レフティやすおの新しい生活を始めよう!

50歳からが人生の第二段階、中年の始まりです。より良き老後のために良き習慣を身に付けて新しい生活を始めましょう。

克服ではなく付き合う姿勢で:渡瀬謙『「あがり症営業マン」がラクに売るための6つの習慣』

2012-02-26 | 新しい生活のために
左利き仲間で内向型人間仲間の友人でもある<サイレントセールス・トレーナー>渡瀬謙氏の今年の一冊目の本が出ました。

渡瀬謙/著『「あがり症営業マン」がラクに売るための6つの習慣』同文館出版DO BOOKS 2012.2.7


 ●「あがり症営業マン」ための「あがり症」と“付き合う”指南書

一言で言えば、営業の本です。
営業成績を上げるにはどうしたらいいのか、という本。

ただし、よくあるごく普通の万人向けの営業本ではなく、あくまでも、従来のイメージでは営業に不向きとされていた人たち
人前に出るのが苦手で、声が小さく内気で口下手で内向的な性格で、実際に人前で話そうとすると上がってしまう―
そういう「あがり症」の人向けに、そんな人でも営業で実績を出すための方法を述べた本です。

で、「方法」と書きましたが、営業のテクニックについての本というのではなく
(もちろん、そういうテクニックについても、当然営業の本ですので書かれています。)
精神的な面を取り上げています。
私は、これまで10冊以上の営業関連本を書いてきましたが、本書ほど「心」の部分にフォーカスしたものはありません。
本書「おわりに」p.218より

「いかにあがり症を克服するか」についてです。

でも、本当はそうではないのです。

「克服するのではなく、いかに付き合うか」が説かれています。
自分の欠点であるあがり症を、「治す」という意識から「付き合う」というように変えました。「あがり症も含めて、自分自身なのだ」と思い込むようにしたのです。
本書「1章 あがってしまう自分のタイプを知れば恐くない」p.50より

さらに別の場所では、こう書いています。
人に勝てない部分を、がんばって克服するのもけっこうですが、まずは人に勝てそうな部分に時間と労力を使うべきです。上手にしゃべる練習よりも、誰にも負けない知識を習得する習慣をつけましょう。
本書「6章 習慣(5)道具 モノを見せるだけであとは黙って待つ」p.179より

あのドラッカーも言っています。
不得手なことの改善にあまり時間を使ってはならない。自らの強みに集中すべきである。無能を並みの水準にするには、一流を超一流にするよりも、はるかに多くのエネルギーと努力を必要とする」
(『明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命』P.F.ドラッカー/著 上田惇生/訳 ダイヤモンド社 1999.3)


 ●なぜ「あがり症営業マン」を読者対象とするのか?

でも、そもそもどうして「あがり症営業マン」を対象とするのか?を説明しておきましょう。

それは、営業部門で働く人が増えているから、というのです。

私なりに解説しますと―

昨今では、製造業も海外移転が進み、否応なく、製造部門から他の部門への配置転換が行われます。
従来人前に出るのが嫌で製造業を選んだ人も、外へ出て他人と接触する職場に配置されかねません。

新たに就職する人たちでも、営業職を選ばなければならないケースも増えています。
自分はあがり症だし、内向的な性格なので、できれば他人と接触する営業職は避けたい、接客業も避けたいという思いの人でも、選ばざるを得なくなっているのです。

そういう現実を前にして、従来のような「陽気で明るく元気なしゃべくり上手の“饒舌派”の営業マンのイメージは不要なんです、内気であがり症で口下手な“寡黙派”の人でもいいんですよ」と言うのが本書です。


 ●本書の内容

「いかにあがり症を克服するか」、いえ「いかにあがり症と付き合うか」についての方法を、著者は長年の自らの体験に基づき、解説しています。

簡単に要約すれば、
「1(あらかじめの)準備、2(意識を変える)思考、3(相手に寄り添いつつ、自分の得意領域で)行動、4(内容のある)言葉、5(ツールに語らせる)道具、6(自分の弱点を宣言する)認知、
これら6つの習慣を身に付ければ、毎日の仕事が気分的にラクになり、結果として成績にも反映する
ということなんでしょうね。


