レフティやすおの新しい生活を始めよう!

50歳からが人生の第二段階、中年の始まりです。より良き老後のために良き習慣を身に付けて新しい生活を始めましょう。

私が影響を受けた左利き研究家・活動家(3)第二期・紙の時代2(創刊600号突破記念)-週刊ヒッキイ第603号

2021-09-19 | 左利き
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第603号 別冊編集後記

第603号(No.603) 2021/9/18
「創刊600号突破記念―
  私が影響を受けた左利き研究家・活動家(3)第二期・紙の時代―その2」



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 ※『週刊ヒッキイ』は、
・ 2014年7月より
  月二回(第一・第三土曜日)の発行に変更しました。
・ 2019年10月より
  第一・第三土曜日の発行は、新規配信
  第二・第四土曜日の発行は、バックナンバーからの再配信
  に変更しました。
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引き続き、再配信はしばらくお休みとします。


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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第603号(No.603) 2021/9/18
「創刊600号突破記念─ 私が影響を受けた左利き研究家・活動家(3)
 第二期・紙の時代─その2」
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 創刊600号突破記念―
  私が影響を受けた左利き研究家・活動家(3)
 第二期・紙の時代─その2─斎藤茂太先生他
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 「創刊600号突破記念」として書き始めた
 「私が影響を受けた左利き研究家・活動家」の3回目です。

 1954-1989(0-35)
  第一期「左利きライフ研究家以前」では、箱崎総一先生。
 1990-2000(36-46)
  第二期「左利きライフ研究家・紙の時代」では、○○さんか?
 2001-(47-)
  第三期「左利きライフ研究家・ネットの時代」では、××さんら?

 さて今回は、「第二期・紙の時代」編の2回目。

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<私が影響を受けた左利き研究家・活動家> (3)
第二期・紙の時代から―その2―
 ◆ 斎藤茂太先生他 ◆
  第二期・紙の時代―当時読んだ左利き関連本について
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 ●第二期・紙の時代―当時読んだ左利き関連本について

前回も、当時読んだ左利きの本のことを書きました。

私が本格的に左利きの活動を始めることになったきっかけは、
やはり1991年の『モノ・マガジン』の左利き特集号でした。

こういう雑誌以外で、いわゆる書籍には、
主に、「左利きの人への応援歌」的な本と、「左利きの科学」的な本、
左利きの人が登場する小説と、
大きく分けると3つのジャンルの本がありました。

ここまでは前回に書いたかと思います。
では、もう少し詳しく書いてみましょう。

 ●本屋さんで見つけた本から

30代で仕事に追われる日々の中、
次に私が手にした左利きの本といいますと、1991年6月、
1989年刊の前原勝矢著『右利き・左利きの科学』でした。

・前原勝矢著『右利き・左利きの科学』講談社 ブルーバックス

これは文字通り「左利きの科学」本で、
左利きを学問的に知ることができました。

一部この著者の考えに賛同できない部分はありましたが、
新書という廉価で手に入れやすい叢書での出版で、
利き手・利き側について手軽に学べる貴重な著作でした。


その次に手にしたのが、1993年4月、
文庫本で再刊された、斎藤茂太さんの1987年の著作『左ききの本』――

・『左ききの人はなぜ才能があるのか―左ききの性格分析』斎藤茂太
 KKベストセラーズ/ワニ文庫 1993/3/1 


*(元の本)
『左ききの人の本 右にでるモノがない!』斎藤茂太 エムジー‎ 1987/9/1

『左腕の誇り―江夏豊自伝』 新潮文庫 2010/2/26

左利きの人への応援本です。
のちに、「元々は右利きだった」と自伝の記述で判明した
左腕投手・江夏豊さんを左利きの代表の一人にあげて解説している点は、
今となっては複雑ですけれど。


5月に新刊の文庫本『右脳革命』は、大前研一の本訳で巻末には、
新たに対談が収録されていました。
脳科学的な説明で左利きにもふれています。

・『右脳革命―創造力活性化の決め手―』T・R・ブレークスリー
 新潮文庫 1993/4/1 

1994年2月に、今も「左利きは短命」説で有名になった
スタンレー・コレン著『左利きは危険がいっぱい』を見つけ購入。
のちに、偶然のぞいた本屋さんで『かくれた左利きと右脳』を見つける。

・『左利きは危険がいっぱい』スタンレー・コレン
 石山鈴子訳 文藝春秋

・『かくれた左利きと右脳』坂野登 青木書店 1982/12/1
――利き脳と言う言葉を知る。腕組みや指組みで左右どちらが上に来るか
 で、その人の脳にある潜在的な「利き」がわかるという。

自分の方に流れが来ているな、と感じたものでした。

当時はネットもない(か、私には使えないか)という状況で、
左利きの本を探すといっても、自分の足で本屋さんをめぐるか、
出版社の出している解説目録を当たるか、
先に読んだ本の引用・参考文献等の巻末資料や出版社の広告で探すか、
図書館で棚をさがすか、蔵書カードを当たるか、
司書さんに調べてもらうか、といったところでした。

それだけに偶然入った本屋さんで見つけたりするのは、
「これぞ、運命!」と感じたものでした。


翌1995年は、左利きの画家が登場する、推理小説『左ききの名画』。
1996年には、左利きの主人公が左右が反転した世界に迷い込むSF
『鏡の国のアリス』を発見。

・『左ききの名画』ロジャー・オームロッド 野中千恵子訳 社会思想社
 現代教養文庫〈ミステリ・ボックス〉‎ 1993/3/1(原著1988)

・『鏡の国のアリス』広瀬正 集英社文庫 広瀬正小説全集4
改訂新版 2008/10/17


1993年に見つけていたのが、アメリカ大リーグ初の女性左腕投手の物語。
1995年に古本屋で見つけたのが、日本プロ野球初の女性左腕投手の物語。

・『赤毛のサウスポー』ロスワイラー 集英社文庫‎ 1979/4/20

・『勝利投手』梅田香子 河出文庫 1989/4/1

左利きに関連する本として、
左右のあれこれを考えるという雑学的な本も見つけました。

・『左右学への招待―自然・生命・文化―』西山賢一 風濤社 ‎ 1995/10/1

 ●図書館で見つけた本から

そして、図書館でも左利きの本を探してみました。
当時見つけたものを上げてみますと――

書名通りの自然界に見られる左右の科学の本で、左利きの章を含む
『新版・自然界における左と右』。
大脳半球の左右の違いを解説した『左の脳と右の脳』という専門書など。

・マイケル・ガードナー著『新版・自然界における左と右』
坪井忠二、児島弘訳 紀伊国屋書店 1992

・『左の脳と右の脳』サリー P.スプリンガー ゲオルク・ドイチュ
 Springer Deutsch
監訳福井圀彦、河内十郎 宮森孝史 松嵜英士 医学書院 1985
(第2版 1997/10/1)

左利きのイラストレーターでデザイナーの秋山孝さんのイラスト集
『左手のことば』には、日本語英語の対訳でご自身の書名の由来とか、
子供時代の左利きの「矯正」を拒否した話などのエッセイがありました。

・『左手のことば』秋山孝 日貿出版社 1990

左利きの少年の絵物語を発見したのもそのころでしょうか。

1995
・『左手のパズル(絵物語永遠の一瞬)』萩尾望都・文 東逸子・絵
 新書館 1995/7/13

 ●季刊誌『LL(レフティーズ・ライフ)』で紹介した本から

私の手作り左利き通信である、
季刊誌『LL(レフティーズ・ライフ)』の連載コラム
「左利きの本だなぁ」で紹介した本を上げてみます。

・『左利きは危険がいっぱい』スタンレー・コレン
・『左ききの人はなぜ才能があるのか―左ききの性格分析』斎藤茂太
・『左ききの名画』ロジャー・オームロッド
・『勝利投手』梅田香子≪日米プロ野球女性サウスポー対決その一≫
・『赤毛のサウスポー』ロスワイラー
 ≪日米プロ野球女性サウスポー対決その二≫

掲載した本のそれぞれの出版社に『LL』を入れて送ったところ、
斎藤茂太先生からお礼のおハガキをいただいたものでした。


★「レフティやすおの左利き自分史年表」から――
--
1995(平成7)4/3、『LL』No.5で
『左ききの人はなぜ才能があるのか―左ききの性格分析』を
取り上げることを報告したところ、斎藤茂太さんからお葉書をいただく。

6/28、Left-handers Clubの会報「The Left-hander」No.20が届く。
1面で「A warm welcome to the LHC of JAPAN」として
私の手紙と小冊子『LL』が紹介される。

