わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

大物を作る8(轆轤で作る5)

2011-06-22 22:35:55 | 失敗と対策
大きな作品(大物)を作る話を、続けます。

4) 轆轤で大きな作品を作る。

  ② 大皿を作る

    轆轤は回転していますので、常に遠心力が掛り、土を外へ外へと、押し広げ様と力が働きますので、

    背の高い作品を作るよりも、作業は容易に成ります。

    しかし、径が大きな作品を作るには、小皿を作るとは違った注意が必要です。

    又、直径40cmの皿を作るには、製作時には、45~46cm必要になります。

    焼き上がり径が50cmの時は、生では57~58cmで、作る様にします。

  ) 亀板を用意する。 

    皿は作品の径が大きく、轆轤上で直に作陶すると、ゆがませない様に、取り上げる事が

    難しく成ります。それ故、長時間轆轤を、占領する事に成ります。亀板の上で作業をすれば、

    亀板ごと取り上げる事が出来ます。   

  ) 轆轤の「ドベ受け」が使えないかも知れません。

    一般に使われている轆轤のターンテーブルは、30cmの物が多い様です。

   この場合、亀板の径(丸の場合)は35cm程度までならば、「ドベ受け」は使えますが、

   それ以上大きくなると、「ドベ受け」が邪魔に成る為、取り除く必要が、あります。

   ・ 「ドベ受け」は、轆轤作業で発生する、泥水を周囲に飛散させない、轆轤周囲の囲いです。

     これが使えない事は、轆轤周辺に泥水が、飛散する事でまあり、底削りの際に、削りカスが、

     飛散する事でもあります。その為、作業前に対策を採る必要があります。

     なるたけ水の使用を、控えるとか、周囲が汚れても良い、環境にしておきます。

   ) 力の強い轆轤を使う事。

     径大きくなると、トルク(半径X力)が大きくなります。馬力の弱い轆轤では、力を入れると、

     回転がストップする恐れがあります。

   ) 作り方は以下の様にします。

      使う用具は、皮、布切れ、厚みを測る針、竹へら、などです。

    イ) 基本的には、一塊の土を使い、一気に挽き上げてしまいます。

       轆轤上の亀板に、所定の量の土を載せ、拳(こぶし)で土の中央を、叩き締めます。

      土を締める事により、底割れを防ぎます。底の厚みは、作る作品によって差がありますが、

      1.5~2cm程度にします。

    ロ) 轆轤を手で回転させ、底の中心から外側へ、土を平らにしながら、底の大きさを決めます。

       皿を作る重要なポイントは、製作時に、底の面積を大きく取る事です。

       最終的には、底削の際に、底の面積(高台の大きさ)を決めます。

       一般に、皿の高台の径は、皿の外形の1/2~1/3と言われていますが、

       轆轤作業時には、1/2以上にします。

    ハ) 底部と土の周囲は、盛り上がって、凸凹しているはずです。

       これを塗らした布切れで、押さえ込み、厚みの揃った、綺麗な円を出させます。

       この際、かなりの力が必要で、馬力の無い轆轤では、ストップしてしまいます。

    ニ) 周囲の土手を、肉が薄くなる様に、上に伸ばします。

       当然、大きな皿は、ある程度の肉厚が必要です。上部が広がらない様に注意します。

       要所要所土を、両手で抱え込む様にして押さえ、振れを止めます。

    ホ) 土の上部を、手前に倒す様にして、径を大きくします。

       轆轤の回転は、徐々に遅くして行きます。

       土の側面を「こて」を使って、形を作ります。

       (広い面積を、綺麗に仕上げる為には、「こて」を使う事です。)

       作品の形が出来たら、皮を使って口縁の土を締めながら、拭きます。

    へ) 最後に底に、底に残っている、水やドベをスポンジで拭き取ります。

       切糸を使い、亀板から作品を、切り離しておきます。軟らかい内に作業をしておかないと、

       後で苦労します。

  ) 底を削る

以下次回に続きます。

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