先日(6月24日)、街かど古典カフェ夏季講座2011の4回目へ行ってきました。街かど古典カフェは、講師の方を囲み、京町家やカフェなどくつろいだ雰囲気の中で、古典に親しみ、学び、こころ豊かな時間を過ごすというものです。
私は虎屋京都ギャラリーで行われる、同志社女子大学名誉教授の朧谷壽(おぼろや ひさし)先生の講座に参加させていただいております。テーマは「院政期の光と影」です。第72代白河天皇(白河院)の代からはじまった院政・・・この時代を語るには平家の存在なくしては語れず、ちょうど来年の大河ドラマが平家を取り上げることもあり、人気の講座です。
第4回(最終回)は「天子の器に非ず」の後白河院と今様・・・です。
後白河天皇は、10歳から今様(流行りうた)に夢中で「天子の器に非ず」といわれた人物です。29歳の時、異例の即位をします。異例というのは(器でないということではなく)皇太子の経験がないということです。在位期間は3年足らず、その後、子である二条天皇が即位します。(皇位継承者の父がいるのに、子が先に即位するわけにはいかないとの理由も)
退位後、院政を執りますが、天皇に比べ行動が自由なため、生涯、なんと34回の熊野御幸を行います。ひどい頭痛持ちだった後白河法皇が医者にかかっても治らず、熊野詣でをして平癒祈願をしたところ「法皇の前世は熊野の蓮華坊という名のお坊さんで、その髑髏(どくろ)がある川の底にあり、その髑髏を貫いて柳が生えていて、その柳が風に揺れるたびに頭痛がする」とのお告げがあったそうです。探すと髑髏があり、その供養のために建てたのが蓮華王院(三十三間堂:前ぶろぐ)なのです。実際には、法皇の発願で平清盛が建立しています。
後白河法皇が沈溺していた今様は「梁塵秘抄」としてまとめられ、現在の私たちに、当時の生活や信仰を知る貴重な資料となっています。制作されたのは20巻といわれていますが、現存するのは2巻のみです。以前、城南宮のご案内の際【前ぶろぐ】に、まじくんが歌う「今様 梁塵秘抄 いざれこまつぶり」を弾き語りでご紹介しています。なお、梁塵秘抄は口伝集のため、正確なメロディは残っていません。おそらくこんな感じであったろうということで、歌われています。*今から2年前のまじくん、懐かしので動画をアップしておきます。↑残念ながら今は撮り直しさせてくれません。(^^;)
今回のお菓子は、とらやさんの季節の羊羹「青梅の露」です。緑の琥珀羹と青梅を練りこんだ羊羹が2層になっています。きざんで蜜漬けした青梅がコリコリして、くせになる食感です。7月下旬までの限定品です。
街かど古典カフェ夏季講座は、私が受講した講座は4回で終了です。ちょうど昨年から読み始めて止まってた「宮尾本 平家物語」・・・この講座を機に、再び読み始めました。ようやく3巻、平清盛が熱病に侵され亡くなった場面まで読み終えました。ちなみに、平家物語は筆者不明で、おそらく反平家の筆者によって書かれたものと考えられます。そのため史実より、かなりの脚色がされているだろうとのことです。まぁ、「江」ほどではないと思いますが。(^m^)来年の大河ドラマ始まる前には、読み終えないと・・・。
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