福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

アウシュビッツ解放70年(8) ホロコーストへの疑問

2015年02月26日 16時17分39秒 | コラム、エッセイ
 ヒトラーと取り巻きの狂信者達によるユダヤ人撲滅作戦は人類最大の犯罪の一つである。これは戦争とは直接関係ない思想によっているが、戦時下でなければ成し得ない、人類の最大の犯罪であった。
 犠牲者はユダヤ人と限らないが、その数は一般的に400万人とも600万人とも言われている。ニュルンベルク裁判は400万人と認定したが、1995年には「150万人」に改められている。また、これ以外の数値を挙げる研究家や学者もいて一定しない。

 アウシュヴィッツ強制収容所についてはそれなりに知っていたつもりであったが、2000年にポーランドを訪れ収容所を見学した。見るもの全てが信じ難い光景であった。

 何故、こんな非道な犯罪が集団的に、年余にわたって一気に行われたのか? 
 戦争という狂気の中、極限状態であったという特殊な状態にあったにせよ、戦争で発現する集団的狂気や異常心理で理解しようとしても疑問は残る。人間はどこまで非情になれるのか? 
 
 その疑問をユダヤ人の側からの視点で整理すると、現段階では以下の如くである。
▪️何故ユダヤ人はかくも無差別に、組織的に虐殺されなければならなかったのか
▪️何故ナチスはユダヤ人を敵視し、徹底的に撲滅を図ったのか
▪️何故ユダヤ人は組織的に立ち上がることなくアウシュヴィッツへの道を歩まなければならなかったか
▪️どうして世界は、特に、ナチス支配下の国々が傍観していたのか

 前二者を含め、これらの項目について私はさらに勉強しなければならないが、後二者については、特に、アメリカに亡命できた財力も知識もある亡命者の方々は祖国で展開されているユダヤ人に対する非人道的な扱いなどについて世界に情報を発信できなかったのか?と思う。私が親しんでいる音楽家も多数亡命しているが、そのような動きをしたという話に触れたことはない。時代柄無理だったのだろうか。

 連合国側の指導者達はドイツで展開されている悲劇に全然気づいていなかったのか? 日独伊同盟を結んだ日本は特派員も派遣していたと考えられるが、国としてどの程度情報を得ていたのか?
 ユダヤ人への迫害の歴史はを遡るとすれば、キリスト教がユダヤ教から分離する時代に到達する。そんな長い歴史がありながら、受けてきた差別や迫害についてユダヤ人が一斉蜂起した、という話は聞かない。ユダヤ人が厳しい環境の中で、宗教的にはまとまり、財をなし、学問的にも、文化的にも成熟したが、私の目には一方的に放浪し続けてきた弱々しい民族のような思えてならない。
 ユダヤ人は居住地の文化とか人間関係に溶け込まずに遊離していたことがその土地の政治家の悩みの種になっていたとされている。そんな文献を探すのには事欠かないが、このことがもつ意義は小さくないだろう。
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