7/31、斎藤茂太さんに『LL』No.5を送るとまたお葉書をいただく。
--

左利きを応援してくださった斎藤茂太さんからいただいたお葉書は
私の宝物の1つです。



 ●第二期・紙の時代後期において影響を受けた人物

さて、この時代、
私が影響を受けた左利き研究家・活動家と呼べる人物は、
これといえる適当な人がいらっしゃいません。

強いて上げるならば――

1.励ましのお葉書をいただいた、「斎藤茂太」先生
2.「左利きの人は左利き用の道具を!」という私の考えが
 間違いではなかったと確信できた、「スタンレー・コレン」
3.右利きと左利きの恋人たちが同じパレットをはさんで一つの風景を描く
 という素敵な情景を描いた小説を書いた、「ロジャー・オームロッド」

という三人でしょうか。


(画像 :『LL(レフティーズ・ライフ)』での著書紹介の報告および送付のお礼に斎藤茂太先生からいただいたお葉書裏面)


(画像:『LL(レフティーズ・ライフ)』での著書紹介の報告および送付のお礼に斎藤茂太先生からいただいたお葉書表面(差出人名))


(画像:斎藤茂太先生の著書『左ききの人はなぜ才能があるのか―左ききの性格分析』――1987年の著作『左ききの本』が1993年に文庫版で再刊された)


(画像:「左利きは左利き用の道具や機械を使うべきだ」という私の持論を裏付けてくれた著書、スタンレー・コレン著『左利きは危険がいっぱい』の書影)


(画像:右利きと左利きの恋人たちが一つのパレットをはさんで風景を描くという“理想的”なあり方を示した小説、ロジャー・オームロッド著『左ききの名画』の書影)

 ・・・

――次回は、いよいよネットの時代に入ります。

  今も活躍中のこの人や、
  今では知らない人も多くなってしまったかもしれない
  あの人も登場!?


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 ★600号までの道のり(3)第61号~第80号

第61号(No.61) 2006/12/23「<左利きプチ・アンケート>第36回」
第36回 利き手は変えられると思いますか
第62号(No.62) 2006/12/30
冬季臨時増刊「既刊号一覧・2006年後期」
第63号(No.63) 2007/1/6「<左利きQ&A>(4)」
左利きの人はズボンの左側のポケットが傷みやすいの?
第64号(No.64) 2007/1/13「左手で字を―&<LYグランプリ>」
第65号(No.65) 2007/1/20「私にとっての左利き活動(9)」自分の物差し
第66号(No.66) 2007/1/27「<左利きプチ・アンケート>第37回」
新版・利き手調査第3回―H.N.きき手テスト
第67号(No.67) 2007/2/3「<左利きQ&A>(5)
利き手の変更は可能か?」
第68号(No.68) 2007/2/10「左手で字を書くために(11)&LYG2007」
第69号(No.69) 2007/2/17「私にとっての左利き活動(10)」
私の左利き活動の歴史
第70号(No.70) 2007/2/24「<左利きプチ・アンケート>第38回」
LYグランプリ2006 があったら…
第71号(No.71) 2007/3/3「<左利きQ&A>(6)新小一の準備は?」
第72号(No.72) 2007/3/10 「左利き子育て相談の疑問(1)」
「両手が使えるようになるといいね」について
第73号(No.73) 2007/3/17「私にとっての左利き活動(11)」
頭と心・身体の戦い
第74号(No.74) 2007/3/24「<左利きプチ・アンケート>第39回」
新版・利き手調査第4回chapman利き手テスト
第75号(No.75) 2007/3/31「テーマ別BN1/左利き実用講座」
第76号(No.76) 2007/4/7「<左利きQ&A>(7)左利きと家族」
第77号(No.77) 2007/4/14「左利き子育て相談の疑問(2)」
「左手使いに違和感を持つ人もいるから」の不思議
第78号(No.78) 2007/4/21「私にとっての左利き活動(12)」
『モノ・マガジン』左利きの商品学
第79号(No.79) 2007/4/28「<左利きプチ・アンケート>第40回」
スポーツで左利きは有利だと思いますか
第80号(No.80) 2007/5/5「こどもの日特集:紙工作で遊ぼ!」
1・ゴム動力紙パック外輪船 /2・風力帆掛け段ボールカー

――このころは、毎週異なるテーマで書いていました。
 第一土曜は、<左利きQ&A>、
 第二土曜は、左手で字を書くために → 左利き子育て相談の疑問
 第三土曜は、私にとっての左利き活動
 第四土曜は、<左利きプチ・アンケート>
 第五土曜があるときは、臨時増刊で、バックナンバーの紹介

*各号のタイトルを見て、「これ気になるなあ、読んでみたいなあ」
 というものがございましたら、リクエストをお願いいたします。
 再配信なり、現時点での加筆・修正を行っての配信など、
 改めてお届けすることも考えています。
 リクエストは、本誌に返信してください。

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本誌では、「創刊600号突破記念―私が影響を受けた左利き研究家・活動家(3)第二期・紙の時代―その2」と題して、今回も全紹介です。

今回も「創刊600号突破記念」エッセイということで「私が影響を受けた左利き研究家・活動家」について三回目です。

第二期「左利きライフ研究家・紙の時代」は、1990-2000年(36-46歳)です。


今回は、お読みいただいたように、当時読んだ左利き関連本について書いています。
その中から、私が何らかの影響を受けた人たちについて簡単にふれています。

次回はいよいよネットの時代に入ります。
お楽しみに!

 ・・・

これを機会に、本誌をご購読の上でお楽しみいただけると幸いです。
(ご登録・ご購読は無料です。ご登録をいただくと毎号メールで送られてきます。読み落としを避けることができます。読む読まないは自由ですし、いつでも好きなときにお読みいただけるので便利だと思います。不要の折には解除も自由です。)

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

『レフティやすおのお茶でっせ』〈左利きメルマガ〉カテゴリ

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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
私が影響を受けた左利き研究家・活動家(3)第二期・紙の時代2(創刊600号突破記念)-週刊ヒッキイ第603号

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久しぶり?の左利き本近刊『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き 「選ばれた才能」を120%活かす方法』

2021-09-17 | 左利き
9月29日に発売予定の左利き本の紹介です。

加藤俊徳『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き 「選ばれた才能」を120%活かす方法』
(ダイヤモンド社 2021/9/29)


(出版社の紹介文)
「左利き」は天才? それとも…変人? 何が得意で、何が苦手? そして結局、何者なのか? 1万人の脳をみた名医が、最新脳科学ではじめて明かす10人に1人の「選ばれた才能」のすべて!

(目次)
はじめに―私は左利きだったから世界で最初の「脳内科医」になった
序章 すごい左利き
そもそも、なぜ「利き◯◯」があるの?
左利きは天才? 変人?
左利きの「あたりまえ」が「すごい脳」をつくる
《コラム》人類はいつから右利き優勢になった? …
第1章 「直感」がすごい―ひらめきで人生が好転する
左利きの直感がすごい理由
左利きの得意技「ひらめき」
「直感」をもっと伸ばす脳トレ
《コラム》スポーツをするとき、左利きが有利? …
第2章 「独創性」がすごい―豊かなアイデアが生まれる
「イメージ記憶」が選択肢を増やす
左利きは「天性のコピーライター」
「独創性」をもっと伸ばす脳トレ
《コラム》左利きは認知症になりにくい⁈ …
第3章 「ワンクッション思考」がすごい―ひと手間が脳を強くする
「ワンクッション思考」を重ねると発想力が豊かになる
ワンテンポ遅れるのは「ワンクッション思考」をしているから
「右脳」をもっと鍛える脳トレ
《コラム》子どもは右利きに矯正したほうがいい?…
第4章 「最強の左利き」になる
右手と左手でできることを「比べる」
左利きと右利きの「役割分担」でいいものを生み出す
左利きはマイノリティではなく「選ばれた人」…
おわりに―左利きも右利きも、脳の違いを知ればうまくいく

(著者紹介)
左利きの脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。 株式会社脳の学校代表。昭和大学客員教授。発達脳科学・MRI脳画像診断の専門家。脳番地トレーニングの提唱者。14歳のときに「脳を鍛える方法」を求めて医学部への進学を決意。1991年、現在、世界700カ所以上の施設で使われる脳活動計測fNIRS(エフニルス)法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科でアルツハイマー病やMRI脳画像の研究に従事。ADHD注意欠陥多動性障害、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。帰国後は、独自開発した加藤式MRI脳画像診断法を用いて、子どもから超高齢者まで1万人以上を診断、治療を行う。「脳番地」「脳習慣」「脳貯金」など多数の造語を生み出す。InterFM 897「脳活性ラジオ Dr.加藤 脳の学校」のパーソナリティーを務め、著書には、『脳の強化書』(あさ出版)、『部屋も頭もスッキリする! 片づけ脳』(自由国民社)、『脳とココロのしくみ入門』(朝日新聞出版)、『ADHDコンプレックスのための❝脳脳番地トレーニング❞』(大和出版)、『大人の発達障害』(白秋社)など多数。

