福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

日本人の食を考える(6) 孤食、私は好きだが・・

2018年10月26日 16時47分16秒 | コラム、エッセイ
 孤食とは家族等と一緒でなく一人で食べる食事を言う。
 私は他人と食卓を囲むのが嫌いなので好きな言葉のひとつでもある。

(1)子供の孤食
 子供が育つ過程においては孤食が続くとコミュニケーションの欠如から社会性や協調性のない人間に育ってしまう恐れがある。また、孤食では正しい食習慣が身に付かなくなり、栄養面でも問題が生じる。

 人間は社会的生物と言われている。食事は家族単位で分け合って”共食”するのが通常の姿である。
 食事は生きる上で中心的な行動であり、コミュニケーションをとるためにも重要で、学びの場としての機能を持ち、子供の発達にも大きな影響を及ぼす。
 食が乱れると生活リズムが乱れ、生活習慣までをも脅かすことになる。
 これは肉体的なことだけにとどまらず、精神面においても情緒不安定になりやすいなど多くのデメリットを生み出す。
 成人でも孤食では、孤食でない人に比べてうつになる可能性が1.5-2.7倍高いようだ。

 子どもの孤食は貧困層の子供に多い。
 共働き家庭が増え、シングルマザーなどのひとり親世帯など、子どもがひとりで食事しなければならない状況は増えている。

 地域の子どもたちに温かい食事や居場所を提供する「子ども食堂」が全国で開かれている。多くはNPO法人や社会福祉法人、地域住民が主体となって運営している。食堂は2286カ所で運営され、都道府県別では東京が335で最も多く、大阪219、神奈川169が続いた。
 本県では本年4月の時点で12カ所ある。しかし、まだまだ足りない。

 子ども食堂の背景には子どもの貧困がある。
 厚労省の16年国民生活調査によると、平均的な所得の半分に満たない家庭で暮らす18歳未満の子どもの割合を示す貧困率は13.9%で、およそ7人に1人となっている。特にひとり親の貧困などがある。
 しかし、食堂の多くは資金面、人手不足などの問題を抱えている。

(2)青少年の孤食 学習院大学の迎合は問題
 2013年6月7日の読売新聞の記事に、「学生食堂のテープルに仕切り」という見出しの記事が掲載された。これは学習院大学の学生食堂の記事。同大では、向かい側に座った人と目を合わせずにすむように約470席のうち100席をテーブルの中央を高さ約40cmのアクリル板で仕切った、と言うもの。

 私なら、学食のテープルにも仕切りが欲しいという要望は理解できる。私は大学寮の食堂でも誰もいない席を探していた。社会に出てからも机のまわりを本棚で囲って個室化し、そこで食べていた。

 だが、教育の場である大学が学生の要望に応じたことにはまったく理解できない。
 学生が社会に適応できる力を養成するのも大学の責務だ。コミュニケーションを養うのも教育だ。学食の席を一人用にすることは、教育の場ではやってはいけないことだ、と思う。大学が「孤食」を推進してどうする。
コメント
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