨拶するようになった。ライバルでありながら、高橋選手と小塚選手に対していつもリスペクトを忘れない、日本の観客の気持ちをきちんと受け取ったパトリックの態度には好感が持てる。

同じ試合で高橋選手は久々にSPとFSをクリーンに滑り、FSの後、他の国のスケーターやスケート関係者が自然と彼の周りを取り囲み、大きな拍手を送り続ける。今まで見たことのないような光景だった。
これは、観客がどの国のスケーターのどの演技にも一生懸命応援し、楽しんだからこそ、スケーターは国の垣根をなくし、高橋大輔というスケーターに対し、純粋にリスペクトしたいという気持ちが素直にこういう瞬間が生んだのだと思う。(ただし、国別対抗戦はいまだに反対。選手を疲弊させるだけ)
彼の競技人生の中で最高の瞬間の1つではないだろうか?
よく「スケーターズ・スケーター」という敬称があるが、私は「高橋大輔はフィギュアスケーターズ・フィギュアスケーターになった」と、思ったものです。

フィギュアスケート:高橋大輔選手 引退.4

2014-10-17 | figure skathing、ice show

音楽関係からの記事はユニークですね。
ほとんどが、彼の実績を数字で追うようなものが多いけれど、こういう記事こそ高橋大輔というスケーターらしい気がします。

引退発表のフィギュア高橋大輔が演じた音楽の軌跡 ヒップホップなど取り入れた革新性を振り返る
2014.10.15.

テレビ局では刈屋アナウンサーだけが、高橋大輔というスケーターが特別である意味をきちんと的確に語ってくれているな、と思います。
海外スケーターやファンのメッセージも目頭が熱くなります。ジョニー、トマシュ、デニス!そして、引退した中村君と佐々木君も。

怪我は当初の報道よりも重症だった。その怪我の名前を聴けば、スポーツ経験者やスポーツ観戦ファンにとってどれほど重症なのかよくわかる前十字靱帯断裂。
それを知った時、「あぁ、もう3Aは跳べなくなるのでは」「日本代表に入るのは難しくなった」「引退するかもしれない」というものでした。

高橋選手のリハビリはテレビで報道され、リハビリ最中に逃げたことも率直に語る。随分、率直だな、と、思ったものですが、実はこの報道を見たテニスの錦織選手もリハビリ中に逃避していたようで、復活に向けて随分力になったと語っていた。カッコよくない姿というのを見せる事は他者への力になることがある。

復帰のフレンズはふわりと降りるジャンプが美しくて、スピンが綺麗になっていて、桜の花びらがはらはらと舞い降りるようなプログラムを微笑みながら見ていました。
「お帰り、よく頑張ったね」という暖かなスタオベが続いた、無欲で応援できると思える始まりでした。

フィンランディア杯で初めてみたFSは決していい演技ではなかったけれど「なんて素晴らしいプログラムだろう」と思い、3Aを降りたことに感激した。
しかし、フィンランディア杯で優勝、メディアはオリンピックの有力メダル候補として大注目。つらいシーズンだったと思う。
スケート・カナダではファンが暖かった。いい出来ではなかった。でも、多くの観客が「お帰り」とスタオベをしてくれた。カナダファンはいつも尊敬する。
全日本までの演技を見て、五輪で入賞するのは難しいと思っていた。ただ、やはり、戻ってきてくれたことこそが嬉しいので、そういう欲はいらないな、と、思っていた。

しかし、バンクーバーでは奇蹟が起きた。本田コーチの靴を借りて、高橋選手は蘇った。eyeは怪我前のような閃光を取戻し、「道」はフィギュアスケートの歴史に残るような素晴らしい演技だった。
他のスケーターのファンには申し訳ないけれど、客観的にみて金メダルは高橋選手か小塚選手が相応しかったと今でも思っている。
、本田コーチが後日、「世界の引退したトップスケーターやメダリストが本当に素晴らしかったのダイスケとタカヒコと言ってくれた」という言葉に「そうだよね、あの「道」や「ギター・コンチェルト」にくそったれな評価をしやがって!」とつくづく思ったものでした。
スイスのメディアはステファンが僅差でメダルを逃したことにショックとしながらも「それは正しいジャッジングだった。」とつづった。

女子の観戦は仲良く男子3人で。この姿を見たとき、「高橋選手と織田選手の間ではコーチ問題はきちんと分かり合えているんだ、二人のことをいたずらに煽るような報道はよくないな」と思ったものです。

五輪後は本当に嬉しくて嬉しくて、すっかり、世界選手権のことを忘れていた。
五輪でいい演技ができても、次の演技はどうなるか分からない。
ここからのくだりは何度も書いているけれど、きっと今回で最後(笑)

