レフティやすおの新しい生活を始めよう!

50歳からが人生の第二段階、中年の始まりです。より良き老後のために良き習慣を身に付けて新しい生活を始めましょう。

左利きと習字・毛筆【左利きライフ研究家レフティやすおのできるまで】第6回

2013-03-31 | 左利き
【左利きライフ研究家レフティやすおのできるまで】第6回

前々回前回2012.11.22 第4回 左利きの意識とハサミの話2012.12.26 第5回 最初の衝撃!と小学校時代の思い出を書いてきました。
今回も、もう少し記憶をたどりながら、小学校高学年頃の思い出を書いてみます。


 ●様々な生活技術から<習字>―松田道雄先生の意見

小学校も3、4年生―中高学年ぐらいになってきますと、様々な生活技術とでもいったものを教わります。
たとえば、習字(毛筆)であり、そろばんであり、裁縫であり、等々です。

今回は、そのなかから<習字/毛筆>の話題を取り上げてみましょう。


習字について、小児科医の松田道雄先生は、ベストセラー育児書『育児の百科』のなかで触れています。

左ききか右ききかは、その子の生まれつきできまっている。人間は自分の得意なところをのばして、不得意なところをおぎなっていけば、十分に人生を楽しむことができる。/人間には右ききのほうがおおいから、右きき本位の作法ができあがっている。[...] だが、左ききだって基本的人権はもっている。右きき本位の作法を強制されて、不便な思いをすることはない。/なるほど、けいこすれば、左ききの人だって右手で箸をもてるし、右手にペンをもって字をかくようにもなれる。だが、そのために左ききの人は、赤ちゃんの時代から学校にいくまで、どれほど文句をいわれねばならなかったことか。すべての左ききの人は、いままで右ききのいうことをきいて、なおしてきた。/しかし、どうしても右手で字をかけない左ききの人もいた。その人たちは、ずいぶん恥ずかしい思いをしながら、左手で右の字をかいている。[...] 日本でとくに、右手がきをさせたのは、習字をするとき、左手でかくと字のはね方や筆のおき方がかわってきて、規則にあわないからだ。だが、いまは日常生活で筆で字をかく人は、ほとんどいない。ボールペンでかいた字では、筆法の相違がはっきりしない。それなら左ききの人は、かきいい左手で字をかけばいい。ところが残念なことに、字のかき方は右ききの人間がきめたままで、左ききの人のためのかき方は、まったく開発されていない。ものわかりのいい学校の先生が、左ききの子に左手で字をかかそうとしても、筆法は右手用しか知らないわけだ。右手用の筆法とはちがった左手用の筆法が、画のおおい漢字では必要だと思う。/左きき用の筆法がきまっていて、左手でかいていいということになると、左ききの子の学童期は、いっぺんに明るくなるだろう。彼らをたえず憂うつにした矯正がなくなってしまうからだ。矯正しないでいいという心理学者や教育学者が、字については、矯正論者であるのはおかしい。これは日本の教育学の怠慢だ。一刻もはやく左ききのための筆法が開発されねばならない。[...]

『定本 育児の百科(下)1歳6カ月から』松田道雄/著 岩波文庫(2008)
 ―5歳から6歳まで/そだてかた:508 左ききと字のけいこ(p.436-438)

で、それができないのなら、正課から外しなさい、と。

『松田道雄の安心育児』松田道雄 小学館(1986年刊)
「第2章 楽しい日常を送るために」<左ききのこと>
でお書きになられていた文章を、メルマガで紹介したこともありました。



--
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii
第44号(No.44) 2006/8/19「左手で字を書くために(4)

■左利き子育て一口メモ■ 『松田道雄の安心育児』

※『松田道雄の安心育児』松田道雄 小学館(1986年刊)
「第2章 楽しい日常を送るために」「左ききのこと」

「左ききが左ききで通すことが、人の迷惑になるでしょうか。
 右ききの人が、目のまえで左でお箸をもってたべる人がいたからといって、なにか損害をうけるでしょうか。
 左手でボールペンをもって書いたからといって、その字がよめないでしょうか。
 字はわかりさえすればいいのです。
 筆順というのは、右ききの人に書きいい順序にすぎません。」

