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レフティやすおの新しい生活を始めよう!

50歳からが人生の第二段階、中年の始まりです。より良き老後のために良き習慣を身に付けて新しい生活を始めましょう。

中国の古典編―漢詩を読んでみよう(33)陶淵明(10)「乞食」-楽しい読書387号

2025-05-04 | 本・読書
古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)
【最新号】


2025(令和7)年4月30日号(vol.18 no.7/No.387)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(33)陶淵明(10)
詩風の変化を見る(2)「乞食」」



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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2025(令和7)年4月30日号(vol.18 no.7/No.387)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(33)陶淵明(10)
詩風の変化を見る(2)「乞食」」
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 「中国の古典編―漢詩を読んでみよう」陶淵明の10回目です。

 いよいよ陶淵明編もゴール間近というところでしょうか。
 
 今回は、『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
 「九、達観を目指して――陶淵明の世界」より
 詩風の変化について、晩年の三首目「乞食」の詩を読んでみます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◆ 折にふれて ◆

 中国の古典編―漢詩を読んでみよう(33)

  ~ 陶淵明(10) ~ 詩風の変化を見る(2)
 
  「乞食」=「食を乞ふ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今回の参考文献――

『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
 江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20
「九、達観を目指して――陶淵明の世界」より


 ●「食を乞ふ」

亡くなる前年、六十二歳の作といわれる詩で、
最晩年に到達した境地がみえる……。

《文字通りに読むととんでもない詩》で、貧乏で空腹に耐えられず、
見知らぬ家の門を叩き、そこの主人から恵んでもらい、
その主人と意気投合して酒まで飲み、作った詩だと。

現実には、陶淵明さんは、最後まで家族や使用人と荘園で暮らし、
これはフィクションだろう、といわれているそうです。

一方で、「食を乞う」とは、官職を求めたことへの例え、
という説もあるようです。
これも、官職に復帰していないので、いかがなものか、
と宇野さんの解説です。

 ・・・

乞食  食(しよく)を乞(こ)ふ  陶淵明 

飢来駆我去  飢(う)ゑ来(きた)つて我を駆(か)り去(さ)り
不知竟何之  知(し)らず 竟(つい)に何(いづ)くにか之(ゆ)く
行行至斯里  行(ゆ)き行(ゆ)きて斯(こ)の里(さと)に至(いた)り
叩門拙言辞  門(もん)を叩(たた)いて言辞(げんじ)拙(せつ)なり

 空腹が募って私を追い立てる
 いったいどこへ行くというのか
 ずいぶん遠くまで歩いてこの村里に到着し
 或るお宅の門をたたいたが、言葉がうまく出て来ない


「知らず」は、《疑問符の上について「いったいぜんたい」と
疑問を協調する副詞》。
「行き行きて」は《“どこまでもどこまでも歩いた”という雰囲気》。
「食べ物をください」とは言い出せなかった。


主人解余意  主人(しゆじん) 余(よ)が意(い)を解(かい)し
遺贈豈虚来  遺贈(いぞう)あり
        豈(あに) 虚(むな)しく来(きた)らんや
談諧終日夕  談(だん)諧(かな)うて日夕(につせき)を終(お)へ
觴至輒傾杯  觴(しょう)至(いた)れば
        輒(すなは)ち杯(さかづき)を傾(かたむ)く

 この家の主人は私の気持ちをわかって下さり
 贈り物を下さったので、私は無駄に来たことにはならなかった
 私たちは話が合い、夕方の時間帯を過ごしてしまい、
 さらに酒が出て来たので、さっそく杯を傾けることとなった


「遺」「贈」も“物を授ける、贈る”の意味。
「豈」は否定詞の「不」に置き換えるとわかりやすく、
「虚しく来たのではない、ちゃんと収穫はあった」という意味に。
「輒ち」は、“さっそく”の意味。


情欣新知歓  情(こころ)に新知(しんち)の歓(かん)を欣(よろこ)び
言詠遂賦詩  言詠(げんえい)して遂(つひ)に詩(し)を賦(ふ)す
感子漂母恵  子(し)が漂母(ひようぼ)の恵(めぐ)みに感(かん)じ
愧我非韓才  我(わ)が韓才(かんさい)に非(あら)ざるを愧(は)づ

 私は心中、新しい親友が出来た喜びをうれしく思い
 語り合い、歌を歌い、そして詩を作った
 ご主人様、いにしえの洗濯婆さんのようなあなたのお恵みに、
 私は心を打たれました
 しかしこの私は、韓信のような才能ある人物ではない、
 それが恥ずかしい


次の四句は、お酒が入って興に乗り、詩を作って感謝する展開。
「言詠」の二字で“歌をくちずさむ”。
「子」は二人称で“あなた”。「漂母」は《秦末に劉邦に仕え、
漢王朝を建てるのに功績のあった韓信の故事》だそうです。
彼が若い頃、食うのにも困っていたとき、ご馳走してくれた婆さんに、
出世した後に恩返しをした、という。


銜戢知何謝  銜戢(かんしゆう)して
        知(し)る 何(なに)をか謝(しや)せん
冥報以相貽  冥報(めいほう) 以(もつ)て相(あひ)貽(おく)らん

 今はこのまま黙ってご恩を胸におさめておいて、
  さていったい、どのようにお礼をしましょうか
 後の世のご恩返しによってあなたに報いることにしましょう


最後の二句は、“しょうがないからお礼は来世にします”と、
居直った感じだ、といいます。
「銜収」は、「銜」は“黙って胸におさめる”、
「戢」は“おさめておく”。
「知る」も疑問視の上に置いて、疑問を強調。


 ●『漢詩を読む 1』宇野直人さんの解説

 《実体験ではなく、“こうあったらいいなあ”という願望や理想を、
  イメージ優先で書いたのではないでしょうか。》p.398
といい、
 《彼の詩はだいたい全生涯を通して、そのときどきの願望やイメージに
  のっとって作られたフシがあります。》同

すなわち、陶淵明さん=「私小説作家」という捉え方が生きてくる、
といいます。
陶淵明さんは、私小説の主人公になって、酒を飲みながらフィクションを
書いて楽しんでいたのかも、というのが、宇野さんの解説です。

最晩年に至るまで、陶淵明さんは、《何か愛に飢えていたのかな》p.399。
広い意味で不満があった。

この詩のはじめの四句――ふらふら歩いて行くうちに、理想的な村里に
出くわした――は「桃花源記」と同じだといいます。

 《陶淵明は異郷譚の形を詩に取りこんで、願望を述べたことになるで
  しょう。》p.399

前回からここまでに読んだ三つの詩について、
最後の二句が似たニュアンスを持っている――

 《陶淵明の詩は、ちょっと投げやりな、どうでもいいような表現が案外
  多いんです。こだわりがなくさっぱりしているとも言えますが、
  実は彼は農村生活の中で、やはり何か、求めて得られない虚しさが
  ずっと胸の中にあったんじゃないでしょうか。ちょっと痛々しい
  ような気もします。》p.399


*参照:「桃花源記」

2024(令和6)年9月30日号(vol.17 no.17/No.374)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(30)陶淵明(7)空想の世界で
「読山海経十三首」「桃花源記」」

『レフティやすおのお茶でっせ』2024.9.30
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(30)陶淵明(7)空想の世界で
-楽しい読書374号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/09/post-0b7f46.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/078ba7fdddff1f49484822cdd3073d33


 ●林田慎之介訳注『陶淵明全詩文集』の解説

次に林田慎之介さんの解説を引用しましょう。

 《 陶淵明詩集で気になる一篇の詩がある。「乞食」と題する五言古詩
  である。(略)古今東西、どんな詩人でも乞食を主題とする詩は
  残していない。(略)》p.572

 《「乞食」は時に飢えと寒さにさらされることがあったと歌っている
  陶淵明自身の投影であったにちがいない。自分の乞食している
  想像上の姿でなければ、一篇の詩に書きのこす必要はなかったで
  あろう。「乞食」の詩を自分の日常詩としてどうしてものこして
  おきたいというのが、淵明の考えだったとみることの方が自然で
  ある。/「桃花源記」には人里と隔絶された桃源郷が描かれている。
  そこには平和で豊かな農村と農民の暮らしがある。時代を超え、
  時間の存在さえ忘れて暮らしを楽しんでいる農民たちの農村生活
  そのものが、陶淵明にとって桃源郷であったのだ。「乞食」の詩と
  併せ読むと、陶淵明が「桃花源記」を描かねばならぬ必然性が
  見えてくるであろう。》p.573

  『陶淵明 全詩文集』林田慎之助/訳注 ちくま学芸文庫 2022/1/8


 ●陶淵明さんの詩

陶淵明さんは、このように私小説家のごとく、日常の生活の中から、
自分の思いを詩に書き残したのでしょう。
何かしら満たされない日々の思い、愁いなどを、時に空想に遊びながら、
詩に書き、酒を飲んで紛らわそうとしたのかも知れません。

そういうところが、現代人にも受けるところなのでしょうか。

いよいよ本書『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』の
陶淵明の章もおしまいに近づいてきました。

次回は、隠居生活を始めた直後の意気盛んな頃の「帰去来の辞」を
紹介します。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(33)陶淵明(10)詩風の変化を見る(2)「乞食」」と題して、今回も全文転載紹介です。

