南斗屋のブログ

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最高裁裁判官の生活

2009年03月22日 | 未分類
 裁判官の仕事、それも最高裁裁判官の仕事の仕方というのはどういうものかというのは、ほとんど知られていないと思います。
 
 最高裁の裁判官のインタビュー記事から、そのことが書かれているものがありましたので、紹介します(「関弁連だより2009年3月号 宮川光治最高裁判事へのインタビュー記事から)


Q 宮川判事の一般的な生活パターンを教えてください。
A 私は、自宅が近いので自宅から通っています。朝8時45分に車が迎えに来て、9時には判事室に入っています。そして、すぐ持ち回り審議案件を読み始めます。1日15件前後あるでしょうか。夕方5時15分まで執務します。運転技官、秘書官事務官が帰るまで待機していますので、残業はしません。持ち回り審議案件でも、熟考すべき案件があり、私の場合は、1~2月ほど抱える事もあります。
 持ち回りではなく、議論すべきであると考えて、期日審議に回すものもあります。
 これとは別に、期日審議案件が常時10件前後あり、いずれも難事件ですので、時間がとられます。
 そのため、いつも自宅に1,2件持ち帰っています。
 週末は、じっくり調べたり、考えたりする事に費やします。

Q 法廷はいつ開くのですか
A 第1小法廷では、開廷日は木曜日です。そして、5人の判事が集まって審議するのも木曜日の午前10時30分からです。
 間に合わない場合の為に、月曜日が予備日となっています。

引用終わり

 さて、ここで、「持ち回り審議案件」「期日審議案件」という言葉が、特に”注”もなくでてきます(実際のインタビューでもこの点について解説はありません)。

 最高裁は、全部で3つの小法廷があり、1つの小法廷に5人の裁判官しかいません。
 この5人の合議で裁判をすることになるのですが、
 「持ち回り審議案件」というのは、5人の裁判官が一同に会さず、持ち回りで審議をする案件
 「期日審議案件」というのは、合議をする期日に5人の裁判官が一同に会して、合議をして裁判する案件
という振り分けをしています。

 「持ち回り審議案件」は、上告棄却、つまり、上告を認めないという案件で、かつ合議をするまでもないと一応考えられている事件です。

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