goo blog サービス終了のお知らせ 

La douce vie

sweetsや美味しいもの,雑貨,映画,art,音楽,本,マンガ,スポーツ観戦,ice show,旅行等ゆるブログです

la doucevie 20周年: 出版社にお願いしたいこと

2025-07-28 | book/comic
10年くらい前に読書習慣が崩れて、読書量が減少していったのですが、いくつか原因があったのですが、その一因が字が読みにくくなったことです。
疲れ目のせいか、と思っていたのですが、ある時、これが所謂老眼というやつだ!と思い立ち、とりあえず、100円ショップで老眼鏡を購入して試したところ、これが、よく見える!お陰様で未だに100円ショップの老眼鏡を使っています。

それと、内容があんまり頭に入らないで読み終えていることに気付き、ある時、宮部みゆきさんの「荒神」を読んでいる時、おかしい、面白いはずなのに、内容が入ってこない、と思い、もしかして、登場人物を覚えきれていないのでは、と思い立ち、メモで登場人物と簡単な補足を書き留めてよんだのですが、久しぶりに内容を理解したな、という実感が湧きました。
以降、小説を読む時は必ず書くようになり、短編では記憶力回復を目指して書かないようにしているのですが、登場人物の記憶は五分五分な気がします。

本当はメモ書きが億劫なんですよ。なので、出版社の方にお願いしたいのは、登場人物を書いておいてもらいたいのですよ。翻訳本には高い確率で書かれていますよね。あれ。そして、主要人物だけじゃなく、全員。これがあればもっと読書量が増えるのに、と思います。

la doucevie 20周年: 海外で評価、ベストセラーになった本

2025-07-16 | book/comic
東野圭吾の「容疑者Xの献身」と桐野夏生「OUT」がエドガー賞にノミネートされた理由を考えてみました。

両者共ファンでこの2作は二人の代表作であると思う、ただ、それまけでなく、匹敵するほどの作品が他にもあると思っています。
何故、この二作がノミネートされたかを考えたのですが、(ネタバレもあるので、興味のある方は読まないで)

「OUT」は最後に狂気と化した相手(理性が吹き飛んで「悪」そのものような存在になっている。)と主人公が対峙して、戦います。
私はそれまでのストーリー展開が面白かったので、何故、こういうくだりになってしまうのだろう?と思ったのですが、欧米の方々は悪に立ち向かう、悪と戦う、というのが好きなのではないだろうか?この終わり方が非常に欧米的。嗜好にあったのではないかと思う。

「OUT」以外に甲乙つけ難いほど、魅力の作品はありますが、対決するような話は(私が読んだ範囲内では)ない。価値観の違いなのかもしれないのだけれど、日本人の価値観なら理解できる心理描写や展開は欧米にはあまり馴染まない、もしくは、そこに価値をおいて読まないからではないだろうか?(選考において、です)

「容疑者Xの献身」は読者を「あっ」と言わせるシンプルのトリック、そして、その後、石神側の視点に立つことで、ずっと、他の部分でも読み手が見過ごしてことに気付かされます。

恐らく、このトリックの鮮やかさ。これが、東野作品の中で随一で、欧米の推理物ファンはそこに惹かれたのではないかと思います。

イギリスとアメリカでは柚木麻子さんの「BUTTER」がベストセラーになつたとか。ユニークなのは、日本と違って、モデルになった事件を知らないこと、バターを使った日本ならではの料理に馴染みがないことで、話の本筋に集中しての評価であること。だそうです。確かに、バターのせご飯なんて、日本人ならでは。

また、セールスの点から言うと、中国、台湾、韓国、インド。東野圭吾作品は人気で、映画化されたり、本屋では作家としてコーナーが作られる国もあるとか。売り上げも国内を上回る規模だと言われています。
今や、欧米の成功のみが成功という訳ではないと示した顕著な例ではないでしょうか。

la douce vie 20周年 : 10代〜20代前半にオススメしたい本

2025-06-26 | book/comic
宮本武蔵 吉川英治

武蔵の剣と精神性の成長は読んで楽しく、ワクワクしました。きっと、新聞で連載されていた時は毎日楽しみにしていたんだろうな、という想像も頭に浮かびました。
できれば、中高生の頃に出会い、読んでおきたかった、そうすれば、脳が柔らかく、吸収欲がある時期にたくさんの本を読めたでしょう。