本文中にも書いていますが、陶淵明編もいよいよ終わりに近づいてきました。

今回は少し短い一本になっていますが、陶淵明最終ラウンドは、長めの詩を扱うので、一回では納まりきらないようです。
今しばらく続くかも……。

 ・・・

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『レフティやすおのお茶でっせ』
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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(33)陶淵明(10)「乞食」-楽しい読書387号
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私の読書論195-<町の本屋>論(9)『町の本屋は~』(飯田一史)より-レフティやすおの楽しい読書386号

2025-04-20 | 本・読書
古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)
【最新号・告知】


2025(令和7)年4月15日号(vol.18 no.6/No.386)
「私の読書論195-<町の本屋>論(9)
『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』まえがき(飯田一史)より」



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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2025(令和7)年4月15日号(vol.18 no.6/No.386)
「私の読書論195-<町の本屋>論(9)
『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』まえがき(飯田一史)より」
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 昨年9月から散発的に綴ってきました、本屋さん減少を嘆く
 <元本屋の兄ちゃん>による<町の本屋>論の9回目となります。

【過去8回の<私の「町の本屋」論>】

(1)2023(令和5)年9月15日号(No.350)
「私の読書論174-消えゆく書店と紙の本」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.9.15
私の読書論174-消えゆく書店と紙の本-楽しい読書350号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/09/post-f7ab5e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/a65f07da56cc868147fbd49d01c3c4bf

(2)2023(令和5)年10月15日号(No.352)
「私の読書論175-出版業界―または本と本屋のこと」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.10.15
私の読書論175-出版業界―または本と本屋のこと-楽しい読書352号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/10/post-d8d8ec.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7b9a38985fcfd574650e4c54eba355c1

(3)2023(令和5)年11月15日号(No.354)
「私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.11.15
私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと
-楽しい読書354号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/11/post-7462e0.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d498bde194e54d8e97a5d018d683f607

(4)2023(令和5)年12月15日号(No.356)
「私の読書論177-個性的な本屋の作り方を学ぶ
―『美しい本屋さんの間取り』から」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.12.15
私の読書論177-個性的な本屋の作り方を学ぶ―
『美しい本屋さんの間取り』-楽しい読書356号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/12/post-bf19e5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/79bec3e02805048065d5ea41387e2c55

(参考書)
『美しい本屋さんの間取り』エクスナレッジ X-Knowledge 2022/12/29


(5)2024(令和6)年5月15日号(vol.17 no.5/No.366)
「私の読書論184-がんばれ!町の本屋さん」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.5.15
私の読書論184-がんばれ!町の本屋さん-楽しい読書366号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/05/post-5a5bc2.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/8a1d7f9a2989edbd174487963269b52b

(6)2024(令和6)年9月15日号(vol.17 no.16/No.373)
「私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.9.15
私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より-楽しい読書373号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/09/post-4d9a04.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7555773c70cfe4846b3dc367dbf5493c

(7)2024(令和6)年11月15日号(vol.17 no.20/No.377)
「私の読書論190-<町の本屋>論(7)産経新聞記事10/27朝刊記事
「書店が消えない処方箋」より」
【最新号・告知】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.11.15
レフティやすおの楽しい読書377号-告知-
私の読書論190-<町の本屋>論(7)産経新聞10/27朝刊記事より
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/11/post-6b5805.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/22c8bc62482c03566e741b6b67100f12

(参考書)
『2028年 街から書店が消える日 ~本屋再生!識者30人からの
メッセージ~』小島俊一/著 プレジデント社 2024/5/22


(8)2024(令和6)年12月15日号(vol.17 no.22/No.379)
「私の読書論191-<町の本屋>論(8)産経新聞記事11/9産経WEST
「消えてゆく本屋さん~」より」
【最新号・告知】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.12.15
レフティやすおの楽しい読書379号-告知-私の読書論191-
<町の本屋>論(8)産経新聞記事11/9産経WESTより
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/12/post-16f0d8.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/0bbde416e34436d0ef75c6e041731d82


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 - 私の読書論195 -

  ~ がんばれ!町の本屋さん <私の「町の本屋」論>9 ~

  『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』まえがき(飯田一史)より

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

4月17日発売予定の本
『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか 知られざる戦後書店抗争史』
 飯田 一史/著 平凡社新書


の「まえがき」の「web版」が公開されています。

今回はこれをネタに書いて見ましょう。

 ・・・

『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』まえがき(飯田一史)
https://note.com/ichiiida/n/n7dd7ed834dd1?sub_rt=share_pb

2025年3月28日 06:10
飯田一史


 ●『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』の概要

まずは、この本の概要を紹介しましょう。

《概要》
かつて本屋は「帰り道にふらっと寄る」場所だった。
だが、いつのまにか町から本屋の姿はなくなり、
「わざわざ行く」場所になってしまっている。
いったいいつから、どのようにして、本屋は消えていったのか?
本書では、出版社・取次・書店をめぐる取引関係、定価販売といった
出版流通の基本構造を整理した上で、戦後の書店が歩んだ闘争の歴史を
テーマごとにたどる。
公正取引委員会との攻防、郊外型複合書店からモール内大型書店への
移り変わり、鉄道会社系書店の登場、図書館での新刊書籍の貸出、
ネット書店の台頭――。
膨大なデータの分析からは、書店が直面してきた苦境と、
それに抗い続けた闘争の歴史が見えてくる。
「書店がつぶれていく」という問題の根幹を明らかにする一冊。

《目次》
まえがき
第一章 日本の新刊書店のビジネスモデル
 コラム1 本屋の動向と読書の動向は必ずしも一致しない
第二章 日本の出版流通の特徴
 コラム2 書店の注文・取引方法あれこれ
第三章 闘争する「町の本屋」――運賃負担・正味・新規参入者との戦い
 コラム3 見計らいの重視、予約と客注の軽視
第四章 本の定価販売をめぐる公正取引委員会との攻防
 コラム4 返品条件付販売への切り替えはいつ起こり、
  いつ委託ではないと認識されたのか
第五章 外商(外売)
 コラム5 取次からの請求への書店の入金率の変化と返品入帳問題
第六章 兼業書店
 コラム6 信認金制度
第七章 スタンドと鉄道会社系書店
 コラム7 出版物のPOSの精度を高めるのはなぜむずかしいのか
第八章 コンビニエンス・ストア
 コラム8 書籍の客注と新刊予約注文の歴史
第九章 書店の多店舗化・大型化
 コラム9 共同倉庫構想の挫折史
第十章 図書館、TRC(図書館流通センター)
 コラム10「送料無料」と景表法規制
第十一章 ネット書店
 コラム11 2020年代の「指定配本」の増加
終章
あとがき


新書版ながら、350ページ超というかなりゴツい本で、
出版業界における新刊書店の立場や、環境の変化や、
その衰退の歴史を追った本のようです。

元(町の)本屋の兄ちゃんとしては、気になる本です。


 ●私が「本屋の兄ちゃん」時代にやったこと

私が町の本屋さんで働いていたのは、1980年代の前半ぐらいでした。
もう40年近くになります。

しかし、その頃からすでに町の本屋の売り上げは、
いいお店でも前年並み。
たいていのお店は5%程度のダウンだったかと思います。

コンビニでの雑誌やコミック・文庫の販売が始まり、
また郊外型の大型書店やビデオ店と併存の書店が開業するようになり、
そういう従来とは異なるタイプの販売店が出てきたのです。

そのため既存の新刊書店、従来型のパパママストア的な町の本屋は、
非常に苦しい状況が始まったのでした。

その中で私がやっていたことは、
複数の高校の最寄り駅の駅前書店という文教地区の立地でしたので、
高校生のお客様も多く、学校の休みの時期を考慮して、
若向けの雑誌の入荷数の定期改正を行ったり、
オリジナルのフェアを3カ月程度の期間であの手この手と企画したり、
3年間とはいえ、高校生客を「育てる」ような姿勢でやっていました。

また、ライバル店がスーパー内にあり、うちは昼間の販売が弱い店で、
お子様向けや婦人客向けも限られた条件の中で、
特色を出すように工夫したものでした。


 ●『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』まえがき

まえがきの概要を――。

冒頭、今では本屋さんは「本好きが、わざわざ行く」場所になっている、
といいます。
昔は多くの人が毎日のように訪れていた場所だったのに。

なぜこうなったのか。

《戦後の新刊書店のうつりかわりをまとめた》本がないので、
日本の本屋さんのたどってきた道が分からない。
そこで、
 《本書で掘り下げたいのは「普通の書店」の商売はどのように
  成立し、変わり、また、どんな背景から競争に敗れ消えてきたのか》
について見ていこうといいます。

 《本書では「町の本屋」と書くときには中小規模の、
  多くは大規模チェーン展開をしていない、地元資本の書店を指す。》

一般的な「町の本屋」さんについての本だということですね。

そこで「書店経営」視点から、書店ビジネスの構造や時代の変化を描く。

 《理解しやすくするために、時系列順 (編年体) での記述ではなく、
  テーマ別に「町の本屋」とそれ以外のさまざまな勢力との攻防を軸に
  各章を分けた。》


 ●書店の実状と利益率の低さ

 ●なぜ欧米諸外国とは違い、日本では本の売り上げが減ったのか

 ●書店を取り巻く競争環境

 ●本書のタイトルについて

 ●書店業界の二つの面

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「私の読書論195-<町の本屋>論(9)
『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』まえがき(飯田一史)より」
と題して、今回は冒頭と見出しのみの紹介です。

内容がweb版の「まえがき」の概要説明ですので、そちらを見ていただければ、ということですね。
今回は、特に私自身の考えや経験などを書いているというほどではありませんので。

 ・・・

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私の読書論195-<町の本屋>論(9)『町の本屋は~』(飯田一史)より-レフティやすおの楽しい読書386号
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中国の古典編―漢詩を読んでみよう(32)陶淵明(9)「子を責む」他-楽しい読書385号

2025-04-02 | 本・読書
古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)
【最新号】


2025(令和7)年3月31日号(vol.18 no.5/No.384)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(32)陶淵明(9)
詩風の変化を見る(1)「子を責む」他」



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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2025(令和7)年3月31日号(vol.18 no.5/No.384)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(32)陶淵明(9)
詩風の変化を見る(1)「子を責む」他」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 昨年10月末以来の「中国の古典編―漢詩を読んでみよう」です。

2024(令和6)年10月31日号(vol.17 no.19/No.376)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(31)陶淵明(8)村人たちと
「飲酒二十首」其の十四、其の九」

『レフティやすおのお茶でっせ』2024.10.31 
レフティやすおの楽しい読書376号-告知-
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(31)陶淵明(8)村人たちと
「飲酒二十首」
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/10/post-dd55d8.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/28a764aef4d8bdd85e7c3f0bbf475ac5


 引き続き、陶淵明の9回目です。

 いよいよ陶淵明編もゴール間近というところでしょうか。
 
 今回は、『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
 「九、達観を目指して――陶淵明の世界」より
 <折にふれて>の詩を読んでみます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◆ 折にふれて ◆

 中国の古典編―漢詩を読んでみよう(32)

  ~ 陶淵明(9) ~ 詩風の変化を見る(1)
 
  「子を責む」「諸人と共に周家の墓の柏の下に游ぶ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今回の参考文献――

『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
 江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20
「九、達観を目指して――陶淵明の世界」より


 ●「子を責む」

陶淵明さんが41歳で官職を辞めてから亡くなるまでの約20年間の、
詩風の変化を10年おきに瞥見できる三首を見てゆきます。

「子(こ)を責(せ)む」とは、“求める、要求する”の意で、
「子供たちを励ます」という題名です。

《四十四歳頃、田園生活の実態が分かってきたあたりの作品》です。

《“そろそろ老いの兆しがあるが、肝心の子どもたちはちゃんと
 育ってくれるだろうか”という感慨を抱きます。》

というのが、宇野直人さんの解説です。

 ・・・

責子  子(こ)を責(せ)む  陶淵明

白髪被両鬢   白髪(はくはつ) 両鬢(りょうびん)を被(おほ)ひ
肌膚不復実   肌膚(きふ) 復(ま)た実(み)たず
雖有五男児   五男児(ごだんじ)有(あ)りと雖(いへど)も
総不好紙筆   総(すべ)て紙筆(しひつ)を好(この)まず

 私はこの頃、白髪が左右の鬢にかぶさり、
 体の皮膚ももはや、はりがなくなって来た
 五人の息子を授かったとは言うものの、
 そろいもそろって紙や筆を好まない

「両鬢」は左右両側の耳際の髪で、これが白髪となり、
《充実感がなくなった》。
五人の子供たちは皆、勉強が嫌いなんだ、と。

以下、《五人の息子たちの一人ひとり寸評を加えるという
 おもしろい作り方》だといいます。


阿舒已二八   阿舒(あじょ)は已(すで)に二八(にはち)なるに
懶惰故無匹   懶惰(らんだ) 故(もと)より匹(たぐ)ひ無(な)し
阿宣行志学   阿宣(あせん)は行(ゆ)くゆく志学(しがく)にして
而不愛文術   而(しか)も文術(ぶんじゆつ)を愛(あい)せず

 舒ちゃんはもう十六にもなったのに、
 その怠け者のことといったらまったく比類がない
 宣ちゃんはもうすぐ志学の年になるのに、
 詩や文章の作り方に全然身が入らない


「阿」は名前の上につける愛称。舒は長男。
「懶惰」は“ものうい、ものぐさ、面倒がり”
宣は次男。「志学」は十五歳のこと。
『論語』「為政第二」にある「十五歳で学門に志した」という思い出話。


雍端年十三   雍端(ようたん)は年(とし)十三(じゆうさん)にして
不識六与七   六(ろく)と七(しち)とを識(し)らず
通子垂九齢   通子(つうし)は九齢(きゆうれい)に
         垂(なんなん)とするも
但覓梨与栗   但(ただ) 梨(なし)と栗(くり)を覓(もとむ)るのみ

 雍と端は年十三、
 ところが六と七とで自身の年齢の十三になることもわからない
 末っ子の通坊は九つになろうとするのに、
 梨だ、栗だ、芋だと食べ物をねだるばかり 


次に三男と四男、この二人は双子という説もあるそうです。
「六と七の区別もつかない」とも解釈できるのですが、
本当だとすると、どちらもちょっと困りもの。
「通子」の「子」も愛称。「通坊」とでも訳しておきます、と宇野さん。
知性が感じられない。


天運苟如此   天運(てんうん) 苟(いやし)くも此(かく)の
         如(ごと)くんば
且進杯中物   且(しばら)く杯中(はいちゆう)の物(もの)を
         進(すす)めん

 これが自分に与えられた天命なら、くよくよするのをやめて
 まあまあ、杯の酒を飲み続けることにしようや

 
「天運」は天が私に下された運命、
「苟くも」は“もしそういうことなら”と仮定を示す。
「且く」は、“まあ、とりあえず”と差し当たりのことを述べる。


 ●宇野さんの解説

宇野さんは、西晋の左思の子供を歌った詩を念頭にこれを読みますと、
左思の詩が子供のことを微に入り細を穿つように描いているのに対して、
陶淵明さんは、
《離れたところからかいつまんでまとめた感じ》で、
自分は遠くに居て、子供たちの寸評を書いている。

《出だしの二句も結びの二句も自分のことで、
 それがサンドイッチのように
 子どもたちへの批評を包み込んでいます。》

子供への愛情よりも自分のことを優先している、と宇野さん。
考えれば今までも、陶淵明さんは、自分のことを歌ってきた、と。

「私小説」というのが、陶淵明の詩を読むときの、
一つのキーワードだと言います。

左思の時代は、神童をがもてはやされる風潮があった。
陶淵明も無意識に神童と比べてわが子を見る視点があったのでしょう、
といい、

《いっそう露悪的、偽悪的に、貴族社会があまりに神童を持ち上げる
 ことに反発して、わざと我が子をダシに、“子どもというのは
 そんなものじゃないだろう”と言いたい気持ちが彼の中にあった
 ような気がします。》

そういう意味では社会的視点といえるかも、と。


 ●林田慎之介訳注『陶淵明全詩文集』の解説――

『陶淵明全詩文集』の林田慎之介さんの解説によりますと――

《陶淵明がごくありふれた日常性を描いて、秀逸な一篇の詩に
 昇華させたものに、自分の五人の子らの特徴をとらえて歌い込んだ
 「責子」がある。》p.573
《五人のわが子の特徴をみごとにおさえて、あしざまに歌い込んでいく
 が、そこに父親としての慈愛がそこはかとなくただよっていて
 愛すべき作品となっている。陶淵明の父親らしい独自のひねりが
 きいていて、それがユーモラスな笑いにつながっている。ここでは
 日常の何でもない光景を一篇の詩にうつしとる詩才が見事に発揮
 されている。》p.574
  『陶淵明 全詩文集』林田慎之助/訳注 ちくま学芸文庫 2022/1/8


他の解説も読んでみますと、勉強嫌いでどうにもならない子供たちだ、
と嘆きながら、その実、父親としての慈愛が漂っている、
という見方が多いようです。

いかにも自分の子だ、これも天命とあきらめて酒でも飲むとしよう、と。


 ●興膳宏『陶淵明』の解説

昨年12月に講談社学術文庫から出版された

『陶淵明』興膳 宏(こうぜん ひろし)/著 講談社学術文庫 2024/12/12


(原本は、1998年に『風呂で読む陶淵明』として世界思想社より刊行)

の解説を読んでみますと――

《五人の息子たちの出来の悪さを嘆いたユーモラスな詩。(略)
 いつの世でも、親の目からすれば、なかなか期待通りにならない
 子どもに対して、ついぼやきの一つも出ようというものだが、
 それを文学にまで昇華させた作品は、この詩が初めてにちがいない。
 子どもの不出来を嘆く父親自身も、同時に戯画化されているのが
 おもしろい。》pp.43-44
  「第1章 帰ってきた陶淵明」<子を責む>

ここでも、子供たちの出来の悪さを「ユーモラス」に描いた、
という評価のようです。
そして、自分自身も戯画化している、と。


 ●陶淵明さんの日常詩

老いの兆しを感じ、自分の子供たちがどのように育ってくれるのか、
気になるという陶淵明さんの詩のようです。

ただ、自分の子供というものをどう評価するか、
という問題も難しいものだと思います。

特に詩に残すとなりますと、
褒めすぎるのも親馬鹿で、かといってあまりに厳しい評価では、
そういうおまえはどうなんだ、と逆襲されるかもしれません。

日常的な詩とすれば、最終的にはこのような――くさしながら、
それもまたおれの子なんだから、仕方ないよね、とこれも天命
としておき、そして、ここのところは酒でも飲んで、と締める――
そういう形になるのかもしれません。