氏は、小学校で習字が正科になるのに反対されました。
幼稚園や保育園では、自由に左手で書かせていたのに、小学校に上るや、右利きの書き方を教えられるからでした。

「左手に筆をもつと、右ききに書きいい筆順はたいへん具合がわるいもの」で「筆順にしたがうためには、どうしても右手で筆をもたなばならない」のです。

しかし、受け入れられず、教職員組合への公開質問状にも返事はなかったそうです。
--


 ●「左利き友の会」<左きき筆法>

1970年代、アメリカ留学から帰国後、日本では左利きで悩む人が多いのに驚いた精神科医・箱崎総一氏によって、悩める左利き救済のために設立された「左利き友の会」では、左利きのための書道の技法として「左きき筆法」を考案されました。

<左きき筆法>の特徴は以下のようなものです。

1)「横がき筆法」―用紙そのものを(上部を右側に下部を左側に)90度右回りに横倒しにして置いて書きます。
横画が上から下への縦画に、縦画が右から左への横画に変換され、左腕の自然な動きで文字を書くことが可能になります。

2)「斜めがき筆法」―用紙そのものを右下がりの斜めに置いて書きます。
肘を支点にした左腕の扇形の動きに沿った書き方になり、比較的スムーズに動かせます。

3)「正座筆法」―用紙を身体の中心より左に寄せて置き、その右側にお手本を置き、見ながら書きます。
用紙を正立して置くので見た目もあまり気にならず、左腕の可動範囲で書くことになり、右下がりの横画を防止しやすくなります。

非常によく工夫された書法・筆法で、左手での習字・毛筆書道のヒントになるものです。

しかし、実際には、学校書写教科の先生においても、書(道)家からも黙殺されているようです。


 ●私の思い出―大文字は右、小文字は左

私自身はどうしていたのでしょうか。

私は、基本的には素直な子?でしたので、見よう見まねで右で書いてみた、と言いたいのですが。
実際は、まず左手で書いてみて、思いのほか書きにくく感じたようです。

どうしても筆の傾きが逆になり、横画を左から右へ筆を押して書いてゆくと、墨の水分で紙が破れます。

始筆の筆の打ち込みも逆向きになります。
見た目も変です。

その辺の問題点を上手く書いてみせるコツを教えてもらえれば、よかったのでしょう。
けれど、そこまで個別に指導を求める勇気は持ち合わせていませんでした。

先生からも特に左利きの子供への配慮というものありませんでした。

大抵の左利きの子は、私同様、最終的に右手で見よう見まねで書くことに落ち着いたようです。
ただし、これは大きな文字だけの話です。

小筆で書く小文字は、左手でしか書けませんでした。
でも、こちらはそれで特に困難は感じなかったように思います。
それなりに書けていたのでは、という気がします。


習字に関しては、やはり書を習っている子がうまく書いていました。
その辺はうらやましく感じました。

でも所詮はいっときのことで、習字の授業が終わればそれまで。
一年間、週に一度程度のことだったでしょう。

もちろん楽しくはありませんでしたが、右手で書けと強制された記憶もありませんし、世にあるちょっとした嫌なことの一つにすぎませんでした。

喉元過ぎれば…というもので、気にすることもありませんでした。


 ●硬筆と毛筆で書く手を換えないやり方こそ大事

文字を書く基本を身に付けるための授業なのでしょうけれど、それならばやはり硬筆筆記の延長上の授業であるべきで、そういう意味では硬筆と毛筆で書く手を換えるので意味がないでしょう。

今から思いますに、あの授業は単に「毛筆に親しむ」ということに過ぎなかったように思います。
(それはそれで意味のあることではありますが。)


これからの在り方としましては、硬筆と毛筆で書く手を換えないやり方こそ大事な気がします。
そうでなければ、「文字を書く基本を身に付ける」という課題を全うする役に立たないと思うからです。

手書きの文字の書き方という観点で考えますと、毛筆習字というのは、硬筆の場合と同じ方の手で書くというのは基本中の基本でしょう。

左利きの子供は、得意の左手で書く方が自然で理にかなっており、習字・毛筆も同様です。

実際に今、学校現場では、左利きの子が左手で毛筆に取り組んでいる例が大半になっているようです。
そういう意味では、学校の先生も左手での書き方を勉強されているようで、心強く感じます。


ちょっとしたコツを身に付ければ、案外問題なく書けるように思います。

具体的に述べれば、筆の持ち方であったり、始筆の打ち込みの向きであったり、運筆の時の筆の傾け方であったり、ということでしょうか。
その辺は、実際に書を教えている先生方にお聞きすればよいことでしょう。


※参考文献:
・『定本 育児の百科(全三巻)』松田道雄/著 岩波文庫(2007-08)
(下)1歳6カ月から―5歳から6歳まで/そだてかた:508 左ききと字のけいこ
・『松田道雄の安心育児』松田道雄 小学館(1986年刊)

*左きき筆法:
(書籍)
・『左ききでいこう!!―愛すべき21世紀の個性のために』大路直哉・フェリシモ左きき友の会/編著 フェリシモ出版
・『見えざる左手―ものいわぬ社会制度への提言』大路直哉/著 三五館 (1998/10)

(サイト)
<クラブレフティ>「左きき筆法」
通販<フェリシモ左ききカタログ>『左きき友の会書道教本』


*参照:
レフティやすおの左利き自分史年表
左手で字を書くために―レフティやすおの左利き私論 4―

【左利きライフ研究家レフティやすおのできるまで】過去の記事
2012.6.11 第1回
2012.6.19 第2回 幼少時の記憶から
2012.7.5 第3回 利腕を骨折しても…
2012.11.22 第4回 左利きの意識とハサミの話
2012.12.26 第5回 最初の衝撃!

--
※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「最初の衝撃!【左利きライフ研究家レフティやすおのできるまで】第5回」を転載したものです。
(この記事へのコメント・トラックバックは、転載元『お茶でっせ』のほうにお願い致します。ただし承認制になっていますので、ただちに反映されません。ご了承ください。)
--
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第7回<LYグランプリ>2013発表~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii356号

2013-03-28 | 左利き
先週の無料左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第336号のお知らせです。

 ・・・

第356号(No.356) 2013/3/23「<左利きプチ・アンケート>第7回<LYグランプリ>2013 読者大賞発表」は、
<左利きプチ・アンケート>「第7回<LYグランプリ>2013 読者大賞発表」をお送りしました。

【第7回<LYグランプリ>2013】は、
2月10日<左利きグッズの日>を記念したイヴェントで、前年2012年、最も活躍した、最も話題となった、記念すべき<左利きの人・物・事>を顕彰するものです。

今回は、病気で発表が一カ月少々遅れました。

読者アンケートの結果を踏まえ、「第7回<LYグランプリ>2013 読者大賞・審査員大賞・審査員敢闘賞・審査員特別賞」を発表しました。

因みに候補はこちら↓

「左利きの人」部門:
 左利き・左使い【ロンドン五輪メダリストたち】
 左利き人気タレント・AKB48卒業【前田敦子】さん
 右利き・左手打ち囲碁棋士【井山裕太】5冠
 サッカーJリーグMVP・左足利きFW【佐藤寿人】選手
「左利きの物」部門:
 左右両用携帯ハサミ【レイメイ ペンカット・ミニPENCUT mini】
「左利きの事」部門:
 左手書字研究サイト【『レフティ生活 万年筆編』】
 左利き用品開発【無印良品 プロジェクト ハートフル・左利き】
 左利きの悩み解消【ガスト スープ用お玉(レードル)の形状改善】
その他:
 もっとほかにあるやろ!(例:左利きギター【ゆらめき楽器】)

詳細は本誌で―。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

--
※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「第7回<LYグランプリ>2013発表~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii356号」を転載したものです。
(この記事へのコメント・トラックバックは、転載元『お茶でっせ』のほうにお願い致します。ただし承認制になっていますので、ただちに反映されません。ご了承ください。)
--
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

名作~推理編14クリスティー“自殺偽装”事件~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii355号

2013-03-20 | 左利き
先週の無料左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第355号のお知らせです。

 ・・・

●第355号(No.355) 2013/3/16「名作の中の左利き ~推理小説編14~ 不審な自殺「厩舎街の殺人」クリスティー」は、
≪左利き学入門≫ ■名作の中の左利き■「~推理小説編14~ 不審な自殺「厩舎街(ミューズ)の殺人」アガサ・クリスティー」をお送りしました。

この作品は、以前このブログ『お茶でっせ』でも取り上げています。

2005.4.4 左利きが手掛かりになる推理小説―クリスティー「厩舎街(ミューズ)の殺人」

本誌ではもう少し、詳しく紹介しています。


左利きが絡む推理小説を大きく分けますと、

(1)犯人が左利き
(2)容疑者が左利き
(3)被害者が左利き

の三つに分類できます。

他にも「探偵が左利き」とか、「その他の登場人物が左利き」等の第四のパターンがありますが…。

今回は、左利きが“自殺偽装”事件を見破るポイントになる、というものなのですけれど…。

詳細は本誌で。

「厩舎街(ミューズ)の殺人」収録本:
アガサ・クリスティー『死人の鏡』小倉多加志訳 早川書房
〈クリスティー文庫58〉収録 2004.5


★本誌のお申し込みはこちら↓
まぐまぐ!『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

--
※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「名作~推理編14クリスティー“自殺偽装”事件~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii355号」を転載したものです。
(この記事へのコメント・トラックバックは、転載元『お茶でっせ』のほうにお願い致します。ただし承認制になっていますので、ただちに反映されません。ご了承ください。)
--
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

