レフティやすおの新しい生活を始めよう!

50歳からが人生の第二段階、中年の始まりです。より良き老後のために良き習慣を身に付けて新しい生活を始めましょう。

朝食をとろう―良い習慣その七―

2005-06-30 | 新しい生活のために
毎朝必ず食事をとりましょう。
朝食はその日一日のエネルギー補給です。昼食もそうですが、仕事(勉強)の活力源です。
これをとらないとどうしてもエネルギー不足に陥ります。

特に成長期の子供さんは、朝食できっちりとその日のエネルギーを補給しておく必要があります。
それを怠ると、朝礼で倒れたり、午前中勉強が手につかなかったりします。
前の晩の食事は夜間に体を作るために消費されています。今日必要なエネルギーは朝のうちに補給しなければいけません。
統計的にも、朝食抜きの子は朝食をとる子に比べて、総じて成績が悪いと聞きます。当然の結果です。

何しろ頭も体も、動かすためのエネルギーが不足していたらどうにもなりません。
いかなる良い機械も動力源がなければただのガラクタです。クルマもガス欠では走りません。

朝食はエネルギー源ですから、主に炭水化物と脂肪分を摂るのがよいと聞いています。昼食も同じです。
一方、夕食は一日の体の補修に必要なたんぱく質を多くとる必要があるようです。

炭水化物は即エネルギーに変換されます。脂肪分はゆっくりと変換されます。この組み合わせでエネルギーの消費に合わせて補給までの時間を調節できるそうです。脂肪分を多めにとると効きは遅いが時間が長く続くということのようです。腹持ちが良いという言い方をしますが、そういうことかと思います。
朝から頭をフルに使いたい人は、糖分を摂る。脳は糖分でしか動かないそうです。

*
朝から食事をもりもり食べられる人が仕事のできる人だ、と昔私が働いていた会社の社長さんが話していました。
年に一度の一泊二日の慰安旅行で社員の何を見るかというと、夜の宴会での人柄も大事な要素だが、朝食の席でどれぐらい食事をとるかを見るのが重要だ、と言うのです。
朝から飯が食えないような人間にたいした仕事はできない、と。

朝は時間がないというのは、決められた時間に起きられないということで意志が弱い現われでだ。
腹ごしらえができるというのは、あらかじめ準備ができるということ。仕事においても何事においても、最も大事なポイントだ。
朝起きられる、そしてしっかり食事ができるということは、普段からきちんとした規則正しい生活ができているということ。
それだけ人間的にもしっかりしている。また家庭の運営もしっかりできているという証拠だ、と。

*
毎朝決まった時間にしっかり食事をとると、お通じも良くなります
俗に言う、快食快便です。
これは体のリズムを作るうえで大切なことです。
これができていないと、体調が整わず、気分も優れず、仕事(勉強)にも影響します。

私は、あまり自慢できるような朝食をとっていません。
食パン一枚にマーガリン(カロリー半分のもの、動物性脂肪のバターより植物性脂肪の方が良いというので)、ジャムなど(これはそのときによってイチゴやマーマレード、ピーナッツやチョコのクリームを)とスライスチーズ、菓子パン一個。飲み物は、コーヒーと野菜の入ったジュース、お茶をそれぞれ一杯ずつ。
こんなところです。

カロリーの目安としては、昔聴いた話では、朝昼夕と5:3:2ぐらいが良い、即ち一般成人男性の場合一日に2000kcal必要として、1000:600:400ということになります。
しかし、日本の一般家庭では実際には夕食がディナーになりますので、これはむずかしいでしょう。
できる限り多くとれるように、朝からもりもり食事できる環境作りに励みたいものです
そのためには前夜から節制を心がけましょう! 

