レフティやすおの新しい生活を始めよう!

50歳からが人生の第二段階、中年の始まりです。より良き老後のために良き習慣を身に付けて新しい生活を始めましょう。

『左組通信』復活計画<左利きプチ・アンケート>(23)利き手テストとの一致度は?-週刊ヒッキイ第644号

2023-06-18 | 左利き
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第644号 【別冊 編集後記】

第644号(No.644) 2023/6/17
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [23]
<左利きプチ・アンケート> 全公開(23)「利き手調査」番外
第46回 利き手テストと意識の一致度は?」



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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第644号(No.644) 2023/6/17
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [23]
<左利きプチ・アンケート> 全公開(23)「利き手調査」番外
第46回 利き手テストと意識の一致度は?」
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 今回は、<利き手調査アンケート>の番外として、
 利き手テストの結果とご自身の思っている利き手とのあいだに、
 違いがあったかどうかを調べるアンケートで、
 「自己申告版」にあたります。

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ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [23]
  <左利きプチ・アンケート> 全公開(23)
  「利き手調査」アンケート編・番外
 第46回 利き手テストと意識の一致度は?
┗ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛      


 ●第46回 利き手テストと意識の一致度は?

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

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左利きを考える レフティやすおの左組通信
 Lefty Yasuo's HIDARIGUMI Announcement
 
  <左利きプチ・アンケート>
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<左利きプチ・アンケート>
第46回 利き手テストと意識の一致度は?
(自己申告による利き手別の投票による )

(初出)2007.11.25 (最終)
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<左利きプチ・アンケート>第46回
利き手テストと意識の一致度は?

http://personal-dictionary.com/enq/view/enq.asp?EID=54255
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<左利きプチ・アンケート>第46回 利き手テストと意識の一致度は?

左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』誌上でも
ふれましたように、

第104号(No.104) 2007/10/20「<見かけの利き手>」
「週刊ヒッキイ」創刊二周年100号突破記念放談―その3―
<見かけの利き手>

利き手について研究している科学者の作成した
各種利き手テストの判定結果と、
自分自身が認識している利き手とが一致しない人も、
結構多数いらっしゃるように思います。


当アンケートでも何度か利き手テストを紹介しています。

06.9.24 第33回 新版・利き手調査第1回
         ―利き手テスト側性係数を調べる
(前原勝矢/著『右利き・左利きの科学』講談社ブルーバックス
 1989/6/1刊 で紹介されているテスト)


06.11.26 第35回 新版・利き手調査第2回
         ―エディンバラ利き手調査
(八田武志/著『左ききの神経心理学』医歯薬出版1996刊 による)


07.1.28 第37回 新版・利き手調査第3回
         ―H.N.きき手テスト
(八田武志/著『左ききの神経心理学』医歯薬出版1996刊 による)

07.3.25 第39回 新版・利き手調査第4回
         ―chapman利き手テスト
(八田武志/著『左ききの神経心理学』医歯薬出版1996刊 による)

07.5.27 第41回 新版・利き手調査第5回
         ―マクマナスの利き手テスト
(クリス・マクマナス/著『非対称の起源―偶然か、必然か』
 大貫昌子/訳 講談社ブルーバックス 2006・原著2002刊 による)


各テストは、十項目程度の主に片手で行う作業において、
どちらの手を使うかということを問うもので、
それぞれの項目で実際に自分が使う手はどちらであるかを答えて、
その項目数(もしくは点数)で、
「右(手)利き」なり「左(手)利き」なりを判定するものです。

中間的な「両(手)利き」の判定を下すテストもあります。


各アンケートの結果をご覧いただいてもわかりますように、
テストの判定結果と、
自分の意識している「利き手」とが一致する人もいます。

しかし、テストの結果による数値的に見た「利き手」の判定と、
自分の考えている―自称している「利き手」とは異なる、
という場合もあります。

あなたの場合はどうでしょうか。

利き手テストの判定結果と自分の意識との一致度は?


*投票者の利き手別で選択肢を用意しています。
ご自身でご自分の利き手を右もしくは左と、
どちらか判断した上で投票してください。

*一言言わせて、という方は投票後に表示されます一番下の
「ご意見ボード」をご利用ください。
もっと言わせて、という方は掲示板もご利用ください。
貴方のご意見ご感想をお聞かせください。

1 (右利きの投票者)ほぼ一致する
2 (   〃   )まあまあ一致する
3 (   〃   )さほど一致しない
4 (   〃   )全く一致しない
5 (左利きの投票者)ほぼ一致する
6 (   〃   )まあまあ一致する
7 (   〃   )さほど一致しない
8 (   〃   )全く一致しない


現在の結果を見る(ご意見ボードはこちら)
________________________________________
●利き手調査テスト関連アンケート
第14回 貴方の利き目は右左どちらですか
第20回 利き手調査1回目―側性係数を調べてみよう
第22回 エディンバラ利き手調査
第23回 利き手調査3回目―H.N.きき手テスト
第24回 利き手調査第4回chapman利き手テスト
第28回 利き足を調べてみよう・チャップマン利き足テスト

(自己申告による利き手別の投票アンケート)
第33回 新版・利き手調査第1回―利き手テスト側性係数を調べる
第35回 新版・利き手調査第2回―エディンバラ利き手調査
第37回 新版・利き手調査第3回―H.N.きき手テスト
第39回 新版・利き手調査第4回-chapman利き手テスト
第41回 新版・利き手調査第5回 マクマナスの利き手テスト
第49回 新版・利き目は右左どちらですか?


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投票結果
実施期間2007.10.28-11.24(4週間・総数=17/R=5:L=13)
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1(右利きの投票者)ほぼ一致する 2
2(   〃   )まあまあ一致す 0
3(   〃   )さほど一致しない 2
4(   〃   )全く一致しない 1
5(左利きの投票者)ほぼ一致する 6
6(   〃   )まあまあ一致す 1
7(   〃   )さほど一致しない 5
8(   〃   )全く一致しない 1

ご意見ボードへの書き込み
 ご意見はありません


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投票結果 12:02 2007/12/15
(総数=17/R=5:L=13)

1 (右利きの投票者)ほぼ一致する    7
2 (   〃   )まあまあ一致する  2
3 (   〃   )さほど一致しない  3
4 (   〃   )全く一致しない   2
5 (左利きの投票者)ほぼ一致する    7
6 (   〃   )まあまあ一致する  2
7 (   〃   )さほど一致しない  6
8 (   〃   )全く一致しない   1

