アカデミー賞の行方も気になるところですが、フランスではセザール賞が発表されました。わし的には、オスカーにノミネートされてる作品やスターより気になる受賞結果になってました。作品賞の“Illusions perdues”はバルザックの小説を映画化した文芸時代劇で、主演のバンジャマン・ヴォアゾンくんが新人男優賞を受賞!バンジャマンくん、可愛い!今後のさらなる躍進が期待されるイケメンです。共演のヴァンサン・ラコストも助演男優賞獲得。日本公開が待ち遠しいですね。
嬉しいと同時に衝撃的だったのが、主演男優賞のブノワ・マジメル。ずいぶん前から貫禄がでて恰幅もよくなってたブノワですが、さらにどっしりでっぷり化しちゃってるではありませんか。でも美青年時代とは違う魅力と個性を培い、2度目の受賞で今やフランス映画界の重鎮に。カトリーヌ・ドヌーヴ共演の受賞作“De son vivant”では、余命いくばくもない主人公を演じてるブノワ。作中では↑の画像とは別人のように痩せやつれた風貌で、かつてのイケメンぶりをちょっとだけ蘇らせてます。役者ですね~。
次はオスカーですね!
「Malila The Farewell Flower」
タイの農村でジャスミン畑を営むシェーンは、ガンで余命いくばくもない元恋人ピッチと再び愛し合うようになる。ピッチのためにシェーンは出家しようとするが…
最近タイの映画やドラマも人気だとか。特にBLものは充実しているようで、この作品もなかなか味わい深い佳作でした。美しく静かな野生の風景の中、肉体も魂も溶け合うように交わす男たちの愛が切なく悲愴でした。男同士で愛し合うという禁断感はほとんどなく、二人とも全然コソコソしてなかったのが清々しいのですが、私はそんな堂々としたBLより、人目をしのんだ密会とか、迷いや罪悪感で煩悶する隠微なBLのほうが好きなんですよね~。禁じられるからこそ生まれるドラマが好きなんです。
二人がどういう経緯で愛し合う仲になり、なぜ一度は別れたのかは詳しくは説明されておらず推察するしかないのですが、勝手な妄想も腐は得意で大好きシェーンにはかつて妻子がいて、幼い娘が大蛇に襲われて(噓でしょ?!タイの田舎、怖すぎる!アナコンダみたいな巨大な蛇に全身ぐるぐる巻きにされてる幼児、という衝撃的なシーンあり)死に、その悲しみから立ち直れず酒びたりになってしまい嫁と離婚、という事情があったらしいけど、シェーンも男同士の愛に怖気づいて女に逃げたパターンなのかな。偽りの人生の終わり方が悲痛。現実も未来も捨てシェーンが身も心も耽溺する刹那の愛は、かなり退廃的。希望あふれる明るい愛よりも、妖しく心惹かれてしまう私です。
男同士のラブシーンが美しくも官能的です。亜熱帯の暖かい湿った夜気が、退廃的で厭世的な情交にぴったり。西洋人のカサカサした肌、運動みたいな情緒のない動きと違い、東南アジアの男の浅黒いぬめりけのある肉感的な肌の重なり、じっくりと相手の悦びを確かめるような愛撫や腰使いは、かなりエロティック。でも全然イヤらしくなく、心も愛し合い求め合っていればセックスもこんな風になるはずだよな~と、羨ましくなるような情感が漏れていました。そういうシーンを作り出せる俳優さんって、ほんとスゴいわ。全裸での絡みといい濃密なキスといい恍惚の表情といい、ぜんぶ演技ですもんね。
ラブシーンは2回だけですが、行為だけでなく愛し合う場所も東南アジアの原始的な野趣があって印象的でした。主演男優二人の演技と見た目も、女よりキレイ系なメイクばっちりイケメンの軽薄な演技が苦手な私には好ましかった。シェーン役の俳優は、妻夫木聡を長身で逞しい体格にした感じのイケメン。優しく悲しげな笑顔が可愛かった。バキバキ筋肉ではなく、がっちりむっちりした肉体も私好みでした。ピッチ役の俳優は、やつれて黒くなった西島秀俊みたいでした。彼らの役者魂あふれるBL演技、日本の若い俳優もBLやるならあれぐらいはやってほしいものです。
独特の死生観、出家、修行など、かなりスピリチュアルな映画でもありました。ウジ虫だらけの腐乱死体が起き上がって…なオカルトっぽいシーンもあり。出家のプロセスや修行服の着方、修行の旅のためのグッズ(あのテント、ほしい!)など、タイのお坊さんの修行描写も興味深かったです。ピッチがバナナの花や葉で作るバイシー(儀式用の装飾品)も、その精巧で美しくもはかない風情で霊的ムードを醸すのに一役買っていました。
嬉しいと同時に衝撃的だったのが、主演男優賞のブノワ・マジメル。ずいぶん前から貫禄がでて恰幅もよくなってたブノワですが、さらにどっしりでっぷり化しちゃってるではありませんか。でも美青年時代とは違う魅力と個性を培い、2度目の受賞で今やフランス映画界の重鎮に。カトリーヌ・ドヌーヴ共演の受賞作“De son vivant”では、余命いくばくもない主人公を演じてるブノワ。作中では↑の画像とは別人のように痩せやつれた風貌で、かつてのイケメンぶりをちょっとだけ蘇らせてます。役者ですね~。
次はオスカーですね!