早寝早起き、快食快便で、一日すっきりしっかりがんばりましょう!
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左利き用自転車両立スタンド発売

2005-06-23 | 左利き
久しぶりにネットの(アフィリエイト)左利き用品専門店「左きき屋」さんの情報から―「★★★ 左きき屋の日記 ★★★」 「新商品(自転車スタンド)を追加しました。」

「左利き用 自転車両立スタンド」が発売されているそうです。
左利きの方が使いやすいように、右側にスタンドのロックが付いています。 CP(メッキ)仕上げ。シルバーです。※一般的なシティーサイクル、軽快車用です。
私の知り合いにも、右側からしか乗れないという人がいます。その場合、従来のように左側にロックのあるスタンドですと、いったん左側に行ってロックをはずし、しかるのち、右に回ると言う手間が要りました。これならその手間が不要で、とても便利です。
ちょっとしたアイディアですが、心憎いものがあります。

私は左利きですが、右用に慣れているので別に気になりません。しかし、左利きで不便を感じていた人、また右利きでも右から乗る人には、この製品は福音です。
楽チンさんも言うように、"ちょっとした"商品ですが、だからこそ余計にうれしいですね。
お値段も税込1,260円ですので、まずはお試しあれ、というところでしょうか。

徐々にではありますが、このように様々な観点から、今までになかった左(利き)対応の商品が確実に生れています。
世の中は動いています。片寄らない視点で見直すと、まだまだいろんな新商品のアイディアが浮かんできそうです。
左利き人生も、楽しみいっぱいです!

※本稿は、ココログ版「レフティやすおのお茶でっせ」より転載して、テーマサロン◆左利き同盟◆に参加しています。
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毎日適度な運動を―良い習慣その六―

2005-06-18 | 新しい生活のために
いろいろなことがあって、ついついこの「新しい生活を始めよう!」の記事を書くのが滞っています。
久しぶりにウォーミングアップとして書いて見ます。


健康を考える上で大切なことは、体を動かすことです。
適度な運動が必要です。
若い頃は、意識的に運動しなくてもさほど健康に影響しません。
しかし、ある程度の年齢になってくると、体を動かすことが重要になって来ます。
そして、体を動かすと、体だけでなく、心も健康になります。

以前ラジオ体操のことを書きましたが、ラジオ体操は体をほぐす、軽い運動でした。
今回はもう少し、体を使う、力を入れて動かす運動です。

週に三回ぐらいはある程度の強い運動が必要だそうです。
しかし、実際問題としては時間的にも機会そのものも、一般の人には確保がむずかしいものです。
そこで日常生活の範囲内でできることを考えましょう。

一日30分程度速足で歩くのが良いといいます。それも、一回に続けて30分ではなく、10分ずつ三回に分けても良いということです。
これなら、サラリーマンでも主婦でも可能ですね。
とにかくこの場合もなるべく毎日続けるのが良いのです。

一番手っ取り早く、かつまた確実な方法は、毎日の通勤(あるいはお買い物)時間の活用です。

少なくても10分ぐらい速足で歩く
不動産屋の広告の徒歩何分という目安は、一分間に80mの速さだそうです。これぐらいで歩くと、1km歩くのに12分くらいです。
自転車利用の方は、むやみにスピードを上げるのは交通事情もあってむずかしいので、ギヤチェンジできるものではギヤ比を上げる、ふつうのものはダイナモ(発電機)式のライトならライトをつけて走ると、負荷が上ります。そうすると短時間でもある程度の運動量になります。
また、マンション等にお住まいの方は極力階段を利用するのもいい方法です。
十階ぐらいならせいぜい百五十段ぐらいです。往復でも三百段以内です。

またお昼休みには、散歩をする。私は近くの本屋まで出かけたりしました。新しい情報を仕入れて頭のリフレッシュ、行き帰りの運動で体がリフレッシュ、一石二鳥です。
たまには同僚とボール遊びをすることもありました。昔は良く輪になってバレーボールをやっていたり、サッカーボールを蹴りあったり、キャッチボールをしたりする人がいましたね。あれは非常に良いことです。

こうして意識的に日常の生活の中に運動の機会をこまめに作るようにしましょう。

ただし何事も加減が大事です。急に強い運動をしたり、まとめて一日で一週間分やろうなどという欲深や横着やいけません。

毎日コツコツと続ける、この姿勢が良い習慣を作り、心身を健康に保つことに繋がります。
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左投手は危険がいっぱい―『サウスポー・キラー』水原秀策

2005-06-14 | 左利き
ダブルプレイ―おお、なんという美しい響きの言葉だろう。私は思わずぽんと左手でグラヴを叩いた。
『サウスポー・キラー』水原秀策 宝島社(2005年)を紹介しましょう。
2004年度第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作です。
もちろん私が興味を持ったのは、このタイトルでした。しかし、それだけではありません。
巻末選評によりますと、内容はディック・フランシス・タイプのハードボイルド野球ミステリーだというのです。
これはフランシス・ファンとしては見逃せません。