≫何を持って左利き右利きというかは人によって違うんだろう、
 字を書くとか箸を持つとかで決める人も多い、そういう場合は
 右手を使うように指導された人は自分を右利きというんだろう。
 それでテストすると違ってくるというわけだ。
 本当の利き手はそういうもんじゃないってこと。
 覚えたことじゃなくて無意識に出す手だったりするんだなあ。
【右田左太郎│07/12/15 0:02:04】――(転載了解済み 2023.6.13-ly)


------------------------------------------------------------------
投票結果 23:42 2008/09/24
(総数=134/R=66:L=68

1 (右利きの投票者)ほぼ一致する 22
2 (   〃   )まあまあ一致する 12
3 (   〃   )さほど一致しない 16
4 (   〃   )全く一致しない 16
5 (左利きの投票者)ほぼ一致する 20
6 (   〃   )まあまあ一致する 16
7 (   〃   )さほど一致しない 17
8 (   〃   )全く一致しない 15


------------------------------------------------------------------
<左利きプチ・アンケート>第46回 利き手テストと意識の一致度は?
投票結果 17:01 2009/01/22
(総数=162/R=79:L=83

1 (右利きの投票者)ほぼ一致する    24
2 (   〃   )まあまあ一致する  16
3 (   〃   )さほど一致しない  19
4 (   〃   )全く一致しない   20
5 (左利きの投票者)ほぼ一致する    24
6 (   〃   )まあまあ一致する  17
7 (   〃   )さほど一致しない  22
8 (   〃   )全く一致しない   20


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投票結果 15:46 2011/12/01
(総数=454/R=235:L=219

1 (右利きの投票者)ほぼ一致する    68
2 (   〃   )まあまあ一致する  49
3 (   〃   )さほど一致しない  53
4 (   〃   )全く一致しない   65
5 (左利きの投票者)ほぼ一致する    59
6 (   〃   )まあまあ一致する  48
7 (   〃   )さほど一致しない  62
8 (   〃   )全く一致しない   50

------------------------------------------------------------------
投票結果 2016.9.19
(総数=488/R=254:L=234

1 (右利きの投票者)ほぼ一致する 73
2 (   〃   )まあまあ一致する 53
3 (   〃   )さほど一致しない 59
4 (   〃   )全く一致しない 69
5 (左利きの投票者)ほぼ一致する 63
6 (   〃   )まあまあ一致する 51
7 (   〃   )さほど一致しない 67
8 (   〃   )全く一致しない 53


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<左利きプチ・アンケート>第46回 利き手テストと意識の一致度は?

【最終投票結果】
(総数=530/R=272:L=258
http://personal-dictionary.com/enq/view/view.asp?EID=54255

1 (右利きの投票者)ほぼ一致する 78 ------◎
2 (   〃   )まあまあ一致する 57 --×
3 (   〃   )さほど一致しない 68 ----□
4 (   〃   )全く一致しない 69 -----○

5 (左利きの投票者)ほぼ一致する 74 ------◎
6 (   〃   )まあまあ一致する 52 --×
7 (   〃   )さほど一致しない 73 -----○
8 (   〃   )全く一致しない 59 ---□

≫何を持って左利き右利きというかは人によって違うんだろう、
 字を書くとか箸を持つとかで決める人も多い、そういう場合は
 右手を使うように指導された人は自分を右利きというんだろう。
 それでテストすると違ってくるというわけだ。
 本当の利き手はそういうもんじゃないってこと。
 覚えたことじゃなくて無意識に出す手だったりするんだなあ。
【右田左太郎│07/12/15 0:02:04】――(転載了解済み 2023.6.13-ly)


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↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

2023.6.13(追記)

最終的な結果を見ますと、
最多は「ほぼ一致する」ですが、「一致」「不一致」に大別しますと、
ほぼ同数といってもいい状況です。

で、「右利きの投票者」では、
「ほぼ一致」と「全く一致しない」の両極が多いパターンです。

「左利きの投票者」では、両極というよりは、
「まあ一致する」と「さほど一致しない」と、
不一致度のレベルが少し弱くなっている感じです。

この辺がちょっと違うようで、
何かしら左利きの人の特徴になっているのかもしれません。

このアンケートとは別に、あくまでも私個人の一般的な印象ですが、
「左利きの人」に分類される人たちというのは、
様々なパターンがあるように感じます。

その点、「右利きの人」は比較的一様な標準形のようなものがある、
と感じます。

その辺の違いについて考慮すべき点があると思われます。


 ●一般的な利き手に対する認識と研究者のそれとの違い

世間一般では「利き手」といいますと、
「右利きか左利きか」の二者択一のように考えがちです。

「利き手」というのは、字を書くとか箸を使うとか刃物を使うとか、
主に片手で行う動作についてどちらの手を使うか、で決めるものです。

実際に右手使いの人が多数なので、「右利き」が標準とされています。
で、「右利き」以外の人はみな「左利き」と考えられがちです。
せいぜい「私は両利きです」と一部の人が発言する程度。

しかし実際に利き手について研究されている方々の考えでは、
利き手というものは、
各種の利き手テストの結果を、グラフにしますとわかりますように、
右利きから左利きまでその程度の差はあるものの、一続きの連続体で、
スイッチをオン・オフするように、右だ左だと分かれるものではない、
といいます。

利き手テストの結果を、
左端に「強い左利き」を、右端に「強い右利き」をおいて、
その分布をみますと、「J」の字のような曲線を描くといいます。

「J」の字の右端のお玉の柄のような縦棒の部分が
「強い右利き」の人で(私の思うに約半数の人)、
「J」の字の左端の小さな盛り上がりの部分が「強い左利き」
(一割程度か?)、
「J」の字の真ん中のへこんだ底の部分が、
弱い右利きや弱い左利きの人(私のいう中間の人で、四割程度か?)。

「片手利き」ともいうべき、「強い右利き」「強い左利き」の人は
合わせても60%程度ではないか、と思われます。

残りの三分の一以上を占めるであろう、
右利き左利きどちらの要素も幾分かずつ持っている、
中間の人たちの存在が、「左利き」に対する一般の人たちの認識を
複雑なものにしている、といえるのではないでしょうか。

ゆえに、それぞれの個人の意識としての「利き手」と
「利き手テスト」で測られる「利き手」の傾向とは、必ずしも一致せず、
こういう今回のアンケートのような結果が生まれるのではないか、
というのが、このたびの私の見解です。

 ・・・

今回のアンケートでも、結局「右利きの人」と「左利きの人」で、
あまり明確な違いというものは見られなかったように思います。

どのような調べ方をすればいいのか、
もう少し研究する余地があるようです。

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本誌では、「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [23] <左利きプチ・アンケート> 全公開(23)「利き手調査」番外 第46回 利き手テストと意識の一致度は?」と題して、今回も全紹介です。