 ●「諸人と共に周家の墓の柏の下に游ぶ」

次は、隠居生活の中間地点という、54歳頃の作。
天気のいい日、墓場で宴会をしたときの詩。

清明節――春分の日のあと十五日目、4月の5、6日頃、
お墓参りのあとみんなでピクニックなどを楽しむ習慣があった、
といいます。
《題名にある周家のお墓にお参りをして、その後の精進落としで
 発表された詩じゃないでしょうか。
墓場での宴会のせいか、生と死が不思議なかたちで融合しています。》

陶淵明さんの曾祖父が周訪(しゅうほう)という人と親しくしていた
そうで、その後、家族ぐるみでおつき合いをしていたそうです。

 ・・・

諸人共游周家墓柏下
  諸人と共に周家の墓の柏の下に游(あそ)ぶ  陶淵明
 
今日天気佳  今日(こんにち) 天気(てんき)佳(よ)し
清吹与鳴弾  清吹(せいすい)と 鳴弾(めいだん)と
感彼柏下人  彼(か)の柏下(はくか)の人(ひと)に感じては
安得不為歓  安(いづく)んぞ歓(かん)を為(な)さざるを得(え)ん

 今日は天気がよい
 澄んだ笛の音とことの調べがひときわ冴えわたる
 そこの柏の木の下に眠る人のことに心を打たれ
 この場でどうして楽しみを尽くさずにいられようか


「柏(はく)」は、ヒノキの類でお墓に植える常緑樹。
いつも緑なので、亡くなった人の末永き冥福を祈る、というところか。
「楽しみを尽くさずにいられようか」は、

《“自分たちもお墓の中の人のように
 いつかは死ぬのだからせめて今楽しもう”
“亡くなった人を慰め、安心してもらえるよう、
 われわれみんなで楽しもう”》

の二つの意味がある、と宇野さんの解説。


清歌散新声  清歌(せいか) 新声(しんせい)散(さん)じ
緑酒開芳顏  緑酒(りよくしゆ) 芳顏(ほうがん)開(ひら)く
未知明日事  未(いま)だ知(し)らず 明日(みようにち)の事(こと)
余襟良以殫  余(よ)が襟(むね)は良(まこと)に以(すで)に殫(つ)きたり

 清らかな歌声に乗って、新しい音楽が響く
 緑色のうま酒はみんなの顔をほころばせてくれる
 明日の事はわからないけれど
 今のところはまったく思い残すことがなくなった


《“われわれが楽しめばお墓の中の人も楽しむ”》
という発想があるそうです。

基本は社交の詩、でも最後の二句には、無常観が顔を出している、と。

《“われわれも明日は元気でなくなるかも知れないけれど、
 今日のところはまあいいや”》

官職を辞めて、農耕生活はうまくいかず、隠者にもなりきれず、
不安定な日々――そういう生活から、こういう最後の無常感が表れた
のかも? という宇野さんの解説です。


他の解説などでは、陶淵明さんの楽観的な部分をみているようなものが
多いように思います。

「子を責む」のラストでも、

《これが自分に与えられた天命なら、くよくよするのをやめて
 まあまあ、杯の酒を飲み続けることにしようや》

というように、どちらかと言えば、なるようになるさ的な、
楽観主義的な見方を許す言葉がよく見られます。

どこまでが本気かはわかりませんが、
そういうふうに、人生を乗り切ってゆく、のが
陶淵明さんのやり方なのかも知れません。

それはそれで、人の一生はツラいことの連続なのですから。

 ・・・

――次回は、詩風の変化について、晩年の三首目「乞食」を紹介します。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(32)陶淵明(9)詩風の変化を見る(1)「子を責む」他」と題して、今回も全文転載紹介です。

本文中にも書きましたが、久しぶりの「漢詩を読む」です。
陶淵明編もいよいよゴール間近というところでしょうか。

今年前半でなんとかゴールできそうです。
次は、ようやく唐詩に入って行けそうです。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ


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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載

" target="_blank">中国の古典編―漢詩を読んでみよう(32)陶淵明(9)「子を責む」他-楽しい読書385号

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私の読書論193-私の年間ベスト3-2024年〈フィクション系〉初読編『エクトール・セルヴァダック』ヴェルヌ-楽しい読書383号

2025-03-01 | 本・読書
古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)
【最新号】


2025(令和6)年2月28日号(vol.18 no.2/No.383)
「私の読書論193-私の年間ベスト3-2024年〈フィクション系〉初読編
『エクトール・セルヴァダック』ジュール・ヴェルヌ」



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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2025(令和6)年2月28日号(vol.18 no.2/No.383)
「私の読書論193-私の年間ベスト3-2024年〈フィクション系〉初読編
『エクトール・セルヴァダック』ジュール・ヴェルヌ」
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 2月も終わりますが、昨年2024年の私の年間ベスト3を紹介する
 〈フィクション系〉の2回目、初読編です。

 〈フィクション系〉は、小説や詩などの創作ものです。

 昨年読んだ本は、全部で60冊まで届かず、
 フィクション系も、再読を含めてなんとか40冊程度。

 そのうち初読は、25冊程度。

 その中から、<フィクション系>の初読編ベスト3を――。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 - 今年はジュール・ヴェルヌ没後120年 -

  ~ 私の年間ベスト3・2024フィクション系(後編) ~

  2024年フィクション系<初読編ベスト3>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●<初読編ベスト3>候補――メルマガ用の本から

まずは、メルマガ用に読んだ本の中から、
これは良かったという本を上げてみましょう。


◎<左利きミステリ>から

・『日本探偵小説全集1 黒岩涙香 小酒井不木 甲賀三郎』」
創元推理文庫 1984/12/22

――黒岩涙香の翻案小説「血の文字」は、フランスのガボリオの
 <左利きミステリ>「バティニョールの老人」が元となった短編。
 甲賀三郎の「琥珀のパイプ」も<左利きミステリ>でした。


◎2024年岩波文庫フェアの作家<ディーノ・ブッツァーティ>から

・『神を見た犬』ディーノ・ブッツァーティ 関口 英子/訳
光文社古典新訳文庫 2007/4/12

――『タタール人の砂漠』の参考として読んだ短編集でしたが、
 いくつか印象に残る作品がありました。
 そのうちのひとつ「七階」は、色々調べてみましたところ、

『謎の物語』紀田 順一郎/編 ちくま文庫 2012/2/1

 の一編でした。
 他に、「コロンブレ」や表題作「神を見た犬」「天国からの脱落」
 「驕らぬ心」「戦艦《死(トート)》」など、一読の価値ありでしょう。


◎「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から

・『博士の愛した数式』小川洋子 新潮文庫 2005/11/26

――このフェアで選んだ三作のなかでは、これが一番でしょうか。
 いわゆる「奇蹟」がストーリー内で起きていない、
 といえばそうですが、奇跡的な出会いの物語でした。


 ●<初読編ベスト3>候補――短編集から

・『ガイズ&ドールズ』デイモン・ラニアン/著、田口俊樹/訳
新潮文庫 2024.5.29

――一部の短編は、加島祥造さんの訳で昔読んでいるのですが、
 改めて読んでも楽しい作品ばかりでした。一見軽い小説に見えますが、
 人生を考えさせる一面もあり、人情ものという言い方もできます。


・『クイーンの定員I 傑作短編で読むミステリー史』
エラリー・クイーン/著 各務 三郎/編 光文社 1984/5/1

・『クイーンの定員II 傑作短編で読むミステリー史』
エラリー・クイーン/著 各務 三郎/編 光文社 1984/6/1

・『クイーンの定員III 傑作短編で読むミステリー史』
エラリー・クイーン/著 各務 三郎/編 光文社 1984/9/1

――エラリー・クイーン選の海外の短編ミステリ史を改めてお勉強。
 上のラニアンの短編集もその一冊として紹介されています。
 おしまいの方の短編集のいくつかは、
 私のリアルと一致している部分があり、懐かしいものがありました。


【エドワード・D・ホック】

・『怪盗ニック全仕事2』エドワード・D・ホック/著 木村 二郎/訳
創元推理文庫 2015/8/29

・『怪盗ニック全仕事3』エドワード・D・ホック/著 木村 二郎/訳
創元推理文庫 2016/6/22

――その昔、雑誌『ミステリマガジン』やハヤカワ・ミステリ等で
 親しんでいた、好みのキャラクターの一人。軽い娯楽小説で、
 今読んでも楽しめます。続けて読んでいるとちょっとマンネリっぽく
 感じることもあります。しかし、一作ずつ工夫が凝らしてあり、
 雑誌掲載時、人気シリーズだったことが実感できます。カバー絵には、
 それぞれの作品での盗品が散りばめられていて、これを探すのも
 楽しみの一つでしょうね。


・『ガラスの橋 ロバート・アーサー自選傑作集』
ロバート・アーサー/著 小林 晋/訳 扶桑社 海外文庫 2023/7/2

――アンソロジーで読んだ名品「マニング氏の金の木」「ガラスの橋」
 他、「極悪と老嬢」や「非常な男」といったおもしろい作品も収録。


・『歌うダイアモンド』ヘレン・マクロイ/著 好野 理恵ほか/訳
創元推理文庫 2015/2/27

――別れた夫ブレッド・ハリデーによる序文がいい。
 ベイジル・ウィリング博士ものの長編の原型「鏡もて見るごとく」や
 表題作「歌うダイアモンド」等のミステリ意外にSFも含めた短編集。