でも、ここでもう1つのドラマが待っていた。
期せず、怪我前に作った2つのプログラム、cobaさんはアコーディオンの修業をしていたのは、ここトリノにほど近い場所。そして「道」はイタリアの巨匠フェリーニの名作で、作曲はイタリアの巨匠。ニーノ・ロータ。そして振付師はイタリア人パスカーレ・カメルレンゴ氏。同じ地で練習していたイタリアのアイスダンサーファイレラ&スカリがプログラムが完成していくのを見るのが楽しみだった、と言っていた作品。
海外のスポーツ記事はイタリアの地を味方にしようとして策略を練った、なんて書かれたりするけれど、怪我がなければ違うプログラムを滑っていたと思う。

「eye」で一位。フリーは最終滑走。それは4年前の五輪と同じで、とても運命的なものを感じた。
公式記者会見で4回転回避の可能性も話し、正直ほっとする。「道」は最後にクリーンなものをみたい。
寝起きのポーズから滑走する起動がフリップのものだったので、よかった、3回転だ。と、安心する、が、4F。「え!今、4F!?!?」と、わけのわからぬ状況に体の力が抜けてしまった。それからはイタリア人の観客がこのプログラムを楽しんでいる姿が本当に嬉しかった。
観客席からは長い長いスタンディング・オーベーション。
群衆を映していたカメラワークは切り替わり、観客席の一番遠いところに座り、涙ぐむオレグ氏の横顔を映し出した。その周囲の遠い遠い席の観客もスタオベ。遠くの席のファンさえも立たせるほどの演技だった。
アメリカのテレビではジョニーが時にからかう解説に喰ってかかりながら、高橋大輔の魅力を自分の言葉で延々と語り続けていた。

「道」はドラマチックスケーターと呼ばれる高橋大輔の代表作だと思う。総ての感情と総てのドラマが詰まっている。

正直、4Fが回転不足で3-3が五輪と同じ感じ。最後のスピンはこちらの方がよし、五輪が正しいジャッジだというなら、この演技は五輪と僅差の点数のはず。でも、優勝を確信していた。そして、点数は五輪より10点近く上だった。もう、このジャッジングは信じないと、思った数多い瞬間の1つでした(笑)
高橋選手の目に涙はなかった。

このスケーターは世界王者になれるかもしれない、ヤグディンやキャンデロロみたいなスターになれるかもしれない、という素人ファンの夢を叶えてくれた彼の競技人生の1つ1つの演技や足跡はこちらの予想をはるかに超えた素晴らしいものだった。それは、ローリー・ニコルをスター振付師にした、ミシェル・クワンの存在のように、パスカーレ・カメルレンゴ氏と宮本さんを一気に世界的な振付師に押し上げた。

地上波での生中継はなんと表彰式の直前で終了。日本人男子初の日の丸の掲揚と国歌は放送されませんでした。
そして、EXでは、五輪王者のヴァーチュ&モイヤでもなく、地元のスターのコストナーでもなくお隣のフランスのスターのジュベールでもなく、高橋選手がショーのまとめ役と大トリを任されたのに、なんと、日本のテレビ局はわざわざ、真央ちゃんと高橋選手の順番を入れ替えたのですよ。これは真央ちゃんに対して文句を言っている訳ではありません。日本のテレビ局は最後は真央ちゃんの方が数字が取れる、と、思ったのでしょう。
当時入っていたJ-SPORTSでは高橋選手がイタリアでこの役を任されることがどれだけのことか大きな感慨を持って解説しているのに、某地上波は同じ日本人の高橋選手の果たしたもう1つの快挙をわざわざ手を加えてなかったことにしてくれました。


フィギュアスケート:高橋大輔選手 引退 .3

2014-10-16 | figure skathing、ice show

思えば、一番フィギュアスケートを楽しんだのは2005年GPS~2007年東京ワールドのあたりでした。

2007年。最初できっと最後のDOI。当時のメンバーが凄い。真央ちゃんと安藤さんが不在だったものの、中野さん、武田さん、鈴木さん、水津さん、と、踊れる素敵な女子スケーターが揃ってましたね。海外ゲストが信じられないほど豪華。ステファン、シェン&ツァオ、デンコワ&スタビスキー、キム。このメンバーで新横だもの。
このあたりまでかなり悪い画像でしか演技を残していないことが本当に悔やまれます。このショーで印象深かったのは、ステファンがオープニングからノリノリで踊っていたこと。これまでの海外のトップスケーターって、そんなにショーの仲間っていうより「私は別格」的なオーラが強かったので、スターでもこんなに気さくなんだなぁ~、と、ステファンへの愛がますます深まる瞬間でした(笑)高橋クンはバチェラレットとオペラ座。ステファンはロミオ&ジュリエットとポエタ。すごく贅沢だったな。デンコワ&スタビスキーはイスを使ったリベル・タンゴ!!!シェン・ツァオの大きなスロージャンプの迫力は忘れられません。ちょっと、話しが脱線。