これで一連の「利き手テスト」に関するアンケートは終了です。

今見返してみますと、初期のものは購読者数も少なく、
結果投票者も少なく、これといった成果もありませんでした。
その後、mixiからの投票者が増えた回もあり、
数値だけはかなりに上ったケースもありました。
きちんと分析できる人間なら、それぞれに意味のあるものにできたかも、
という思いもあります。

またいずれ、改めて「利き手テスト」を扱ったアンケートに
チャレンジする機会があれば、と考えています。

 ・・・

次回からは、<左利きプチ・アンケート>全64本の中から、私が気になったものを紹介してゆく予定です。
読者・閲覧者の皆様も「これを紹介して欲しい」というものがあれば、ぜひご連絡ください。

*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』2016.09.21
『左利きを考える-レフティやすおの左組通信』目次―『左組通信』から
「新生活」版

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』


『レフティやすおのお茶でっせ』〈左利きメルマガ〉カテゴリ

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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載

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私の読書論171-渡瀬謙『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』から-楽しい読書344号

2023-06-17 | 本・読書
古典から始める レフティやすおの楽しい読書【別冊 編集後記】

2023(令和5)年6月15日号(No.344)
「私の読書論171-渡瀬謙のビジネス書の新刊
『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』から」



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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2023(令和5)年6月15日号(No.344)
「私の読書論171-渡瀬謙のビジネス書の新刊
『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』から」
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 今回は初の試みで、従来とはちょっとタイプの異なる本から、
 思うところを紹介してみましょう。

 今回取り上げますのは、
 私の左利き仲間で友人で、ビジネス書の書き手で、
 特に内向型の性格で売れずに悩む営業マンの育成を専門とする
 「サイレントセールストレーナー」である、渡瀬謙氏の新刊書です。


渡瀬謙『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』
日本実業出版社 2023/5/26


 私自身すでにリタイア組ですので、この本の中から、
 営業といったビジネス関係について云々するのではなく、
 最終章の「持続して成長する「モチベーション」の習慣」
 で取り上げられている、人生一般に関わる内容について考えてみたい
 と思います。
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 - 習慣は第二の天性 -

  ~ 営業のノウハウを処世術として人生に活かす ~

  渡瀬謙『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』
(日本実業出版社)から

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』全体の概要

『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』の目次です。

第1章 大きな成果を生む小さな「行動」の習慣
第2章 迷いを解消する「判断」の習慣
第3章 無意識に言っている「口グセ」の習慣
第4章 売れる営業の「思考」の習慣
第5章 オンライン時代に有効な「コミュニケーション」の習慣
第6章 持続して成長する「モチベーション」の習慣

 ・・・

2017.6.29 発売の
『トップセールスが絶対言わない営業の言葉』


の姉妹編といいますか、続編といいますか。

参考に、そちらの目次は↓

--
はじめに 売れる営業と売れない営業を分けるのは「言葉」だった!
第1章 意外に重要な挨拶の言葉
第2章 相手とのトークがはずむ言葉
第3章 ニーズを探る絶妙なヒアリング
第4章 相手が身を乗り出して聞く説明
第5章 押さないクロージング
第6章 売れる営業マンが重視している言葉
おわりに 営業力は一生ものの財産
--

 ・・・

さて、ビジネス書としての本書は、
目次の見出しでだいたいの方向は、ご理解できるとかと思います。

著者自身の紹介文は――

《営業がついやってしまいがちなことなど、
 無意識の行動習慣にフォーカスしました。
 営業に慣れてきた人ほど読んで欲しい内容です。

 これらはすべてNG行動です↓
 ・断られたら残念そうな顔をする
 ・安易な約束をしてしまう
 ・すぐに値引きで対応する
 ・売れたらそれでOKとする

 自分の行動習慣を振り返ってみることで、
 営業の精度があがれば幸いです。》


出版社の紹介文は――

--
■売れている人の"売れる理由"は「行動習慣」にあり

「売上がなかなか伸びない」
「担当先から、いまいち信頼を得られない」
「いつも新規開拓に追い回されている」

売上が伸びず、営業マンとしての成長も芳しくない人の原因は
じつは、普段、何気なくやっている「習慣」にあります。

売れている人は「これをやっていたら売れない」ことを絶対にしません。
売れるコツやトークをどんなに駆使しても、やってはいけない行動ひとつで
努力が無駄になってしまうことが多いのです。

そこで本書では、「営業の現場でついやってしまいがちだけれど、
売れている人は絶対にやらない行動」を×○の具体例を挙げて
ていねいに解説します。

×「少しの遅刻なら許されると思っている」
 〇「絶対に遅刻しない行動をとる」
×「売れたらそれでOKとしてしまう」
 〇「売れたときこそ振り返る」
×「とりあえず答えることを優先する」
 〇「知らないことは『知らない』と言う」
×「売れないと達成感を得られない」
 〇「売上以外の達成ポイントがある」

・これから営業になる人
・営業歴1~3年目の人
・若手を指導するリーダー

に役立つ、トップセールスに変わる行動習慣が満載です!
--

以上、営業関係の内容紹介はここまで。
営業関係の人は一度は読んでみてもいい本でしょう。


 ●第6章 持続して成長する「モチベーション」の習慣

ここでは、最終第6章の
「持続して成長する「モチベーション」の習慣」から
営業以外の面――人生の一般、処世術的な面から見て、
気になる部分を取り上げていこう、と思います。

7つの項目が挙げられています。

42.「売ること」だけを目標としない
43.「やらなきゃいけない」と思わない
44.まわりと自分を比較しない
45.一人で解決しようとしない
46.ストレスの芽を成長させない
47.無理にやる気を起こそうとしない
48.目先の売上にこだわらない

(番号は、第一章からの通し番号)



以下各項目について見てゆきます。

 ・・・

■42.「売ること」だけを目標としない

《日々前進している実感を持つことが大切》といい、
売ること以外の目標を持て、といいます。

1.「自分の成長」――能力や経験値を高める
2.「お客さまから信頼されること」――まずは信頼を得る努力を

お客様に限らず、人から信頼される行動をとるようにすること。


■43.「やらなきゃいけない」と思わない

人からやらされることは、単なる作業的になりがちなので、
やらされるのではなく、自分から自主的に行動するということ。

《仕事は自分の成長だと思っている》と。


■44.まわりと自分を比較しない

まわりの人と比較すると、どうしてもマイナス面に目が行くので、
自分のよいところが見えなくなる。
だから《比較すべきは過去の自分》と。

過去の自分との比較で言いますと、

《昨日はできなかったことが、今日はできている!》

という例があります。

「老化」というのはこの逆で、昨日できたことが今日はできない、
といった現象が起きることです。

しかし、そういうマイナスばかりではありません。

例えば私の場合、ミニキーボードをちょっと練習していますと、
昔は指使いの方法など知らず、一本指でしかできなかったのですが、
一応、たどたどしくても
片手でドレミファソラシドが弾けるようになりました。

昨日まではできなかったことができるようになった、わけです。
年を取ってもそういう風に進歩・成長することもあります。


■45.一人で解決しようとしない

《すべてを一人でやろうとすると、
 自分を追い込んでしまうことにもなりかねません。》

そこで、
《「一人で解決する」という習慣を見直す》ことが大事だといいます。

ただ、自分の責任逃れというのではなく、
《「相手を成長させる」という思考》にたって考えれば、
自信を持って仕事を依頼できる。
WIN×WINの関係になれる、と。


芸能人の自殺(自死)事件が起きますと、
その影響を受けて一般の人の自殺が増える、といわれます。

そんなとき、悩みを一人で抱え込まないように、とアドバイスされます。

人生においては、何でも一人で抱え込まない、ということが大事です。
昔から「案ずるより産むが易し」ということわざがあります。

自分では大変なことに思えても、
人から見れば実はたいしたことではない、というケースもあるものです。

時には人に頼る、という姿勢も必要です。


■46.ストレスの芽を成長させない

《気づかないうちにストレスは蓄積している》といいます。
人が生きていく内では何事においてもそういうものです。

そこで、《自分なりのストレス解消法を習慣化する》。

《あなたが我慢強いタイプなら、
 定期的にストレスを解消する行動を習慣化した方がいいでしょう》と。

これは正論でしょう。
私も我慢強い方ですので、逆に大爆発するときがあります。
まあ、何年かに一度あるかないかですけれど、ね。

私はかつて糖尿病でした。
あれはストレスが原因で発症する、きっかけになるそうです。

定期的にガス抜きといいますか、
自覚症状が出る前に解消する工夫が必要でしょう。


■47.無理にやる気を起こそうとしない

《強制されたやる気は続かない》といいます。

《営業は、売れるルートを見つけるゲーム》だといい、
仕事をゲームのように楽しむことで、モチべーションも上がるし、
自然とやる気も湧いてくる、と。

どんな仕事であれ、作業であれ、なんであれ、同じことです。
自分から自然と楽しむ気持ちになれたら、
どんなことであっても気楽に、かつ前向きに取り組めるものです。

そうすると、不思議なもので、結果も付いてくるものなんですね。


■48.目先の売上にこだわらない

《売上目標の先に焦点を当てる》といい、
《売上以外の目的を持っている》といい、
《「営業力」という一生ものの財産を身につけよう》といいます。

何事もそうなんですが、目先の何かにこだわるより、
もっと長い目で将来を見据えて、今何をすべきかと、
今この瞬間を大切に生きるということが大事だ、と先人はいいます。

まさにその通りで、自分の力をつけるべく、日常を大切にする、
若い頃の仕事というものは、挑戦です。

私も本屋で働いていた時、そうでした。
自分の担当を得たら、やれる範囲でではありますが、
徹底的にチャレンジしてみる、
将来自分で店を持てるかどうかはわかりませんが、
現場の仕事はやれることを色々とやってみました。
店を持つことはできませんでしたが、
結果として店の売り上げを毎年上げ続けていました。

人生というものはそういうものだと思います。
目先にこだわらず、とにかくあれこれチャレンジしてみる、
ということが大事です。


 ●本書と習慣について

本書を読む意味はどこにあるか――
現役のセールスパーソンは営業のあれこれを知ることも大事ですが、
本当は、よりよい生き方を知ることが大事なのです

人生の先輩の言葉から、何を知るか、といいますと、
結局は、そういうことなのです。

こんなことをいいますと、傲慢とかいわれそうですが、
学ぶ人は何からでも学ぶものなのです。

 ・・・

「習慣は第二の天性」といわれます。
日々繰り返し身につけた習慣は、
生まれつきの性質と変わらないようになる、というわけです。

一度よい習慣を身につけますと、一生の宝物になります。

逆に悪い習慣を身につけてしまうと、
どんどん人生がまずいものになってしまいます。

糖尿病など、生活習慣病といわれるものがその代表です。

よい習慣はよい人生を作ります。
よい習慣を身につけられるように、
気を付けて毎日を過ごしてゆきましょう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「私の読書論171-渡瀬謙のビジネス書の新刊『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』から」と題して、今回は全文転載紹介です。

「習慣は第二の天性」ということわざがあります。
その通りで、身につけた習慣は、生まれつきの性質の如く、一生の宝物となります。
よい習慣を身につければ、大いにプラスになります。
そういうよい習慣とはどういうものか、そのいったんをこの本の営業のノウハウから、処世術として学ぶことができます。
それを人生に活かすことで、よい人生を歩むことができるのではないでしょうか。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
私の読書論171-渡瀬謙『トップセールスが絶対やらない営業の行動習慣』から-楽しい読書344号
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楽器における左利きの世界(13)キーボード演奏での指使い-週刊ヒッキイ第643号

2023-06-04 | 左利き
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第643号 【別冊 編集後記】

第643号(No.643) 2023/6/3
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(13)キーボード演奏での指使い」



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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第643号(No.643) 2023/6/3
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(13)キーボード演奏での指使い」
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 前回は、最近始めた、初心者・独学者向けのピアノ練習や
 楽譜の読み方など音楽の基礎的なお勉強に関する
 YouTubeのピアノ演奏の動画鑑賞についての感想として、
 「やっぱり現状のピアノは右利き向けなんだ」と思ったことなど
 ダラダラと書いてみました。

 今回は、その続きになります。

 図書館で見つけた

 『初心者の為のキーボード講座 ゼロから始められるあんしん入門書』
 (自由現代社 2022.8.30)


 を読んでちょっと試してみたこと、思ったことなど、
 つれづれなるままに書いてみましょう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―

 楽器における左利きの世界 (13)
  ◆ キーボード演奏での指使い ◆
   ~ 「ピアノってやっぱり右利き用なんだ!」の巻・続き ~  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●指使い

『初心者の為のキーボード講座』でもそうでしたが、
前回紹介しました『まり先生のかんたんピアノレッスン』でも、
指使いについて説明されています。

両手の指について、指番号というものが付されていて、
親指から順に小指まで、1番から5番まで。

右手も左手も同じで、親指が1番で小指が5番です。

――(左手)――― ―――(右手)――

5|4|3|2|1 1|2|3|4|5 

小|薬|中|人|親 親|人|中|薬|小
指|指|指|差|指 指|差|指|指|指
      指     指


 ●「ドレミファソラシド」を弾いてみる――右手

で、「ドレミファソラシド」を弾いてみる場合の指使いというのが、

右手の場合――「真ん中のド」から右側(高音部)へ。

ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド
1・2・3・▼1・2・3・4・5
親・人・中・▼親・人・中・薬・小

