「
ニュー・シネマ・パラダイス」はとっくに書いているだろうと思っていたのですが、書いていませんでした。
びっくりです。
昔、映画館で3度くらい観に行った記憶があります。2,3回目は友達のつき合いでだったけれど、「この映画ならもう一度みてもいい」と思って観に行きました。
エピソードの1つ1つが楽しく、幸せな気持ちになる映画だけれど、ラストが秀逸な作品。
有名な映画監督となった主人公はある日、実家から「アルフレードが死んだ」という電話を受け、長く離れていた故郷に帰郷する。
すっかり、変わり果てた故郷だが、懐かしい思い出がよみがえってくる。
少年トトは父が戦争へ行き、母と妹の3人暮らし。トトは映画が大好きで知恵を働かせ、なんとか映画館に潜り込み映画を楽しむのが日常だった。やがて、トトは映写技師に興味を示すようになり、映写技師アルフレードはある時はトムとジェリーのような関係、ある時は父のようにトトと接していた。
ある日、アルフレードはフィルムからの失火が原因で失明。ずっと、アルフレードを手伝っていたトトがアルフレードの変わりに映写技師をすることになった。
勉強をしながら、映写技師の仕事をするトトはやがて恋をするのだが・・・。
「もうひとつのニュー・シネマ・パラダイス~トルナトーレ監督のシチリア~」
トルナトーレ監督が自らの故郷であり、映画「ニュー・シネマ・パラダイス」の撮影場所を訪ね歩くドキュメンタリー。
トルナトーレ監督は子供の頃から、カメラ好きで、市井の人々の日常の姿を写真に収めていた。その写真は非常に秀逸。
進学するにつれ、映画同好会を作り、自分たちでポスターを手書きで作り、上映したり、製作したりしていた。
昔、映写技師をしていた頃の知人との再会。「映画を観て、私は泣きました。私が見てきたことが総て映画になっていた・・・」という知人。
「ニュー・シネマ・パラダイス」は映写技師の仕事をしていた頃のトルナトーレ監督の経験や仕事仲間へのインタビューや取材が大きな軸となっている。
映像機の反射板をずらしたら、もう1つ映像が映ったエピソード、フィルムが火事になりかけたエピソード、そして、神父さんがキスシーンを全部カットしたエピソード、そのカットしたキスシーンを持って帰った少年・・・。
キャストのほとんどは地元の人が出演したエピソード。
消毒される少年はアイスクリームを買ってもらってやる気を起こさせたとか(笑)、おばあさんはトマトペーストを作る作業。次はもっといい役をやりたい(笑)、映画館で悪さをする少年。そして、映画の顔である「トト」。
トト少年の現在に至るまでの話しは苦しみがあったことが容易に想像できます。トルナトーレ監督もそこのことを気にかけていて、会話をしている。でも、彼も立派な大人に成長し、現実を見据えて、現実生活を生きている。映画で感動を与えてくれた彼だからこれからの人生が順風であることを願います。
ドキュメンタリーを見て、あれだけ素晴らしい映画の素晴らしいエピソードは机上だけでは出てこないものだろうと改めて気づかされました。
このドキュメンタリーは「ニュー・シネマ・パラダイス」のファンにとっては秀逸です。