「蝉しぐれ」藤沢周平

主人公文四郎は幼少期に養子縁組した先の父か非業の死をとげ、母と経済的にも精神的にも辛い生活を送ります。
やがて、大人になった文四郎は藩のお家騒動に巻き込まれていくのでますが…。
長く辛く理不尽で鬱屈とした時期を読むのは辛いですが、読後感は良いです。
父の非業の死、逆境の生活、初恋、友情、政治的陰謀、父の死の真実、剣、と、小説の面白さがぎゅっと詰まっている青春小説です。

「チェルシー・テラスへの道」ジェフリー・アーチャー

イギリスの貧しい大道商人の家に生まれたチャーリー・トランパーが、ウエストエンドに百貨店を築き上げるサクセス・ストーリーを描いている。
アーチャー得意の出世物。
先が気になり、どんどん、ページが進んで行きます。「ケインとアベル」もオススメ(影の部分が大きくなるが、アーチャーの代表作)


「本屋さんのダイアナ」柚木麻子

キャバクラ勤めの母に育てられた大穴(ダイアナ)は本が大好き。ギャルっぽい自分の容姿や環境にコンプレックスを抱いている。
小学校3年生で出会った彩子はダイアナが欲しいものをすべて持っている。でも、彩子はダイアナのすべてを羨ましがってくれた。二人は親友になるのだけれど…。
子供時代は社会の縮図。家庭環境がまったく違う子達と出会い、本能的に気が合う子と友達になれる時期です。お互い自分にないものに憧れる気持ちも分かります。
しかし、キラキラした子供時代は終わり、
二人が仲違いをしてからの年数も長く書かれているのですが、思い描いたのと違う、それぞれの試練に直面します。
ダイアナは彩子以外、なかなか友情が育めないし、会ったことのない父親に大きな夢を描いている。優等生の彩子の落とし穴。
女子高生から社会に出て間もない女性にオススメです。
読み終わった後、続編が読みたいと思いました。あの後の二人の成長を読みたい。

「世界でいちばん透きとおった物語」杉井光

2025-06-02 | book/comic
大御所ミステリ作家の宮内彰吾が死去した。宮内は妻帯者ながら多くの女性と交際し、そのうちの一人と子供までつくっていた。それが僕だ。「親父が『世界でいちばん透きとおった物語』という小説を死ぬ間際に書いていたらしい。何か知らないか」宮内の長男からの連絡をきっかけに始まった遺稿探し。編集者の霧子さんの助言をもとに調べるのだが――。予測不能の結末。
HPより抜粋

種明かしされた後、気付く。よく、こんなことを実践しようと思ったものだと思う。
また、文豪と呼ばれる作家だけでなく、現在活躍中の売れっ子作家の名前が出てくる、良いイメージで書いているけれど、よく許可したものだと思う。

「あのこは貴族」山内マリコ

2025-05-22 | book/comic
整形外科医の三女、松涛に住み、名門女子校出身。華子。

出てくる学校、お店、ホテルは超一流ばかり。(そういう、私にとっては縁のない生活を垣間見るのも楽しめたが)、時岡美紀の登場により、頭が良い為に一流大学に入学し、そこで、育ちの違う内部生に圧倒される姿は経験した方々にはあるあるではないでしょうか?
華子は結婚したいと思っていた交際相手にフラれ、婚活を始めるが、すぐにはいい相手には出会わず…。
お嬢様育ちで末っ子。はっきり物を言って性格が悪いと思われたくない。でも、言葉の裏に潜めた意味は察して欲しい。女性なら、華子と同じ性格でなくても、理解できる。ああ、そういう子いるよね、とか、私も同じ、となる。
そもそも、華子の言う「東京」も東京都すべてではなく、松涛のレベルに合う「東京」なんだよな、と、心の中でツッコミを入れてしまう。
もう一人出てくる時岡美紀は地方出身。慶應大学に入学しながら、親が無職になり、学費を稼ぐ為に高額なアルバイトを探し求め、道を外れて行くが、軌道修正する、という聡明さを持ち合わせている。
そして、頭のいい彼女達は日本という社会自体が男にとって都合良く、女にとって結婚、仕事のどちらをとっても厳しいところあると気付くところまで、話しが発展していく。
私には金銭的優位側も高学歴も遠い世界ですが、うんうん、うなづきたくなるような話でした。

