〈2020年4月に民法改正がなされており、遅延損害金の利率が変わっておりますが、改正前の記事として残してあります〉
(遅延損害金がどのようなものかについては、前回を参照してください)。
遅延損害金の意味がよくわからなかった方も、とりあえず次のことは押さえておいてください。
交通事故の損害賠償金は交通事故の事故日から5%の利息のようなもの(正確には「遅延損害金」)が法律上はつく
これだけ押さえておいていただければ、知識としては大丈夫です。
弁護士など法律の専門家は「遅延損害金」というテクニカルタームを使用しますが、おおざっぱには「ああ利息のようなものか、それは5%で算定するんですね」ということを心の中で思えるようになれば、弁護士との会話は問題がなくなります。
しかし、それでもわからない言葉がでてくることがあります。
法律家は、5%ではなく、「5分」(ごぶ)という言葉を使いたがるからです。
訴状か判決を見てください。
冒頭のところで、こんな言葉がでてきます。
「被告は、原告に対し、金**万円及びこれに対する平成*年*月*日から支払い済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え」
このうち、「平成*年*月*日から支払い済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え」という部分が遅延損害金を表している部分です。
上記の言葉は定型の言葉で、司法試験を通過し、司法修習生になりますと、上記の言葉が使えるようになるように訓練をうけます。
したがって、法律家はこの言葉を当たり前のように使っていまいますが、今の時代、「5分」なんて言葉は使いませんので、みなさんにはわからなくなってしまうのです。
プロ野球の打率を計算するのに、3割2分1厘といっていますが、その「分」と一緒です。ただ、現代用語で「分」を使うのはこの打率の言い方しか耳にしませんね。法律用語には古い日本の言葉が生き残ってしまっているのです。
5分=5%です
実はこれだけのことなのですが、「ごぶ」と言われてしまうとなんのことやらわからなくなっていますますね。
法律家も気をつけなければなりません