日米対抗戦で初披露されたロミオとジュリエット。実は高橋選手のプログラムの中で未だに好みでないプログラムの1つ。
でも、そのEXで披露したのが、「SWAN LAKE」これは本当に頭をガツンと打たれたような衝撃でした。
このプログラムをみて、「早く、世界で披露してほしい」と思ったものです。
スケート・アメリカ、トリノのGPF、韓国での四大陸。現地の観客の演技後のワッと盛り上がる歓声が嬉しかった。

この年、2つ、よくない試合があった。NHK杯での僅差の優勝。これはトマシュの演技の方がよかった。そして、GPFでの僅差の2位。これはステファンより、高橋選手の演技の方がよかった。この2つの結果は優勝者、準優勝者ともストレスを与える結果になったのではないかと思う。

NHK杯で高橋選手のFSの演技に涙するモロゾフコーチを見て、当時、「モロゾフは高橋選手に競技者としてがっかりしたのではないか」と感じたのですが、当時はそのことは書くことをやめました。なので、その後のモロゾフの起こした行動を知った後、このNHK杯のモロゾフの涙を思い出したものです。

その後、全日本、四大陸でほぼ完ぺきな演技。特に四大陸での演技というのは高橋選手の演技史上最も完璧に近いプログラムの1つで、すごい、を通り越して、怖い、とすら思ったものです。この演技は四大陸に参加していたスケート関係者が客席で見ていて、長い長いスタオベを送っていたことを思い出します。

そして、世界選手権。
高橋選手のジャンプは突如不調となり、苦しい演技となり、結果は予想外のメダルなし。
でも、このイェーテボリでは高橋選手は初めて名前のコール前から多くのいろいろな国の観客から声援が起き、多くの観客が「あの、「SWAN LAKEが観られるぞ!」というワクワク感が伝わり、ジャンプミスを犯しても、大きなスタオベを受けた大会で国際的なスター・スケーターの仲間入りをした、と、感じる大会でした。それは、日本からテレビで観る者にとって本当に嬉しいものでした。カナダのメープルの入った服を着た、きっとジェフのおっかけファンのカナダ人すらもスタオベをしていたのです。
この世界選手権では先述のステファン、トマシュもよくなかった。演技と結果が比例しないと後々大きなストレスを与えるな、と思ったものです。
優勝したのがジェフ。4回転抜きのプログラムでの優勝に論争が起きましたが、私はジェフの優勝に対して異論はありませんでした。それは、ジェフのスケーティング、表現力が特別だったから。ただ、こういう優勝が納得できたのは、ジェフだけではないかと思っています。

オフ・シーズンにモロゾフコーチと織田選手の契約を発表。私の記憶違いかもしれないけれど、この会見の際に、織田選手の横に日本スケート連盟の方がいた筈。後日、高橋選手がモロゾフコーチとの別離を発表した際には日本スケート連盟の方はいなかったように思い、なぜ、スケーターのよって連盟の対応が違うのか疑問に思ったものです。(この対応に関して、織田選手を批判するものではありません)

あぁ、モロゾフのプログラムはもう見れないんだな、と、思う一方で、彼の生徒は増えすぎているという印象もあったし、あの涙の件もあったし、憶測なので書きませんでしたが、今だから言うと、「SWAN LAKE」は宮本さんが日本の女子スケーターに振付けたカルメンかなにかのHIPHOPのプログラムからインスピレーションを得たものではないかと思っていた。当時、モロゾフコーチは日本の地方大会にまで顔を出している、という話しもあったし、そういう中から見つけたのではないか、と。だから、高橋選手がEXに宮本さんを使ったのは気に入らなかったんじゃないか、なぜなら、モロゾフコーチは宮本さんの溢れんばかりの才能を分かっていたから。だから、次の振付師の候補の一人は絶対宮本さんであってほしいと思っていました。

宮本さんの振付けた「eye」はやはり、高橋選手を代表するプログラムの1つになるだろう。
テレビでDOIをみて、「これは傑作、高橋クンは大丈夫だ」と思ったものです。

cobaさんという人は自分に厳しい分、人にも求める印象がある。フィギュアスケートの男子選手が使うということに当初は「意外だった」と言っている。
でも、cobaさんは自分の楽曲が編集されて使われてもなお、手放しで喜んでいた。
それは著作権の絡みのあるDVDでもオリジナル音源が使われていることからもcobaさんが自分の演奏で高橋選手が演技をするということが大切だと思っていることが伺える。
いつか、cobaさんの生演奏で演じてもらいたいものだな。