▼の時に、親指を中指の下をくぐらせるのだそうです。
そうして、ファ以下を親指以下の指で弾くとなめらかに弾ける、と。

<指くぐり>という技を使います。


逆に、「ドシラソファミレド」と上から降りてくるときは、

ド・シ・ラ・ソ・ファ・ミ・レ・ド
5・4・3・2・1・▲3・2・1
小・薬・中・人・親・▲中・薬・小

▲の部分で、<指くぐり>ならぬ<指ごえ>なる技を使うのです。

中指で親指を越えるのですね。
こうして滑らかに演奏するそうです。


(画像:『初心者の為のキーボード講座』「第2章 メロディを弾こう」から<指使い>右手の図)

 ●「ドレミファソラシド」を弾いてみる――左手

次は、左手の場合――「真ん中のド」より1オクターブ下の「ド」から
上に「真ん中のド」まで。

ド・レ・ミ・ファ・ソ・ ラ・シ・ド
5・4・3・2 ・1・▲3・2・1
小・薬・中・人 ・親・▲中・薬・小

右手の場合とは逆で、「ソ」のあと<指ごえ>で、
「ラ・シ・ド」は、「中・薬・小」と滑らかに続けて弾く。


「ドシラソファミレド」と上から降りてくるときは、

ド・シ・ラ・ ソ・ファ・ミ・レ・ド
1・2・3・▼1・2・3・4・5
親・人・中・▼親・人・中・薬・小

「ラ」のあと<指くぐり>で、「ソ・ファ・ミ・レ・ド」と親指から
滑らかに続けて弾きます。


(画像:『初心者の為のキーボード講座』「第2章 メロディを弾こう」から<指使い>左手の図)

「真ん中のド」といいましても、実際には真ん中やや左寄りの「ド」で、
ここからの一オクターブ分の白鍵8つ分が
キーボード全体のほぼ真ん中の位置になっているようです。

そして、この真ん中の一オクターブからの展開が右手で、
ここから一オクターブ下のドからのポジションが、
左手の持ち場となっているのです。

右手と左手では、
「真ん中のド」をはさんで右側と左側に持ち場が分かれる、
ということのようです。


 ●大譜表

『初心者の為のキーボード講座』の「第2章 メロディを弾こう」に、
「大譜表」という項目があり、

 《鍵盤楽器は音域が広いため、
  ト音記号(右手)とヘ音記号(左手)が上下二段になった
  大譜表が通常用いられます。
  中央のドから右手は高い音へ、左手は低い音へ白鍵の音を並べると
  下のようになります。
  五線に収まらない高い音や低い音は加線が追加されていきます。》

(ここでは図を示すことができませんので、言葉で書いておきます。)

右手:上段:ト音記号の五線譜の下にある一つ目の加線が「真ん中のド」
左手:下段:ヘ音記号の五線譜の上にある一つ目の加線が「真ん中のド」


(画像:『初心者の為のキーボード講座』「第2章 メロディを弾こう」から<大譜表>の図)

 ●鍵盤楽器の音階配置や演奏の指使いについて

今回の「指使い」は、知ってる人は「なんだ、こんなこと!」
という感じでしょうけれど、
私のようにまったくの素人――初心者には、
「なるほど、よく考えたものだ」と関心するばかりの内容でした。

「よく考えたものだ」とはいうものの、これはやはり右利きの人が――
左手よりも右手の方が使いやすい右利きの人が、
考えに考え抜いた上での標準としての、音階の鍵盤配置であったり、
演奏のための指使いであったり――するのですよ、やっぱり! これは。

もし「強度の左利き」の私が考えるなら、
当然音階の配置は、「左手側が高音部」で「右手側が低音部」で、
「真ん中のド」も「やや右寄り」に位置して、
左手がより動かしやすい音階の配置にして、
「メロディは左手で演奏」し、「伴奏は右手が担当」して付いてくる、
というスタイルになるでしょう。


 ●音楽の才能と左利き

以前から、音楽能力には利き手による違いがあり、左利きの方が優れる、
といわれているといいます。

八田武志さんの著書『左対右 きき手大研究』(DOJIN文庫 2022)の
「第1章 優れる左きき」に「音楽の才能と左利き」という項目があり、
プロの音楽家や音楽大学の学生を対称とした研究が紹介されています。

この研究では全体としては、左利きの人の割合は高くなかったそうです。
しかし、専門とする楽器との関係で特徴がある、といいます。

 《オルガンやピアノ、ハープなどのように
  左右の手が独立した運動供応を必要とする楽器の専門家には
  両手ききの傾向が強いが、
  ヴァイオリンやフルートなどのように、
  おもに左右の手が統合的な動作をする楽器の専門家は
  両手ききの傾向が弱かった。》pp.38-39


左右の手で別々の音を奏でるピアノやハープのような楽器では、
両手がある程度器用に動かせる<両手利き>傾向の人が多い。

一方、
左右の手が別々の動作(弦を押さえる、弦を弾く等)――を通して、
一つの音を演奏する、ギターやヴァイオリンのような楽器では、
両手が器用に使える両手利きの傾向の人は少なく、
一般的な片手利きの傾向の人が多い、というのでしょう。

ということは、
ギターやヴァイオリン、あるいはフルートなどの演奏者は、
片手利き傾向の強い人であればあるほど、
「自分の利き手を活かせる」楽器が必要になる、ということでは?

現実に、ギターでは、多くの左利きの演奏者がいます。
右用の楽器だけではなく、左用の楽器も製作販売されています。

他の楽器でもこれからはもっと多く、
左利き対応の楽器が求められるようになってゆくのではないか、
と思われます。

どうでしょうか。

*参照:
八田武志『左対右 きき手大研究』(DOJIN文庫 2022/5/16)


(画像:八田武志・著『左対右 きき手大研究』の増補文庫版と元版のDOUJIN選書版)
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本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(13)キーボード演奏での指使い」
と題して、今回も全紹介です。

前回の「「ピアノってやっぱり右利き用なんだ!」の巻・続き」として、YouTubeの動画や『初心者の為のキーボード講座 ゼロから始められるあんしん入門書』(自由現代社 2022.8.30)で学んだ、キーボード演奏時の指使いについての紹介と、私なりに考えたことを書いてみました。

「よくできた楽器だ」と思う、反面やっぱり右利き用にこしらえられたものなんだなん、と実感してしまいます。

なんとしても「左右反転楽器」が欲しいものだ、と思ってしまいます。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

