南斗屋のブログ

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自動車運転過失致死傷事件の見出し

2008年12月31日 | 未分類
 自動車を運転していて、必要な注意をせず、よって人を死亡させたり、傷害を負わせた場合には、「自動車運転過失致死傷」という犯罪になります。

 この犯罪が立法化されたのは、2007年5月で、同年6月から施行されていますから、比較的新しい犯罪類型といえます。

 さて、この自動車運転過失致死傷を新聞記事で見出しにするのはなかなか困りもののようです。

 見出しというのは、短くかつわかりやすいことが求められますが、
 「自動車運転過失致死」
だけで9字使用してしまい、長くなってしまうのです。

 自動車運転過失致死傷罪がもうけられるまでは、業務上過失致死傷という犯罪として処理されていましたが、これは、
 「業過致死」「業過致傷」
というような略語が定着しており、見出しとしてはこれを使っていたように思います。

 最近の自動車運転過失致死傷事件のニュースを見てみましたら、

庭に車、親子3人死亡 広島、過失致死傷容疑で男逮捕(日経ネット)

 と、「過失致死傷」という見出しを使っているものがありました。
 
 しかし、「過失致死傷」というのは、刑法上は、「自動車運転過失致死傷」とは別の犯罪としてありますので、法律上は不正確な見出しとなっています。

 もちろん新聞社はこの辺をわかっていて、あえてわかりやすさ(と見出しとしての字数制約)を優先しているのでしょうが、なんだか私としては違和感があります。

 一番よいのは、「自動車運転過失致死傷」の適切な略語が考えつければいいんでしょうが、私の見分する範囲ではどうもいい略語がないようです。
 
 


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