期待にたがわず、フランシスの主人公張りのクールで頭脳派のピッチャー沢村が主役です。彼の一人称で綴られる物語です。時にちょっとくさいせりふもありますが…。ロマンスも盛り込まれ、まずまず心地よい読後感です。

ストーリイは―
プロ入り二年目の左投手沢村は暴行事件に遭遇します。そのとき犯人は約束を守れという謎の言葉を残します。さらに後日、先輩左投手三浦の記念パーティで再び暴行事件に巻き込まれます。幸い、同席していた女優黒坂美鈴や三浦に発見され、事なきを得ますが…。

なんとその後、球団やマスコミに沢村は八百長をやっているという怪文書がメールで送られ、その添付ファイルには、例の最初の暴行事件の際のビデオが添えられています。そこには確かに約束を守れの一言が。
彼は自宅謹慎処分に―。
その後、何とか解除され二軍で投げることになり、また彼の無実を叫ぶ声を支持するマスコミも現れ、無事一軍に復帰します。

しかし、彼はこの疑惑を晴らす努力を続けます。そして浮かび上がってきたのは、左投手ばかりがトレードされているという事実でした。
さらに暴行事件で選手生命をなくした左投手の存在も。
一体このサウスポー・キラーの正体は?

途中で予想は付きますが、黒坂美鈴の謎の行動はなかなかでした。
ラストの犯人との出会いと別れも意外でした。
将来が楽しみな新人作家の登場です。

*
この記事のタイトルを見て、ニヤッとした人は正解です。
わからない人は、少し勉強してください。左利きの勉強を。

最後に一言、私は登場人物の名前が少しひっかかりました。ちょっとね。
まあ、近鉄バファローズ・ファンだから、というわけではありませんが、ね。
もうひとつ。
言い忘れていましたが、この球団やある人物はあのチームとあの人がモデルのようです。

※本稿は、ココログ版「レフティやすおのお茶でっせ」より転載して、テーマサロン◆左利き同盟◆に参加しています。
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「左利きプチ・アンケート第17回 学校での配膳は左利きの子も伝統的ルールに従うべきか」のお知らせ

2005-06-11 | 左利き
『レフティやすおの左組通信』で6月12日から実施する<左利きプチ・アンケート>の第17回目のお知らせです。
今回は配膳の作法について考えて見ます。日常茶飯事と言う言葉もありますが、ある意味では人生の最も重要な問題かもしれません。
食事の際には、左箸の左利きの人は(右利きの人に)人知れず気を使っているものです。できるだけ左側の席を取る、左隣の人と肘が当たらないように空きを取るように座る、さりげなく食器の配置を変えるなどなど。

* <左利きプチ・アンケート>第17回 学校での配膳は左利きの子も伝統的ルールに従うべきか *

『レフティやすおの左組通信』掲示板でご相談を受けました、学校(幼稚園・保育所など)での配膳は左利きの子も右利きの子も一律に伝統的ルール(左側にご飯茶碗右側に汁物など)に従うべきかどうかについてお尋ねしてみます。
(相談者の場合は、私のアドバイスも参考に話し合いの結果、作法にとらわれずそれぞれ食べやすい配膳にする、とのこと。詳細は、お手数ですが下記のリンクより掲示板をご覧ください。)

和食の場合でも洋食の場合でも、伝統的な配膳のルールでは右利きの人が食べやすい配置となっています。
そこで、左利きの子は腕を交差させて食べなくてはいけない。そのため、つい汁物の入った食器を倒すなどの弊害があるようです。

『*大 手 小 町* WOMEN 発言小町~左利きの悩み』http://www.yomiuri.co.jp/komachi/reader/200504/2005041500033.htm のなかでこんな意見も出ています。「和食の配膳のままだと食べづらいので、目に付かないようにこっそり影膳の配列に並べなおして食べて、またこっそり戻しておきます。」 <頑なに左手を使うことも無いですよ>

