GPシリーズを通して、決して順調に調整が進んでいると思えなかった、浅田選手と高橋選手が大一番で最高の結果を出してくれたことは素直に嬉しいです。
ニュースを見たら、浅田選手のニュースのみで高橋選手のことがまったく触れられていなかったのを見てしまったので、敢えて、先に書きました(笑)
男子:
高橋選手:SP「ストロール」
課題の4Tを決め、3Aは着氷後に少しバランスを崩しながらもステップに混ぜ込んで、3Lz-3Tはきれい。
フレンズで見たときよりもプログラムがさまになってきたなと思いました。
FS:「道化師」
新しい衣装を見たとき、GPFのブエノスアイレスだったかマンボを彷彿してしまって嫌な予感が走りました。私的には前の衣装の方が好きです。新しい衣装の袖の重さや胴の膨らみ方はいかにもロシア好みといった感じがします。しかも、いつものモテスリムでないから、肌襦袢は浮いてるし・・・衣装の話ここまで。
演技を見たら、4T転倒、次の4T-3T成功。2本の3Aは着氷が乱れ、ステップも1箇所バランスを崩していたと思います。しかし、後半のスピードにのり、巧みなエッジワークと音楽に合わせた表現の中で次々とジャンプを決めていく様は圧巻。
モロゾフコーチもいっしょにジャンプ跳んでました(笑)「うちの大ちゃんにまたひどいことしたら、アタシ達が許さないからねっ」という親戚(=日本のファン)の声が聞こえるのか若干おとなしめなモロゾフコーチ。
演技としては彼のベストには程遠いですが、GPシリーズを通してどんどんよくなっています。
それから、GPFでは高橋選手が優勝してもおかしくない試合があったので、混戦した中で、やっとこの栄冠に辿り着いてくれて本当にうれしいのが率直な感想です。
羽生選手:SP
最後のジャンプでミスとは!細かいミスがあったように思いますが、それでも点数が出るのはオーサーコーチのレッスンの賜物でしょうか。終わった後のジェスチャーが演技の出来が良い時も悪い時もなんとなく村主選手を思い出します。
FS:
4Sが2Sになったほかは完ぺきでは。後半に3Aを二本コンビで決めて、恐るべきプログラムです。課題の残るスタミナを意識して、体力を考えながらジャンプを跳んでいるな、と思いました。学習能力が早い。
チャン選手:SP
チャン選手も羽生選手と同様思わぬミス。
FS:
4Tに失敗したものの、そのあとは綺麗にまとめあげ、スケーティングの素晴らしさやプログラムの楽しさに見入りました。最後のジャンプをコンビにしたところで「え?」と思ったのですが、点数が出るころにはそのことを忘れて「あれ、点数が伸びない」と思いました。やはり、ザヤック。
フェルナンデス選手:SP
得意の4回転で転倒は珍しい。でも、そのあとはよくまとめました。
FS:
今試合最高の出来。FS1位は納得です。最初の4回転をひやひやで決めた後、ちょっとつまづいたのに4-3成功(でしたよね)、後半にも4回転成功。すごいの一言。2種類3本の4回転、3A等次々に決め、チャップリンの世界を見事に描いていました。表彰台にのっていないのが残念です。
ランビエール選手同様、GPSの開催国でない国で素晴らしい選手が育つと応援したくなります。ヨーロッパ選手権頑張って!
小塚選手:SP
4回転成功したのに3Aのミスが!!!
FS
1本4Tを失敗しましたが、それ以外はよくまとまっていました。小塚選手の総合力から言えば、もう少し点数が出ていもいいのに、というのが正直な感想です。
やはり、バンクーバ五輪のスケーティング重視からジャンプの難易度重視にシフトされてきているのかな・・・
町田選手:SP
大技を入れない分、ジャンプの加点で点数を稼いでいたので、残念でした。新衣装は似合っていますが、ちょっと、村上ダイスケ選手を思い出してしまいました。
FS:
新しい衣装気に入りました。袖に羽根が生えました!
町田選手の今回の出場は順位より「プログラムの世界観を誇示するのだ!」と思っていましたが、SP同様ジャンプが決まらず。
今回の失敗を糧に全日本でよい演技をしてほしいです。
今年の全日本の男子は本当に楽しみな試合になりそうです。個人的には世界選手権代表と四大陸代表は別のメンバーにしてもらいたい。
女子:
浅田選手:
SP
3試合連続でいい演技。何度も見たくなる素敵なプログラムです。
FS
6分間練習で顔色が曇っていたので、大丈夫かな?と思ったのですが、素晴らしい出来。あとで、腰痛が重かったと知りました。
優勝が決まった時も静かな喜びで、自分と闘っていたのだと思いました。
ワグナー選手:SP
自分に風が吹いているときにアメリカの選手って強いな、と思うのですが、まさにそんな演技。
FS
ブラックスワンの頃から、FSでミスをするイメージがなかったので、ちょっとびっくりしました。
全米やカナダの世界選手権ではこの失敗から学んでくれると思います。
鈴木選手:SP
3つのジャンプがきれいに決まって、やったー!と思ったらスピンミス。なんで、こんなところで!と声を上げてしまった。
FS:
あまり転倒のイメージがない選手なので、びっくり。3試合連続であのミスさえなければ、という点差なのが残念でしたが、表彰台はキープ、2年連続表彰台おめでとう。
トクトゥミシュワ選手:
ジャンプが不調とのことですが、FSの構成や次々とジャンプを決めていくことにびっくり。やはり、ロシアでトップにいるにはこうでないといけないのだな、と思いました。
ロシアなので、もう少し点がぐっと出るかと思いました。
コルピ選手:
美人度ばかりが前に出てしまうコルピ選手ですが、ジャンプが決まれば、その質の良さが分かりますし、スケーティングも綺麗だし、スピンもお手本のような選手です。
ガオ選手:
アメリカの層の厚さが分かる選出。今回は残念ですが、やはり、アメリカの選手はバランスがよいですね。