・『おもいでエマノン』梶尾 真治/著 鶴田 謙二/イラスト
徳間デュアル文庫 2000/9/1

――表題作は<エマノン>シリーズの第一作で、
 SF短編のオールタイム・ベストでも上位に上がる名編です。
 鶴田さんのイラストとともに、気になる一編といっていいでしょう。


 ●<初読編ベスト3>候補――長編から

【ジュール・ヴェルヌ】

・『エクトール・セルヴァダック』ジュール・ヴェルヌ/著 石橋正孝/訳
インスクリプト ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション 2023/4/21

――小彗星の接近という天変地異により、地球から小惑星側に移動した
 人々の冒険というヴェルヌには珍しい宇宙ものの冒険物語。

・『ハテラス船長の航海と冒険』ジュール・ヴェルヌ/著 荒原邦博/訳
インスクリプト ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション 2021/6/30

――地理的冒険の時代の小説で、当時はまだ人類未踏の地であった、
 北極点を目指す狂的なハテラス船長に率いられた人々の冒険を描く。


・『地上最後の刑事』ベン・H・ウィンタース/著 上野 元美/訳
ハヤカワ・ミステリ 2013/12/6
――小惑星衝突が不可避という極限の状況の中でも職務に励む新人刑事の
 真摯な姿が読ませます。
 《私は、あたえられた務めをきちんと果たそうとする人間が好きだ。》
 《私は警察官だ。ずっとなりたいと思っていた。》
 夜勤専門のパトロール警官だったときも、
 《すごく楽しかった。去年の夏でさえも楽しかった。
  とんでもないことが起きて、時代が変わり、そして秋になって、
  仕事がどんどんやりにくくなり、どんどん訳もわからなくなって
  いっても、やっぱり大好きだった。》
 残された時間を自分のために使うために職場を離れる人々がでるなか、
 欠員補充で刑事に昇格したのですが、
 タイミングが悪かったのか運が悪かったのか、失望感を味わっていた。
 そんなとき、殺人事件が起き、期待に胸を躍らせる……。
 《そしていま、今日、ここでついに、(略)なんとまあ、
  これがそうかもしれないと考えている。ついに出会えたかも。》

(文庫版)『地上最後の刑事』ベン・H・ウィンタース/著 上野 元美/訳
ハヤカワ・ミステリ文庫 2016/6/9


・『受験生は謎解きに向かない』ホリー・ジャクソン/著 服部 京子/訳
創元推理文庫 2024/1/11
――日本でも好評だった<女子高生ピップ>シリーズ三部作の主人公の
 前日譚。架空の殺人事件の犯人当てゲームを描く小品(中編)ですが、
 いかにもな高校生ピップらしさと、第一作の人物がチラッと登場する
 ラストが読みどころで、三部作の読者なら十分楽しめるでしょう。


 ●2024年フィクション系<初読編べスト3>

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   【2024年フィクション系<初読編べスト3>】

  (1)『エクトール・セルヴァダック』ジュール・ヴェルヌ/著
    石橋正孝/訳 インスクリプト ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉
    コレクション 2023/4/21


  (2)『地上最後の刑事』ベン・H・ウィンタース/著 上野 元美/訳
ハヤカワ・ミステリ 2013/12/6
(文庫版)『地上最後の刑事』ベン・H・ウィンタース/著 上野 元美/訳
ハヤカワ・ミステリ文庫 2016/6/9


  (3)『ガイズ&ドールズ』デイモン・ラニアン/著、田口俊樹/訳
新潮文庫 2024.5.29


 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡


(3)は、その一部をかつて読んだ、という名短編を含む新訳短編集。
昔なじみといった感じで、特別な感情が入っているかもしれませんね。

(1)は、中学生時代から私の大好きな作家である、ジュール・ヴェルヌの
貴重な、宇宙版の<ロビンソン>ものの長編冒険小説といった印象。
結末が本となったものはヴェルヌのものではなく、編集者である
エッツェルによるもので、ヴェルヌが認めたものだといいます。

(2)は、上のヴェルヌの長編同様、来たるべき彗星の衝突という終末を
背景に描く、人々の生き方に関わる小説で、読み応えがありました。
続刊が二冊あり、それを読むのも楽しみです。

ヴェルヌの作品も、ヴェルヌの結末を採用しますと、地球環境の破壊に
伴う、文明社会の崩壊なども当然起こり、その後の物語をあれこれと
想像してしまいます。
ひょっとすると、そういう続きの物語もあったのかもしれません。

奔放なイマジネーションで読ませる冒険物語『地底旅行』の作家、
ヴェルヌのイマジネーションをもってすれば、こういう結末もありか、
という気がします。

それに対して、夢オチのようにまとめる編集者エッツェルの結末は、
無難ではありますが、ある意味で軽いとも言える結末です。
小説としてまとめる意味では、
それはそれでいいのかもしれませんけれど……。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「私の読書論194-私の年間ベスト3-2024年〈フィクション系〉初読編『エクトール・セルヴァダック』ジュール・ヴェルヌ」と題して、今回も全文転載紹介です。

今回は、全文紹介です。

特に理由はありませんけれど、ときどきこういう風に、メルマガ内容を公開することで、メルマガの宣伝をしてみようということです。
宣伝になればいいのですが。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ


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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載

" target="_blank">私の読書論193-私の年間ベスト3-2024年〈フィクション系〉初読編『エクトール・セルヴァダック』ヴェルヌ-楽しい読書383号

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レフティやすおの楽しい読書381号-告知-私の読書論193-私の年間ベスト3-2024年〈フィクション系〉再読編『ホビットの冒険』

2025-02-02 | 本・読書
古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)
【最新号・告知】


2025(令和6)年1月31日号(vol.18 no.1/No.381)
「私の読書論193-私の年間ベスト3-2024年〈フィクション系〉再読編
『ホビットの冒険』」



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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2025(令和6)年1月31日号(vol.18 no.1/No.381)
「私の読書論193-私の年間ベスト3-2024年〈フィクション系〉再読編
『ホビットの冒険』」
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 遅ればせながら、昨年2024年の私の年間ベスト3を紹介する
 〈フィクション系〉です。

 〈フィクション系〉は、小説や詩などの創作ものです。

 昨年読んだ本は、全部で60冊まで届かず、
 フィクション系も、再読を含めてなんとか40冊程度。
 以前は、再読を含めても50冊以上は読んでいました。

 その点ではちょっと不本意なところもありますが、
 その中からのベスト3ですので、あしからず。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 - 今年も、昔の感覚に間違いはなかった!? -

  ~ 私の年間ベスト3・2024フィクション系(前編) ~

  2024年フィクション系ほぼ全書名紹介&<再読編ベスト3>

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●2024年の傾向と分類

2024年は、40冊程度。
うち再読が、凡そ半分18冊程度。

再読といいましても、新訳版・他社版・新装版等もあって、
限定しにくい面があります。

そこで今年も、<再読編ベスト3>と<初読編ベスト3>とに分けて
紹介してみましょう。

 ・・・

例年のように簡単に分類してみます。

(1)メルマガ用の本
(2)それ以外の古典の名作
(3)小説や左利き本等著作のための勉強本
(4)個人的な趣味で、好きな作家、
 ミステリ(推理小説)やSF、冒険小説など

*(再):自分の蔵書の再読本、[再]:作品そのものは再読、本は新本


 ●(1)メルマガ用の本

・『日本探偵小説全集1 黒岩涙香 小酒井不木 甲賀三郎』」
創元推理文庫 1984/12/22
・『お人好しの放課後 御出学園帰宅部の冒険』阿藤玲
創元推理文庫 2017/8/31

――以上、<左利きミステリ>


・『陶淵明 全詩文集』林田慎之助/訳注 ちくま学芸文庫 2022/1/8

*参照:『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
2024(令和6)年10月31日号(vol.17 no.19/No.376)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(31)陶淵明(8)村人たちと
「飲酒二十首」其の十四、其の九」

【最新号・告知】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.10.31
レフティやすおの楽しい読書376号-告知-中国の古典編―
漢詩を読んでみよう(31)陶淵明(8)村人たちと「飲酒二十首」
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/10/post-dd55d8.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/28a764aef4d8bdd85e7c3f0bbf475ac5


・(再)『ホビットの冒険――ゆきてかえりし物語 <第四版・注釈版>』
J・R・R・トールキン/著 山本史郎/訳 原書房 1997.11.10/2002.3.20
(『新版 ホビット――ゆきてかえりし物語 <第四版・注釈版>』
J・R・R・トールキン/著 山本史郎/訳 原書房 2012/11/12)

・[再]『最新版 指輪物語1 旅の仲間 上』J・R・R・トールキン/著
瀬田貞二, 田中明子/訳 評論社文庫 2022/10/19
・[再]『最新版 指輪物語2 旅の仲間 下』J・R・R・トールキン/著
瀬田貞二, 田中明子/訳 評論社文庫 2022/10/19

*参照:『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
2024(令和6)年4月15日号(vol.17 no.7/No.364)
「私の読書論183-トールキン『指輪物語』(第一巻・第二巻)70周年」