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左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)/楽器における左利きの世界(13)キーボード演奏での指使い-週刊ヒッキイ第643号
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中国の古典編―漢詩を読んでみよう(22)西晋時代の文学者-楽しい読書343号

2023-06-01 | 本・読書
古典から始める レフティやすおの楽しい読書【別冊 編集後記】

2023(令和5)年5月31日号(No.343)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(23)西晋時代の文学者」



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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2023(令和5)年5月31日号(No.343)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(23)西晋時代の文学者」
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 「中国の古典編―漢詩を読んでみよう」23回目です。

 今回は、西晋の時代を代表する文学者・政治家を取り上げます。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◆ 西晋時代の文学者・政治家たち ◆

 中国の古典編―漢詩を読んでみよう(23)

  ~ 張華「情詩五首」其の二――男性から女性へ愛情を述べる詩 ~
  ~ 左思「嬌女の詩一首」――子供の本来の姿を示す詩 ~

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今回の参考文献――

『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
 江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20
「七、それぞれの個性――西晋の詩人」より


 ●張華(ちょうか)

魏末から西晋の始めにかけて、
詩人で政治家だった張華(ちょうか 232-300)は、
筋の通った生き方をした。

これまでの知識人の生き方としては、
「竹林の七賢」のように、体制を避けて言論を続けた人たち、
権力の内部に入って人生を全うした人たちの二通りでした。

張華は、その度血あらでもなく、最もむずかしい道を歩いた。
混乱する王朝を正しい満ちに引き戻し、保とうと行動したのです。
貧しい家の出身ながら、勉強熱心で郷里の人たちに推薦され中央に出、
阮籍に認められ、名声を上げました。

西晋王朝(51年)となり、
初代司馬炎が亡くなると、混乱が起き、勢力を伸ばした外戚同士が争い、
他の王族も加わり、「八王の乱」に発展。

二大恵帝の大叔父、司馬倫が王朝を簒奪する計画を立て、
宰相となった張華を味方に引き入れようとするが、
拒絶した彼は司馬倫のクーデター決行後、一族もろとも殺されました。


 ●張華「情詩五首」其の二

情詩五首   情詩五首   張華

 其二     其の二

明月曜清影  明月(めいげつ) 清景(せいけい)を曜(かがや)かし
曨光照玄墀  曨光(ろうこう) 玄墀(げんち)を照(て)らす
幽人守静夜  幽人(ゆうじん) 静夜(せいや)を守(まも)り
廻身入空帷  身(み)を廻(めぐ)らして空帷(くうい)に入(い)る

 明るい月がさわやかな光を輝かせ
 その月のおぼろな光が玄墀をぼんやりと照らし出している
 ひっそりと寂しく暮らす私はこの静かな夜をじっと過ごし
 やがて身を翻し、誰もいないとばりの中に入った


束帯俟将朝  束帯(そくたい)して
        将(まさ)に朝(ちよう)せんとするを俟(ま)ち
廓落晨星稀  廓落(かくらく)として晨星(しんせい)稀(まれ)なり
寐仮交精爽  寐仮(びか) 精爽(せいそう)交(まじ)はり
覿我佳人姿  我(わ)が佳人(かじん)の姿(すがた)に覿(あ)ふ

 私は身なりを整えて朝廷に行く時間が来るのを待っている
 広がる夜空に明け方の星がまばらに見える
 私はふとうつらうつらしてしまい、魂が交流して、妻の姿を目にした 
 

巧笑媚権靨  巧笑(こうしよう) 権靨(けんよう)媚(みめよ)く
聯娟眸与眉  聯娟(れんけん)たり 眸(ひとみ)と眉(まゆ)と
寤言増長歎  寤言(ごげん) 長歎(ちようたん)を増(ま)し
悽然心独悲  悽然(せいぜん)として
        心(こころ) 独(ひと)り悲(かな)しむ  

 美しい微笑み、頬のえくぼもうるわしく、
 形よく並んでいる瞳と眉
 はっと目覚めてつい妻に話しかけてしまい、深い歎きはますます募る
 私の痛んだ心はひとえに悲しみに沈むばかりであった

 ・・・

「情詩五首」は五首の連作で、設定は、
ある作品は旅をしている夫から、別の作品では留守を守る妻から、
というふうに、単身赴任か何かで生き別れの夫婦の往復書簡のような形。
「其の二」は、夫が主語になっていて、奥さんを思いやる詩です。

第一段では、秋の夜、眠れぬまま外の景色を眺めていると、
明け方になります。

「玄墀(げんち)」とは、「玄」は“黒く塗った”の意で
「黒く塗った(階段の)たたき」、もしくは「暗く貸すんだたたき」。
夜明けのぼんやりした風景を指すといいます。

「幽人(ゆうじん)」は、隠者を指すことが多いのですが、ここでは
“ひっそりと暮らす私”。
都で官職に就いている設定で、奥さんと離れている心境をいいます。

第二段では、出勤の支度をします。
中国では朝が早く、星が見えるうちから出勤したそうです。
「寐仮(びか)」は、うたた寝、仮眠。「精爽(せいそう)」は、魂。

第三段は、夢に現れた妻を再現、目覚めたあとの悲しみで結びます。
「巧笑(こうしよう)」は、
「巧」は日本語では作り笑いのような感じですが、
美しい微笑み、“魅力的な微笑み”のこと。
「権靨(けんよう)」は、「権」が頬、えくぼのこと。
「寤言(ごげん)」は、目が覚めて話しかけること。

張華(ちょうか)の詩風は、このように

 《「女性や子どものような、繊細でやわらかい感情表現が多く、
  天下国家を論ずる豪快な気分は少ない」(『詩品』)
  と評せられています。》p.270

彼は大勢の配下を持つ結社のリーダーで、
そのような立場で天下国家について論じる詩を発表して睨まれれば、
グループのメンバーもころされる可能性がある。
そのため、こういう方向に進まざるをえなかったのではないか。

あるいは、権力争いの醜さを見てきており、
詩の世界に持ち込む気になれなかったのかもしれない、
という宇野さんの解説。

《ますらおぶりではなく、たおやめぶりの詩》で、

 《張華が開拓したこの“男性から女性へ愛情を述べる詩”は、
  以後、脈々と受け継がれて近代まで作られ続けます。
  愛の大切さを目覚めさせた、そういう点では画期的です。》
   pp.270-271

怪談話が好きで、巷に伝わる話を集め、『博物誌』という書物を編集し、
それがきっかけに西晋から東晋にかけて、怪奇小説が流行したといい、
そういう面でも影響を与えた人だったそうです。


