日本人のサプリメント利用率は男性21.7%、女性28.3%であることが厚労省2019年 国民生活基礎調査」(2020年08月)でしめされた。
私は外来患者の実態から見て、新聞広告の派手さから見てもっと多いものと思っていたが、意外と少なく安心した。
この報告は多項目にわたる。
調査は全国の世帯及び世帯員を対象とした。詳細は2019年 国民生活基礎調査の概況(厚生労働省)に示される。
調査は国勢調査を基にし、健康調査の対象は301.334世帯という莫大なものである。
以下に概要を示した。
「有訴者率」:なんらかの症状がある方は302.5人/1000人だった。性別にみると男性270.8、女性332.1で女性が高く、年齢別では10~19歳が157.1で最低で、年齢が高くなるに従い上昇し、80歳以上では511.0であった。
「症状の種類」としては、男性は腰痛が91.2>肩こり(57.2)。女性は肩こりが113.8>腰痛(113.3)>関節痛(69.9)>体がだるい(54.5)>頭痛(50.6)。
「サプリメントの摂取」は、60代男性、50代女性が最多。
サプリメントのような健康食品を摂取している人の割合は、男性21.7%、女性28.3%で、年齢別では、男性は60~69歳が28.1%で最多、女性は50~59歳が37.6%で最多だった。
(サプリメントのような健康食品を摂取している人の割合 意外と全世代にわたっている)
(参考) 米国CDCのデータ
紹介された論文は60歳以上の閉経後の女性がサプリによってどのような有益・不利益があるかを調べたもので閉経後の女性38.772人を追跡調査したもの。ただし、私は論文の内容をチェックしていない。∴紹介だけに止める。
- 27%の女性が4種類以上のサプリメントを服用していた
- 飲んでいるサプリはカルシウム・マルチビタミン・ビタミンC・ビタミンEが多かった
- マルチビタミンは死亡リスクを2.4%増加させていた
- マグネシウムは死亡リスクを3.6%増加させていた
- 葉酸は死亡リスクを5.9%増加させていた
- 銅は死亡リスクを18%増加させていた
アメリカは医療費がとても高額である。そのため健康維持・エイジングケア目的でサプリが普及している。米国では政府系の機関がサプリメントは効果がないだけでなく、危険であるとしている。
結論
サプリメントには効果が科学的に証明されていない場合もあるため、消費者は自身の健康目標やニーズに合った製品を選ぶ際に注意が必要。医師や専門家との相談を通じて摂取を検討することが大切。
それにしてもテレビ等々の広告のせいで、現在の世の中はこのサプリメントで溢れている事実を大いに懸念しております…
福田先生が今回記載されていらっしゃる通り、サプリメントには“危険性”すらある事実に私も警鐘を鳴らしたい思いです。
とにかく消費者の皆様には、どうかくれぐれも安易な手段で我が身を守ろうとなさらないように。 医学関係者の私からも福田先生のご意見を応援申し上げます!