学校などではその子の利き手があらかじめわかっているので、それに応じた方法も考えられるべきかもしれません。反面、ひとつの作法として配膳の正しい方法を教えるチャンスでもあります。
家庭ではそれぞれの方針としてある程度自由に裁量できますが、学校などではどうあるべきでしょうか。

あなたは学校などでも、左利きの子も右利きの子と一律に等しく伝統に従った作法通りの配膳方法で給仕するべきだ、とお考えですか。それとも、それぞれの子に応じた対応をするべきだ、とお考えでしょうか。
以下の中から一番ふさわしいと思うものをひとつお選びください。

*投票者の利き手別で選択肢を用意しています。ご自身でご自分の利き手を右もしくは左と、どちらか判断した上で投票してください。(どちらかの手が不自由等で必ずしも利き手を使っていない人は、実際に使っている手の方で投票にご参加ください。)

*一言言わせて、というお方は投票後に表示されます一番下の「ご意見ボード」をご利用ください。もっと言わせて、というお方は掲示板もご利用ください。貴方のご意見ご感想をお聞かせください。

1(右利きの投票者)伝統に則って右利きも左利きも同じく配膳する、勝手に並べ替えてはいけない
2( 〃 )伝統に則って配膳後、各自で勝手に並べ替えればよい
3( 〃 )伝統に関係なく、最初から利き手に配慮して、子供に対応した配膳をする
4( 〃 )わからない
5(左利きの投票者)伝統に則って右利きも左利きも同じく配膳する、勝手に並べ替えてはいけない
6( 〃 )伝統に則って配膳後、各自で勝手に並べ替えればよい
7( 〃 )伝統に関係なく、最初から利き手に配慮して、子供に対応した配膳をする
8( 〃 )わからない

※お手数をおかけしますが、投票は『レフティやすおの左組通信』のアンケート欄よりお願いいたします。

レフティやすおの左組通信 掲示板

このアンケートの結果をみる

過去の全アンケートを再投票、コメントできるようにしました。 新たな投票、コメントをご希望の方は、『左組通信』のそれぞれの回のページでお願いいたします。 

※本稿は、ココログ版「レフティやすおのお茶でっせ」より転載して、テーマサロン◆左利き同盟◆に参加しています。


2005.7.17追記:このアンケートは、六月十二日から七月九日まで四週間に渡って「左組通信」表紙で実施され、投票総数15(うち右利き4、左利き11)を記録しました。
詳細は、「左組通信」内「<左利きプチ・アンケート>第17回 学校での配膳は左利きの子も伝統的ルールに従うべきか」をご覧ください。
こちらで、新規の投票を受付しています。お気軽にご参加ください。また御意見のみの記入も可能です。結果表示の後のご意見欄にてご記入ください。

追記2:配膳における左利きの子への対応については、以下の記事をご参照ください。
・2005.06.04左利きの子にやさしい環境を整えよう―左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ―その6 お茶でっせ版新生活版
・『レフティやすおの左組通信』「レフティやすおの左利き私論3・左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ」
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「TOKIMEKIママ倶楽部」のママのお悩み

2005-06-08 | 左利き
久しぶりに左利きについてネット検索して見ました。
最近はブログの普及とともに、左利きに関する記事もグッと増えてきました。そんな中から興味深いホームページを紹介してみましょう。

*
シャープが運営するスペースタウンに「TOKIMEKIママ倶楽部」というママを応援するコミュニティサイトがあります。
ここに「どうする?育児家事」コーナー「ひとこと言わせて!/ママのお悩み、みんなで解決!」という相談コーナーがあります。

2004年12月16日の相談は「年長の娘は左利き。右で書けるように直したほうが良い?」です。
「年長の娘は左利き。幼稚園で書き方の練習が始まったのですが、書くことだけでも右で書けるように直したほうが良いでしょうか。/来年から小学校に上がるので、心配です。」
リンク: TOKIMEKIママ倶楽部 ~ ママのお悩み、みんなで解決!.

"そうだんず三人組"ジョアンナ、クララ、マシュマロがそれぞれ代表的な意見を述べ、それぞれの投票数とコメントが紹介されています。
要約すると、以下のようになります。

ジョアンナ=変換賛成派(投票数3):左利きでは漢字など書きづらいことがある。他にも使いづらい道具もある。そこで、使いずらそうにしていたら、右手で使うと使いやすいよ、と無理なく自然に右手を使うように誘導してみては?