 ●左思(250?-305)――寒士(かんし)の一分
 
「寒士(かんし)」とは、“身分や境遇に恵まれない男”の意味。
左思はまさにそういう人で、西晋時代、張華に抜擢され、洛陽に上る。
出身は山東省で、孔子の故郷で、代々儒教をおさめる家柄でした。

当時、知識人が社会的名誉を得ようとすると、才知だけではなく、
血筋、財産、そして容貌が重要でした。
左思にはそれらが欠けていました。
自分にあるのは才知だけ、それで勝負しよう、と決意します。

しかし、官職に恵まれることはありませんでした。
最後には隠居し、政治の場から距離を置いたため、
他の人のように殺されることもなく、亡くなりました。

そういう立場ですので、政治的な配慮をすることもなく、
興味あるものを素直に詩に作ることができた、といいます。

本来の詩人の眼でものを見て、詩を作って生きられたのです。

 ・・・

次に紹介します「嬌女の詩一首」は、
自分の二人の娘を主人公にした長い詩で、
他の詩人たちとは違う左思の特異な位置がわかる詩だ、といいます。

中国では伝統的な社会通念として、子供は未完成の存在で、
早く成長して一人前になるべきものとされ、
正面から子供を詩に取り上げることはないのだ、というのです。

一方で、貴族社会では神童を重んじた、といいます。
そういう神童の噂も聞いていたのだろう左思は、
そういう風潮への反発から、
 《“子どもは本来そういうものじゃない、
  もっと本質をよく見るべきだ”という皮肉な視点で、
  自分の娘を主人公にこの詩を作ったのかもしれません。》p.295

 《三段落に分かれ、まずは妹のあどけない発言や動作を描写し、
  途中から姉のようすに移り、最後は二人のやんちゃで
  元気いっぱいの振る舞いを描いて結びます。》同


 ●左思「嬌女(きょうじょ)の詩一首」――妹娘

嬌女詩一首  嬌女(きょうじょ)の詩一首  左思  

吾家有嬌女  吾(わ)が家(いへ)に嬌女(きようじよ)有(あ)り
皎皎頗白晳  皎皎(きようきよう)として頗(すこぶ)る白晳(はくせき)  
小字為紈素  小字(しようじ)を紈素(がんそ)と為(な)し
口歯自清歴  口歯(こうし) 自(おのづか)ら清歴(せいれき)

 私の家には可愛い娘がいる
 つやつや光るように瑞々しい、まことに白い肌をしている
 愛称は“お絹ちゃん”という
 彼女の口元も歯もすっきりしている


鬢髮覆広額  鬢髮(びんぱつ) 広額(こうがく)覆(おお)い
双耳似連璧  双耳(そうじ) 連璧(れんぺき)に似(に)たり    
明朝弄梳台  明朝(みようちよう) 梳台(そだい)を弄(ろう)し
黛眉類掃跡  黛眉(たいび) 掃跡(そうせき)を類(るい)す

 この娘の髪は広い額をおおっている
 左右の耳は二つの璧(へき)をつけたようである
 明るい朝はお化粧台をいじくる
 黛を塗った眉は、なんだか箒で払ったように見える


濃朱衍丹脣  濃朱(のうしゆ) 丹脣(たんしん)に衍(えん)し
黄吻瀾漫赤  黄吻(こうふん) 瀾漫(らんまん)として赤(あか)し    
嬌語若連瑣  嬌語(きようご) 連瑣(れんさ)の若(ごと)く
忿速乃明㦎  忿速(ふんそく) 乃(すなは)ち明㦎(めいかく)なり

 濃い口紅が赤い唇からはみ出すように塗られ、
 おかげで小さなお口はべったりと赤くなってしまった
 可愛い舌足らずのお喋りは次から次へと止まらない
 怒って早口でまくし立てることがあるが、
  その時もなかなかどうしてきっぱりと歯切れがいいではないか


握筆利彤管  筆(ふで)を握(にぎ)つて彤管(とうかん)を利(り)とするも
篆刻未期益  篆刻(てんこく)は未(いま)だ益(えき)を期(き)せず   
執書愛綈素  書(しよ)を執(と)りて綈素(ていそ)を愛(あい)し
誦習矜所獲  誦習(しようしゆう) 獲(う)る所(ところ)を矜(ほこ)る

 彼女は筆を手にする時、赤いのがいいわと言う
 しかし篆刻にはまだ面白みは期待できないらしい
 本を手に取ると、綈素が気に入ってしまう
 朗読、諳誦のお稽古をすると、できたことを大喜びする

 ・・・

ここまでが妹娘の描写――「嬌女」の「嬌」は中国では、
“艶めかしい、色っぽい”の意味はなく、可愛らしく、愛くるしいこと。
化粧のまねごとをしたり、習字と読書のまねごとをする幼女を描きます。

後世、杜甫が長編詩「北征」で、
娘がお化粧などするようすを描いている、といいます。
左思のこの詩を読んだのではないか、と宇野さんの解説。


 ●左思「嬌女(きょうじょ)の詩一首」――姉娘

其姉字恵芳  其(そ)の姉(あね) 字(あざな)は恵芳(けいほう)
面目燦如画  面目(めんもく) 燦(さん)として画(ゑが)く如(ごと)し
軽妝喜楼辺  軽妝(けいしよう) 楼辺(ろうへん)を喜(この)み
臨鏡忘紡績  鏡(かがみ)に臨(のぞ)んで紡績(ぼうせき)を忘(わす)る

 さてお姉さんは、字を恵芳という
 目鼻立ちは華やかで、絵に描いたようである
 軽いお化粧をして、二回の窓辺にいるのを好む
 鏡にじっと見入ったまま、糸を紡ぐお手伝いのことも忘れるほどである


挙觶擬京兆  觶(し)を挙(あ)げて京兆(けいちよう)を擬(ぎ)し
立的成復易  的(まと)を立(た)つるに 成(な)りて復(ま)た易(か)ふ
玩弄眉頰間  玩弄(がんろう)す 眉頰(びきよう)の間(かん)
劇兼機杼役  劇(はげ)しきこと 機杼(きちよ)の役(えき)を兼(か)ぬ

 彼女は杯を挙げ、将来の優しい旦那様との乾杯を心に描く
 つけぼくろをするのに、つけたと思うとまた移し変える
 眉や頬の辺りでしきりにつけかえ、
 手がせわしなく動くようすは
  機織りをしているのかと見間違えるほどである


従容好趙舞  従容(しようよう)として趙舞(ちようぶ)を好(この)み
延袖象飛翮  袖(そで)を延(の)べて飛翮(ひかく)に象(かた)どる
上下絃柱際  絃柱(げんちゆう)を上下(じようげ)するの際(さい)
文史輒巻襞  文史(ぶんし) 輒(すなは)ち巻襞(けんぺき)す

