わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

大物を作る7(轆轤で作る4)

2011-06-21 22:05:30 | 失敗と対策
大きな作品(大物)を作る話を、続けます。

4) 轆轤で大きな作品を作る。

 ① 背の高い作品を作る。

 b) 繋ぎ合せて、高い作品を作る。 

  ) 筒状に挽き上げた土の上に、同じ様な筒状の土を載せ、高さを高くしてから、轆轤成形する方法。

    背の高い、大きな作品を作るには、いかに土を高く挽き上げるかに掛かっています。

   イ) 前回お話したのは、土を分割して、各々を轆轤挽きし、乾燥した下部に積み上げて、

      作品を作る方法ですが、製作時間が掛かる事と、完成した作品を予想しながら、作らなければ

      成らないと言う、欠点もあります。(但し、この方法が一番、肉が薄く軽く出来るはずです。)

    ロ) 今回お話するのは、一度に挽き上げる高さは、目標の高さの1/2程度、挽き上げれば

       良いと言う方法です。

       即ち一度に40cmの高さまで、轆轤で挽き上げるのは、かなりの熟練を要します。

       更に、粘土も5Kg程度必要かもしれません。

       しかし、20cm程度の高さで有れば、さほど困難ではありませんし、土の量も

       (筒2本分で、)半分程度で済みます。

    ハ) 一例をお話します。

       土2.5Kgを用意し、1.5Kgと1Kgに分けます。

     ・ 1Kgの粘土を轆轤上に載せ、片手が入る程度の筒状に、轆轤挽きします。

       底は抜きます。高さは、20cm以上が欲しいです。肉厚は厚くする必要はありません。

       出来れば亀板の上で、轆轤作業をし、作業後に亀板ごと取りあげます。

       (轆轤に慣れない方は、この20cmが一つの壁に成ります。ある意味この高さまで、

        轆轤挽きが出来ない方は、大物に挑戦するのは、困難かも知れません。)

     ・ 1.5Kgの土を轆轤上で、底のある筒状に挽き上げます。筒の径は1Kgの筒と同じに

       します。高さは20cm程度にしますが、土の量多いですから、当然肉厚に成ります。

       出来れば、1.5~2cm程度の肉厚にしたいです。

     ・ 轆轤上の筒に、先に作った筒を載せます。先に作った筒は、亀板から糸で、切り離して

       おきます。さもないと、亀板の重みも、下の筒にかかり、変形を起こすからです。

       尚、基本は、轆轤上の筒を挽き上げた直後に、上に載せますが、下が柔らかい時には、

       若干乾燥させてから載せます。筒2本が縦に繋がりますので、高さは40cm程度に

       成ります。

     ・ 2本の筒を繋ぎ合わせる方法は、前々回お話しましたので、省略します。

       但し、合わせた所は、土を良く締めてから、轆轤の回転を「ゆっくり」させながら、

       振れをなくします。

     ・ 接合部分が、凸凹も無く平らに成ったら、胴を徐々に膨らませ、形を作って行きます。

       全体の形が一目で解かりますので、形も作り易いです。

       繋ぎ目をしっかり内外から、手を当て力を入れて、土を締めないと、胴を膨らませた際に

       繋ぎ目に「ひび」が入り易いから、注意して下さい。

   二) 背の高い作品を作る場合、轆轤の前に座ったままでは、内側の手が奥まで入らない場合が

      あります。 その際には、轆轤の横に立って作業する必要があります。

      姿勢がやや不安定な中腰に成りますので、作業がやり難いかも知れませんし、腰を

      痛めない様に、注意して下さい。

  ② 大皿を挽く

以下次回に続きます。   

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