クララ=変換反対派(投票数11):左利きでいい。本人が使いづらいと思えば右手で書いてみようとする。得意なことも多いし。

マシュマロ=基本は反対、親の気の済むように一部容認派(投票数9):その子それぞれでいい。気になるなら右手も使えたらさらに素敵ね、という感じで右手を使えるように誘ってもみてもいい。

*
コメントの中で私が気になるのは、「わが家はこうしたい」と言う家庭、親の方針を打ち出している場合です。
なるほど思想や倫理観など精神的な事柄に関しては、それで良いと思います。
しかし、物理的に変更不可能な性質にまでそれを持ち込むのはやはり問題があると思います。利き手の問題はそういう変更不可能な要素を含む問題であると考えられます。

左利きというのはひとつの個性である、と言われるようになりました。そして、それぞれの子供の個性を認めよう尊重しよう、と言う左利き肯定の方向に社会は進んでいます。
ただ、個性と表現すると誤解を生むおそれがあります。個性個性と言うが、個性なら何でも許してよいのか、それでは自分勝手な人間に成長するだけだ、良いことと悪いことはしっかり教えて躾けなければいけない、と考える人も現れます。

私は、利き手は才能だと例えます。
右利きとは、右手を主に左手を従に使う才能。左利きとはその逆で、左手を主に右手を従に使う才能です。
才能ですからこれは変えることはできない。人によりそのレベルも異なる(才能の豊かな子は、非利き手も使えるようになるかもしれません)。そこで、それぞれの才能を活かす方法を考えるべきだ、と理解できると思います。

しかも、人間には才能だけでなく、能力もあります。これは変えることができます、本人の意志と努力とによって。
人は才能である利き手は変えられないが、実際に使う手は才能の範囲内でその能力を伸ばすことができます。しかしそれはあくまで、本人の意志と努力の結実として身に付くものです。それは物心ついてから、十代に入ってからで十分です。(以前紹介した、左利きの握りすし職人「すきやばし次郎」の小野二郎さん〔※注1〕は、板前になろうと決意した十代初めに包丁を右手に持ち替えたそうです。―山本益博・著『至福のすし―「すきやばし次郎」の職人芸術』新潮新書より。)
左利きというのは、脳神経系の機能という理由があってそうなっているわけですから、その原因を解消しなければ変えられるものではないのです。字を書くという行為も運動+言語という脳神経系の機能の複合の結果です。このような複雑な動作は利き手で行うほうが良いと思います。

基本的に幼児期においてはその持って生れた才能を十分に活かす方法を考えるべきです。
家庭の方針といって子供を縛るのは、利き手使い手の問題に関してはいかがなものか? と大いに疑問に思います。
ましてや、親の気が済むようにと、子供に右手使いを促すという行為も、どうでしょうか? 
子供は親のものではないのですから。子供を一番の考えるのが自然な子育てのあり方でしょう。
子供は親の喜ぶ顔見たさに、親の指図に従うかもしれませんが…。
親の笑顔を子供の喜びにさせるのではなく、子供の笑顔こそ親の喜びでしょう。

*
それともうひとつ気になるのは、字は右手で書くようにできている、という思い込みです。
本来文字(漢字)の成り立ちというものを考えると、右手で書くように生れては来ていないということです。
生れた後に、一部の人達によって右手で書きやすいように改変させられ、それが正式な書き方であり、美しい文字であるという基準に落ち着いたということでしょう。

現代人は、文字というものは万民が使うありふれた道具だ、と思い込んでいます。しかし、何千年かの文字の歴史(漢字の歴史は三千三百年ぐらいという)の中で、実際に万民のものとなったのはついこのあいだのことです。二、三百年も前には、一部のエリートだけが使う道具だったのです。
字を書くという技術は、エリートのステイタスだったのです。(今でも識字率の低い国があります。)
当然そこにはのちのち色々な尾ひれ(流儀・作法)がついてくるわけです。そのひとつが文字は右手で書くものという固定観念につながっているのだと思います。