【別冊 編集後記】2024.4.15
私の読書論183-トールキン『指輪物語』70周年-楽しい読書364号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/04/post-f5aa70.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ec7e37f6a896cbc7db84584c1518634b


・『神を見た犬』ディーノ・ブッツァーティ 関口 英子/訳
光文社古典新訳文庫 2007/4/12
・『タタール人の砂漠』ブッツァーティ/作 脇 功/訳
岩波文庫 2013/4/17

*参照:古典から始める レフティやすおの楽しい読書
2024(令和6)年6月30日号(vol.17 no.12/No.369)
「私の読書論187-2024年岩波文庫フェアから『タタール人の砂漠』」

『レフティやすおのお茶でっせ』2024.6.30
私の読書論187-2024年岩波文庫フェアから『タタール人の砂漠』
-楽しい読書369号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/06/post-833bdb.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/1a2dfc9f51edb19c7b68c715e2fefd78


・『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾 角川文庫 2014/11/22

*参照:古典から始める レフティやすおの楽しい読書
2024(令和6)年7月15日号(vol.17 no.13/No.370)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から(1)角川文庫・
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾」

『レフティやすおのお茶でっせ』2024.7.15
[新潮・角川・集英社]<夏の文庫>フェア2024から(1)
角川文庫『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾-楽しい読書370号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/07/post-297be6.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/dec18f6edd8ec927530af1a28ba45de1


・『鉄道員(ぽっぽや)』浅田 次郎/著 集英社文庫 2000.3

*参照:古典から始める レフティやすおの楽しい読書
2024(令和6)年7月31日号(vol.17 no.14/No.371)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から(2)集英社文庫・
浅田次郎『鉄道員(ぽっぽや)』から「ラブ・レター」」

『レフティやすおのお茶でっせ』2024.7.31
[新潮・角川・集英社]<夏の文庫>フェア2024から(2)
集英社文庫『鉄道員(ぽっぽや)』浅田次郎-楽しい読書371号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/07/post-001c65.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/f4ce521f8ecee71271203e74823b460f


・『博士の愛した数式』小川洋子 新潮文庫 2005/11/26

*参照:古典から始める レフティやすおの楽しい読書
2024(令和6)年8月31日号(vol.17 no.15/No.372)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から(3)新潮文庫・
小川洋子『博士の愛した数式』」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.8.31
[新潮・角川・集英社]<夏の文庫>フェア2024から(3)新潮文庫・
小川洋子『博士の愛した数式』-楽しい読書372号
23:40 2024/08/25
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/08/post-d9f901.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/219efd8040d39871150fdab98bf44954


・[再]完訳版『十五少年漂流記 二年間の休暇』ヴェルヌ/著
鈴木雅生/訳 光文社古典新訳文庫 2024/7/10 
・『少年船長の冒険』ジュール・ヴェルヌ 土居寛之・荒川浩充/訳
角川文庫 昭和56(1981)/10/1

*参照:『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
2024(令和6)年10月15日号(vol.17 no.18/No.375)
「私の読書論189-完訳版『十五少年漂流記 二年間の休暇』
(ジュール・ヴェルヌ 光文社古典新訳文庫)を読む」

【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.10.15
レフティやすおの楽しい読書375号-完訳版ヴェルヌ
『十五少年漂流記 二年間の休暇』を読む【別冊 編集後記】
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/10/post-ce97b4.html

『レフティやすおのお茶でっせ』2024.7.28
光文社古典新訳文庫から完訳版『十五少年漂流記 二年間の休暇』
ヴェルヌ/鈴木雅生訳 が発売
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/07/post-579d65.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/8655ac0ebc9b20c696b589d7d66e1b24


 ●(2)それ以外の古典の名作

・『ガイズ&ドールズ』デイモン・ラニアン/著、田口俊樹/訳
新潮文庫 2024.5.29

*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』2024.6.21
新潮文庫にデイモン・ラニアン(『ガイズ&ドールズ』)が帰ってきた!
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/06/post-957440.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/342752af4485ba7edf05148c30f1b7e6


【ジュール・ヴェルヌ】

・(再)『緑の光線』中村三郎、小高美保/訳 文遊社 2014/7/30
・[再]『シャーンドル・マーチャーシュ 地中海の冒険(上)』
三枝大修/訳 幻戯書房 ルリユール叢書 2023/5/18
・[再]『シャーンドル・マーチャーシュ 地中海の冒険(下)』
三枝大修/訳 幻戯書房 ルリユール叢書 2023/5/18
・『エクトール・セルヴァダック』石橋正孝/訳 インスクリプト
ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション 2023/4/21
・『ハテラス船長の航海と冒険』荒原邦博/訳 インスクリプト
ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション 2021/6/30
――完訳版『十五少年漂流記 二年間の休暇』を読んだことで、
「未読の作品があったなあ」と思い出し、図書館へ。



 ●(3)小説や左利き本等著作のための勉強本

・『クイーンの定員I 傑作短編で読むミステリー史』
エラリー・クイーン/著 各務 三郎/編 光文社 1984/5/1
・『クイーンの定員II 傑作短編で読むミステリー史』
エラリー・クイーン/著 各務 三郎/編 光文社 1984/6/1
・『クイーンの定員III 傑作短編で読むミステリー史』
エラリー・クイーン/著 各務 三郎/編 光文社 1984/9/1
――エラリー・クイーンの編んだ、ポー以降の傑作、あるいは歴史的に
希少価値のあるミステリ短編集を集めた評論『クイーンの定員』から、
代表的な短編を集めたアンソロジーで、海外の短編ミステリ史を改めて
お勉強。


 ●(4)個人的な趣味で、好きな作家、
 ミステリ(推理小説)やSF、冒険小説など

【ディック・フランシス】

・(再)『障害』菊池光/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1982/7/1
・(再)『配当』菊池光/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1987/7/1
・(再)『奪回』菊池光/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1989/11/1
・(再)『証拠』菊池光/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1990/8/1
・(再)『侵入』菊池光/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1991/8/1
・(再)『連闘』菊池光/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1992/10/1
・(再)『直線』菊池光/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1995/8/1
・(再)『標的』菊池光/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1996/9/1
――フランシスの<競馬>シリーズの本を整理しようかと思い、
手持ちの文庫本を再読中。


【ジョー・R・ランズデール】

・(再)『ボトムズ』北野 寿美枝/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 2005/3/24
・(再)『ダークライン』匝瑳 玲子/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 2006/7/1
――ともに、南部の人種差別に関する歴史ミステリ+少年時代の思い出、
といった内容の読み応えがあるミステリです。


【エドワード・D・ホック】

・『怪盗ニック全仕事2』木村 二郎/訳 創元推理文庫 2015/8/29
・『怪盗ニック全仕事3』木村 二郎/訳 創元推理文庫 2016/6/22
――依頼によって2万ドルの料金で価値のないものを専門に盗む、
短編ミステリの巨匠ホックが産み出したユニークな<怪盗ニック>が、
今までに手がけたすべての仕事を順に収録する短編集、全6巻中の2冊。


【梶尾真治】

・『おもいでエマノン』梶尾 真治/著 鶴田 謙二/イラスト
徳間デュアル文庫 2000/9/1
・『かりそめエマノン』梶尾 真治/著 鶴田 謙二/イラスト
徳間デュアル文庫 2001/10/1
――地球に現れた最初の動物から現在の動物までの全記憶を持つという、
女の子<エマノン>のシリーズ。第一作からの短編集と初の中編。


・『九人の偽聖者の密室』H・H・ホームズ/著 白須清美/訳
山口雅也/監修, 企画・原案 国書刊行会 奇想天外の本棚 2022/9/24
――海外の密室ミステリのベスト10に選ばれている、歴史的な一編。

・『ガラスの橋 ロバート・アーサー自選傑作集』
ロバート・アーサー/著 小林 晋/訳 扶桑社 海外文庫 2023/7/2
――「51番目の密室」等で知られるエドガー賞を2度受賞した短編作家
の日本初のミステリ短編集。アンソロジーで読んだ作品も多く収録されている。

・『地上最後の刑事』ベン・H・ウィンタース/著 上野 元美/訳
ハヤカワ・ミステリ 2013/12/6
――半年後、小惑星の衝突で世界が終わる、という極限の状況の中でも
職務に励む新人刑事の真摯な姿を描く。

・『受験生は謎解きに向かない』ホリー・ジャクソン/著 服部 京子/訳
創元推理文庫 2024/1/11
――高校生ピップの『自由研究には向かない殺人』以下の三部作の前日譚!
架空の殺人事件の犯人当てゲーム。

・『歌うダイアモンド マクロイ傑作選』ヘレン・マクロイ/著
好野 理恵ほか/訳 創元推理文庫 2015/2/27
――別れた夫ブレッド・ハリデーによる序文、SF短編、後に長編
「暗い鏡の中に」となった原型短編「鏡もて見るごとく」も含む、
ヴァラエティ豊かなミステリ短編集。

・『黒い錠剤 スウェーデン国家警察ファイル』 パスカル・
エングマン/著 清水 由貴子/訳 ハヤカワ・ミステリ 2023/11/7
――警察の捜査と謎の人々の行動を交互に描く警察小説。

・[再]『ポアロ登場』アガサ・クリスティー/著 真崎 義博/訳
 ハヤカワ文庫・クリスティー文庫 2004/7/15
――作家としての最初期の雑誌掲載のポアロもの短編集。


 ●<再読ベスト3>候補

・(再)『ホビットの冒険――ゆきてかえりし物語 <第四版・注釈版>』
J・R・R・トールキン/著 山本史郎/訳 原書房 1997.11.10/2002.3.20
(『新版 ホビット――ゆきてかえりし物語 <第四版・注釈版>』
J・R・R・トールキン/著 山本史郎/訳 原書房 2012/11/12)

・[再]『最新版 指輪物語1 旅の仲間 上』J・R・R・トールキン/著
瀬田貞二, 田中明子/訳 評論社文庫 2022/10/19
・[再]『最新版 指輪物語2 旅の仲間 下』J・R・R・トールキン/著
瀬田貞二, 田中明子/訳 評論社文庫 2022/10/19

――改めて『ホビット』を読んでみて、やはり面白かったなあ、と。
この本は作品だけでなく、注釈版とあるように、その辺の情報が、
中でも各国語版のイラストが、収録されていて楽しめます。

この『指輪物語』の文庫版は、偶然、本屋さんで見つけたものでした。
従来の文庫版は、活字が小さくて、読みづらかったものでした。
これは、最近の文庫本とおなじで、大きめの活字になっていて、
老眼にもやさしいものになっています。

まだ第一部を読んだだけです。
おもしろいとは思うのですが、もう一つ次から次へと読もう、
と思うほどではないと感じました。
なぜでしょうか?

この作品は、もう50年近く前に、
私が『詩とメルヘン』という雑誌の読者欄に投書した文章を読んだ
女子大生からお手紙をもらい、そこにオススメとして紹介されていて、
読んだものでした。
その時は楽しく読んだような記憶がありました。
あれだけの長さの本を次々読んでいたのですから。

しかし今回は、全体に暗く、かつ少し冗長な印象を受けました。
ある程度ストーリーを知っているということもあるのかもしれません。


・[再]完訳版『十五少年漂流記 二年間の休暇』ヴェルヌ/著
鈴木雅生/訳 光文社古典新訳文庫 2024/7/10 

――過去に縮約版と完訳版を読んでいますが、
今回は違う出版社の新訳・完訳版での再読です。
けっこう忘れているのと、挿絵が全点収録されているので、
思った以上に楽しめました。

・[再]『シャーンドル・マーチャーシュ 地中海の冒険(上)』
ジュール・ヴェルヌ/著 三枝大修/訳 幻戯書房 ルリユール叢書 2023/5/18
・[再]『シャーンドル・マーチャーシュ 地中海の冒険(下)』
ジュール・ヴェルヌ/著 三枝大修/訳 幻戯書房 ルリユール叢書 2023/5/18

――これは、昔、高校生時代に、集英社から出ていた
コンパクト・ブックス版の<ヴェルヌ全集>で読んだものでした。
その後、集英社文庫で復刊されています。
(旧訳版・集英社文庫<ジュール・ヴェルヌ・コレクション>
『アドリア海の復讐(上)(下)』)
大デュマの『モンテクリスト伯』のヴェルヌ版といわれる冒険小説です。
今回新訳版の新本で読み直しても、おもしろいものでした。
この本は、ヴェルヌ作品ではお楽しみの一つである、
挿絵もすべて収録されていて、楽しめるものでした。
ただし、問題がひとつあり、新書版のハードカヴァーなのですが、
活字が小さく、老眼にはキツいものがありました。


・(再)『ダークライン』ジョー・R・ランズデール/著 匝瑳 玲子/訳
 ハヤカワ・ミステリ文庫 2006/7/1

――この作品は、アメリカ南部の黒人問題を取り上げている、
ミステリです。
前作『ボトムズ』もそうなのですが、ミステリ的にはそっちの方が上で、
アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長編賞も受賞しています。
でも、少年と黒人のおじいさんとの交流を描くこちらの方が、
小説として興味深く読めました。


・(再)『証拠』ディック・フランシス 菊池光/訳
 ハヤカワ・ミステリ文庫 1990/8/1
・(再)『標的』菊池光/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1996/9/1

――フランシスの本の中では、『証拠』が一番いい感じでした。
最愛の妻を亡くした主人公が、偶然遭遇した事件に立ち向かいます。
『標的』は、定職を捨てて小説に挑んでいる新進作家が主人公で、
その辺のところを興味深く読みました。



 ●2024年フィクション系<再読編べスト3>

 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡

   【2024年フィクション系<再読編べスト3>】

  (1)『ホビットの冒険――ゆきてかえりし物語 <第四版・注釈版>』
J・R・R・トールキン/著 山本史郎/訳 原書房 1997.11.10/2002.3.20

  (2)『シャーンドル・マーチャーシュ 地中海の冒険(上)』
ジュール・ヴェルヌ/著 三枝大修/訳 幻戯書房 ルリユール叢書 2023/5/18
   『シャーンドル・マーチャーシュ 地中海の冒険(下)』
ジュール・ヴェルヌ/著 三枝大修/訳 幻戯書房 ルリユール叢書 2023/5/18

  (3)『ダークライン』ジョー・R・ランズデール/著 匝瑳 玲子/訳
 ハヤカワ・ミステリ文庫 2006/7/1

 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡


どれも、名作です。
ランズデールの作品がネームバリューで落ちるかもしれませんが、
私の心に残したものは、A級です。

機会があれば、ぜひ御一読を!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「私の読書論193-私の年間ベスト3-2024年〈フィクション系〉再読編『ホビットの冒険』」と題して、今回は全文転載紹介です。

私の昨年一年の<フィクション系>の読書の記録です。

こんな本を読んでるのか、とちょっと恥ずかしい部分もありますが、毎年続けてきましたので、今年も恥を忍んで。

なにかの足しになれば、と思います。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ


--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載

" target="_blank">レフティやすおの楽しい読書381号-告知-私の読書論193-私の年間ベスト3-2024年〈フィクション系〉再読編『ホビットの冒険』

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レフティやすおの楽しい読書380号-告知-私の読書論192-私の年間ベスト3-2024年〈リアル系〉『都筑道夫の小説指南』

2025-01-17 | 本・読書
古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)
【最新号・告知】


2024(令和6)年12月31日号(vol.17 no.23/No.380)
「私の読書論192-私の年間ベスト3-2024年〈リアル系〉」
『都筑道夫の小説指南―増補完全版』中央公論新社」



--
今年も一年お世話になりました。

コロナ禍以降、心身共に体調不良もありました。
それでも、コロナ禍も一応収まり、
その後少しずつですが、体調も戻りつつある気がします。

来年もなんとか続けていけそうです。
これからもおつき合いの程、よろしくお願いいたします。

レフティやすお <(_ _)>


------------------------------------------------------------------
◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
------------------------------------------------------------------
2024(令和6)年12月31日号(vol.17 no.23/No.380)
「私の読書論192-私の年間ベスト3-2024年〈リアル系〉」
『都筑道夫の小説指南―増補完全版』中央公論新社」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今年も早一年の最終日を迎えました。
 年末年始恒例の「私の年間ベスト3」を。

 その年、もしくは前年に私が読んだ本から
 オススメの「私の年間ベスト3」を選ぶという企画です。

 まずは、「リアル系」から。

 ・・・

 「リアル系」とは、いわゆる論文やエッセイ系の著作、
 実用書のような解説系のものも含めて、を言います。

 それに対して、小説や詩等の文芸作品は「フィクション系」。

 「フィクション」に対しては
 「ノン・フィクション」という言葉があります。

 でも「ノン・フィクション」というと、
 またそれで一つのジャンルのようになってしまうので、
 あえて、どなたかが使っていた
 「リアル系」という言葉を使っています。

 エッセイの中には、フィクションと見まがうような、
 ホラ話的な内容の境界線上の作品もありますけれど。

 まあ、ここでは、論文に準ずるような著作とお考えください。
 言わんとすることは分かりますよね。

 ――と、これは毎度の台詞でした。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 - メルマガの為に読んだ本ばかり?(今年も?) -

  ~ 私の年間ベスト3・2024年〈リアル系〉~

 『都筑道夫の小説指南―増補完全版』都筑 道夫/著 中央公論新社

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●2024年の傾向

ここ数年コロナ禍の影響で読書量が減り、少しずつ回復してきましたが、
2020年以降、特にリアル系の読書が減ってしまっています。

今年の読書総数は、60冊どまり――。

リアル系は15冊程度。

今年もまたそのほとんどは、私の二つのメルマガ用に読んだものでした。

ということで、例年通り簡単に分類していきましょう。


 ●(1)メルマガ用のお勉強本―中国漢詩、読書、左利き関連

◆メルマガ『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』向け――

(以下、略)


(画像:『2028年 街から書店が消える日 ~本屋再生!識者30人からのメッセージ~』小島俊一/著 プレジデント社 2024/5/22
――<元本屋の兄ちゃん>の<町の本屋>論の参考書の一つ。)


◆メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』向け――

(以下、略)


(画像:『左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛』ピエール=ミシェル・ベルトラン/著 久保田 剛史/訳 白水社 2024/6/27
――タイトル通り、左利きのフランス人によるヨーロッパ(主に
 フランス)における左利き迫害の歴史と、その後の少しずつの解放に
 ついての著書。訳者も左利き。原著は2008年の第二版。)