「Malila The Farewell Flower」
タイの農村でジャスミン畑を営むシェーンは、ガンで余命いくばくもない元恋人ピッチと再び愛し合うようになる。ピッチのためにシェーンは出家しようとするが…
最近タイの映画やドラマも人気だとか。特にBLものは充実しているようで、この作品もなかなか味わい深い佳作でした。美しく静かな野生の風景の中、肉体も魂も溶け合うように交わす男たちの愛が切なく悲愴でした。男同士で愛し合うという禁断感はほとんどなく、二人とも全然コソコソしてなかったのが清々しいのですが、私はそんな堂々としたBLより、人目をしのんだ密会とか、迷いや罪悪感で煩悶する隠微なBLのほうが好きなんですよね~。禁じられるからこそ生まれるドラマが好きなんです。
二人がどういう経緯で愛し合う仲になり、なぜ一度は別れたのかは詳しくは説明されておらず推察するしかないのですが、勝手な妄想も腐は得意で大好きシェーンにはかつて妻子がいて、幼い娘が大蛇に襲われて(噓でしょ?!タイの田舎、怖すぎる!アナコンダみたいな巨大な蛇に全身ぐるぐる巻きにされてる幼児、という衝撃的なシーンあり)死に、その悲しみから立ち直れず酒びたりになってしまい嫁と離婚、という事情があったらしいけど、シェーンも男同士の愛に怖気づいて女に逃げたパターンなのかな。偽りの人生の終わり方が悲痛。現実も未来も捨てシェーンが身も心も耽溺する刹那の愛は、かなり退廃的。希望あふれる明るい愛よりも、妖しく心惹かれてしまう私です。
男同士のラブシーンが美しくも官能的です。亜熱帯の暖かい湿った夜気が、退廃的で厭世的な情交にぴったり。西洋人のカサカサした肌、運動みたいな情緒のない動きと違い、東南アジアの男の浅黒いぬめりけのある肉感的な肌の重なり、じっくりと相手の悦びを確かめるような愛撫や腰使いは、かなりエロティック。でも全然イヤらしくなく、心も愛し合い求め合っていればセックスもこんな風になるはずだよな~と、羨ましくなるような情感が漏れていました。そういうシーンを作り出せる俳優さんって、ほんとスゴいわ。全裸での絡みといい濃密なキスといい恍惚の表情といい、ぜんぶ演技ですもんね。
ラブシーンは2回だけですが、行為だけでなく愛し合う場所も東南アジアの原始的な野趣があって印象的でした。主演男優二人の演技と見た目も、女よりキレイ系なメイクばっちりイケメンの軽薄な演技が苦手な私には好ましかった。シェーン役の俳優は、妻夫木聡を長身で逞しい体格にした感じのイケメン。優しく悲しげな笑顔が可愛かった。バキバキ筋肉ではなく、がっちりむっちりした肉体も私好みでした。ピッチ役の俳優は、やつれて黒くなった西島秀俊みたいでした。彼らの役者魂あふれるBL演技、日本の若い俳優もBLやるならあれぐらいはやってほしいものです。
独特の死生観、出家、修行など、かなりスピリチュアルな映画でもありました。ウジ虫だらけの腐乱死体が起き上がって…なオカルトっぽいシーンもあり。出家のプロセスや修行服の着方、修行の旅のためのグッズ(あのテント、ほしい!)など、タイのお坊さんの修行描写も興味深かったです。ピッチがバナナの花や葉で作るバイシー(儀式用の装飾品)も、その精巧で美しくもはかない風情で霊的ムードを醸すのに一役買っていました。