 ゆったりと構えて趙の国の踊りを好んでお稽古する
 服の袖を広げてばたばたさせ、飛ぶ鳥の真似をする
 ことじをあちこち動かして琴を弾いていると、
 前に置いてある譜面に袖が振れ、そのたびに丸まったり捲れたりする


顧眄屏風画  顧眄(こべん)す 屏風(びようぶ)の画(ゑ)
如見已指擿  如(も)し見(み)なば已(すで)に指擿(してき)す
丹青日塵闇  丹青(たんせい) 日(ひ)に塵闇(じんあん)
明義為隠頤  明義(めいぎ) 為(ため)に隠頤(いんさく)す

 彼女は絵屏風を見渡し、
 お気に入りの図案が目に入るとすぐに指でなぞる
 そのため、きれいな色使いで描いてある絵も日毎に汚れてしまう
 絵のはっきりとした図柄が、そのために隠れてわからなくなる

 ・・・

姉娘もお化粧が好きで、お手伝いも忘れるほどといいながらも、
踊りや琴の稽古もしています。
絵も好きで触りまくるので、汚れてしまうというほど。

「京兆」には有名な故事があって、
前漢の長官(京兆尹(けいちょういん))だった張敞(ちょうしょう)は
大変な愛妻家で、奥さんの眉を描いてあげたという。
「京兆」というだけで夫婦や男女の仲のいいたとえになる、といいます。
下の娘が4つか5つで、故知あらは7つか8つだろう、と。


 ●左思「嬌女(きょうじょ)の詩一首」――姉妹

馳騖翔園林  馳騖(ちぶ) 園林(えんりん)に翔(かけ)り
菓下皆生摘 菓下(かか) 皆(みな) 生摘(せいてき)す    
紅葩掇紫蔕  紅葩(こうは) 紫蔕(してい)を掇(と)り
萍実驟抵擲  萍実(ひようじつ) 驟(には)かに抵擲(ていてき)す

 二人は外へ出て走り出し、庭の木立の間を飛ぶように駈け抜けて行く
 果樹の下ではいつも青いまま実をつみとってしまう
 赤い花びら、木の実の赤茶色のへたをつみとったり、
 林檎の実を放り投げたりして遊ぶ


貪走風雨中  貪(むさぼ)り走(はし)る 風雨(ふうう)の中(うち)
眒忽数百適  眒忽(しんこつ) 数百(すうひやく)適(せき)  
務躡霜雪戯  務(つと)めて霜雪(そうせつ)を躡(ふ)んで戯(たはむ)れ
重綦常累積  重綦(ちようき) 常(つね)に累積(るいせき)す

 風雨の中でも飽きずに走り回り、
 あっという間に何百回も行き来したかと思うほど
 霜柱や雪を見つけると、ここぞと踏んで遊ぶ
 二人の重なった足跡が、そういう冬の日にはあちこちに残される


并心注肴饌  并心(へいしん) 肴饌(こうせん)に注(そそ)ぎ
端坐理盤槅  端坐(たんざ) 盤槅(ばんかく)を理(をさ)む
翰墨戢函按  翰墨(かんぼく) 函(はこ)に戢(をさ)めて按(あん)じ
相与数離逖  相与(あいとも)に 数々(しばしば)離逖(りてき)す

 二人は心を合わせてご馳走に向かい、
 お行儀よく席について大皿の果物をきれいに並べ直す
 炭や筆を箱に入れて、撫でたり触ったりする
 ところが二人一緒にときどき逃げていったりする


動為罏鉦屈  動(やや)もすれば罏鉦(ろしよう)の為(ため)に屈(くつ)し
屣履任之適  屣履(しり) 之(これ)が適(ゆ)くに任(まか)す
止為茶 菽拠  止(ただ) 荼せんの為(ため)に拠(きよ)し
吹噓対鼎䥶  吹噓(すいきよ) 鼎䥶(ていれき)対(たい)す

 しばしば法事には我慢できなくなり、
 靴をひきずって気儘にどこかへ行ってしまう
 ただしお茶をたてる時はじっとかしこまって
 息をふうふう吹いて茶釜に向かう


脂膩漫白袖  脂膩(しじ) 白袖(はくしゆう)に漫(まん)たり
煙薫染阿錫  煙薫(えんくん) 阿錫(あせき)を染(そ)む
衣被皆重地  衣被(いひ) 皆(みな) 重地(ちようち)
難与次水碧  与(とも)に水碧(すいへき)を次(なら)べ難(がた)し

 油のしみが白い袖に広がり、
 煤が上等な絹の服について取れない
 彼女たちの着物はみんな、縁取りがついている
 水晶玉も一緒に飾りたいなあと言うけれど、それはちょっと難しいぞ


任其孺子意  其(そ)の孺子(じゆし)の意(い)を任(ほしいまま)にするも
羞受長者責  長者(ちようじや)の責(せき)を受(う)くるを羞(は)づ
瞥聞当与杖  当(まさ)に杖(つえ)を与(あた)へらるべしと
        瞥聞(べつぶん)すれば
掩涙俱向壁  涙(なみだ)を掩(おほ)うて
        俱(とも)に壁(かべ)に向(むか)ふ

 二人はそういう子どもらしい心を縦横に発揮する
 目上の人に叱られるのは恥ずかしい
 “お尻ぱちんだぞ”と耳にすると、
 涙を浮かべ、揃って壁の方を向いてしゅんとしてしまう

 ・・・

最後は、二人して遊び回るようすを描いています。

江原正士さんの問いかけ――《いやあ、可愛いですねえ。
  左思さんは娘たちを愛していたんでしょうねえ。》

宇野さんの答え――《愛情の賜物といった感じがします。
  決して神童ではないですね。少し後に、陶淵明が
  “我が子らはみんな出来が悪い”といった詩(「子を責(せ)む」)
  を作っていて、それも愛情の裏返しに思えます。》

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本誌では、「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(23)西晋時代の文学者」と題して、今回も全文転載紹介です。

西晋時代の文学者・政治家から、張華「情詩五首」其の二――男性から女性へ愛情を述べる詩と、左思「嬌女の詩一首」――子供の本来の姿を示す詩、という二つの気になった人とその詩を紹介しています。

張華「情詩五首」其の二は、夫から妻への詩です。
左思の「嬌女の詩一首」は、子供本来の可愛い姿を描く内容でした。
どちらも、いつの時代の人であっても変わらぬ思いであり、その姿かもしれません。

 ・・・

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(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(23)西晋時代の文学者-楽しい読書343号
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