左利きとマナー(13)まとめ~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii354号

2013-03-13 | 左利き
先週の無料左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第354号のお知らせです。

 ・・・

第354号(No.354) 2013/3/9「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ―その19―左利きとマナー(13)まとめ」は、
▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲「―その19― 左利きとマナー(13)まとめ」をお送りしました。

一年ちょい続けて来ました<左利きとマナー>編もとりあえず最終回、まとめです。

 ●左右は単なる極性の違い
 ●形の先にあるゴールを見る
 ●単に違っているだけ
 ●太陽は同じように照らしている

詳細は本誌をお読みください。↑

--
※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「左利きとマナー(13)まとめ~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii354号」を転載したものです。
(この記事へのコメント・トラックバックは、転載元『お茶でっせ』のほうにお願い致します。ただし承認制になっていますので、ただちに反映されません。ご了承ください。)
--
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

渡瀬謙『元リクルートNo.1の 日本で一番"効率"のよい営業法』

2013-03-07 | 新しい生活のために
左利き仲間で友人の渡瀬謙の17冊目の新刊
『元リクルートNo.1の 日本で一番“効率”のよい営業法 このムダをなくすだけで、グングン売上が伸びる』大和出版 (2013/2/26)
が届きました。

いつも新刊を出すたびに贈っていただき、うれしい限りです。

私自身は、営業関係の仕事をしているわけではないので、ある意味不要とも言えます。

ですが、人生というものには色々な局面があり、それぞれの場面で結構様々な知恵が必要となります。
彼の著書にも色々と教えられる部分があり、読んでおけば何かと役に立つのです。

自分で言うのは恥ずべきものですが、学ぶ人は何からでも学ぶものです。(エヘン!)


 ●仕事を楽しむ

最近読んだ本に、齋藤孝著『生きる喜びは、仕事とともにあるヒルティの幸福論: すぐ実行できて結果が出せる76の言葉』(知的生きかた文庫 2012/8/22)があります。

齋藤先生がヒルティの『幸福論』のエッセンスをまとめた初心者向け入門書です。
(これを読んだからと言って、決してヒルティの『幸福論』読んだ気にはならないでください。あくまでも入り口にしてくださいね。)

この本の冒頭「訳者解説」で、《「人生の中で“一番長く使う時間”を幸せに過ごすこと」》が《「一番簡単に“最高の幸せ”を得る方法」》だと書いています。

では人生で一番長く使う時間とは何か?
それは仕事です。
ヒルティは『幸福論』のページの多くを、「仕事をしている時間を幸福に感じるためにはどうしたらいいか」に割いている》と。


ここで、私なりに要約しておきますと―、

人間にとっては人生で一番長いのは仕事の時間で、その仕事をいかにこなすかで、その人の幸福の感じ方が変わってくる。
仕事を楽しむ、あるいは楽しむところまで行かなくても、少なくとも苦痛と感じないで済む方法を見出せれば、それだけで幸福に近づくことができる、ということでしょう。


 ●つらい「売れない営業」から無理のない「売れる営業」へ

毎度のことながら、前置きが長くなりました。
さて本書についてです。

著者・渡瀬謙は、従来“内向型の営業マン”向けの営業本をいくつか上梓してきました。
『内向型営業マンの売り方にはコツがある―ムリに自分を変えないほうがうまくいく』
『“内向型”のための雑談術―自分にムリせずラクに話せる51のルール』
『「しゃべらない」営業の技術 (PHPビジネス新書)』
などなど。

しかし、それらの本で紹介してきた方法は考えてみますと、“内向型の営業マン”にのみ有効な方法ではなかったのです。
誰にでも通じる、使える方法でもあったのです。

そして、現代のような「ものが売れない」時代にマッチした、正当な営業方法だったのです!

