ちょっと寄り道。以前の日記「イギリス兵の塗装」で、ドラゴンの「BRITISH COMMONWEALTH TROOPS (NW EUROPE 1944)」(6055)は、英連邦歩兵の軍服を「H73/23 ダークグリーン」と指定している、いくらなんでもそりゃねーだろ!という話をしました。ところが、いろいろ資料を見ていると、そう簡単には言えそうにないことに気づきましたので、再びこの話です。
先日買った『Mini-Guides SOLDIERS IN NORMANDY, The British, June to August 1944』(Alexandre THERS著)と言う本、35ページほどで、本と言うよりブックレットという感じですが、軍装品の実物コレクションの写真、それを装着したモデルさんの写真、火器の実物の写真など、なかなか参考になります。これはMini-Guides Collectionsというシリーズで、SOLDIERS IN NORMANDYには他にもアメリカ・ドイツ、またARMOR IN NORMANDYとしてはイギリス、アメリカ、ドイツとそろっています。
さてこのノルマンディのイギリス兵の巻ですが、写真としては以前紹介した『The British Soldier Vol.1 & Vol.2』とかなり共通していますが、また違った角度からまとめてあって、まあそう高価でもないしで買ってみたのですが、いやなかなか当たりでした。で、その中に「カナダ歩兵」という一章があります。
以前読んだ日本の模型雑誌では、ドラゴンの英連邦歩兵について、軍装品は同一だからそのままイギリス兵として使える、と書いてありました。だからずっと、英軍と英連邦軍は同じ塗装でよいのだろうと思っていました。ところがこの『SOLDIERS IN NORMANDY』では、カナダ兵について、
服装と装備品は英軍と似ているが、少し違いがあり、
notably the greener shade of the wool uniform and yellowish webbing gear
つまり、明らかに緑がかったウールの軍服の色合いと、黄色がかったベルト類、と書いてあるんです。そして写真(該書16ページ)をご覧になると分かるように、それらを装着したモデルさんの写真も、かなり緑の強い軍服に、黄色の強いベルトやパウチになっています。
ってことは… ドラゴンの6055はあくまで英連邦の歩兵なんだから、このダークグリーンという色の指定は決して間違っていなかったのかも! すみません! どうせドラゴンの説明書だからと、バカにしていました。この話は続きます。
先日買った『Mini-Guides SOLDIERS IN NORMANDY, The British, June to August 1944』(Alexandre THERS著)と言う本、35ページほどで、本と言うよりブックレットという感じですが、軍装品の実物コレクションの写真、それを装着したモデルさんの写真、火器の実物の写真など、なかなか参考になります。これはMini-Guides Collectionsというシリーズで、SOLDIERS IN NORMANDYには他にもアメリカ・ドイツ、またARMOR IN NORMANDYとしてはイギリス、アメリカ、ドイツとそろっています。
さてこのノルマンディのイギリス兵の巻ですが、写真としては以前紹介した『The British Soldier Vol.1 & Vol.2』とかなり共通していますが、また違った角度からまとめてあって、まあそう高価でもないしで買ってみたのですが、いやなかなか当たりでした。で、その中に「カナダ歩兵」という一章があります。
以前読んだ日本の模型雑誌では、ドラゴンの英連邦歩兵について、軍装品は同一だからそのままイギリス兵として使える、と書いてありました。だからずっと、英軍と英連邦軍は同じ塗装でよいのだろうと思っていました。ところがこの『SOLDIERS IN NORMANDY』では、カナダ兵について、
服装と装備品は英軍と似ているが、少し違いがあり、
notably the greener shade of the wool uniform and yellowish webbing gear
つまり、明らかに緑がかったウールの軍服の色合いと、黄色がかったベルト類、と書いてあるんです。そして写真(該書16ページ)をご覧になると分かるように、それらを装着したモデルさんの写真も、かなり緑の強い軍服に、黄色の強いベルトやパウチになっています。
ってことは… ドラゴンの6055はあくまで英連邦の歩兵なんだから、このダークグリーンという色の指定は決して間違っていなかったのかも! すみません! どうせドラゴンの説明書だからと、バカにしていました。この話は続きます。
レスが遅くなりましてすみません。
なるほど、ある世界を極めた人の話は面白いものですね。
アメ横通いから始まっておられるんですね。
確かにヴォルスタッド氏の絵はすばらしい。
模型屋さんによると、彼の箱絵の時は
売り上げがよいとか。
逆に言うと、へたな箱絵だと
売れ行きにも響くということなんでしょうか。
ながなが知ったかの書き込み申し訳ありません。
過去に興味をもって買いあさった実物をみているうちに気が付いた、覚えた ことをとりとめもなく書いてしまいました。
集めたものたちをなんら体系だててきちんとした整理をしているわけでも、収集などを披露できるほどのきちんとした研究もしているわけではなく、すみません。
おはずかしいかぎりです。
小学低学年で親父がいつも土曜の半ドンで午後からの仕事休みの日、翌日は週に1度の休日である日曜なので家でゴロネしながら一杯やりつつモノクロのTV放送で見ていた COMBAT を脇でいっしょにみているうち、米軍や英軍の被服や鞄、ポウチ類に興味をもつようになり、中学に入り小遣いをもらうようになると、それを夏休みに向かってせっせと貯めては、あこがれの上野御徒町はアメヤ横丁にずらりあった大小のアメリカ古着雑貨屋や、サープラス卸専門店で、興味のあるものをひとつひとつ買いたしていったのがはじまり・・・
以来、実物を古着屋や古道具屋やフリマなんかで偶然みつけちゃあ集め、構造や縫製、金具や刻印など細部を孔のあくほどみまわし、スケッチをとり、詳細な細部特徴の記録をつけて自分なりに分類・ストックするてなことを大学でるまでやってましたが、社会人になるとぱったりそんなマメなこともやっていられなくなり、ぱったりと・・・いまじゃ集めたものたちは、古新聞にくるまれてダンボールに入ったまま、家のどっかでうずもれて、どこにしまったか記憶もさだかでは・・・・
それに、同じような趣味のひとに貸してあげてもどってこないものとか、管理が悪くて虫が食ってしまって泣く泣く処分したりとか、存在はしっていてもどうしても入手ができなくて ミッシングリンクのまま今日にいたっているハヌケの多い不完全なコレクションのため、お目にかけるのも心苦しく・・・
ドラゴンのフィギュアキットのボックスのイラストや組立説明図のほうが、わたしなんぞよりよっぽど正確で、モデラーの皆様のためになると思います。
かのボックスアートは色みについても(印刷による色のかたよりをさしひいても)イメージ的に正しいとおもいます。
描いておられる ロナルド・ヴォルスタッド氏は、単に画家のみならず、ww2期の欧羅巴戦史の著名な研究家にして自らもww2期の各国兵士軍装のそれはそれはすばらしい収集を保有するコレクター・研究家でもありますので、わたくしなど、氏のかかれるドラゴン社のフィギュアキットや12インチドールのパッケージアート・イラストの足元にもおよびませんです。
これは実に詳しいご説明、ありがとうございます。
大変よく分かりました。
米・独の軍曹ファンはたくさんいますが、
英連邦にお詳しいとは、頼もしい限りです。
これからもいろいろ教えて下さい。
特にベルトやパウチの色、資料によって、
おっしゃるようなかなり白っぽいカーキもあるし、
また「遠すぎた橋」に出てきたような、
かなり緑の強いものもあって、
どの色で塗るか迷っていました。
でも要するに、
色合いにはばらつきがあるということですね。
子供の頃からのイメージでは、
英軍は軍服に対してパウチがかなり明るい色、
という感じでした。
模型ではそのイメージを再現したいと思います。
ところで、貴重なコレクションを
ネットなどで公開なさいませんか?
ww2の英軍、英連邦軍の軍装コレクターをしております。
ほんと、両軍とも 基本的には ミリタリーパターン(軍規格形式 省略されて パターン+年の下2桁=P37とかP40とか)は同じなんですが、同じ「連邦」でも、UK、CN、NZ、AUSそれぞれに装備品、バトルドレス(ブラウス+トラウザーズ)のデザインや色がちょっとずつ異なります。
色についてもですね。おっしゃるとおりバトルドレスは、クレオスの色名でたとえると カーキもあれば、オリーブドラブ(1)やダークアースにちかいような色(多分製造メーカーの調達したウール生地の染色のメーカーごとの差がでてる)、そしてカナダ軍やオージー、キーウィー(NZ)などでは、カーキグリーンやダークグリーンのウール生地(夏用はドリル織りとよばれるサンドイエローやカーキグリンの綿織物)ですよね。
装備品(ベルト、ショルダーブレイス、エクステンション、各種のカプラー、アダプター、パック、ポウチ、ホルスター類)は、素材の生地の織りや品質などほとんど連邦各国でミリタリーパターンどおりで、デザインも大差ないですが、カナダ軍やオージー、キーウィーでは、拳銃ホルスターのデザインが、丸フラップになったり、英軍みたいに縁の両角を裏側へ折り返して縫ってあるのではなく、縫い目や合わせ目、フラップの縁などを織テープを被せて縫い生地のほつれどめと使用中の擦れに対する強化をほどこした丁寧な造りだったりします。色も標準的な陸軍や空挺や戦車兵すべての兵科で使うカーキ(白っぽくてバフみたいなものから黄土色みたいなものまで納入メーカーごとにばらついてますが)、オージーやキーウィーでは、カーキグリーン、一部空挺や海軍、空軍、SASなどが用いるグレイッシュブルーの生地のものなど色の違いもけっこうありますね。
細かいところをみてゆくと、英軍では、金具やドットボタンはブラスそのままか、まれに黒染めパーカライズド処理ですが、カナダ軍ほか連邦各国の装備は、スチールやアルミなどでできたドットボタンのむき出しか黒染めや黒塗装されたものがつかわれていることもあります。ドットボタンの表側に出るほうのデザインも英国みたくぼっこり盛り上がったドーム状ではなく、もうすこしフラットなもの(金具メーカーごとのちがいでしょうけど)もあります。
ちなみに装備品の内側やホルスター・パック・ポウチ類のフラップの裏側に英軍では、補給廠の兵站部の検査官による納入時検査の刻印はご存知のとおりブロードアロー(上向き矢印)ですが、カナダ軍のそれは、上向きやじるしの外側をアルファベットのCの文字がくるんでいる刻印がうたれるので、英軍 のものか カナダ軍ほか連邦のものかが区別できます。
バトルドレスやバトルトラウザーズは内側にぬいつけられたタグが残っていれば、その記載で英本国のものか連邦各国のものか、パターン年代や色までわかることがあります。
今年もよろしくお願いいたします。
もしかしたら英軍と米軍の中間くらいの色を
わざとねらったのかもしれませんね。
もっと薄い色合いの明るい緑だと
ドイツ軍と間違えられるかもしれないし。
この色合いなら間違いなく連合軍です。
独軍でも当時のオリジナルの軍装だと、経年変化のせいか、それとも工場ごとの品質のバラツキなのか、もうホントに1着ごとに色合いが違うという印象があります。
同じ仕様でバトルドレスを作っても、生産地(英国とカナダ)が違うと、原料とかも違っていて、これが色の差になるのでしょうかねー。