ITSを疑う

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トヨタのテレマティクスサービスはG-BookからT-Connectに

2014年06月25日 | ITS
トヨタは6月18日に日本市場に向けて新テレマティクスサービス「T-Connect」を発表した。

ポイントは以下の通り。

・従来からやっていたテレマティクスサービス「G-Book」の次世代。G-Bookという名称は継承されない。
・「GーBook」に対し,大きく異る点は以下の通り
 1)ロボットオペレータによる対話型サービス(iPhoneのSIRIのようなもの)
 2)サードパーティにOS仕様を公開し,アプリ開発・販売を認める。ユーザーは選んでインストール可能。
   APPストア・Google Playのようにトヨタが審査,販売管理,集金をし,20%の手数料を取る。
・T-Connectサービス自体は無料。
・通信方式は携帯連携,DCM, Wifiスポットの3種類対応
・標準装備,メーカーオプション,ディーラーオプションすべて今年の夏に同時発売(日本)

AppleやGoogle,MSが車載OSに進出するなか,カーメーカーとしての主導権を確保するためトヨタは独自OSを採用したと考えられる。サードパーティにAPP開発を開放し,その販売の20%を徴収することでビジネスモデルを構築し,T-Connect自体は無料としていると考えられるが,果たしてユーザー課金できるような魅力あるアプリが出てくるのかは疑問。
運転しながら使うという前提で,ユーザーがお金を払っても買いたいようなコンテンツはそれほど多いとは思えない。
最初から用意されるとしているAPPにしても,運転診断とか情報提供等,正直キラーコンテンツとはなりえないようなものばかり。

IT企業に対抗するという考え方はわからなくもないが,相手はすべての車が対象。トヨタ車用だけで独自路線を進めても,所詮勝てないのは明白。ハードウェアメーカーがOSを作って成功した例はない。
(注:今日25日の日経に,トヨタはGoogleと提携,という記事がありました。T-Connect都の関係はわからん)

さて,このニュース,NHKは「トヨタが新型ナビを発表した」と報道した。一般ユーザーにテレマティクスという概念は存在しない。ナビの普及が先行した日本では,あくまでこれはナビなのだ。
T-Connectはユーザーにとってはナビの便利機能の一つにすぎない。だからそのOSが何であろうと,ユーザーにはあまり関係ない。そこがPCや携帯と根本的に異なる。

だからトヨタは標準装備やディーラーオプションの専用ナビにこれを組み込むということで有無を言わさずに普及させることができる。そういう意味では,T-Connectは普及するだろう。
でもそれで何が起きるのか?トヨタのナビは便利だから,トヨタを買おう,ということになれば成功だろう。その先に,このT-conenctをベースにした新しいビジネスが生まれれば,大成功になる。

でも,そこまでのことは無いんじゃない?
所詮,車についてるカーナビの便利機能の一つでしか無い。スマホのような,消費者のライフスタイルを変える力はない。
 


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