日本のフォーク界に足跡を残した高田渡(わたる)さんが56歳で急逝してから10年が過ぎました。節目の今年、同じ音楽の道を歩む息子の漣(れん)さんが父のつくった曲を歌っています。
高田渡といえば、「自衛隊に入ろう」を思い出します。「自衛隊に入れば この世は天国/男の中の男はみんな 自衛隊に入って花と散る」。ベトナム戦争時、皮肉っぽく反戦を訴えた歌は若者の心をとらえました。
当時、防衛庁から自衛隊のPRに使わせてほしいと頼まれたという逸話も。でも彼は、ある時期からこの歌を口にしなくなりました。役割を終えたと。しかし自衛隊が派遣されたイラク戦争のころから、ふたたび世に取り上げられるように。
自衛隊が戦乱の地に赴き、隊員に死の危険が迫るなかでよみがえった「自衛隊に入ろう」。同じころ、東京・練馬にある陸上自衛隊駐屯地の正門前で自衛隊員や家族に反戦平和を呼びかける宣伝がスタート。おととい、50回目を迎えました。
安倍政権による歯止めなき武力行使や、文民統制の危機を訴えたビラを次々と受け取ります。「ひとりも戦場に送らない」と書いたポスターを見つめる目。つぶやくように「がんばって」と声をかけていく若い隊員たち。彼らの胸をよぎるものは…。
最初の宣伝から参加する練馬平和委員会の坂本茂さんは「彼らの不安や危機感が手に取るようにわかる」と。日本共産党・練馬区議候補の坂尻まさゆきさんもマイクを握りました。「みなさんや国民の命を守る政治に。いまこそ、転換を」(しんぶん「赤旗」潮流より