福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

多様性の疎外が表出した事件(9) 障害者雇用水増し問題(2)

2018年10月16日 08時01分17秒 | 時事問題 社会問題
 一般論として障害者を雇うことによって、企業業績が下がるだろう、と言われているが、東京大学の大学院 特任研究員 長江氏の調査では、必ずしもそうではない。一方、障害者雇用の有無によって株価には差が出るとされている。
 障害者を雇うことによって企業の効率性が低下するという誤解は広く浸透している。

 企業・組織は100人の従業員がいれば、加えて2人の障害者を雇わなければならないことになっている。その為には人件費が一人あたり20万程度とすれば40万円掛かりましになる。未雇用の罰則的納付金は一人当たり5万円だから、ふたり分で10万円、だから雇用しないで納付金を払うほうが企業としては月30万円経済的には有利である。納付金払うほうが楽ということで、積極的雇用が進まない、とも考えられる。

 私は現役時代には秋田市、および郊外にある企業の数社の産業医をやっていた。いずれの企業でも車椅子の従業員が何名か雇用されていた。その会社では傷害者も仲間によく溶け込んで仕事をしていた。従業員の中に障害者が混じっていることは一見してわかった。

 官公庁の障害者雇用水増し問題が今まで明らかにされてこなかったのは何故なのだろうか??

 27の国の行政機関で計3.460人も障害者数を雇用していたことになっていたが、車椅子使用者とか、外見からわかる、あるいは機能的に多少問題があるように見える障害者は恐らくはじめから雇用の対象外にしてたために居なかった、と言うことであろう。

 そのために、診断書や手帳を確認することもないまま障害者として採用していた、と言う。だから、障害があるといっても誰が障害者雇の採用であるか判断できない程度の軽症者が多く、中には採用されてから無理やり障害者雇用に組み込まれた健常者もいる、といわれる。

 要するに外見から分かるような機能障害者ははじめから雇用対象外だったということ。これでは障害者雇用法の意味が完全に失われる。
 国が自ら決めた法を守っていないのは死刑制度にもある。法では死刑決定後半年以内に執行と決まっているが、そのように執行された例は近年には無い。

 今後の障害者雇用を円滑にするには、
 (1)非採用の場合には行政機関にも納付金を求め,しかもより高額にし、障害者の雇用が企業側にメリットになるような機構を作る必要がある。
 (2)雇用した障害者に雇用をチェックする任を担わせてはどうか。これで障害者雇用への監視はより性格になり今回のような事態は再発しなくなると考えられる。
 (3)雇用される障害者の障害のレベルを再検討する。
 これらのチェックでうまく機能するようになる、と思われる。

 
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする