南斗屋のブログ

基本、月曜と木曜に更新します

日常生活状況報告表

2006年11月10日 | 高次脳機能障害
 高次脳機能障害が後遺障害として残る場合に、自賠責の被害者請求をするに際して、提出する書類のひとつとして、
  日常生活状況報告表
があります。

 自賠責用の日常生活状況報告表がネットにでていないか探してみましたが、みつかりませんでした。
 労災の提出用のものは厚生労働省のホームページ(→こちら)にありました
 労災申請にも同様のものを提出する必要があり、内容についてはほぼこれと同じですので、参考になります。
 
この労災申請のものの冒頭に
 「患者ご本人ではなく、ご家族の方又は介護者がご記入下さい。」
とありますが、自賠責でもこれは同じで、患者本人が記入するものではありません。
 これは、本人には自覚がないことが多く(病識がない)、身近にいる方でないと本人の変わった状況が分からないからです。

 「食事を自分で食べることができますか」という質問に
  できる
  援助が必要
  できない
という三択で答えることになっていますが、これだけでは微妙なニュアンスは伝わりません。
 ですから、正確に状態を伝えるためにはこの表に丸を書くだけではなく、詳細な状況を文章で伝える必要があります。
 

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交通事故被害者への支援

2006年11月08日 | 未分類
 交通事故被害者への支援というのは大きな課題のひとつだと思います。
 
 2003年の統計ですと、交通事故の
  死者数(交通事故の発生から24時間以内に死亡した死者数) 7702人
  負傷者数 118万1413人
です。
 負傷者数というのはこんなに多いのです。
 100万人以上の都市というのは、日本でもそんなに数が多くないですが、その都市ひとつ分の人口が1年間で事故にあっているということは認識しておくべきことでしょう。

 交通事故により身体的に被害を受けるのはもちろん、精神的にも被害を受けますし、自分では意図しないのに、さまざまな法律問題に巻き込まれてしまいます。
 交通事故の法律問題は非常に複雑な場合もあり、ノウハウをもった支援者の支援体制が臨まれるところです。
 そのような支援者のためになるマニュアルとして
 交通事故被害者の支援 担当者マニュアル
というものが、内閣府政策統括官(総合企画調整担当)交通安全対策担当から出されています。
 インターネットで見ることができますので、ご興味のある方はご参照ください。


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『WAM NET』(ワムネット)

2006年11月06日 | 未分類
 交通事故で後遺症が残る被害者の方の悩みの一つに、自分の症状が正確に医師に把握されているのだろうかというものがあります。
 今の主治医の医師だけでなく、セカンドオピニオンを聞きたいと思うものの、どこの病院がいいのかと途方にくれることがあると思います。

 この問題に「これは!」という解決方法はなかなかないのですが、『WAM NET』(ワムネット)は病院探しの一つの参考になるのではないでしょうか。

『WAM NET』(ワムネット)は、独立行政法人福祉医療機構が運営している、福祉保健医療関連の情報を提供するための、総合的な情報ネットワークシステムです。

 病院・診療所の情報についてはこちらのページから提供されています。

 もっとも、いまだ提供されている情報が十分ではないようで、私も知っている病院などを検索してみましたが、ワムネット上の情報を見ても、よくわかるとは言い難いように思いました。
 現状では、病院を探すとっかかりになるといったところでしょうか。

 今後は、都道府県でより詳細な医療情報を見ることができる要になる予定のようです(2007年4月からの予定のようです)
毎日新聞の記事(一部記事を以下に抜粋します)

厚生労働省は、改正医療法に基づいて医療機関が都道府県へ届け出る情報の具体的内容を決めた。病院の場合、所在地や診療科目などの基本情報に加え、▽医師や看護師、助産師の数▽対応可能な疾患▽障害者への配慮状況▽院内感染対策など約60項目に上る(診療所は約50項目になる見込み)。これらの情報は都道府県が原則として07年4月からインターネットで順次公開する。患者が医療機関を選択する指標を手軽に入手できるようになる。



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法テラス1ヶ月

2006年11月04日 | 未分類
 法テラスが開設してから1ヶ月がたちましたが、相談件数は3万5000件にとどまっているそうです(日経ネットの記事

 法テラスがどんなものかについては以前も書きましたので、ご存じないかたはそちらを参照してください(→こちら

 法テラスとしては、年間100万件の相談を受けると見積もっていたとのことですから、1ヶ月あたり8万件以上を予想していたところ、3万5000件にとどまっているわけですから、予想よりはるかに少ない数ということになるのでしょう

相談の内訳は、
1 多重債務の整理など「金銭の借り入れ」で約6600件(約18%)
2 「男女・夫婦」が約3700件(約10%)
3 「相続・遺言」が約2600件(約7%)
4 「金銭の貸し付け」が約1500件(約4%)
の順ということです。

交通事故はこの中には入ってきていませんが、きちんとした相談窓口に誘導されているのでしょうか。
法テラスのコールセンターの電話番号は
 0570-0783764
ですから、このブログをみて相談窓口のわからない方は上記の電話番号にお電話を。

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高次脳機能障害1級で介護料9000円の裁判例

2006年11月01日 | 高次脳機能障害
 高次脳機能障害1級が認められた被害者に将来の介護料日額9000円という判決が自動車保険ジャーナルにでていました(大阪地裁平成18年6月26日判決1656号5ページ)。

 被害者の状態ですが、以下のような行為はひとりではできないと認定されています。

 起床、更衣、ふらつきのなく一人で歩くこと、食事の準備や後かたづけ、排便や排尿の際の後始末、服薬管理、金銭管理、入浴、髪や体を洗うこと
 
 そのため、日常生活全般にわたって周囲の指示や看視が不可欠とされています。
 被害者はまもなく70歳になろうとする女性ですが、病院に入院中で、家族や介護士の介護を受けて週数日間自宅に戻るという生活をしており、裁判所もこの状態を前提として介護料を算定しています。

 日額9000円というのは介護料としては高めの数字ですが、この理由としては以下のことがあげられています。
 1 入院費として月9万円を要しており、この入院費も含めて介護料が算定されている(入院費を除外して計算すると日額は6000円となります)
 2 介護士に日額6000円~7000円の介護料が現実に支払われていた。
 将来の介護料を認定するに当たっては、やはり現在の状況をベースにして判断せざるを得ないのはやむをえないところです。
 このケースでは、実際に職業介護人に支払いがなされており、このことを裁判所は重視したと思います。

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