紹介や目次を見ましたところ、<左利きの脳科学者>の著者・加藤俊徳さんによる<左利きに特化した脳科学を応用した自己啓発本>といったところでしょうか。

「左利きはマイノリティーではなく、選ばれた人」というところは、いかにも左利きの著者らしい考え方かもしれません。

コラムで「左利きの科学」的な話題を提供しています。
本文では、脳科学的な見地から左利きの特性を描いている、というところでしょうか。

脳科学的に右利き・左利きのそれぞれの特性を活かした行動の仕方・考え方を工夫して日々の生活を改善しよう、という提言でしょう。


私が欲しい左利きの本の路線とは違っています。

私個人としましては、学術的なレベルではなくても、一般の人に「左利きとは何か、どういうことか」を説明した、左利きについて科学的に考察した「左利きの科学」といった本を期待しています。
(もしくは、左利きの人による左利きライフに関するエッセイとか。)

「左利きの科学」的な本に関しましては、10年周期ぐらいで新しい本が書かれてきました。(*1:参照)
それぐらいの時間がたつと、小学生ぐらいの子供さんの親御さん世代が入れ替わり、左利きの知識が失われ、あらたな教科書的な著書を必要とするからではないか、といわれています。

そろそろまた新しい左利き・利き手の科学啓蒙書が欲しいところです。


*1(主な左利きの科学書)
・1989(平成元)
『右利き・左利きの科学』前原勝矢 講談社/ブルーバックス
――当時は一般向け新書による本格的な利き手・利き側の科学啓蒙書として貴重だった(著者の一部の考えには納得できかねる部分がありましたが……)。

・1994(平成6)
『左利きは危険がいっぱい』スタンレー・コレン 石山鈴子訳 文藝春秋
――例の都市伝説化している?「左利きは短命」説を生み出したことで知られる。著者の意図は「左利きは右利き向けの道具や機械で阻害され危険が多い」ので改善を目指せ!

・1996(平成8)
『左ききの神経心理学』八田武志 医歯薬出版
――日本の利き手研究の権威による左利きの科学の学術的な著書。

・2006(平成18)
『「左利き」は天才?―利き手をめぐる脳と進化の謎―』デイヴィッド・ウォルマン 梶山あゆみ訳 日本経済新聞社 
――科学ジャーナリストによる世界を舞台に左利きの謎を追う科学的エッセイ。

『非対称の起源 偶然か、必然か』クリス・マクマナス 大貫昌子訳 講談社ブルーバックス1
――イギリスの利き手の研究の権威による、左利き・利き手を含む左右の科学解説書。

・2008(平成20)
『左対右 きき手大研究』 八田武志/著 化学同人 DOJIN選書18
――前著『左ききの神経心理学』から10年の利き手研究の成果を示す一般向け科学書。

 ・・・

本書『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き~』は、200ページという薄い本なので、話題の一つとしてあまり期待しないでペラッと読んで、それなりに楽しめればいいのではないか、と思います。
とりあえず買って読んでみようと思います。

 ・・・

先の左利きの科学書の例の他に、こういう本もあります。

左右学とでもいうのでしょうか、「左」と「右」という概念で以て世界を科学したら? とでもいうのでしょうか。
そういう本なのですが、利き手研究の比率が高いクリス・マクマナスさんの左右に関する著書『非対称の起源 偶然か、必然か』にも近いところがあります。
この本が、今年初めに文庫本(上下全二巻)になって出版されていました。


(画像:文庫版上下2巻『新版 自然界における左と右 』マーティン・ガードナー/著 坪井 忠二, 藤井 昭彦, 小島 弘/訳 ちくま学芸文庫 2021/1/9)

・『新版 自然界における左と右 上』マーティン・ガードナー/著 坪井 忠二, 藤井 昭彦, 小島 弘/訳 ちくま学芸文庫 2021/1/9
――上巻では「9 人のからだ」「10 少数派の左利き」という人体における非対称(左利き)に関する章があります。


(画像:『新版 自然界における左と右 上』「9 人のからだ」p.162 に、「左利き友の会」を主宰された箱崎総一先生のことや麻丘めぐみ「わたしの彼は左きき」のことなどが記載されている)

・『新版 自然界における左と右 下』

・(元の単行本)『新版 自然界における左と右』マルティン・ガードナー 坪井忠二・小島弘訳 紀伊國屋書店 1992/5/1(原著:1990年刊)


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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
久しぶり?の左利き本近刊『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き 「選ばれた才能」を120%活かす方法』
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私の読書論147-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(10)ハヤカワ文庫の50冊(8)拾遺SF編-楽しい読書302号

2021-09-16 | 本・読書
古典から始める レフティやすおの楽しい読書
-302号【別冊 編集後記】

2021(令和3)年9月15日号(No.302)
「私の読書論147-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(10)
ハヤカワ文庫の50冊(8)最終回/拾遺・蔵書以外の名作傑作・SF編」



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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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021(令和3)年9月15日号(No.302)
「私の読書論147-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(10)
ハヤカワ文庫の50冊(8)最終回/拾遺・蔵書以外の名作傑作・SF編」
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 1970(昭和45)年に創刊された早川書房の文庫「ハヤカワ文庫」が
昨年、50周年を迎え、
 15歳からの私の読書生活52年のほぼ全てをカバーしている
 「ハヤカワ文庫」のうち、現在私の手元にある本の中から、
 お気に入りや、心に残る本を紹介してきました。

 今回は、いよいよ本当に最終回、おまけ編のSF編として
 買って読んだけれど、あるいは図書館等で借りて読んだけれど、
 自分の本として残さなかった本の中から、
 これは機会があれば、読んでいただきたいと思う本――
 名作・傑作を紹介してみましょう。


 前回までのおさらい――

【1】2020(令和2)年9月15日号(No.278)
「私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)」
2020.9.15
私の読書論135-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(1)
-楽しい読書278号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/09/post-93a384.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/3df333247f5640e098891d55ddaaccd5
【最初の6冊】
1.SF『征服王コナン』2.NV『ローズマリーの赤ちゃん』
3.NV『女王陛下のユリシーズ号』4.HM『重賞』5.HM『死の接吻』
6.FT『夢の10セント銀貨』

【2】2020(令和2)年10月15日号(No.280)
「私の読書論136-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(2)」
2020.10.15
私の読書論136-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(2)
私のお気に入り7-楽しい読書280号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/10/post-0f243e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/56a232216e800eaf561dd1f4904b2cce
【私のお気に入り7】
(1)ジャック・フィニイ『ゲイルズバーグの春を愛す』
(2)ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』
(3)ロバート・F・ヤング『ジョナサンと宇宙クジラ』
(4)ロバート・ネイサン『ジェニーの肖像』
(5)シャーリイ・ジャクスン
『野蛮人との生活―スラップスティック式育児法』
(6)クレイグ・ライス『スイート・ホーム殺人事件』
(7)ルイス・ギルバート『フレンズ―ポールとミシェル』

【3】2020(令和2)年11月15日号(No.282)
「私の読書論137-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(3)
【私のお気に入り7】に続くもの ハヤカワ文庫の50冊(1)」
2020.11.15
私の読書論137-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(3)
ハヤカワ文庫の50冊(1)-楽しい読書282号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/11/post-3a6f3e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/85364a4c9cf932ced296000daefccee2
◎準【私のお気に入り7】――続編および同一作家の他の名作・佳作
(8)『夢の10セント銀貨』(9)『血は異ならず』(10)『時をとめた少女』
(11)『山荘綺談』(12)『続・フレンズ―ポールとミシェル』
それ以下(忘れ物)
(13)『フレームシフト』(14)『ヴァーチャル・ガール』
(15)『たったひとつの冴えたやりかた』(16)『魔界の紋章』
(17)『異次元を覗く家』(18)『夏への扉』(19)『アルジャーノンに花束を』
(20)『わたしを離さないで』