最初は富裕層の子女と一般庶民の物語かと思いましたが(まあ、そうだけど)根底は日本の男と女の根深い立場の物語なのではないかと思う。それは歴史的に積み上げられてきたものもあれば、女性ですら思い込んでいる者もあり、また、優位な立場に立った者が無自覚にする理不尽さでもある。(女性である華子ですら無自覚に理不尽な言動をしている)

「グロテスク」桐野夏生

2025-05-08 | book/comic
一流建設会社OLの佐藤和恵が殺害された事件。その少し前に起きた売春婦殺害事件も同一犯の可能性ではないかと騒がれて…。もう一人は佐藤和恵と同じ有名女子校時代完璧なハーフ美人と言われたユリコだった。
その姉は佐藤和恵のクラスメートだった。

女子高時代が秀逸。中学から上がってきた生徒達は高校から入学した生徒には目もくれない。平均的なサラリーマン家庭の子供のお小遣いでは買えないようなブランド品を身につけ、それをヒエラルキーの1つにする。ここでのヒエラルキーはお金持ち、突出して頭がいいこと、そして圧倒的な美人。
高校が名門校なので、中学では優等生でも高校ではどんぐりの背比べ。そこで一番はいつも内部の生徒ミツルだった。
ミツルは内部生にしては珍しく、和恵や私とも交流をした。
これは女子校描写に共感する女子校出身者も少なからずいるのでは。考えてみたら、ハリー・ポッターだって似たようなもの。純血(マルフォイ)に対して優等生(ハーマイオニー)スター(ハリー・ポッター)、そして兄弟が多く余裕のないロンは古いローブで揶揄われたり、学校社会は世界共通なのかもしれない。
「私」は勉強でもお金でも美貌でも勝算はなく、早々に諦め、「悪意」を身につける事で折り合いをつける。というか、子供時代から、まるで似ていない妹の美貌に、常に悪意をぶつけている。孤立している中、声を掛けてくれる和恵やミツルにも悪意をぶつけ続ける。

ちなみにユリコと「私」の父親、その父親の友人のジョンソンは未成年の子供を残して帰国し、子供達にほぼ無関心(本人達の要望を聞いてではあるが)。国で新しい家庭を作っている。実際、こういう親も少なからずいるのだろう。

和恵は認められたい、負けたくない、評価されたい、という気持ちが全面に出てしまいクラス中から変人扱いされる。彼女はその後も自分を客観視する事なく、一線を超えていく(売春で身を落とすというより、精神異常の範疇)きっと精神異常はグラデーションで境界線は分かりにくく、どこからが狂気になってしまったのか判別できない。そういう意味で彼女の日記の独白は痛々しい。
中学時代辛い思いをしていたミツルは勉強で一番になることで、辛い環境から抜け出し、他の子とつるんでバカにするような事もせず、一番まともな人生を歩めそうなのに、その先に大きな落とし穴に落ちる。
美貌の持ち主のユリコは勉強はできずとも美貌で名門校の入学が許可され、学校の憧れチアガールや雑誌の表紙を飾った後、容貌が衰えていっても、その容貌を受け入れ、その時その時にあった自分の評価を受け入れていく。
読み進めていくうちに、まともにすら思えてくるから不思議。