 ・・・

先に、仕事をしている時間を楽しく、あるいは苦痛と感じないでこなせることが、幸福へ近道だという前振りをしました。
ここで、営業という仕事に限って言えばどうなるでしょうか。

営業という仕事を楽しくする第一のポイントは、やはりコンスタントに売れる―契約が取れるということに尽きるでしょう。

で、本書で著者・渡瀬謙が訴えていることは、「売れない営業」を「売れる営業」にしよう、ということです。


「売れない営業」ほどつらいものはない、と元<売れなかった営業マン>で後に<リクルートで全国ナンバーワンの売れる営業マン>になった著者は言います。

では、なぜ売れないのか?

人一倍努力しているのに、なぜか売れない。

でも、実は売れない人には共通した問題点がある。
それは、努力の方向だ。
実は、ムダな努力をしているのだ、と。

(極言すれば、自らわざわざ売れない営業をしているのだ、とも言えるでしょう。)

そんなとき、一つの“気づき”が自分の営業スタイルを変えてくれた。
その視点に立てば、ムダを省き、楽に(少なくとも苦痛を感じることなく)売れる営業に変われるのだ、と。


目次を掲げておきましょう。

第1章 たった1つの“気づき”が、ダメ営業の私の運命を変えた!
第2章 効率がグンとアップ!「新規営業」にはこのスタイルで臨もう
第3章 驚くほど売上が伸びる!すべてのお客さまを活かす「商談」の技術
第4章 ムリせずできる!お客さまの心をギュッとつかむ「アフターフォロー」
第5章 これで万全!さらにムダなく効率的に売るための「日々の習慣」
第6章 あなたが「売れ続ける営業」になるうえで一番大切なこと


第1章で、問題の“気づき”にふれています。
第2章以下、主な四つの営業のシーンごとに、具体的に解説しています。
〆の第6章では、営業マンとして最も大事なことである、<長く売れ続ける営業マンになる>ためのポイントを示しています。


 ●読むだけでなく、知ったことは実行する

人生においては、<仕事を楽しむ>ことが幸福への近道です。
営業マンにとっては売れること、成果を上げることが幸福への道です。

そして<仕事で成果を挙げる>という、これは、営業マンだけでなく、誰にとっても大事なことです。


色んな本を読み、勉強することはよいことです。
でも、本というのは、読んでいるだけで勉強した気分、何かしらやり遂げた気分になります。

しかし読んだだけでは、実際には何もしていません。

大事なことは実行に移すことです。

著者は、「おわりに」で書いています。
実践してみないことには、あなたの営業は何も変わりません。/行動した人だけが、「売れる営業」になる権利を与えられるのです。》p.213

昔から「イワシの頭も信心から」とか「信じる者は救われる」ということわざがあります。
騙された気になって、実行してみましょう。
何かが変わると思います。


 《19 たとえためになることを数多く語るにしても、それを実行しないならば、その人は怠っているのである。――牛飼いが他人の牛を数えているように。かれは修行者の部類には入らない。
  『真理のことば(ダンマパダ)』(中村元/訳『ブッダの真理のことば 感興のことば』岩波文庫より)

 《子曰く、君子は言に訥(とつ)にして、行ないに敏ならんことを欲す
  『論語』「里仁 第四 24」(加地伸行/全訳注『論語』講談社学術文庫より)


【この本から得た私の教訓】
(1)―努力の方向を変える―
 壁にぶち当たった時は、方向転換してみる。
(2)―視点を変える―
 ものの見方を変えてみる。逆の立場で見る。 

 ・・・

渡瀬謙/著
『元リクルートNo.1の
 日本で一番“効率”のよい営業法
  このムダをなくすだけで、グングン売上が伸びる』
大和出版 (2013/2/26)


おしまいに渡瀬さんによる紹介文を載せておきます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『元リクルートNo.1の 日本で一番"効率"のよい営業法』(渡瀬 謙/大和出版)
────────────────────────────────

自分では良かれと思ってしたことが、
逆に裏目に出てしまうことってありますよね。

じつは、営業マンが当たり前のようにやっていることのなかには、
セールスにマイナスに作用することがたくさん潜んでいます。
自分でも気づかずに、お客さまに嫌われているケースもあるのです。

頑張っているのに、なぜか売れない?