【4】2020(令和2)年12月15日号(No.284)
「私の読書論138-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(4)
ハヤカワ文庫の50冊(2)SF系の拾遺」
2020.12.15
私の読書論138-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(4)
ハヤカワ文庫の50冊(2)SF系の拾遺-楽しい読書284号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/12/post-6dcf8b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d5d58cdf2b456f12649ebad3b8f8c3d5
SF系の拾遺――シリーズもの三つ
▼C・L・ムーア +(イラスト)松本零士
<ノースウェスト・スミス>シリーズ
(21)『大宇宙の魔女』(22)『異次元の女王』『暗黒界の妖精』
<処女戦士ジレル>シリーズ
(24)『暗黒神のくちづけ―処女戦士ジレル』
▼ポール・アンダースン&ゴードン・R・ディクスン
  +(イラスト)天野嘉孝(あまの よしたか)
<ホーカ>シリーズ (25)『地球人のお荷物』
(26)『くたばれスネイクス』(27)『がんばれチャーリー』
▼火浦功<みのりちゃん>シリーズ +(イラスト)いしかわ じゅん
(28)『日曜日には宇宙人とお茶を』(29)『大冒険はおべんと持って』
「文庫JA」(30)『S-Fマガジン・セレクション1981』
(31)『美亜へ贈る真珠〔新版〕』
「文庫NV」(33)『時の地図 上・下』

【5】
2021(令和3)年2月15日号(No.288)
「私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)
ハヤカワ文庫の50冊(3)NVの数々」
2021.2.15
私の読書論141-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(5)
ハヤカワ文庫の50冊(3)NVの数々-楽しい読書288号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/02/post-5af022.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/bd2863095641ce166963a6aabc7405c8
「文庫NV」――冒険小説 (34)『ナヴァロンの要塞』
セシル・スコット・フォレスター〈海の男ホーンブロワー〉シリーズ
(35)『スペイン要塞を撃滅せよ』
ホラー:アンソロジー (36)『闇の展覧会〔1〕〔2〕』
ホラー:マシスン (37)『地球最後の男』
ホラー・幻想など (38)『地図にない町 ディック幻想短篇集』
サスペンス (39)『堕ちる天使』(40)『GATACA(上)(下)』

【6】
2021(令和3)年3月15日号(No.290)
「私の読書論142-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(6)
ハヤカワ文庫の50冊(4)ミステリ文庫」
2021.3.15
私の読書論142-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(6)ハヤカワ文庫の50冊(4)-楽しい読書290号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/03/post-0574cb.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/5fb379dedfe0c35721ff8cc2b4dbabd4
ミステリ文庫
(41)『アデスタを吹く冷たい風』トマス・フラナガン
(42)『ミステリマガジン700 海外篇
─創刊700号記念アンソロジー』杉江松恋/編
(43)『密室大集合』アメリカ探偵作家クラブ傑作選7
エドワード・D・ホック/編
(44)『ボトムズ』ジョー・R・ランズデール
(45)『ダークライン』
(46)『沈黙のセールスマン』マイクル・Z・リューイン
(47)『謎のクィン氏』アガサ・クリスティー
(48)『クレアが死んでいる』エド・マクベイン
(49)『その雪と血を』ジョー・ネスボ
<左利きミステリ>から――
(50)『カリフォルニア・ガール』T・ジェファーソン・パーカー
アガサ・クリスティー<クリスティー文庫>
(51)『ビッグ4』(52)『オリエント急行の殺人』(53)『死人の鏡』
(54)『ゼロ時間へ』

【7】
2021(令和3)年4月15日号(No.292)
「私の読書論143-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(7)
ハヤカワ文庫の50冊(5) ノンフィクションその他」
2021.4.15
私の読書論143-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(7)ハヤカワ文庫の50冊(5)NF他-楽しい読書292号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/04/post-cde3df.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7a3190d6f5084d5747d6d068bbe27bee
文庫NF
(55)『失われた私』フローラ・リータ・シュライバー
(56)『24人のビリー・ミリガン〔新版〕上 下』ダニエル・キイス
文庫JA
(57)『SF英雄群像』野田昌宏
(58)『ニュートンとアインシュタイン』石原 藤夫
(59)『SFロボット学入門』石原 藤夫
ブックガイド類
(60)『ミステリ・ハンドブック』早川書房編集部編
ハヤカワ・ミステリ文庫
(61)『冒険・スパイ小説ハンドブック』早川書房編集部/編
ハヤカワ文庫NV
(62)『アガサ・クリスティー百科事典』数藤 康雄/編 ハヤカワ文庫
―クリスティー文庫

【8】
2021(令和3)年6月15日号(No.296)
「私の読書論145-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(8)
ハヤカワ文庫の50冊(6)拾遺・蔵書以外の名作傑作・ミステリ編」
2021.6.15
私の読書論145-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(8)
ハヤカワ文庫の50冊(6)拾遺ミステリ編-楽しい読書296号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/06/post-04b31f.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/a9e30ce5eb0f87cf109b659f937f17e3
◆エラリイ・クイーン(+1)『災厄の町〔新訳版〕』
(+2)『九尾の猫〔新訳版〕』(+3)『犯罪カレンダー 1月~6月』
◆ジョン・ディクスン・カー(+4)『火刑法廷〔新訳版〕』
(+5)『三つの棺〔新訳版〕』(+6)『ユダの窓』
◆アガサ・クリスティー(+7)『そして誰もいなくなった』
(+8)『ABC殺人事件』(+9)『カーテン』
・本格ミステリ短編集(+10)『九マイルは遠すぎる』
(+11)『ママは何でも知っている』
・本格ミステリ長編(+12)『切断』(+13)『見えないグリーン』
(+14)『ホッグ連続殺人』
◆ピーター・ラヴゼイ(+15)『偽のデュー警部』(+16)『苦い林檎酒』
<ダイヤモンド警視シリーズ>(+17)『最後の刑事』(+18)『単独捜査』
(+19)『バースへの帰還』(+20)『猟犬クラブ』(+21)『最期の声』

【9】
2021(令和3)年7月15日号(No.298)
「私の読書論146-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(9)
ハヤカワ文庫の50冊(7)拾遺・蔵書以外の名作傑作・
ミステリ編(2)サスペンス他」
2021.7.15
私の読書論146-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(9)
ハヤカワ文庫の50冊(7)拾遺ミステリ編(2)-楽しい読書298号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/07/post-6f1005.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ac35cb4854a3b92851db545567f9d4a1
●好きなミステリ作家から (+22)『幻の女』(+23)『あなたに似た人』
(+24)『特別料理』(+25)『八百万の死にざま』
◆マイクル・Z・リューイン
(+26)『夜勤刑事』(+27)『刑事の誇り』(+28)『男たちの絆』
●冒険小説から
◆ジャック・ヒギンズ (+29)『脱出航路』(+30)『死にゆく者への祈り』
◆ギャビン・ライアル (+31)『本番台本』(+32)『もっとも危険なゲーム』
(+33)『ちがった空』


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  ◆ 「お子ちゃま」読者時代からのお友達 ◆
  私の読書論147-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(10)
   ―― ハヤカワ文庫の50冊(8)最終回/拾遺・
蔵書以外の名作傑作・SF編 ――
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「前回までのおさらい」で紹介しました
「ハヤカワ文庫の50冊」62点の作品以外の本を対象に、
お話を進めていく、「拾遺」の第3回目は、SF編です。

今回も思い出すままに取り留めなく紹介していきます。

まずは、好きなSF作家さんの作品を挙げていきましょう。


 ●海外SFから――巨匠たち

(+34)『地球の緑の丘』ロバート・A・ハインライン 矢野 徹
ハヤカワ文庫SF―未来史2 1986/7/1
―ハインライン中期の傑作中短篇集、表題作が好き。

(+35)『海底牧場』アーサー・C・クラーク 高橋 泰邦/訳
ハヤカワ文庫 SF 225 1977/2/1

(+36)『幼年期の終り』アーサー・C・クラーク 福島 正実/訳
ハヤカワ文庫 SF (341) 1979/4/1

(+37)『決定版 2001年宇宙の旅』アーサー・C・クラーク 伊藤 典夫/訳
ハヤカワ文庫SF 1993/2/1

(+38)『われはロボット〔決定版〕アシモフのロボット傑作集』
アイザック・アシモフ 小尾 芙佐/訳 ハヤカワ文庫 SF 2004/8/6

(+39)『ファウンデーション ―銀河帝国興亡史〈1〉』
アイザック・アシモフ 岡部 宏之/訳 ハヤカワ文庫SF 1984/4/1

(+40)『宇宙船ビーグル号の冒険』A.E.ヴァン・ヴォクト 浅倉 久志/訳
ハヤカワ文庫 SF 291 1978/5/1

(+41)『スラン』A.E.ヴァン・ヴォクト 浅倉 久志/訳 ハヤカワ文庫 SF
234 1977/4/1

(+42)『火星年代記』レイ・ブラッドベリ 小笠原 豊樹/訳
ハヤカワ文庫SF 2010/7/10

(+43)『華氏451度〔新訳版〕』レイ・ブラッドベリ 伊藤典夫/訳
ハヤカワ文庫SF 2014/4/24

 ●海外SFから――

(+44)『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』フィリップ・K・ディック
浅倉久志/訳 ハヤカワ文庫 SF 1977/3/1
―リドリー・スコット監督の名作映画『ブレードランナー』の原作として
 も有名。詳細の記憶は今ありませんが、とにかく面白かった。