でも、直後のFOIではよくなかったんですよ。あれ?なにかが違うって思ったものです。
当時は褒めて書いてますけど、DOIのような閃光はなかった。今思えば、DOIでバーンアウトした後で、スケーティングすら投げやりな感じにみえた。
これが私が初めてチケットを買ったショーですが、このフレンズもこの後どんどん大化けしていき、高橋選手が競技を続ける上で精神面で多いに支えられたショーになっていったのではないかと思う。いや、今では出演者全員の「フィールド・オブ・ドリームス」なのだと思います。
このショーのハイライトはエンディングの「SING!SING!SING」群舞になるとダンスの上手いアイスダンサーにどうしても目が行き、シェイリーンやアゴストに目が行ってしまったのですが、アゴストの隣で高橋くん、アゴスト以上に踊っているんですよ。これは相当な衝撃でした。

FSは当時、知名度が高くなかった(私の認識不足、既に素敵なプログラムをいくつも手掛けていらっしゃいました)カメルレンゴ氏。コミカルな演技という情報。
多分、苦しい精神状態の中でコミカルな演技をするなるだろうな、と思ったものです。

だから、怪我をした時に驚き、ショックを受けたけれど、心のどこかで「なるほど」と思うところもありました。


フィギュアスケート:高橋大輔選手 引退発表.2

2014-10-15 | figure skathing、ice show
昨日の夕方のニュースはNHKを始め、多くのテレビ局が高橋選手の引退をトップで取り扱った。
これは予想外のことだった。多くのテレビ局が特集を組み、NHKでは夕方のニュースも夜のニュースもトピックスで最初を飾り、スポーツコーナーでないところで時間を割いていたように思う。
常々、日本のメディアは高橋大輔の功績を理解していないのでは?と思い、たまに書いてみたりしたけれど、引退をここまで大きく扱ったアスリートって本当に数少ないと思う。

さて、昨日はまさか、1シーズンで話を切り上げるとは思いませんでした(笑)
GPFでイケメンだらけでしかも表現も素晴らしい男子フィギュアスケーターを見て、すっかり、男子フィギュアスケートに興味がシフトしました。ちなみに2005年のGPFの表彰台が私の中でベストメンバーです。

トリノ五輪で学んだこと。
それは、どんなにいいプログラムを滑っても、結果を残さなければ人は(日本人の多くは)注目をしないということ。だから、翌年は高橋選手に結果を残して欲しい、と思っていました。

SPはチャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルト。
昔の感想で「静かな曲」って書いているんですよ。静かなのは出だしだけで、クラッシックの中では相当華やかな曲ですよね。
カナダワールドで織田選手がスタオベされているのを見ていたし、フィギュアスケーターにもっとも人気があるスケート・カナダで高橋選手がいい演技をしてくれるのを期待していたことを思い出します。

オペラ座の怪人は日米対抗もスケートカナダもピンと来なかったのです。シーズン終わってしばらくしてから気がついたのですが、後半のジャンプのタイミングが変わったんですね。NHK杯で修正すると曲とジャンプがマッチして、見違えたプログラムへと変貌しました。

特にNHK杯ではジャッジが高橋選手と織田選手のどちらをエースにするか試すかのように僅差の争いとなりました。昨年のNHK杯から考えて、織田選手優位かと思いきや、クリーンなプログラムで優勝。
高橋選手がアスリートとしての大きな一歩を踏んだ瞬間だった。
全日本では最高の演技で優勝、当時、アメリカではこの全日本の演技を紹介、異例の注目ぶりだった。

世界選手権は東京。街には代表の大きなポスターが貼られ、代表達は皆経験のない注目に大きなプレッシャーを抱えて初の世界選手権のメダル奪取を狙う大会となり、どのスケーターにも大きなチャンスがある大会でした。

私は友人のチケットを譲ってもらって観戦。

今でも忘れられない、ジェフ、ステファン、ジョニー、エヴァン、サンデュ。本当にスター顔の人たちばかり。
高橋選手は3-3で大きくバランスを崩す。
家でテレビを見て分かったんですけど、緊張で顔色が真っ青。足に力が入らないまま演技に入っているのが分かります。そんな緊張の中でも3Aを決めて3Lzへ向かう間の曲想でふわっと手を開きながら、顔を上げる、そんな一瞬の仕草に彼がこの世界選手権までにさらにプログラムをブラッシュアップし、プレッシャーの中でもそんな一瞬を忘れない演技をするのが印象に残りました。本当はこの曲をFSに作り直してソチで滑ってもらいたかったな。