「目次」を掲げておきます。

序章 あがり症の私が、なぜトップ営業になれたのか?
1章 あがってしまう自分のタイプを知れば恐くない
2章 習慣 1 準備 万全の準備をすれば客先で緊張しない
3章 習慣 2 思考 ミスや失敗は売上アップの原動力になる
4章 習慣 3 行動 相手と「打ち解ける」必勝パターンをつくろう
5章 習慣 4 言葉 大勢の前でも平常心でプレゼンできる方法
6章 習慣 5 道具 モノを見せるだけであとは黙って待つ
7章 習慣 6 認知 自分の本当の姿を自他ともに認める
終章 あがり症でも、楽に売れる営業マンをめざそう


各章末に、その章のまとめ箇条書きに掲げられています。
これを読むだけでもヒントになるでしょう。

始めのうちは、メモに書き出し毎日チェックしてもいいかもしれません。


とにかく「自分の本当の姿を知り、自分にふさわしい方法を見つけよう」というのが、一番のポイントです。

渡瀬氏は、例を挙げてアドバイスはしますが、決してこういう方法でやりなさい、と押しつけません。

(基本的な部分でこれだけは、というポイントではこうしなさいと述べてはいますが。
 例えば、「自己開示しなさい」(本書「おわりに」p.220)というように。)

具体的なやり方を押し付けないのは、人は一人一人で違う、という認識を持っているから。

その証拠にこんなふうに書いています。
他の営業マンと同じことをする必要はありません。自分なりのベストな方法で切り抜ければ、しっかりと結果はついてくるはずです。
本書「6章 習慣(5)道具 モノを見せるだけであとは黙って待つ」p.163より


本書を読んだからと言ってそれだけでどうなるというものでもありません。
こういう問題は本を読むだけではダメで、実行が伴わなければ役に立ちません。

最終的に大事なことは、自分があがり症であるとか営業に不向きな性格であるとかどうかではなく、自分の営業活動はお客様にとってどうか、ということです。
「相手から見た自分」ではなく、「自分から見た相手」に意識をシフトする習慣をつけるようにしてください。
本書「終章 あがり症でも、楽に売れる営業マンをめざそう」p.209より
そして
目指すのは、ただひとつ。売れる営業マンになることです。
本書・同p.215より

結論が出たようです。

 ・・・

さてここからは、私流の読み方―。

本の読み方には三通りある、と私は考えています。

(1)著者は何を言おうとしているのか、を読みとる内容確認の読み方
(2)著書のどこまでが真実か、を読みとる懐疑的な読み方
(3)自分の興味に引き寄せて情報を集める、自論強化のための読み方

この(3)番目の読み方です。


 ●「克服」ではなく「付き合う」姿勢で―左利きの場合

本書で、渡瀬氏が書いているように、「いかにあがり症を克服するか」ではなく、「いかにあがり症と付き合うか」(本書「おわりに」p.219)が問題だとしますと、これはそのまま私の専門である左利きの問題に通じます。

左利きもまた、「いかに克服するか」ではなく、「いかに付き合うか」が問題と言えるのではないでしょうか。

そして、これもまた人より劣る部分を補強するより、得意を伸ばす方が時間も労力も有効に使えるというものでしょう。

考えれば、渡瀬氏も左利きで苦労されている部分があります。

渡瀬けん/著『左利きの人々』(中経の文庫 2009)


その辺のところ、気が付かないうちに反映されているのかもしれません。

私が内向型の人のための営業本を書き続ける渡瀬氏に「付き合い」続け、応援し続ける理由もその辺にあるのかもしれません。

 ・・・

ついでにもう一つ書いておきます。


 ●『週刊SPA!2/28号』の渡瀬記事とこれからの“営業スタイル”

2月21日発売の『週刊SPA!2/28号』(扶桑社)に「営業偏差値検定付き [最強の営業力]養成講座」という記事が出ています。
その1ページに渡瀬氏が登場します。

その記事のなかで私の目についたのは、営業マンとお客様は対等の関係である、という点でした。

まず第一歩は、需要の「問い合わせ」であるから、この時点では上下の関係はない。
その後も契約であるから、「卑屈になる必要はないのだ」、といった内容だったかと思います。


以前、私は渡瀬氏に対して、営業のイメージを変える、これからの営業のスタイルを紹介する本を出して欲しい、とお願いしたことがありました。

私自身もそうですが、どうも一般の人は、営業マンに対してあまり良いイメージを持っていません。
口先だけで丸め込まれるんじゃないか、といった先入観がどこかにあります。