(+45)『ノーストリリア』コードウェイナー・スミス 浅倉久志/訳
ハヤカワ文庫SF 2009/9/5
―シリーズ唯一の長篇。

(+46)『鼠と竜のゲーム』コードウェイナー・スミス
伊藤 典夫・浅倉 久志/訳 ハヤカワ文庫 SF 471 1982/4/1

(+47)『都市』クリフォード・D・シマック 林 克己/訳
ハヤカワ文庫 SF 205 1976/9/1

(+48)『中継ステーション〔新訳版〕』クリフォード・D・シマック
山田順子/訳 ハヤカワ文庫 SF 2015/12/18

(+49)『人間以上』シオドア・スタージョン 矢野 徹/訳
ハヤカワ文庫 SF 317 1978/10/1

フレドリック・ブラウンは、創元文庫で読書最初期に
SFとミステリの短編集を次々と読んだものでした。

ハヤカワでは比較的最近に読んだ長編――


(画像:比較的最近に読んで、大いに共感した長編SF、フレドリック・ブラウン『天の光はすべて星』(田中融二/訳 ハヤカワ文庫 SF 2008/9/5))

(+50)『天の光はすべて星』フレドリック・ブラウン 田中融二/訳
ハヤカワ文庫 SF 2008/9/5
―宇宙開発中断期、老元宇宙飛行士は、新たな探査計画を掲げる
 女性議員候補と組んで、もう一度宇宙を目指すが……。
 《老境に差しかかりつつも夢のために奮闘する男を、
  奇才ブラウンが情感豊かに描く古典的名作》

非常にいい作品でしたね。ラストは苦いですけれど。
ブラウンといえば、才人とかアイディア・ストーリーの作家のように
思われがちですが、これはストレートな人間のパッションを描いた物語。
私もこれぐらいの年になりますと、
己の人生に対して色々と思うところがあり、共感できるのです。


 ●日本SFから――

(+51)『神狩り』山田 正紀 ハヤカワ文庫JA 2010/4/5


(画像:私の読書初期に作家としてデビューし鮮烈な記憶が残る、山田正紀デビュー作『神狩り』(ハヤカワ文庫JA 1976/1/1))

(+52)『弥勒戦争』山田 正紀 ハヤカワ文庫 1976

(+53)『氷河民族』山田 正紀 ハヤカワ文庫 JA 75 1976/2/1

(+54)『百億の昼と千億の夜』光瀬 龍 ハヤカワ文庫JA 2010/4/5

(+55)『石の血脈』半村良 ハヤカワ文庫JA 1974/1/1

(+56)『産霊山秘録』半村良 ハヤカワ文庫JA 1975/1/1

(+57)『狼の紋章』平井和正 ハヤカワ文庫JA 新版 2018/1/10

(+58)『復活の日』小松左京 ハヤカワ文庫 JA 33 1974/6/1

 ・・・

SF編、思いつくままに、あれこれと上げてみました。

忘れているものがいくつもありそうですが、
それはまたいつか機会があれば、ということで。

長々と続けてしましましたが、
ハヤカワ文庫50年をめぐる思い出話は、以上で終了です。

長らくお付き合いのほど、ありがとうございました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ★創刊300号への道のり(3) 2010(平成22)年

30
2010(平成22)年3月15号(No.30)-100315- 私の読書論-9-私のお薦め本
31
2010(平成22)年3月31号(No.31)-100331-
H・G・ウェルズ『タイムマシン』―暗い未来
32
2010(平成22)年4月15号(No.32)-100415- 私の読書論-10-蔵書を並べる効用
33
2010(平成22)年4月30号(No.33)-100430-
ダーウィン『種の起源』―進化理論を確立
34
2010(平成22)年5月15号(No.34)-100515-
私の読書論-11-蔵書を並べ替える効用
35
2010(平成22)年5月31日号(No.35)-100531-
コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの冒険』―名探偵の代名詞
36
2010(平成22)年6月15号(No.36)-100615-私の読書論-12-電子書籍と紙の本
37
2010(平成22)年6月30号(No.37)-100630-アラン『幸福論』―幸せとは何か
38
2010(平成22)年7月15号(No.38)-100715-
私の読書論-13-なぜ古典が読めるようになったのか
39
2010(平成22)年7月31号(No.39)-100731-
[私の読書論-14-]夏特・最初に“つまづかない”読書のすすめ方
40
2010(平成22)年8月15日号(No.40)-100815-
夏特・夏の文庫100冊から『ジーキル博士とハイド氏』
41
2010(平成22)年8月31号(No.41)-100831-
モーリス・ルブラン『813』―怪盗アルセーヌ・ルパン
42
2010(平成22)年9月15日号(No.42)-100915-
私の読書論-15-小著の薦め―成功する初心者読書法
[7月31号(No.39)-100731-夏特・最初に“つまづかない”読書のすすめ方]続き
43
2010(平成22)年9月30号(No.43)-100930-
幸田露伴『努力論』―“努力”日本人の好きな言葉
44
2010(平成22)年10月15日号(No.44)-101015-
私の読書論-16-大著の薦め―長編挫折克服法
45
2010(平成22)年10月31日号(No.45)-101031-幸田露伴『五重塔』―職人魂
46
2010(平成22)年11月15日号(No.46)-101115-
私の読書論-17-なぜ本を読むのか?
47
2010(平成22)年11月30日号(No.47)-101130-
文学初心者入門書―文庫版“ちくま文学の森”から
48
2010(平成22)年12月15日号(No.48)-101215-
来年50号以降のリニューアルについて
49
2010(平成22)年12月31日号(No.49)-101231-
大人への階段「たけくらべ」樋口一葉

 ・・・

2009年に引き続き、月末の「古典紹介」編では、
主に海外と国内の<明治期>の作品を交互に紹介しました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「私の読書論147-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(10) ハヤカワ文庫の50冊(8)最終回/拾遺・蔵書以外の名作傑作・SF編」と題して、
私の読書生活をほぼカバーする「ハヤカワ文庫」創刊以来の50年の刊行作品から、私の思い出の本を紹介する最終回。
今は手元にないけれどかつて持っていた、あるいは図書館等で借りて読んだ本から、印象に残る作品を挙げてみる「拾遺」編のSF版です。

今回は、煩雑になりますので、書名・作家名を羅列するだけに留めました。

ただ、最近読んで印象に残っているブラウンの『天の光はすべて星』の文のみ転載しています。


ハヤカワ文庫に限らずですが、私の読書生活50数年の思い出につながるお話が読める本が、創元推理文庫版の『短編ミステリの二百年』という本です。
現在、全6巻中の第5巻まで出ています。

前半がそれぞれの傑作短編集で、後半が、私より四つぐらい年下ながら(かつては海外ミステリ専門誌だった)『ミステリマガジン』(略称「HMM」)の定期購読者として三年ぐらい早かったという編者である小森収さんによる、時代を追ってそれぞれの作家およびその短編作品の評論となっています。

私は1970年の9月号<E・S・ガードナー追悼特大号>からの購読者で、高校二年の夏休みも残り半月ほどの時、本屋さんで見つけたのでした。
それ以来、十年ちょっと定期購読を続けたものでした。
その後、30代になって仕事が忙しくなり、本を置く場所もないこともあり、買うのではなく図書館で借りて暇を見てポツポツ読むようになりました。

そういうわけで70年代のミステリ短編のお話は一番心に来ますね。

このシリーズ、冬には完結するそうで、今年一番の本になりそうです。


(画像:小森収編『短編ミステリの二百年』1~5巻(創元推理文庫)と『ミステリマガジン』2020年7月ハヤカワ文庫創刊50年特集号)


小森収編『短編ミステリの二百年』1~5巻(創元推理文庫)
2019年10月『短編ミステリの二百年1』
2020年3月『短編ミステリの二百年2』
2020年8月『短編ミステリの二百年3』
2020年12月『短編ミステリの二百年4』
2021年6月『短編ミステリの二百年5』
 ・・・

個々のコメント等、詳細は本誌で!

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ

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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
私の読書論147-私を育てたハヤカワ文庫創刊50周年(10)ハヤカワ文庫の50冊(8)拾遺SF編-楽しい読書302号

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私が影響を受けた左利き研究家・活動家(2)第二期・紙の時代1(創刊600号突破記念)-週刊ヒッキイ第602号

2021-09-05 | 左利き
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第602号 別冊編集後記

第602号(No.602) 2021/9/4
「創刊600号突破記念―
 私が影響を受けた左利き研究家・活動家(2)第二期・紙の時代―その1」



★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 ※『週刊ヒッキイ』は、
・ 2014年7月より
  月二回(第一・第三土曜日)の発行に変更しました。
・ 2019年10月より
  第一・第三土曜日の発行は、新規配信
  第二・第四土曜日の発行は、バックナンバーからの再配信
  に変更しました。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

引き続き、再配信はしばらくお休みとします。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン
><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><
  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第602号(No.602) 2021/9/4
「創刊600号突破記念―
 私が影響を受けた左利き研究家・活動家(2)第二期・紙の時代―その1」
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 創刊600号突破記念―
  私が影響を受けた左利き研究家・活動家(2)第二期・紙の時代から
 ―その1―『モノマガジン』編集部A・K氏
------------------------------------------------------------------

 「創刊600号突破記念」として書き始めた
 「私が影響を受けた左利き研究家・活動家」の二回目です。

 1954-1989(0-35)
  第一期「左利きライフ研究家以前」では、箱崎総一先生。
 1990-2000(36-46)
  第二期「左利きライフ研究家・紙の時代」では、○○さんか?
 2001-(47-)
  第三期「左利きライフ研究家・ネットの時代」では、××さんら?


 さて今回は、「第二期・紙の時代」編、です。

 書き出したら意外にアレもコレもと思い出話が書きたくなり、
 次回に続けます。

 (年をとると昔話が多くなって難儀なことです。
  でも、言い訳かもしれませんが、昔のことを記録しておくのも、
  将来につながるのではないでしょうか。
  人間自分の知らないことはなかったことにしがちですから。)


 今年の8月13日、東京新聞にはー
https://www.tokyo-np.co.jp/article/123836
 
 きょうは何の日 8月13日
 2021年8月13日 07時13分

 ◆左利きの日
  1992年8月13日、
  イギリスの「Left−Handers Club」という団体が、
  左利きの人の生活環境を向上させる目的で制定。
  日付は提唱者の誕生日。

 と誤報が堂々と出ていました。

 日本語版Wikipediaの「左利きの日」を丸写ししたものでしょう。
 新聞社なんだから、きちんと裏をとってから記事にするべきです。

 少なくとも、出典ぐらいは明記すべきです。
 (最悪、責任転嫁できますからね。)

 こういう事があるので、知っている人が記録しておくべきなのです。

 といいつつ、毎年この8月13日について
 ブログ等で正しい情報を書いているのですが、
 なかなか浸透しませんね。

*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』
2021.8.12
8月13日「国際左利きの日」を前に、左利きメルマガ「週刊ヒッキイ」
創刊600号達成
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/08/post-bfd6a9.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/b613adabbcb89d8f00ef50b54f7126b6

2015.8.12
明日8月13日は1976年制定から40回目の国際左利きの日
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2015/08/813197640-3f94.html

他多数……

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<私が影響を受けた左利き研究家・活動家>
(2)第二期・紙の時代から―その1―
 ◆ 左利き用品の総カタログ的『モノ・マガジン』左利き特集号 ◆
  『モノ・マガジン』「左利き生活向上委員会」編集部A・K氏
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●第二期・紙の時代―左手用カメラとの出会いに始まる

この時期は、
36歳にして初めて手にした左利き用品である左手用カメラ
「京セラ サムライ SAMURAI Z2-L」によって、
「左利きの人は、自分の身体に合った道具や機械(左利き用品)を!」
それが「自分の能力を最大限に発揮できる方法である」
と実感したことで始まりました。



(画像:36歳にして初めて手にした左利き用品である左手用カメラ「京セラ サムライ SAMURAI Z2-L」)

実際にこのカメラを持って色々な場所に出かけ、写真を撮ってみました。
しかし、この段階ではまだカメラだけのお話でした。

ここで、神風が吹きました。

 ●『モノ・マガジン』左利き特集号がスゴかった!

翌年の3月に、新製品情報誌で「左利き特集号」が出ました。

 『モノ・マガジン』1991年4月2日号(NO.188)
  <特集/左を制するモノは時代を制す!>

です。


(画像:『モノ・マガジン』1991年4月2日号(NO.188)左利き特集号<特集/左を制するモノは時代を制す!>の表紙


(画像:『モノ・マガジン』1991年4月2日号(NO.188)左利き特集号<特集/左を制するモノは時代を制す!>の目次「左利きの商品学」)

左手・左利き用品の総カタログ的な大特集号でした。

これで話にはきいていたけれど、実際にその存在を知らなかった
様々な左手・左利き用品が写真入りで紹介されていたのです。

さらに諸外国にある左利き用品店の紹介や、
アメリカの左利きの会の紹介、
さらに左手・左利き用品の開発に関わる話など、
実に豊富な情報が溢れた、
左利き生活上、非常に貴重な“左利きの教科書”的な雑誌でした。


これを手に私の左手・左利き用品探しが始まりました。
近所の総合スーパーやホームセンターの文具品コーナーや工具売り場など、
いろんなところで探してみると、思いのほか見つかるのでした。

ハサミ(子供用や一般用)始め、カッターナイフ(左右共用タイプ)や、
さらに、当時は大阪の北部にしかなかった東急ハンズにも出掛け、
缶切りや洋裁ハサミなど多くの戦利品を手に入れました。


その後、当時身近に何人かいた左利きの友人知人に、
この報を伝えるべく、紙媒体でお便りを出すことにしました。

1992(平成4)年1月1日付けで、「左組通信」創刊0号発行。
38歳のときでした。

直接会って話すにしても、口下手で思いを充分伝えられなかったので、
書いて伝える方法をとりました。

小学生時代からそういう性格で、
口では言えないことでも書いて表現することならできたのです。

そして、少しですが、書くことなら自信があったからでもあります。

当時もっていた年賀状印刷用の「プリントゴッコ」を利用して、
はがきに印刷して送ることにしました。

これが私にとっての最初の左利き活動でした。

タイトルは「左組通信」。
普通に考えれば、「左利き通信」でしょう。

でも、心の底に強烈な「左利き」コンプレックスがあったので、
タイトルに「左利き」と入れることはできませんでした。

 ●『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ』創刊

ただはがきサイズでは、多くを紹介しきれない、ということ、
また商品紹介だけでなく、語りたいことも増えてきました。

そこで、季刊誌としてもう少し分量のある小冊子を出すことにしました。

季刊誌なのは、
仕事が週6日、残業込みでかなりの時間働かざるを得ない状況で、
時間的に難しいという事情があったからでした。

1994(平成6)年、40歳の夏、『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ』創刊
(1996秋・第10号まで)。


その間に、
1993年にアメリカの左利きの会「Lefthanders International」に
問い合わせの手紙を出し、
隔月刊の機関誌『Lefthanders Magazine』の見本誌を手に入れ、
11・12月号から定期購読を始める(1996年3・4月号まで)。

さらに、1994年には、
イギリスの左手・左利き用品通販の店「Anything Left-Handed」を知り、
万年筆や文具セットなどを購入、
この店の顧客が参加できる左利きの会「Left-handers Club」に入会。
会誌「The Left-hander」No.16から定期購読(1997年10月No.27まで)。

 ●左利き関連本あれこれ

一方、1993年4月に、文庫本で、
斎藤茂太さんの1987年の著作『左ききの本』の再刊本
『左ききの人はなぜ才能があるのか―左ききの性格分析』
(KKベストセラーズ/ワニ文庫)を手に入れました。

他にも、左利きの画家が登場する、推理小説『左ききの名画』
(ロジャー・オームロッド著 野中千恵子訳 社会思想社 現代教養文庫
〈ミステリ・ボックス〉原著1988)を発見。

さらに1994年、今も「左利きは短命」説で有名になった
スタンレー・コレン著『左利きは危険がいっぱい』
(石山鈴子訳 文藝春秋)が出版され、早々に読みました。

左利きの本が大手の出版社から出ること自体がめずらしく、
センセーショナルな売り方も手伝って、結構売れ、話題にもなりました。

それ以前に、1989年刊の前原勝矢著『右利き・左利きの科学』
(講談社 ブルーバックス)という、
利き手・利き側の科学を紹介する本を見つけ、読んでいました。

この本は、一部この著者の考えに賛同できない部分はありましたが、
新書という廉価で手に入れやすい叢書での出版で、
手軽に左利きや利き手のことが学べる貴重な著作でした。


他にも、1992年発行のM・ガードナー著『新版・自然界における左と右』
(坪井忠二、児島弘訳 紀伊国屋書店)や
坂野登著『かくれた左利きと右脳』(青木書店 1982)
といった科学系の本、
左利きのイラスト集の秋山孝著『左手のことば』(日貿出版社 1990)
梅田香子著『勝利投手』(河出文庫 1989)や
ロスワイラー著『赤毛のサウスポー』(集英社文庫 1979 原著1976)
といった左腕投手の物語などを見つけ、読んでいました。

 ●「左利き生活向上委員会」のA・K氏

『モノ・マガジン』ではその後、反響が多かったのでしょう、
編集部A・K氏による
左利きコラム「左利き生活向上委員会」が始まりました。

文字通り、左利きの人の生活の質を向上させられるような
新たな左手・左利き用品を探し出そうという内容です。

ここに私の季刊誌『LL(レフティーズ・ライフ)』誌も送ってみました。
すると、なんとこの欄で紹介してくださったのです。

これが私の「国内」メディア・デビューということになります。

正直嬉しい反面、ちょっと恥ずかしい思いでした。
ワープロ原稿を切り貼りし、コピーしたものを
ホッチキスでとめた手作り感満載の小冊子でしたから。


(画像:『モノ・マガジン』1994年11月2日号(NO.278)に掲載された編集部A・K氏の左利きコラム「左利き生活向上委員会」の記事)

 ・・・

この季刊誌『LL』は、アメリカの「Lefthanders International」や
イギリスの「Left-handers Club」にも
簡単な英文の説明を付して送ってみました。

すると、イギリス「Left-handers Club」の機関誌
「The Left-hander」no.20でフロント・ページでも紹介されました。

これが私の「海外」デビューですね。


(画像:今はなきホームページ『レフティやすおの左組通信』の「レフティーズ・ライフLL再録5」より、『LL5号 1995(平成7)年 夏号』に掲載した、イギリス左利きの会機関誌のフロントページでのLLと左組の紹介)

 ・・・

次回は、「その2」です。
当時読んだ左利き関連本について書いてみようと思います。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ★600号までの道のり(3)第41号~第60号

第41号(No.41) 2006/7/29「私にとっての左利き活動(2)」
第42号(No.42) 2006/8/5「左手で字を書くために(3)」
第43号(No.43) 2006/8/12<「国際左利きの日」記念号>
「私にとっての左利き活動(3)」
第44号(No.44) 2006/8/19「左手で字を書くために(4)」
第45号(No.45) 2006/8/26「私にとっての左利き活動(4)」
第46号(No.46) 2006/9/2「左手で字を書くために(5)」
第47号(No.47) 2006/9/9 「私にとっての左利き活動(5)」
第48号(No.48) 2006/9/16 「左手で字を書くために(6)」
第49号(No.49) 2006/9/23 「<左利きプチ・アンケート>第33回
新版・利き手調査第1回―利き手テスト側性係数を調べる」
第50号(No.50)2006/9/30「左利き講座<左利きQ&A>(1)」
第51号(No.51) 2006/10/14「左手で字を書くために(7)」
第52号(No.52) 2006/10/21「私にとっての左利き活動(7)」
第53号(No.53) 2006/10/28「<左利きプチ・アンケート>第34回
あなたの父母は右利きor左利き?」
第54号(No.54) 2006/11/4「<左利きQ&A>左利きは遺伝ですか?」
第55号(No.55) 2006/11/11「左手で字を書くために(8)」
第56号(No.56) 2006/11/18「私にとっての左利き活動(7)」
第57号(No.57) 2006/11/25「<左利きプチ・アンケート>第35回
新版・利き手調査第2回―エディンバラ利き手調査」
第58号(No.58) 2006/12/2「<左利きQ&A>(3) 左利きは器用?」
第59号(No.59) 2006/12/9「左手で字を書くために(9)」
第60号(No.60) 2006/12/16「私にとっての左利き活動(8)」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
本誌では、「創刊600号突破記念―私が影響を受けた左利き研究家・活動家(2)第二期・紙の時代―その1」と題して、今回も全紹介です。

今回も「創刊600号突破記念」エッセイということで「私が影響を受けた左利き研究家・活動家」について二回目です。
予定では三期を三回でお話するはずでしたが、昔話が伸びてしまいました。
また次回も引き続き続編をお送りします。

第二期「左利きライフ研究家・紙の時代」は、1990-2000年(36-46歳)です。

本文でもふれていますように、生まれて初めての左手・左利き用品となる左手用カメラ京セラSAMURAI Z2-Lを手に入れて、「人間は自分の身体に合った道具を使うのが一番! 左利きは左利き用の道具を使うべきだ!」と実感し、左利き用品の重要性を当時私のまわりにいた数人の左利きの友人知人に伝えることを始めました。 

そんなときに出会ったのが、『モノ・マガジン』左利き特集号でした。
ここから私の左利きライフ研究家としての活動に拍車がかかりました。

そして、遂に紙の情報誌を出すことになり、現在につながっています。

 ・・・

年をとると昔話が増えてしまいます。
その点は反省ですが、今の時代の人に過去の出来事を伝えるのも年寄りの仕事だと思います。
要は、いかに正確に伝えるかだと思うのです。

きちんと根拠となる事実を列挙し、客観的に「歴史」を綴るように心掛けています。

 ・・・

これを機会に、本誌をご購読の上でお楽しみいただけると幸いです。
(ご登録・ご購読は無料です。ご登録をいただくと毎号メールで送られてきます。読み落としを避けることができます。読む読まないは自由ですし、いつでも好きなときにお読みいただけるので便利だと思います。不要の折には解除も自由です。)

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』

『レフティやすおのお茶でっせ』〈左利きメルマガ〉カテゴリ

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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
私が影響を受けた左利き研究家・活動家(2)第二期・紙の時代1(創刊600号突破記念)-週刊ヒッキイ第602号
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新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(2)新顔作家-「楽しい読書」第301号

2021-09-01 | 本・読書
古典から始める レフティやすおの楽しい読書
-301号【別冊 編集後記】

2021(令和3)年8月31日号(No.301)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(2)新顔作家」



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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2021(令和3)年8月31日号(No.301)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(2)新顔作家」
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 今年も毎夏恒例の新潮・角川・集英社の
 <夏の文庫>フェア2021から――。

新潮文庫の100冊 2021
https://100satsu.com/

角川文庫 カドフェス2021 | カドブン
https://kadobun.jp/special/kadofes/

集英社文庫 ナツイチ2021
http://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/
(よまにゃチャンネル)
http://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/yomanyachannel/

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ◆ 2021テーマ「準古典」+「新顔作家」 ◆
  新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(2)
  「新顔作家」から――集英社文庫
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

前号に引き続き、
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から」
の二回目。

2021(令和3)年7月31日号(No.299)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(1)準古典」

「お茶でっせ」2021.7.31
新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(1)
-「楽しい読書」第299号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/07/post-38536e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/872fb55a4a5a78d989b58cf7878bc188

昨年から読書量が減っていますので、一月ではこなせなくなっています。
前回は、新潮文庫と角川文庫でした。
今回は集英社文庫です。
「新顔作家」の中から行こうと思います。


(画像:新潮文庫の100冊 角川文庫カドフェス 集英社文庫ナツイチ 新潮・角川・集英社三社の夏の文庫フェア・パンフレット)


(画像:各パンフレットのそれぞれのページ:走れメロス さぶ 作家の秘められた人生)


(画像:それぞれの本の書影:さぶ 作家の秘められた人生 走れメロス(角川文庫版でなく手持ちの文春文庫版))


 ●集英社文庫から、ギヨーム・ミュッソ『作家の秘められた人生』

ギヨーム・ミュッソは、フランスのミステリ作家。
それもベストセラー作家だそうです。
2018年に『ブルックリンの少女』で日本初上陸、
2019年の『パリのアパルトマン』に続き、2020年の本書で紹介三作目。

『パリのアパルトマン』は、
昨年の「集英社文庫 ナツイチ2020」に選ばれていました。

それで、ミステリ好きの私としては、
今回この新作を取り上げてみることにしました。

もう一つの理由としては、作家にまつわるお話だということ。

ベストセラー作家の突然の断筆の理由とか、
作家志望の青年が前半の語り手として登場するなかで、
小説を書くうえでの作法であるとか、
作家としての心構え的な話題のやりとりがあり、
私の関心を呼ぶ部分があったことでしょうか。

各章の前に、作家たちの小説作法に関する名言や
人生に関する名言などが引用されています。

なるほどと頷くものもあれば、非常にシニカルなものがあったり、
面白い取り合わせです。

いくつか例を挙げてみれば――

 第1章 作家に求められる第一の資質
 《作家に求められる第一の資質、それは尻の皮が厚いこと。
    ダニー・ラフェリエール》

 第2章 書くことを習得する
 《物書きから見れば、競馬騎手の商売は安定したものだ。
    ジョン・スタインベック》

という皮肉なものや、

 第6章 作家の休暇
 《バカンス中の作家というものは存在しない。作家の人生とは、
  書いているか、そうでなければ、何を書こうか考えているからだ。
    ウジェーヌ・イヨネスコ》

 第11章 夜はかくのごとし
 《「良い小説とは何か?」/
  「読者の愛情と共感を呼び起こすような登場人物を考え出す。
  それから彼らを殺す。それにより読者を傷つけるのだ。
  こうすれば、読者はあなたの小説をいつまでも記憶に留めるだろう」
    ジョン・アーヴィング》

作家としての心構えや
小説作法の真髄のような事柄について書いています。


 ●ストーリー

ベストセラー作家フォウルズが突如断筆して、
南仏・地中海の島に隠棲して20年――。

作家志望の青年「ぼく」ラファエルは、島の本屋に店員で住み込み、
一切外部の人とかかわらない生活を続けているフォウルズに
自分の原稿を見てもらおうと出かけていく。

さらに新聞記者マティルドは、ある決意を胸にフォウルズに接近する。

そのとき、浜辺で女性の惨殺死体が見つかり、島は封鎖される──。

マティルドは、ある偶然で手に入れたカメラの画像から、
自分の両親や弟を殺した犯人としてフォウルズに復讐しようとする。

フォウルズの断筆の理由とは、
実は愛する女性を殺されたことに起因すると判明する。


 ●作品としては?

真相は、とてもスゴイ内容です。

そして、よく考えられたストーリーです。
ミステリとしては面白いものです。


ただ展開としてこれはいいのか、と思うような構成になっています。
この辺はどうなのでしょうか。

面白い内容なので、読んで損はないものです。

とくに、小説を書きたいとか、書いてみようと思う人は、
ぜひ読んでみるべきものです。

しかも一回通して読むだけでなく、
何度も読み返して、構成や展開を確認してみると勉強になるでしょう。


 ●小説家志望者に役に立つ助言あれこれ

最後に私が気になった小説家や
小説作法についての名台詞を引用しておきましょう。

p.141
 《「小説というのは感動であって知性ではない。
  しかし感動を生むためには、まず体験をしてなければならない。
  小説の登場人物の感動を具体的に感じてみる必要がある。
  それは主人公から悪役まで、
  きみの作品の登場人物の[全員](原文傍点)に関わる話だ」
  (中略)
  「とにかく、小説を読むときはそれを期待するね、
  [わたしは](原文傍点)」》

p.142
 《「小説家、これはパートタイムの仕事じゃない。
  きみがもし小説家なら、毎日二十四時間ぶっ通しで小説家なんだ。
  けっしてバカンスなど取れない。
  ある考え、ある表現、登場人物の造形を豊かにするような特徴が、
  頭のなかをよぎるのを絶えず警戒し、
  絶えず待ち伏せしていなければならない」》

p.47
 《だれもきみに書くことを[教えられない](原文傍点)。
  それは自分ひとりで習得するものなんだ」》

などなど。

なかなか有効な助言になっているように思います。
改めて、小説家を目指す人は、読むべき一冊でしょう。


*集英社文庫 ナツイチ2021 から

『作家の秘められた人生』ギヨーム・ミュッソ/著 吉田 恒雄/訳
集英社文庫 2020/9/18
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 ★創刊300号への道のり

2009(平成21)年

13
2009(平成21)年1月号(No.13)-090131-
『失われた世界』英雄的行為としての秘境探検
14
2009(平成21)年2月号(No.14)-090228-
『学問のすゝめ』新時代の国民教科書
15
2009(平成21)年3月号(No.15)-090331-
『地底旅行』ジュール・ヴェルヌ<驚異の旅>
16
2009(平成21)年4月号(No.16)-090430-
私の読書論―その1―読書の三種類
17
2009(平成21)年5月15号(No.17)-090515-
私の読書論―その2―読書の三種類(続)
18
2009(平成21)年5月31日号(No.18)-090531-
『自助論』=『西国立志編』元祖自己啓発書
19
2009(平成21)年6月15日号(No.19)-090615-
私の読書論―その3―読書の三種類(続)
20
2009(平成21)年6月30日号(No.20)-090630-
『怪談』ラフカディオ・ハーン/小泉八雲
21
2009(平成21)年7月15日号(No.21)-090715-
私の読書論―その4―読書の三種類(続)
22
2009(平成21)年7月31日号(No.22)-090731-
『十五少年漂流記』夏の文庫100冊から
23
2009(平成21)年8月15日号(No.23)-090815-
私の読書論―その5―読書のイロハ(1)なぜ読書が必要か
24
2009(平成21)年8月31日号(No.24)-090831-
『武士道』新渡戸稲造・太平洋の橋
25
2009(平成21)年8月15日号(No.25)-090915-
私の読書論―その6―読書のイロハ(2)なぜ読書?
26
2009(平成21)年9月30日号(No.26)-090930-
『白い牙』ジャック・ロンドン―犬と狼と人と

091115号外「ひと月お休みのお詫びと再開へのご挨拶」
27
2009(平成21)年11月30日号(No.27)-091130-
私の読書論-7-<特別編>自分のライブラリーを持とう
28
2009(平成21)年12月15号(No.28)-091215-
私の読書論-8-年齢の数ぐらいのオススメ本を持とう
29
2009(平成21)年12月31号(No.29)-091231-
『代表的日本人』内村鑑三―I for Japan


休まず発行し続けていた印象があったのですが、休んでいましたね。
このころは最初に買ったノートパソコンが故障がちになった頃でした。
8年もったのですが、ダメになりました。

また、二年目から月末だけでなく、月のなかば(15日)に
「私の読書論」を紹介する号を発行することにしました。

古典の名作名著を紹介するだけでなく、
読書習慣のある人を育てたいという気持ちがあり、
従来紹介されてきた読書法や読書術というものでは不十分であり、
間違った部分もあるという不満もあり、
自分なりの方法を紹介したいと思うようになった、というのが理由です。

月末の「古典紹介」編では、
主に海外と国内の<明治期>の作品を交互に紹介しました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(2)新顔作家」と題して、前回ふれることができなかった集英社文庫からの一冊を!

今年選んだ私の3冊から前回は、角川文庫『走れメロス』から太宰治「走れメロス」、新潮文庫から山本周五郎『さぶ』を紹介しました。
今回は、集英社文庫ナツイチ2021からギヨーム・ミュッソ『作家の秘められた人生』というフランス・ミステリのベストセラーを。

今回もまたまたまたの大サービスで、全編転載公開しています。

この「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア」シリーズでミステリ、なかでも海外ミステリを取り上げるのは、初めてです。

ミステリといいましても、小説家志望の青年が憧れの小説家を訪問し、小説家としての姿勢や小説作法について対話するというストーリーでもあり、別の意味での読みどころがありました。

「古今東西の古典を中心に読書の面白さを紹介する」という弊誌のテーマからもあまり外れていない作品でした。


今年のテーマは、「準古典」と「新顔作家」ということで、「準古典」では、将来古典や名作に昇格しそうな作品を選んでいます。
「新顔作家」については、今後の自分の読者の範囲を拡げることにつながりそうな、自分好みの作家になりそうか、もしくは読んでおくべき作家となりそうな人を探すというものです。

加齢と共に、読書の範囲が狭くなってゆくものです。
好みの作家が亡くなったり、本を出さなくなったり、好みの傾向の作品が手に入りづらくなったりといったことがあります。

例えば、昨今は海外の翻訳物が今は冬の時代となり、今まで出ていたシリーズものの紹介が途切れたり、ある作家の作品が出なくなったりということが起きてきます。

そこで読む本の範囲が狭くなってきたわけで、改めて(自分にとっての)新しい作家を探そうという企画です。

そういう観点からも、まずは面白そうな作品を紹介できたと納得しています。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ

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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2021から(2)新顔作家-「楽しい読書」第301号
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