FSの日。会場で氷の上に立つ高橋選手をみて、「あれ?なんか見たことある・・・。真っ黒だけど顔からお腹にかけて白いその姿。アデリー・ペンギンだ!(しかも氷の上だし)」と、会場の中で思っていたのは私だけでしょう。いえ、あの衣装は高橋選手の衣装の中でも大好きな衣装なんです。
オペラ座の怪人は私は会場で音楽に聞き惚れてしまったのですよ。4回転でお手つきで降りた後の美しいストリングスに酔いしれ、緊張を忘れたのですよ。、有名じゃないところをつぎはぎしているプログラムなのに、ぶつ切り感がなく、ファントムの喜怒哀楽が伝わっくる素晴らしいプログラム。私はモロゾフコーチと高橋選手は相思相愛だと感じた。
会場では悪くない演技で終えたのにも関わらず高橋選手は涙。「悪くなかったのに、どうして?」と会場では思ったのですが、テレビで見て、彼が2日間日本のファンからのプレッシャーを背負って戦っていたものから解放された瞬間だったことが分かりました。
3Aから3Lzへ向かうあたりの曲の美しいところで、ふと差し伸べる手と顔の動き。こういうちょっとしたニュアンスを大切にするスケーターは本当に少ないです。
エレガントな音楽表現、怪人の喜怒哀楽を見事に解釈し、作品世界を体現したこの作品はモロゾフ氏本人から「オリンピック・プログラムでないことが残念」と言わしめた、高橋大輔選手の代表プログラムの1つだと思う。

この世界選手権でステファンやジェフやジョニーといった、今まで日本人のファンからしたら、雲の上にいるようなスター・スケーターに表現力やスケーティングを持って肩を並べたことは日本人ファンとして本当に誇らしく、日本人でも欧米の選手と肩を並べる時代が来たんだ、と、感嘆したものです。

東京ワールドは素晴らしかった。どの国のスケーターにも惜しみなく応援する姿勢は「フィギュアスケートの観客って本当にフェアだな、と感心したものです。本当にみていて気持ちよかったです。思えば、前年の本田さんのNHK杯の演技の後にスタオベするファンを見て、フィギュアスケートファンたるものはこういうもの、という、いい教育を受けてきた気がします。

当時のライバルたちもみんな男子シングルからいなくなってしまった。そして、不思議なことに、その後、彼らは自国のメディアに自分の意思で高橋大輔の魅力を伝えてくれました。競い合ったライバルがサポートする友に変わるなんて、まるでキン肉マンみたい!(古すぎるっ)しかも、彼らもマンガくらいキャラが濃い面々だったし。

つづく

フィギュアスケート:高橋大輔選手 引退へ .1

2014-10-14 | figure skathing、ice show
フィギュアスケートの高橋大輔選手が引退するとのニュースが流れました。

ソチ五輪が終わった直後のインタビューで抜け殻の状態でインタビューをこなしている高橋選手を見て、もう、競技に戻る”火”が消えてしまっているな、と、感じていました。

高橋選手の功績はきっとニュースではバンクーバー五輪銅とか世界選手権金とか、そういう風にしか評されないだろうけれど、本当の彼の功績は日本で男子フィギュアスケートの人気を盛り上げ、世界的なスター・スケーターになったことだと思う。

高橋選手との出会いは多分、世界ジュニアで優勝した後の日本での試合のEXかショーに出演していたのではないかと思います。その時には「日本人で初めて世界ジュニアを制した」という紹介があったのですが、当時はフィギュアスケートを見る目がなかったので、「やっぱり、ヤグディンとは比べられないなー」くらいにしか思わず、そのあとはすっかり忘れていました。今なら、スケーティングのうまさとか、スピンとか、もっと見るべきところが分かっていたのですが、当時は「ヤグディンかっこいー」くらいの目線でしか見てなかったんですね。

次に彼の存在がクローズアップされたのは2005年のスケート・アメリカ。トリノ五輪では荒川さんを応援しようと思って、当時、NHKが放映権を持っていたGPシリーズの一挙放送を録画したのですが、そこで繰り返し繰り返し見たのは高橋選手の演技。
SPのロクサーヌは3Aで転倒しているのに、何度も何度も見たくなる。どうしてだろう?と、思いながらもまた見たくなる。
それは、最初のポーズから作品が始まって、19歳の日本人男子とは思えない退廃と官能を併せ持った表現。
氷にしっとりとねばりつくようなスケーティング、アクセントのつけたスピン、要素と要素の間のところも音楽のニュアンスを決して離さないところ、音楽に合わせてぴったりと跳ぶ3Lz、そして、メロディラインをメジャーなメロディラインだけでなく、裏でカウントを取っていたりする絶妙なステップ、シットスピンの腕さえも、曲想にぴったりくる演技に魅せられてしまったのです。