*
全般的に見ると、変換反対派が多数を占めています。次に、一部容認派。変換賛成派はごく少数の意見となっています。それでも一部容認派を合わせると、五分五分というところです。
まずは常識的な線に落ち着いているようです。
反対派が多数を占めているのはうれしいのですが、内容的にはもうひとつ決定打に欠けるようで、私としては今ひとつ歯がゆい気分です。

また、一部容認派の中にも、私としては考えを改めて欲しいと思うものがあります。
やはり、一番大切なことは誰がそれを行うのか、という点です。それは子供自身です。子供は期待されればそれに応えようとするものです。その親の期待が子供にとってはどうなのか、ということを十分考えた上で結論を出して欲しいと思います。

※注1:
2005/05/20 左利きの握りすし職人「すきやばし次郎」・その一 
お茶でっせ版新生活版
2005/04/06 左利きのすし職人『すきやばし次郎 旬を握る』 
お茶でっせ版新生活版

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左利きの子にやさしい環境を整えよう―左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ―その6

2005-06-04 | 左利き
―左利きの子にやさしい環境を整えよう―

左利きの子に対する実際の手助けとしては、環境を整えてやることができます。

私たちが日常使用する道具には、元々左右対称形に作られていて、使う手を選ばない品物がかなりあります(例―普通の箸やスプーン、フォークなど)。
しかし、ハサミや刃物のような使う手を選ぶものも少なくありません。
こういうものに関しては、必ず左手・左利き用品を与え、左手でも苦労することなく、右利きの子供たちと同じレベルで様々な作業ができるようにしてあげましょう。

幸い、昨今は色々な左手・左利き用品が出回っています。これを用意しましょう。
あるいは、様々なユニバーサル・デザインと呼ばれる、右手でも左手でもどちらでも両用可能な商品(共用品)も開発されています。

手に合わない道具を使うと、うまく作業ができず、自分は不器用なダメな子ではないかと自信をなくす場合があります。
しかし、自分の体にあった専用の道具を使うと、右利きの子と同じようにでき、何事にも積極的に取り組む「ふつう」の子になります。

家庭内では、なるべくユニバーサル・デザインの左右の差がないものを用意しましょう。こうすれば、右利きの家族でも左利きの子でも、あまり不便さを感じることなく使うことができます。

たとえば、シャープのどっちもドア冷蔵庫は、左利きに配慮した結果生れた商品ではなく、本来は置き場所に困らないための設計です。しかし、結果としてどちらの手でも開けられることになり、使い勝手が格段にアップしています。
三菱クリンスイの浄水器のどっちもレバーは利き手に配慮した設計から生れたものですが、それのみならず、最近の浄水器はU字型レバーが標準のようになって来ています。また、洗面台の蛇口でも、蛇口とレバーが左と右に分かれたセパレーツ型だけでなく、レバーと蛇口が上下一体型になった製品も出ています。
これらは右利き左利きに関わらず、片手がふさがっているときなど便利な物になっています。

(その他に家族が共用する道具で言いますと、お茶を入れる急須は、注ぎ口と取っ手が上から見てへの字型になっているものは右手で使うように設計されているので、左手で使うのに不向きです。注ぎ口と取っ手が一直線になっている左右対称形のティーポット型か、弦状の取っ手がついている土瓶形がよいでしょう。
意外に気になるのがバターナイフです。これも普通のものは上から見ると左向きの刀のような形になっています。右手で持ってバターをカットしてすくって塗るのに便利なようになっています。真っ直ぐな板状のものも出ているようなので、こういうものに変えるか、あるいはジャム・スプーンを代用しましょう。
さらに、子供に料理のお手伝いをしてもらうなら、ピーラーも芽取りが左右についているものを用意する。レードルも片注ぎ口タイプは避ける。片手鍋は両側に注ぎ口があるものにするなど、ちょっとした配慮が必要です。)

このように見てくると、左利きの子に配慮した環境は、必ずしも右利きの人にとって不利になるとは限らないのです。

*
食事や書き物などでテーブルに座る席順も、左利きの子には左側に十分スペースを取れるようにしてやる。逆に右利きの人は右側に、といったちょっとした配慮で、生活の不便さが緩和されてきます。
(例えば外食の際などに、左利きの人のなかには、隣の人と肘が当たらないように左端の席に着くように心がけているという人も少なくありません。)