製造業の人の中には、商人や営業担当者などは、人様が汗水たらして作ったものを口先一つであっちからこっちに移すだけで儲けている、という人もいます。

まあ、そこまで言わないまでも、どこかしら他人のふんどしで相撲を取るような業種という思いがあるのは事実です。
良い製品を作っているから売れてるのに、オレが売ってやったんだと自分の手柄のように言う人もいる…、と。


買う方にとっても、どこか押し売り的な印象を持っている人もいます。
他人の都合も考えず、いきなり電話して来てグダグダ言う、といったように。

「イメージだけで実際は違いますよ」と言われるかもしれませんが、そういう旧態依然の営業スタイルのイメージがあるのは事実です。

そういうものをこの際、変えてもらいたい。
もっと明朗で健全なイメージの分かりやすい売り方・営業の仕方があると思うのです。

それが実は、渡瀬氏の営業スタイルそのものだ、と私は思っています。

それを是非、本にして世間に訴えて欲しいのです。

 ・・・

話を本書に戻しますと、この本はそういう新しい営業スタイルを勧める本でもあるとも言えるでしょう。

そういう読み方もしていただけるといいかな、と思っています。


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左利きの仲間で友人・渡瀬謙の著書についての記事
(◆印は、ビジネス書)
2011.12.31 雑学文庫フェアで『左利きの人々』が…
◆2011.7.13 渡瀬謙の新刊『相手が思わず本音をしゃべりだす「3つの質問」』届く
◆2011.6.10 流れ星に願い事…渡瀬謙『たった5秒のあいさつでお客様をザクザク集める法』
◆【渡瀬謙/監修『毎日役立つ!もう悩まない!!即効ビジネスマナー』日本文芸社2011.1】
・2011.5.19 週刊ヒッキイhikkii260左利き教本について考える(2)おさらい
◆2011.3.4 新社会人奮闘記ラノベ 渡瀬謙『新入社員ヒロと謎の育成メールの12ヵ月』
◆2010.6.28 実践で学ぶ本、渡瀬謙『営業は口ベタ・あがり症だからうまくいく』
◆2010.6.18 渡瀬謙の新著『“内向型”のための雑談術』届く
◆【『内向型人間の人づきあいにはコツがある』大和出版】
・2009.12.12 今週の週刊ヒッキイ―第201号「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ<特別編>」
 ★左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii
第201号(No.201) 2009/12/12「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ<特別編>」
 <特別編>原点に戻って―最初につまずかないこと または、左利き人間の生き方にはコツがある
◆2009.3.4 お知らせ:友人渡瀬謙の新著「内向型営業マンの売り方にはコツがある」
2008.12.29 左利き本の新刊『左利きの人々』渡瀬けん著


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※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「克服ではなく付き合う姿勢で:渡瀬謙『「あがり症営業マン」がラクに売るための6つの習慣』」を転載したものです。
(この記事へのコメント・トラックバックは、転載元『お茶でっせ』のほうにお願い致します。ただし承認制になっていますので、ただちに反映されません。ご了承ください。)
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創刊300号:メルマガ「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」のお知らせ

2012-02-24 | 左利き
先週の無料左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』創刊300号の告知です。

 ・・・

第300号(No.300) 2012/2/18
「創刊300号記念放談」は、
「創刊300号のご挨拶」と「創刊300号記念放談」です。

創刊以来300号の本誌で掲載してきた各コーナーとその内容を簡単に紹介しています。

()内は現在連載中

▲左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ▲(―その19― 左利きとマナー)
━<左利きムーヴメント>宣言!━(レフティ・グッズ・プロジェクト<左手・左利き用品を考える>)
≪左利き学入門≫(■名作の中の左利き■~推理小説編)
<LYグランプリ>
<左利きプチ・アンケート>
―等々。

左利きと「利き(手/側)」についての単なる雑学的な情報ではなく、もう少し中身のあるものを目指してきました。
実際にどの程度のものをお送りできてきたかは、読書の皆様のご判断にお任せします。 

自分としてはまずまずという気持ちでいます。

最高傑作は? と問われて「Next one(次回作)」と答えたというチャップリンのように、私も自信作は次の一号と言いたいところです。

--
※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「創刊300号:メルマガ「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」のお知らせ」を転載したものです。
(この記事へのコメント・トラックバックは、転載元『お茶でっせ』のほうにお願い致します。ただし承認制になっていますので、ただちに反映されません。ご了承ください。)
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学習塾の新聞折込チラシに見る左手書字例-part4

2012-02-23 | 左利き
過去に三度同様のものを取り上げて来ました。
さらに求人広告チラシの左手箸を入れますと、同じテーマのものは四度となります。

それぞれの画像と最新画像です。

2008.4.10 学習塾のチラシに見る左手書字の子供


2009.3.26 学習塾のチラシに見る左手書字の子供-part2


2011.6.20 塾の新聞折り込みチラシに見る左手書字例


2009.3.1 求人広告チラシのイラストに見る左利き


最後に、最新版


手前の子の左手に黄色いペンが握られています。
向こうの女の子の右手のペンと、まるで「人」という字のようになって見えます。

毎年のように、こういう風景が見られるのです。
昔(私の子供の頃―昭和30年代以前)に比べて、それだけ左手書きの子供が増えている、ということでしょう。

この現実に対して、世の文字を書くことを教えている人たちはどのように見ているのでしょうか。

実際にネットの、習字や書道といった「きれいな字の書き方を教えるサイト」の中には、残念なことに、未だの「きれいな字を書きたかったら字は右手で!」などといった文句を書き連ねているところがあります。
とても残念に思います。

現実から目をそらした事業に明日はない、と思うのですが…。


教師生活23年の経験をもとに親が子供のためにできることを具体的に紹介した、メールマガジン「親力で決まる子供の将来」の発行で人気を集めた、親野智可等先生の先日出版された著書『うちの子は勉強ができません。どうしたらいいですか?』宝島SUGOI文庫(2006年刊『「親力(おやりょく)」365日! <伸びる子>の土台をつくる毎日の習慣』を改題改訂し文庫化)の第一章には、
「左利きの子に自信を持たせよう」という項目があります。

大いに賛成です。
生きてゆく上で「自信を持つ」というのは大事なことです。

左利きの子供に自信を持たせるには、左利きであることを肯定的に受け入れ、左利きの“力”を伸ばしてやるのが一番だと私は思っています。


勉強に関して言いますと、学問は、まず字を書くことから始まります。

左利きでもきれいな字は書けます。

要は、
(1)「いかに上手く手指を動かせるか」であり、
(2)「きれいな文字の具体的なイメージを持っているか」
(3)「それを再現する努力をしているか」
です。

私が思うに、勉強ができる、何でもできるという自信にあふれた子供への第一歩は、やはり自分らしく生きることです。

字を書くことも含めて、自然の摂理に従って、左利きの子供には左利きの生き方をさせてあげてください。
右利きの子供が右利きのままで暮らしているように。

【追記】2.23 23:05
こうして並べてみて初めて気が付きました。
今年の画像は、「昨年の画像の裏焼き」―もしくは、昨年が「今年の画像の裏焼き」だということです!

チラシ自体を保存していませんので、加工前の元画像を探してみる必要がありますが。
女の子の服装、それぞれのペンの色・デザインから間違いないでしょう。

どういう理由でこういうチラシが製作されたのかは、私にはわかりません。
しかし、どちらにしろ片方の子が「左手書き」であることは事実です。

--
※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「学習塾の新聞折込チラシに見る左手書字例-part4」を転載したものです。
(この記事へのコメント・トラックバックは、転載元『お茶でっせ』のほうにお願い致します。ただし承認制になっていますので、ただちに反映されません。ご了承ください。)
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2月10日「左利きグッズの日」記念<LYGP>第6回2012:「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」299号予告

2012-02-10 | 左利き
昨日も2月10日は「左利きグッズの日」ですが… で書きましたように、いよいよ本日2月10日「左利きグッズの日」です。

ネットでも「今日は何の日?」といった書き込みであちこちで取り上げていただいています。
左利きの当事者であり、左利きを応援するものとしましては、嬉しいの一言です。

右利きの人に便利な道具・機械・システムは、基本的に(右手)右利き用です。

同じように、左利きの人にとって便利なものも、やっぱり(左手)左利き用なんですね。

「(世の中右利きが多数だから)右利き用に慣れるほうがいいのだ」という意見もありますが、当事者の立場で言いますと「慣れる」より「自然」がいいと私は思うのです。

もちろん、「自然に慣れる」ことのできる人はそれでいいと思います。
でも、がんばっても思うように「慣れる」ことのできない人もいるのですから。

「右利きは右利き用、左利きは左利き用の…」という考えは、当たり前と言えば当たり前のはずなのですが、その辺がうまく理解されていないように思います。
この機会にもう一度見直していただければ、考え直していただければ、幸いです。

今週末発行の無料左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』では、2月10日「左利きグッズの日」を記念した<LYグランプリ>の6年目、<第6回 2012>の発表です。

 ・・・

第299号(No.299) 2012/2/11
「第6回<LYグランプリ>2012発表」は、
「第6回<LYグランプリ>2012」読者大賞の投票結果と大賞の発表です。

お楽しみに!

詳細は、明日発行の本誌でどうぞ!

*参照:
第289号(No.289) 2011/12/3
「第6回<LYグランプリ>2012読者大賞候補発表&アンケート」

■「LYグランプリ」とは―
左利きライフ研究家レフティやすおがメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』誌上で、
 2月10日「左利きの日グッズの日」(レフトの日)を記念して、前年最も活躍した、話題になった左利きの人物/左利きに関わる人物、および事物を顕彰するものです。

○●過去の<LYグランプリ>●○
▼第1回<LYグランプリ>2007▼
▼第2回<LYグランプリ>2008▼
▼第3回<LYグランプリ>2009▼
▼第4回<LYグランプリ>2010▼
▼第5回<LYグランプリ>2011▼

※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「2月10日「左利きグッズの日」記念<LYGP>第6回2012:メルマガ「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」297号告知」を転載したものです。
(この記事へのコメント・トラックバックは、転載元『お茶でっせ』のほうにお願い致します。ただし承認制になっていますので、ただちに反映されません。ご了承ください。)
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2月10日は「左利きグッズの日」ですが…メルマガ「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」298号告知

2012-02-09 | 左利き
タイトルにもありますように、2月10日は「左利きグッズの日」です。

日本記念日協会 2月10日・左利きグッズの日
社会生活で左利きの人が感じているさまざまな道具の使いづらさ。それを解消するための左利き用グッズの普及を目指し、左利きグッズを扱う神奈川県相模原市の菊屋浦上商事株式会社が制定。日付は2月10日を0210として「0(レ)2(フ)10(ト)」と読み、レフト=左の発想から。

*参照:
@nifty:デイリーポータルZ:風雲!2月10日は左利きグッズの日になりました
菊屋浦上商事株式会社
2008.12.28 2月10日は左利きグッズの日、日本記念日協会で認定される

左利きの人のために左利き用品の普及をはかる記念日です。

私は36歳のとき、左手・左利き用品を使って初めて、普段右利きの人がいかに楽をしているのか、いい思いをしているのか、の一端がわかりました。

例えば、ハサミ―。

私は「バカとハサミは使いよう」という言葉をそのまんまに受け止めていました。
「バカもハサミもそのままでは使えない。使い方が難しいものである。それでも、うまく使えば、使えるものになる。」という意味に。

でもそうではなく、ハサミというものは、手に合ったものなら「簡単に切れる。切り取り線も見ながら切れる。刃と刃と間に挟んでしまったり(だから「ハサミ」と言う名前のだと思っていました!)しない。便利なものなのだ。」と知りました。

左手・左利き用品は、そういう左利きの人の優しい友だち、強力な味方なのだ、と。


でも、ちょっと待ってください。
中には、勘違いしている人もいるようです。

「左利き用品は、欠陥商品だ」とか、「左利きには使いにくいものだ」という人がいるのです。

また実際に、これで本当にいいのか、と思わせる製品があることも事実です。
一応左利きの人の使用を想定しているらしいのですが、本当のところはどんなんだろうかと思わせるようなものもないわけではありません。

先週の無料左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』では、そういう問題について考えるコーナー<左手・左利き用品を考える>を始めました。

 ・・・

第298号(No.298) 2012/2/4
「レフティ・グッズ・プロジェクト<左手・左利き用品を考える>第1回」は、
ズバリ先ほども書きました【「左手でも切りやすいハサミ」とは?】です。

この『お茶でっせ』で昨年の末に書きました「スコッチ キッズシザーズ」の場合を手始めに、ある工業大学の学生さんの研究「利き手に合わせて使える文房具の製作」からも、同じようなハサミの問題を取り上げています。

2011.12.23 左手・左利きに優しくない!?学童用はさみ「スコッチ キッズシザーズ」住友スリーエム

詳細は本誌でどうぞ!


※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「2月10日は「左利きグッズの日」ですが…メルマガ「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」298号告知」を転載したものです。
(この記事へのコメント・トラックバックは、転載元『お茶でっせ』のほうにお願い致します。ただし承認制になっていますので、ただちに反映されません。ご了承ください。)
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左利きでも万年筆は使えます。『レフティ生活 万年筆編』―左手書字の研究

2012-02-08 | 左利き
しばらくぶりで、左手書字について書いておきましょう。
あまりにもほったらかしですからね。

(前回の【左手書字考】-左手で字を書くために(その3)-の記事)
2011.4.21 左手で(それらしい)字を書く方法(左手書字考)1ペンを持つ手の構え

左手書字研究ファン(?―そんな人おるんかい!? ファンとは呼ばないでしょうけれど、必要とする人は少なくないようです。)の皆様にお役に立つだろうサイトを紹介します。

「左利きでも万年筆は使えます。」という「Mag」さんのサイトです。

『レフティ生活 万年筆編』

左利きで万年筆を快適に使うための情報を掲載中!
というものです。
ブログもあります。
左利きで使う万年筆情報
左利きの管理人が使う万年筆の数々を紹介するブログです

この「Mag」さんのサイト『レフティ生活 万年筆編』を見てゆきますと、
左手で万年筆を使って字を書く方法には、二つの方法があることがわかりました。

【左手で万年筆を使って字を書く方法】

(A)(左手で書くために作られた)左利き用万年筆を使う
(B)(左手で書くのに不都合が起きないような)持ち方を工夫する


これは、万年筆に限らず、どんな筆記用具でも言えることではないか、という気がします。

要するに、次の二つの方法でしょう。

【左手で字を書く方法】

(a)左手でも書きやすい筆記具を選ぶ
(b)持ち方を工夫する


 ・・・

では、サイトのほうを見てゆきましょう。

まずはご自分で使っておられる万年筆の紹介から。

「左利き用」としては、「プロフィット21レフティ」をお持ちのようです。

・セーラー万年筆 レフティ(左利き用) プロフィット21 細字(F) 11-2023-220


でも、今ではどんなものでもそれなりに使えるようになられたご様子。

それには一つの秘訣があります。

それはご自身が苦心の末に“開発”し、身に付けられた方法です。
それは「持ち方を工夫する」方法です。

ブログでも書かれていますが、私なりにまとめますと、従来の左利きの人の場合の代表的な持ち方としましては、

(1)右手の持ち方のオーソドックスな持ち方の裏返し―鏡像である持ち方。
(2)横方向から押し書きするような持ち方
(3)手首を曲げ、巻き込むような鉤型の持ち方

があります。

それぞれ、時計の針に見立ててだいたいの目安として、右手標準型を「5時」、その反転した鏡像である(1)を「7時」(2)を「9時」(3)を「11時」といったふうに呼ぶことにしましょう。

管理人のMagさんの研究によりますと、ペンを持つ軸方向が(ペン先を中心にして)、
数学用語で言いますと、第一象限(時計の針の位置で、0時(12時)から3時)から左回り(時計と逆回り)に、第二(9-12時)・第三(6-9時)・第四象限(3-6時)へと進むにつれて、「文字は書きやすくなる」というのです。

左利きの人の持ち方で言いますと、(3)「11時」より(2)「9時」、(2)「9時」より(1)「7時」、(1)「7時」より右手標準型の「5時」となります。

これが重要なポイントでしょう。

この「最も書きやすい位置」というのが、「右手でペンを持つ位置」だという事実です。

これが「文字は右手で書きやすくできている」と言われる所以でしょう。


そして、Magさんはこれを発見し、この方向にペンを持つ持ち方を訓練し自分のものにされた、というわけです。

左手で自然にペンを持ちますと、「/」こういう角度になります。
逆に右手で持ちますと、「\」こういう角度になります。
そうではなく、左手でペンを「\」こういう角度に持つということです。

この持ち方は、単に万年筆での書字に有効というだけでなく、ボールペンといった他の筆記具でも効果がある、ということです。
これは知っておくとよいでしょう。

ただし、この方法は通常の持ち方とは大きく異なりますので、身に付けるまでにかなりの訓練が必要とのこと。
その点はお含み置き願いたいものです。

 ・・・

私の推奨するものとの一番の違いは、指先の動きで書くのではなく、「手」で書くのだ、という点でしょう。

私なりに説明しますと、「ペンを持つ手の指を動かすのではなく、ペンは手に固定したまま腕を動かす」書き方です。
ゲームセンターのUFOキャッチャーの位置を変えるように、手を腕ごと移動させるイメージでしょうか?

私が従来おススメしているものは、
時計で言いますと、「6時」に近い方向―正確には「6時から7時までの間で、限りなく6時に近い位置」にペン先を持ってゆきましょう、ということです。

そして、基本的には指の屈伸を使って書く
(もちろん大きく見れば、身体全身・肩から先・肘から先・手指を総合的に使って、ということですが。)

横画は、ペン先を右横に押すのではなく、横に滑らせる感覚で書く、ということです。

図示しますと―

 ⇒ ⇒ ⇒(横に滑らせる感じ)
↑ ↑ ↑(ペン先の方向:「6時」)

*参照:
左手で字を書くために―レフティやすおの左利き私論 4―
左手で字を書くために(その2)実技編―レフティやすおの左利き私論 4―

因みに私が愛用している万年筆は、「PARKER 45 CT」の左手用。

普通のものは、ペン先の紙に接する部分が「点(・)」です。
これはペン先が(/)のように左側に斜めにカットされている(left-handed nib)ため、左手でペンを左斜め「/」(「7時から8時ぐらい」)の角度で持つと、接する部分が「横線(-)」になります。
「横線(-)」の状態で接しているため、左から右へ押すように書く横画でも、そのまま横に滑るようにスムーズに書き進めることができます。

ただし、接する部分が「横線(-)」のため、縦画は「横線(-)」の幅だけ太くなります。
ちょうど「明朝体」の文字のように、横画は細く、縦画は太いものになります。


他にも、ペリカンのLタイプ(左手用)やその他のメーカーの廉価版の、多分子供の練習用と思われるものを持っています。
これは、左手の親指・人差し指・中指の三本指で保持するときの位置が自然と身に付くように、くぼみがつけられています。
ペン先も微妙に傾いているように思います。

ヨーロッパはやはり万年筆の文化のお国柄のせいか、子供の練習用に廉価(1500円程度でしょうか)な万年筆が売られています。
そして、当然のごとく左手用も用意されています。
この辺はやはり文化の違いを感じさせます。

*参照:『レフティやすおの左組通信』
左利きphoto gallery〈HPG6〉左手/左利き用文房具(筆記具・定規・その他)

・NewペリカノJr.Lタイプ(左利き用) ブルー
・NewペリカノJr.Lタイプ(左利き用) レッド

(画像:左からPelikano、Platignum、愛用のパーカー万年筆とそのペン先拡大図)

 ・・・

私の方法とは若干の違いはありますが、方向性としましては、ペン(筆記具)の方向を右手で書く時の方向に近付けよう、ということです。
そのために具体的に採る行動には違いが出ています。

今のところ、左手書きに「この書き方が正しい」というものはない、と思います。

みな試行錯誤しながら、ふさわしいと思われる方法を模索している、というのが現状です。

なぜ未だにそういう段階かと言いますと、「書」や「習字」といった字の書き方に関するお偉い先生方が「字は右手で書くものだ」という固定観念にとらわれて、右手で書く方法しか研究して来なかったからです。

仕方なく、私のような素人がない知恵を絞って考えたり、あるいは、この方のように独力で工夫して自分なりの方法を編み出したりしている最中なのです。

ぜひ、専門家であるお偉い先生方のお知恵を拝借したいものです。


※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「左利きでも万年筆は使えます。『レフティ生活 万年筆編』―左手書字の研究」を転載したものです。
(この記事へのコメント・トラックバックは、転載元『お茶でっせ』のほうにお願い致します。ただし承認制になっていますので、ただちに反映されません。ご了承ください。)
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