そして、FS。SPとか髪型も変え、音楽表現もまったく違うもの。ラフマニノフの深く沈んだ精神がやがて輝きを取り戻し、情熱のあらん限りを表現するという、ラフマニノフのこの曲の意図そのものを演技に変えてしまったプログラムは当時無名だった高橋選手にアメリカの観客がスタンディング・オーベーションを巻き起こす輝きに満ちたプログラムとなった。
このアメリカ人をスタオベさせたことが私にとって「すごい、日本人でも海外の人を感動させることができるんだ」という感動はその後、世界各地の試合に興味を持つきっかけとなったのです。

当時、「日本人に表現は無理」と思っていた私にとってすごく衝撃的な出会いだった。これは、まるでヤグディンのようだ、と、素人ながらに思ったのです。
「彼なら頂点にいける」と。

当時、ヤグディンの振付師として最も人気のある振付師だったモロゾフ氏が当時無名の高橋選手にこれほどのプログラムをあたえたのは気に入られた証拠だと思ったし、荒川さんがモロゾフの元にいったのは、高橋選手を見たからだと思った。全日本では採点ミスで繰り上げ1位になったことで、メディアにいろいろ書かれていたけれど、プログラムの素晴らしさははっきりとトップレベルであることを示していた。ヤグディンも当時すでに高橋選手の芸術性を認め、五輪代表にふさわしい、と言っていたのを思い出します。(同時に日本人での五輪メダル有力は荒川さんと言っていた)

その後のNHK杯は3位。GPFは3位。当時、世界ジュニアからシニア入りした織田選手と1枠しかない五輪代表の座を争った。
今ならわかるのですが、初めての五輪を狙える年に初めてスケート・アメリカで優勝。突然、注目を浴び、突然、本田選手が怪我で全盛期の力を出せなくなり、織田選手が4回転抜きのプログラムの完成度で挑み、精神的なコントロールが難しい年だったのだと思う。
でも、1枠だったからこそ、今の日本男子の発展があるのだと確信している。

五輪では、SPはなんと1番滑走。FSでは最終滑走と、あまりのくじ運の良さ(?!)にびっくり!
でも、この時の悔しさこそが高橋選手を作り上げる原動力となったのだと思います。



つづく

フィギュアスケート:PIW東京公演/CaOI 2014 雑感

2014-10-11 | figure skathing、ice show
カーニバル・オン・アイス:順不同、印象に残ったスケーターのみ。

なんというか、全体的に「え?」と思うようなミスが多かったような。

鈴木さんの「STEPPING OUT」は好きな曲です。昔、ベルアゴが使っていたかな?
踊ることが好きな鈴木さんにぴったりな選曲ですね。
動きや仕草がいかにもアメリカ的。こういうのって、表現力がどうの、というのではなく、アメリカ人がその仕草をするとすごくそれらしく感じるものが多いな、と思った。

小塚選手はやはり体調悪かったんだろうな。
それにしても、いつも足元のスケーティングと端正な上半身の身のこなしでプログラムを作り上げる小塚選手が、こんなに「作品」を作り込んで、「踊る」小塚選手というのは、大好きな「インナー・アージ」以来な気がする。小塚選手が首をぐりんぐりん回す競技プログラムなんて、どんな風になるんだろう?楽しみ。

小塚選手を書くとパトリックとなるのは、私は二人こそが真のライバルだと思っているから。
小塚選手のスケートの上手さが、難しいことをやっていることを簡単にやってのけるので、素人目に難しそうに見えないという感じがすることなら、パトリックは素人目でも難しいことを簡単にやってみえることでないかと思ったりする。
シースルーの衣装は背筋の凄さが!!!ただ、この動き、クラシックでもタンゴでもパトリックなんだよな~、いや、スゴイとは思っています。

オオトリがプルシェンコ・・・。キャリアから言って妥当なのでしょうが、最近の競技での活躍を考慮するなら、パトリックでもよかったのでは?




プリンス・アイス・ワールド 東京公演:順不同、印象に残ったスケーターのみ。

実はこの公演、数あるアイスショーの中ですごく心惹かれた公演の1つです。
だって、太田さんと庄司選手が二人揃って出演しているから!!!



