わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

作品の「割れ」、「ひび」対策(補修4)

2009-07-29 07:51:51 | 失敗と対策
前回の続を、述べます。

3) 素焼後の「割れ」「ひび」の補修。

 ④ 傷はそのままで、釉を掛け、窯詰めの工夫で、傷を消す(補修する)。

   即ち、本焼きでは、土が高温に晒され、若干、軟らかく成り、変形し易く成ります。

   この現象を利用します。(赤土など、高温に弱い場合には、最適な方法です。)

   本焼きすると、傷口は広がります。 但し 長皿の様に、長辺の1箇所に「割れ」、「ひび」が

   ある時には、その両端を、枕(スペーサー)を入れ、傷部分が、棚板から、持ち上がる様にします。

   即ち「ブリッジ状態」になります。本焼きで、このブリッジ部は、下に垂れ、棚板に付きます。

   その際、両端から、傷が狭まる方向に、力が加わり、傷が塞がり、且つ釉で、覆われますので、

   傷が目立たなく、成ります。

  ・ 尚、長皿以外にも、この現象を、利用して、色々試してください。

  ⑤ 何の対策もせず、そのまま本焼きする。

    本焼きすると、傷は最大に広がります。即ち、これ以上、傷が大きくならない状態で、

    初めて、補修をします。

    傷口に、シャモットや、接着剤を押し込み、その上に、釉を掛け、二度焼きします。

   ・ 又、「割れ」た本体と部品は、個別に釉を掛け、本焼きした後、陶磁器用の接着剤で、接着する。

     但し、個別に焼ける事が、条件に成ります。

     接着剤は、2液を混ぜ合わせる、エポキシ系が、強く接着します。

4) 本焼き後、又は、使用中の「割れ」の補修。

  ① 金継ぎの方法

    大切な作品を、何らかの理由で、壊してしまった場合、割れた部分に、金を載せて、補修します。

   ) 用意する物。

     漆(透明天然、合成うるし)、漆希釈液、(釣り道具やで、市販されています)、

     金粉又は、これに類する物(真鍮等の代用品)、真綿(絹で作った綿)、筆など

   ) 割れた部品が、多数に分かれている場合、欠品が無いかを、確認します。

     小さな片から順番に組み立てます。大きな物から、組み立てると、何処かに、

     隙間が出来てしまいます。

   ) 確認が出来たら、漆を接着剤として、組み立てます。希釈剤を使い、漆の濃さを、調整します。

      全てが、組み上がったら、上から、漆で覆います。

   ) 漆は、直ぐには、乾きません。その間に、金粉を落す様にして、漆の上に、置いて行きます。

      不用な金粉は、筆で払い、取り除きます。

     尚、本漆は「かぶれ」を、起す場合が有りますので、注意が必要です。

   Ⅴ) 更に、真綿で、金粉を軽く押さえ、接着します。

   金継ぎの方法は、抹茶々碗等の、景色として、珍重される事も多いです。

   漆は、熱にも強く、しっかり接着できます。


以上で、「割れ」「ひび」に付いての、話は終わりに致します。


割れ ひび 
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