そんな人は、ぜひ自分の行動や言動を見直してみてください。
やってはいけない「ムダなこと」をやっていたのかもしれませんよ。

本書は、その営業のムダを取り除くことで効率化を実現するものです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

左利き仲間で友人・渡瀬謙の著書についての記事
(◆印は、ビジネス書)
◆2012.5.23 小さな努力で大きな効果:渡瀬謙『あなたの評価をガラッと変える たった3秒の声がけ習慣』
◆2012.2.26
克服ではなく付き合う姿勢で:渡瀬謙『「あがり症営業マン」がラクに売るための6つの習慣』
2011.12.31 雑学文庫フェアで『左利きの人々』が…
◆2011.7.13 渡瀬謙の新刊『相手が思わず本音をしゃべりだす「3つの質問」』届く
◆2011.6.10 流れ星に願い事…渡瀬謙『たった5秒のあいさつでお客様をザクザク集める法』
◆【渡瀬謙/監修『毎日役立つ!もう悩まない!!即効ビジネスマナー』日本文芸社2011.1】
・2011.5.19 週刊ヒッキイhikkii260左利き教本について考える(2)おさらい
◆2011.3.4 新社会人奮闘記ラノベ 渡瀬謙『新入社員ヒロと謎の育成メールの12ヵ月』
◆2010.6.28 実践で学ぶ本、渡瀬謙『営業は口ベタ・あがり症だからうまくいく』
◆2010.6.18 渡瀬謙の新著『“内向型”のための雑談術』届く
◆【『内向型人間の人づきあいにはコツがある』大和出版】
・2009.12.12 今週の週刊ヒッキイ―第201号「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ<特別編>」
 ★左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii
第201号(No.201) 2009/12/12「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ<特別編>」
 <特別編>原点に戻って―最初につまずかないこと または、左利き人間の生き方にはコツがある
◆2009.3.4 お知らせ:友人渡瀬謙の新著「内向型営業マンの売り方にはコツがある」
2008.12.29 左利き本の新刊『左利きの人々』渡瀬けん著

--
※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「小さな努力で大きな効果:渡瀬謙『あなたの評価をガラッと変える たった3秒の声がけ習慣』」を転載したものです。
(この記事へのコメント・トラックバックは、転載元『お茶でっせ』のほうにお願い致します。ただし承認制になっていますので、ただちに反映されません。ご了承ください。)
--
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

名作の~左利きマンガ『クロスドミナンス』~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii352号

2013-03-06 | 左利き
ご無沙汰しています。
まずは近況を―。

何年ぶりかのインフルエンザで、完全にペースが狂ってしまいました。

当初ただの風邪かと養生していたのですが、よくなる気配もなく、医者に行くとインフルエンザと判明。
帰りに5日分の薬を薬局で出していただき、リレンザの吸入の仕方など教えていただき、帰宅。
静養に努めていました。

熱のせいか何か、おなかが悪く、上体を起しておけないので、横になって、本を読むか、テレビを見るか、ラジオや音楽を聞く程度。

ところが、昔は熱があっても本は読めたものですが、今回はまったくダメで、軽い読みものでも10ページがやっと。
というわけで、友人から届いた新刊も読めず、何も手に付かない状況。

メルマガもブログもお休みしていました。

 
そんなわけで遅れていますが、
先月第三土曜日発行の無料左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第352号のお知らせです。

(因みに、第4週はお休み。3月一週目も、2月10日<左利きグッズの日>を記念したイヴェント【第7回<LYグランプリ>2013】のアンケートの現状報告のみ。)

 ・・・

第352号(No.352) 2013/2/16「名作の中の左利き ~マンガ『クロスドミナンス』小橋ちず」は、
≪左利き学入門≫ ■名作の中の左利き■「~番外~ マンガ『クロスドミナンス』小橋ちず」をお送りしました。

今回は、<推理小説編>をお休みして、久しぶりに<マンガ>を取り上げました。

『クロスドミナンス』小橋ちず(幻冬舎コミックス バーズコミックス・スピカコレクション 2012.5.24)

左利きが優遇される社会における青春物語。
全6話+1掌編。

あとがきにもありますように、元々超能力者ものを描きたかったのが、担当者との話し合いでもっとなじみやすいものを、ということで著者自身左利きということで、左利きネタになったということのようです。

そういう成り立ち上の理由もあってか、「左利き=超能力者」的なお話になっています。
その辺が、「左利きライフ研究家」としてみますと、今一つ納得できない結果になっているのが残念です。

詳細は本誌をお読みください。↑


--
※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「名作の~左利きマンガ『クロスドミナンス』~左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii352号」を転載したものです。
(この記事へのコメント・トラックバックは、転載元『お茶でっせ』のほうにお願い致します。ただし承認制になっていますので、ただちに反映されません。ご了承ください。)
--
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする