ワールドミュージック町十三番地

上海、香港、マカオと流れ、明日はチェニスかモロッコか。港々の歌謡曲をたずねる旅でございます。

椰子の葉陰でジーザスは

2010-10-02 01:40:43 | アジア

 相変らず、シコシコとインドネシアのキリスト教系ポップスである”ロハニ”を聴いたりしているのですが。
 あの赤道直下の喧騒の町には不似合いにも思える繊細なメロディの宗教歌謡を、清楚な美女が切々と歌い上げる、その不思議な光景にすっかりはまってしまって。それにしても、まあいろいろと困惑させられる部分の多い音楽ジャンルではあります。
 そもそも、イスラム国家の色彩強いインドネシアで、なぜキリスト教徒のためのポップスであるロハニがあんなにも盛んなのか?という基本的なところが分かっていないのであって。

 で、大体あれですね、なんでロハニの情報がネット上に何もないのか、これも分からない。たとえば新人のロハニ歌手が気に入り、この場で紹介してみようなどと思い立ったとしましょう。
 彼女の人となりなど知っておきたくなり検索をかける。が、何もかかって来ない。十分な情報がない、なんてもんじゃない、「何もありませんでした」とグーグルがいきなりお手上げ状態になってしまうんだから。彼女に触れた記事の一行もなし、画像の一枚もない。
 普通、歌手がデビューしたなら最低、レコード会社の宣伝サイトくらいはあるものじゃないのか?その他、歌手本人がブログを書くとかファンが応援サイトを立ち上げるとか。
 何もない。彼女の影もないんだな、ネットの世界に。

 おもいあまってCDジャケの片隅に書いてあったレコード会社のURLにアクセスしてみると、パソコンの画面上に「このサイトの安全は保障できません。すぐに画面を閉じて、このサイトに2度とアクセスしないようにしてください」なんて文字が出てしまうんだから。なんだよこれは。どういう会社だ。
 しょうがないから警告も無視してサイトを探ってみるが、目的の歌手の記事一つない。どういうことなのか。彼女は本当にこの会社に所属しているのか。

 ひょっとしてロハニという音楽、弾圧を受けていて話題に出来ないのかなんて思いかけるが、あんなに頻繁にCDがリリースされていて、弾圧もないもんだ。
 もちろん、You-tubeに画像なんかないよ。そんなこんなで、ロハニ歌手を紹介したんだけど、これまで何人断念してきたか。
 そんなわけで。こんなことになっている理由、ご存知の方、ご教示いただければ幸いです。ということで。

 下に貼りますは、そのロハニのライブの模様です。ロハニ以外に普通のポップスでも活躍している大歌手、ルース・サハナヤがメインで歌っているんで、こういう場合はYou-tubeもあるんですな。
 画像では、会場の模様にご注目ください。不思議な動作ですっかり宗教的感動の世界に入り込んでいる観客たちの姿。ステージ上のルースたちも、異様な入れ込みよう。南の国、インドネシアではキリスト教もかなり違った形で機能しているのでは?なんて空想したりしますが、これだって浅い疑いでしかない。

 以上、”ロハニは何も分からない”という趣旨でお送りいたしました。しまらない話ですいません。