今回は太田さんの解説でした。プログラムを選んだエピソード、昔の思い出、スケーター達の公演の裏での素顔など、バラエティに富んだ解説でした。それでいて、うるさすぎるというほどでもない、そして、各スケーターに対して友人を評するというような優しい語り口なところが印象的でした。今まで聞いた解説の中でもとても興味深い解説だったと思います。


PIWグループナンバー
今まで見た中でも、一番若者向けというか、彼らの等身大という感じがしました。洗練されて現代的な分、勇気もいたと思いますが、こういう年もあっていいと思う。

鈴木さん
荒川さんも昔、古澤さんの演奏で滑っていましたね。荒川さんも素敵でしたが、鈴木さんも素敵です。

織田くん。
ぐーんと伸びるスケートが気持ちいい。「織田選手が滑った後だけ違う溶け方をするのではないか」という太田さんの表現がとても素敵な評価だと思いました。

庄司選手
18歳らしい明るいチアリーディング!足の故障と付き合っているということで、早くよくなりますように。庄司選手は器の大きなスケーターだと思っているので、長く見守りたいと思っています。スケーティングが正確という褒め言葉は日本の若手のスケーターで久々に聞きました。

本田さん・安藤さん
安定した素晴らしい演技ですが、二人にはたまにはコミカルなプログラムを演じてもらいたいと最近思っています。

町田選手
作り込んでますね。町田選手は上半身の動きが大きすぎてスケーティングにも無理が起きるというパフォーマンスが気になっていたのですが、よい意味での引いた演技、それからいかんなく演技という感じでした。

太田さん
このオフシーズンみてきたプログラムの中で最高の1つ。
デビッドが「20年間温め続けてきた」というのがよくわかる、太田さんだからこそ使ってもらいたかっただろう、極上の美しさと気品のある楽曲と歌声。
ルールという鎖から離れ、美しいものを作りたいというデビッド・ウィルソンのアーティストとしての欲求が、きっとデビッドの期待した通り、予想以上の美しさをもって太田さんが仕上げていく、振付師冥利に尽きる瞬間だろうな、と、感じました。
衣装も本当に楽曲と合っていて美しく、太田さんに似合っている。
どうやったら、あんなに美しくメロディのニュアンスを伝えることができるんだろう、あんなに美しい腕の動きはどうして太田さんだけなんだろう。と、つくづく思います。そして、世界一美しいレイバック・スピン
昨日、見てから何度も繰り返し見ていますが、うっとりしすぎて一瞬で終わってしまいます。しばらく、このプログラムを何度も繰り返し見ることになりそうです。

高橋くん
考えてみればこういう男の切ない恋心を滑ったプログラムってありませんでしたね。(←あ、ブエノスがあった!)
太田さん同様一瞬で終わってしまいました。
太田さんが表現力を直接語らなかったのに、最後に「指が震えているんですよ」ってすかさずに言うところが、細部の細部にまで気を配る、二人の似ていないけれど、表現の極みに達したスケーターならではの発言だな、と感じました。

un petit paquetのモンブラン 他

2014-10-10 | patisserie / favarite sweets
アン・プチ・パケのモンブランってきっと食べたことあるよね、と、思って探してみると、やっぱり食べてました。でも、違う
ケーキ屋さんって、これだけは変わらない物と進化していくものと両方必要だと思う。
お酒の効いたモンブラン、今回も美味しかったです。



このロールケーキも美味しかった。
コーヒークリーム(?)のロールケーキの周囲にアーモンドがザクザクとトッピングされています。
コーヒーあまり好きでないので、(でも、人に出してもらったコーヒーは必ず飲みます)どうかな、と思ったけど、アーモンドのトッピングがよかった。



こちらはチョコレートケーキ。

確か、黒い森トルテ系だったのではないかと思います。
ぐり君パパが好きでいつも選ぶ系のケーキ。

ダマン・フレールの紅茶 No.11 Paul & Virginie

2014-10-09 | tea,juice,liquor,soup,drink
ダマン・フレールは1692年開業のフランスの老舗の紅茶店。

「No.11 Paul & Virginie」はフレーバー・ティーで、チェリー、ストロベリー、ラズベリーのベリー系にプラス、キャラメル、バニラが合わさり、甘く、香りもよい紅茶。

なんと、アウトレットで発見して、賞味期限が短いものだったので、お買い得価格でゲットしました。

こんな出会いがなければ、縁のなさそうな素敵紅茶。

ミルクティーにしたり、ストレートのままでもおいしく頂いています。

フィギュアスケート:ジャパン・オープン2014雑感

2014-10-07 | figure skathing、ice show
正直、今シーズンは競技は見ないかな、と思っていたのですが、このジャパン・オープンは好きなスケーターがこんなに集まるなら見ずにはいられないな、という試合でした。

観客は8千人以上の動員ということで、大入りだと思う。
JOやCaOIは8年くらいみていますが、キャパが大きすぎるのでどういうメンバーでも満員ということはなかったと思うんです。
それなのに、スケート人気に陰り・・・という記事を書くのは、最初から、そういう方向性を決めてから文章を書いているのではないか、と、思います。



男子:順番はメチャメチャ。やはり、テクニシャンの小塚、パトリック、ダンサーのハビエル、無良、テクニシャンplus表現者のジェフとトマシュと、見て楽しい選手が集まりました。

ジェフリー・バトル
2年前と同じプログラムでしょうか?2年前はジャンプもパーフェクトで鳥肌が立つほど感動して、何度も何度も見直しました。
今回は当時ほどのジャンプの出来ではありませんでしたが、しかし、ジェフという人は本当は競技が好きだったんだろうな、と、つくづく思います。
今の自分に出来るベストなジャンプ構成、きちんと新採点法に対応したプログラム編成、そして、他を寄せつけないノーブルでリリカルな音楽表現と解釈。メロディの微妙なニュアンスを計算しつくされた腕のひと振りや背中で表現していく。
私はジェフにはなるべく長くジャパン・オープンに出続けて欲しいと願っています。そして、フィギュアスケートは技術と芸術が総合されたスポーツなんだということを体現し続けて、現役選手に見せ続けて欲しいと願っています。

パトリック・チャン
休養ながら、新しいプログラムで来てくれました。ジェフとパトリックって似ているようで似ていない。どちらも、相当テクニカルが秀でいているけれど、パトリックはプラスパワーという印象がある。相変わらず、豪快な4-3。日本の氷と相性が悪い印象がありましたが、いくつかジャンプにつまったものの素晴らしい出来でした。現役復帰は大歓迎。ただ、復帰するなら、衣装をもうちょっと工夫してくれれば・・・

小塚選手
プログラムのスピードの違いが現役はやはり現役だ、と感じます。
体調が悪いという情報を先に聞いていたのですが、ここまで、小塚選手らしからぬミスが続く演技を見ると、相当体調が悪かったんだろうなと思います。
本人も気に入ったプログラムで、ファンからの評判もいいプログラムをこんな形にしてしまったことが悔しかったろうと思います。
ジェフのスケートが再ブームな私にとって、ジェフの後を継ぐのは小塚君だな、と、ここ数年思ってします。スケーティングの上手さだけでなく、音楽に溶け込むような腕の動きも素敵です。


無良選手:
いつの頃からか、踊るのが好きなんだなー、と、思うようになりました。五輪開けのシーズンはジャンプが強い選手が有利だと思うので、十分チャンスがあると思います。

ハビエル・フェルナンデス選手
フェルナンデスにはこういうプログラムを滑ってもらいたかった!ドラマチックなTHEヨーロッパプログラム!!人懐っこい彼にぴったり!!!正直、北米系のお笑い的なハビチャンマンとか、嫌だった。。。
最後のステップのところだけは実は織田選手のカナダ・ワールドを思い出してしまいました。
このプログラムでGPFでいい演技をして、スペイン人を喜ばせて欲しい!

トマシュ・ベルネル
世界選手権のリベンジですね。本来人懐っこく、お客さんとのコンタクトをとるのがうまいトマシュがリラックスするとFSがこんなに魅力的だとわかります。
本当にスケーティングが上手い選手が集まったなぁ。ジェフ・パトリック・小塚君・そしてトマシュ。
スケーティングが上手い選手、表現力が豊かな選手、そういうスケーターにきちんとそれぞれの特別な評価を与えていたら、もっと、バラエティに富んだ競争ができて、面白かったと思う。



女子:順番はメチャメチャ

長洲選手、ワグナー選手:
プロトコルは見てないけど、回転不足が響いたんではないかと思う。私は個人的に転倒より、回転不足の方が点数が高い方がプログラム全体の印象と一致するのではないかと思う。二人とも好きなスケーター。

宮原選手:
プログラムの完成度が高い!それはジャンプやエレメンツの話しだけでなくて、音楽表現が素晴らしい。印象的な美しい瞳をジャッジに残していくこと、たおやかな音楽の微妙な解釈。この年齢でよくこの音楽をここまで解釈できると思う。やはり、濱田コーチの生徒はトータルバランスが素晴らしい魅力的なスケーターが育つ。
彼女が日本選手で一番の喝采を受けていたのは当然だと思う。

村上選手:
村上選手にはドラマチックな演じるプログラムは合うと思う。ファントムを演じるということですが、時々、コケティッシュなかわいらしい演技になるのはどうしてだろう?(村上選手に対してというより振付師に対して)

ポゴリラヤ選手:
実はロシア女子で一番好みのスケーター。姿勢が綺麗だし、腕の動きも洗練されている。
最初の2つのジャンプが強力。2Aはやはり課題です。

ラジオノワ選手:
成長期前の軽い体で、難易度の高いジャンプを難なく跳ぶのは見ていて気持ちいい。
体力不足からか後半のジャンプが詰まっていた印象。最後、笑顔でスパイラルをするのが好印象。



浅田姉妹の旅。
ショッピング、ホームステイ?、バンジーにチャレンジ、そして、姉妹スケートと、なかなか楽しめました。
アナ雪もTHE ICE以外でも披露する機会があって、良かったね!