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La douce vie

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「本屋さんのダイアナ」柚木麻子

2025-04-07 | book/comic
「大穴(ダイアナ)」という名前、金色に染められたバサバサの髪。自分の全てを否定していた小学生の孤独なダイアナに、本の世界と彩子だけが光を与えてくれた。正反対の二人だけど、お互いのないものに魅力を感じ、大親友となる。成長していく2人は…。
以下、ネタバレ。
シングルマザーに育てられたダイアナが、知的な両親と素敵な家に住み、質の良い物を身につけている彩子(名前も落ち着いている)に憧れるのも、親がくれる地味なものより、キラキラしたカワイイ物を持っているダイアナ。親の手作り以外食べたことがなく、銀だこに感激するのも両者とも分かる。お互いタイプの違う美人で、そのこともお互い、コンプレックスになっているのかもしれない。
彩子が急に絶交したのは、受験のストレスだけでなく、密かに思いを寄せていた(ワタシ個人の勝手な深読み)武田君がダイアナと一緒にいたからだろう。その後、何かにつけ、彩子はダイアナと武田君を否定したりする。

進学して、彩子はどこへ行っても中心的な立場になるのに対し、ダイアナは孤独なまま。彩子の様に振る舞ってみても、周りの理不尽な人間関係に失望してしまう。高校に入り、男子にモテるダイアナが彼氏を作らないのは少し不思議だったけれど、彼氏より父親を求めていたのだろう、と、本屋さんに勤め始めて分かります。
彩子も順調に大学進学したが、ある事件を境に自分の境遇を認める事が出来ず、迷走し始める。

子供時代、心の中で描いていた理想と現実は違うこと、努力の先に得たはずのものが自分の思っていたものではなく、苦い経験となること。そういうこともきちんと描かれていることも素晴らしい。
10代後半くらいの読書好きの女の子にお勧め。


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