桐野作品は読んだ後、ザラザラとした読後感があり、いろいろ考えてしまう。

「詩歌川百景.4」吉田秋生

2025-04-24 | book/comic
温泉町の河鹿沢に暮らす人々の物語。
飯田和樹と幼馴染、職場仲間、地元の人々をめぐる群像劇でもある。

4巻では、妙の従姉妹の麻椰子が幼少時に妙の美しさにコンプレックスを持っていたことを仕事仲間に話す。大人の目線になっていたからかもしれないが、妙は何も悪くない、と思える理性も持ち合わせている。
ちなみに、私は子供の頃から美人の友達がどの学校でも職場でも多いが、大人になって、「一緒にいて損していると思わないの?」と複数に言われて気が付いた。
美人の友達は他の子に普通に接していて、拒絶されたり、ショックなことも少なからずあったのだろう。拒絶した方は自分の好きな男の子が彼女のことを好き、という子もいれば、大人を含めた周囲の無意識の待遇の違いも理不尽に感じる子もいたのかもしれない。少なくとも、私の友達はそういうことを鼻にかける子はいなかったのだけれど。

話は脱線しましたが、和樹の子供時代に別れた弟、智樹が姿を現す。問題を抱えているが、読者(大人)目線では、彼もまたネグレストの親の被害者でもある。

宮本さんのわかれた奥さんの話もあり、なんというか、読み進めるうちに「北の国から」を思い出してきました。

最近は家族といえば、理想的な家族(お互い思いやりがあり、自立した生活をしている)が多いけれど、この物語はそこから、はみ出た人々の物語であり、過疎化が進む町をなんとか、再生させようとする若者達の奮闘も描いた、読み応えのある物語です。

「本屋さんのダイアナ」柚木麻子

2025-04-07 | book/comic
「大穴(ダイアナ)」という名前、金色に染められたバサバサの髪。自分の全てを否定していた小学生の孤独なダイアナに、本の世界と彩子だけが光を与えてくれた。正反対の二人だけど、お互いのないものに魅力を感じ、大親友となる。成長していく2人は…。
以下、ネタバレ。
シングルマザーに育てられたダイアナが、知的な両親と素敵な家に住み、質の良い物を身につけている彩子(名前も落ち着いている)に憧れるのも、親がくれる地味なものより、キラキラしたカワイイ物を持っているダイアナ。親の手作り以外食べたことがなく、銀だこに感激するのも両者とも分かる。お互いタイプの違う美人で、そのこともお互い、コンプレックスになっているのかもしれない。
彩子が急に絶交したのは、受験のストレスだけでなく、密かに思いを寄せていた(ワタシ個人の勝手な深読み)武田君がダイアナと一緒にいたからだろう。その後、何かにつけ、彩子はダイアナと武田君を否定したりする。

進学して、彩子はどこへ行っても中心的な立場になるのに対し、ダイアナは孤独なまま。彩子の様に振る舞ってみても、周りの理不尽な人間関係に失望してしまう。高校に入り、男子にモテるダイアナが彼氏を作らないのは少し不思議だったけれど、彼氏より父親を求めていたのだろう、と、本屋さんに勤め始めて分かります。
彩子も順調に大学進学したが、ある事件を境に自分の境遇を認める事が出来ず、迷走し始める。

子供時代、心の中で描いていた理想と現実は違うこと、努力の先に得たはずのものが自分の思っていたものではなく、苦い経験となること。そういうこともきちんと描かれていることも素晴らしい。
10代後半くらいの読書好きの女の子にお勧め。

「ハニオ日記 Ⅱ 2018-2019」石田ゆり子

2025-03-24 | book/comic
ハニオとタビも大きくなってきた2巻。

石田家にミッツとハッチ兄弟が仲間入りします。
読者の私は未だに区別がつきません。

そして、バブちゃんも。

石田ゆり子さんがハニオ君に語らせる言葉が秀逸なのと、どの子もかわいいのと、ちらりと見える石田家のインテリアも魅力的。

タレントさんのエッセイの中でも犬猫好きの度合いが強い方にお勧めの1冊です。


「パンとスープと猫日和」群ようこ

2025-03-13 | book/comic
出版社で長年勤めていたアキコは亡くなった母が残した小料理屋を改装し、パンとスープのみを出すお店をはじめる。
小料理屋の常連の人々やお隣の喫茶店の人にあれこれ言われながらも、上手に受け流し、アルバイトのしまちゃんと自分のポリシーを貫く。
猫のたろちゃんはオフタイムのアキコに安らぎを与えてくれる。
「かもめ食堂」がお好きな方に合うのではないかと思います。