食事の給仕の際も、四角四面にご飯茶碗は左、おかずは右とか決め付けずに、その子の利き手に応じた設定を心がける。給仕する人が左利きの対応の仕方が自分でわからないなと思ったときは、左利きの子に自分の食べやすいように並べ替えればいいのだよ、と一言添える。

和食でも洋食でも決まったルールがあり、それぞれの伝統に則って配膳すべきではないか、という意見があります。
しかし、一流のレストランでもお客様が左利きとわかれば、それ以後は左利きに応じた給仕をしてくれる、と聞いたことがあります。左利きの握りすし名人と呼ばれる「すきやばし次郎」も、左手ですしを召し上がるお客様には左向きに出す、と言います(山本益博・著『至福のすし―「すきやばし次郎」の職人芸術』新潮新書)。

世の中には右手が使いやすい人や左手が使いやすい人など様々な人がいて、それぞれに応じた自然な動作や仕草があります。
規則を守るのは大事ですが、その運用は人情を考慮するべきでしょう。
『論語』の「学而第一・十二」で有子(有若、孔子の晩年の弟子)は、「礼の用は、和もて貴しと為す」礼儀作法の実行(用)はなごやか(和)なのが大切だ、と言っています。新渡戸稲造も『武士道』で、礼は愛である、心がこもっていなければならない、形だけの礼は偽物という意味合いのことを説いています。

配膳も相手が食べやすいように、という気配りです。大部分の人が右利きなので、右利きの人が食べやすいように並べるのがルールの基本になっています。最大公約数に合わせて、こうしておけば「まずは無難だ」というものです。
本来は、作法のための作法ではなく、人のための作法です。形にとらわれて本質を見失ってはいけないと思います。実際に不都合や不便さが出てくるのは、その本質を見失っているからでしょう。
フォーマルな場であれカジュアルな場であれ、みんなで和やかに食事できるのが一番大切なことです。

さて、基本ルールはこうだという一般常識はどう教えればいいのか、というと、右利きの人の席でお手本を示せばよいのです。
そして、これが"多数派の右利きの人用のルール"で、たいていの人は右利きなので、これが使いよい形として"基本形"になっている、と教えればよいのです。

*
こういう風に、基本的な部分で、常に右左の違いを認識し、その差が出ないように心がけましょう。
どうしても日常の生活では、ついついこの左側の視点を忘れてしまいがちです。
逆に言えば、物事の多くが右側の視点に立って作られているということを。
これは左利きの私でもそうなのですから、右利きの人は余計に気を配らなければ難しいかと思います。

とはいえ、人間は慣れるものです。
必要以上にこだわりすぎないのが、肝心です。あまりまわりのものがピリピリしすぎると、子供も神経質になり、マイナスです。時にはドーンと太っ腹に構えて見て見ぬふりをする時も必要かもしれません。
この辺の加減が難しいですね。

結論:
左利きに配慮した環境は必ずしも右利きの人に不利になるわけではなく、どちらの立場の人にも優しいものとなりうる要素を持っているのです。

左利きにも優しいユニバーサル・デザインは、"誰にでも優しく"を実現するための助け合いのシステムです。誰かが一方的に便利さを享受するのではなく、誰もがそれなりの負担もするという考え方だと思います。異なる立場の人の便利さのためには、時には多少の不便さには目を瞑るものでもあるのです。

左利きの子にはそれにふさわしい環境を与える努力をしてください。それがその子の幸せにつながるのです。
そしてわが子の幸せは親の幸せです。
できれば、他人の幸せも自分の幸せ、と考えられるようにしたいものです。

※『レフティやすおの左組通信』に「レフティやすおの左利き私論3・左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ」のページを設けています。過去に『お茶でっせ』で発表したものをすべて転載しています。

※注:参照=加地伸行全訳注『論語』「学而第一・十二」講談社学術文庫、同著『<ビギナーズ・クラシック中国の古典>論語』巻末「『論語』から生れたことば・ことわざ」角川文庫。
この言葉は、このあとに和やかさが大切といっても、なあなあになってはいけない、節度を持って両者がつりあわなければならない、という意味の文が続きます。しかし、根本はまず和やかであることです。

※本稿は、ココログ版「レフティやすおのお茶でっせ」より転載して、テーマサロン◆左利き同盟◆に参加しています。
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