(画像:『すみれのスミレの花かご ヴァイオリンのある喫茶室』松野迅/著  未來社 1992/1/1
――左利きのヴァイオリニスト・まつのじん(松野迅)さんの、初エッセイ集。自身の左利きにまつわる話、左利きとヴァイオリンの話などにふれた「涙のひだりきき」という文章を含む。

 ●(2)その他の古典系のお勉強本
 ●(3)小説や左利き本等の著作のためのお勉強本


(画像:『都筑道夫の小説指南―増補完全版』都筑 道夫/著 中央公論新社 2023/10/23
――こちらはズバリエンタメ小説の書き方を実地に、多面的に指南する、都筑流創作術の完全増補版。没後20年記念刊行。評論やエッセイ、推理小説を十代から読んできた作家さんだけに生の創作論で楽しい。)

 ●(4)個人的な趣味、仏教や空海・弘法大師に関する本
 ●私の2023年〈リアル系〉ベスト3候補
 ●私の年間ベスト―2024年〈リアル系〉
 ●小説について思うこと

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今回も冒頭のみの転載です。
冒頭以下は、見出しのみで本文は省略させていただきました。

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ


--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
レフティやすおの楽しい読書380号-告知-私の読書論192-私の年間ベスト3-2024年〈リアル系〉『都筑道夫の小説指南』
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レフティやすおの楽しい読書379号-告知-私の読書論191-<町の本屋>論(8)産経新聞記事11/9産経WESTより

2024-12-17 | 本・読書
古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)
【最新号・告知】


2024(令和6)年12月15日号(vol.17 no.22/No.379)
「私の読書論191-<町の本屋>論(8)産経新聞記事11/9産経WEST
「消えてゆく本屋さん~」より」


------------------------------------------------------------------
◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
------------------------------------------------------------------
2024(令和6)年12月15日号(vol.17 no.22/No.379)
「私の読書論191-<町の本屋>論(8)産経新聞記事11/9産経WEST
「消えてゆく本屋さん~」より」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 昨年9月から散発的に綴ってきました、本屋さん減少を嘆く
 <元本屋の兄ちゃん>による<町の本屋>論の8回目となります。

【過去7回の<私の「町の本屋」論>】

(1)2023(令和5)年9月15日号(No.350)
「私の読書論174-消えゆく書店と紙の本」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.9.15
私の読書論174-消えゆく書店と紙の本-楽しい読書350号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/09/post-f7ab5e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/a65f07da56cc868147fbd49d01c3c4bf

(2)2023(令和5)年10月15日号(No.352)
「私の読書論175-出版業界―または本と本屋のこと」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.10.15
私の読書論175-出版業界―または本と本屋のこと-楽しい読書352号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/10/post-d8d8ec.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7b9a38985fcfd574650e4c54eba355c1

(3)2023(令和5)年11月15日号(No.354)
「私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.11.15
私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと
-楽しい読書354号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/11/post-7462e0.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d498bde194e54d8e97a5d018d683f607

(4)2023(令和5)年12月15日号(No.356)
「私の読書論177-個性的な本屋の作り方を学ぶ
―『美しい本屋さんの間取り』から」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.12.15
私の読書論177-個性的な本屋の作り方を学ぶ―
『美しい本屋さんの間取り』-楽しい読書356号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/12/post-bf19e5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/79bec3e02805048065d5ea41387e2c55

(参考書)
『美しい本屋さんの間取り』エクスナレッジ X-Knowledge 2022/12/29
『美しい本屋さんの間取り』(Amazonで見る)


(5)2024(令和6)年5月15日号(vol.17 no.5/No.366)
「私の読書論184-がんばれ!町の本屋さん」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.5.15
私の読書論184-がんばれ!町の本屋さん-楽しい読書366号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/05/post-5a5bc2.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/8a1d7f9a2989edbd174487963269b52b

(6)2024(令和6)年9月15日号(vol.17 no.16/No.373)
「私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.9.15
私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より-楽しい読書373号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/09/post-4d9a04.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7555773c70cfe4846b3dc367dbf5493c

(7)2024(令和6)年11月15日号(vol.17 no.20/No.377)
「私の読書論190-<町の本屋>論(7)産経新聞記事10/27朝刊記事
「書店が消えない処方箋」より」
【最新号・告知】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.11.15
レフティやすおの楽しい読書377号-告知-
私の読書論190-<町の本屋>論(7)産経新聞10/27朝刊記事より
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/11/post-6b5805.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/22c8bc62482c03566e741b6b67100f12

(参考書)
『2028年 街から書店が消える日 ~本屋再生!識者30人からの
メッセージ~』小島俊一/著 プレジデント社 2024/5/22
『2028年 街から書店が消える日』(Amazonで見る)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 - 私の読書論191 -

  ~ がんばれ!町の本屋さん <私の「町の本屋」論>8 ~

  産経新聞11月9日記事・産経WEST「消えてゆく本屋さん~」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●産経新聞(産経WEST)の記事――「消えてゆく本屋さん~」より

「秋の読書推進月間」中の産経新聞(産経WEST)の
本屋の減少に関する記事が掲載されました。


消えてゆく本屋さん 国も警鐘鳴らす 背景には「薄利多売」な慣習も
2024/11/9 18:49
横山 由紀子
https://www.sankei.com/article/20241109-OT4WXWIVT5NNVAVRT3IWSVEYZM/

今回は↑の記事をもとに記事内容を紹介しながら、
私の意見を書いてゆきましょう。


(画像:産経新聞11月9日記事「消えてゆく本屋さん~」より、全国で減少が続く書店だが、思わぬ本と出合えるなどネット書店にはない魅力がある =大阪市 の画像)

 ・・・

(以下、略)


(画像:同記事より、出版物の推定販売金額 書店の店舗数 のグラフ)

 ●本はどこで買えばいいの?
 ●書店減少の背景――(1)電子出版(2)雑誌(3)流通


(画像:同記事より、出版業界の流通システム の画像)

 ●書店の在り方
 ●作家・今村翔吾さんの試みと、書店の楽しみ
 ●多彩な書店の展開=旧態依然の出版流通構造の結果
 ●改革待ったなし
 ●問題点と改革について

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今回も冒頭のみの転載です。
冒頭以下は、見出しのみで本文は省略させていただきました。

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

 ・・・

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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
レフティやすおの楽しい読書379号-告知-私の読書論191-<町の本屋>論(8)産経新聞記事11/9産経WESTより
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レフティやすおの楽しい読書378号-告知-クリスマス・ストーリーをあなたに~(14)-2024-デイモン・ラニアン「三人の賢者」

2024-12-02 | 本・読書
古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)
【最新号・告知】


2024(令和6)年11月30日号(No.378)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(14)-2024-
デイモン・ラニアン「三人の賢者」クリスマス・イヴの出産」



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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2024(令和6)年11月30日号(No.378)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(14)-2024-
デイモン・ラニアン「三人の賢者」クリスマス・イヴの出産」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

 今年もはやクリスマス・ストーリーの紹介の季節となりました。

 昨年の<クリスマス・ストーリーをあなたに>で紹介しました、
 シーベリン・クィン「道」を収録している
 『クリスマス・ストーリー集1 贈り物』の冒頭一番に収録されている
 作品を今回は紹介します。

 今年、新潮文庫で第一短編集『ガイズ&ドールズ』が紹介された、
 アメリカの作家デイモン・ラニアンの短編です。
私の好きな作家の一人でもあります。


▼昨年の<クリスマス・ストーリーをあなたに>

2023(令和5)年11月30日号(No.355)
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(13)-2023-
シーベリン・クィン「道」もうひとつのサンタ物語」
2023.11.30
クリスマス・ストーリーをあなたに~(13)-2023-
「道」もうひとつのサンタ物語-楽しい読書355号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/11/post-e79b41.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/0fb316f1636ea7b24674e4db294cac83

▼デイモン・ラニアンと第一短編集『ガイズ&ドールズ』について

2024.6.21
新潮文庫にデイモン・ラニアン(『ガイズ&ドールズ』)が帰ってきた!
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/06/post-957440.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/342752af4485ba7edf05148c30f1b7e6

『ガイズ&ドールズ』デイモン・ラニアン/著、田口俊樹/訳 2024.5.29


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-クリスマス・ストーリーをあなたに (14)- 2024

  ~ クリスマス・イヴの出産に立ち会う三人の男たちの物語 ~

  デイモン・ラニアン「三人の賢者」加島祥造/訳

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 ●過去の ~クリスマス・ストーリーをあなたに~

一回毎、一年ごとに【古典編】と【現代編】を交互に紹介してきました。

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

【古典編】
 チャールズ・ディケンズ『クリスマス・キャロル』『鐘の音』
 ワシントン・アーヴィング『昔なつかしいクリスマス』
 ライマン・フランク・ボーム『サンタクロースの冒険』
メアリー・E・ペン「ファンダーハーフェン老人の遺言状」
 クリストファー・モーリー「飾られなかったクリスマス・ツリー」

【現代編】
 トルーマン・カポーティ「あるクリスマス」「クリスマスの思い出」
 アガサ・クリスティー「水上バス」
 コニー・ウィリス「ひいらぎ飾ろう@クリスマス」「まれびとこぞりて」
 梶尾真治「クリスマス・プレゼント」、ジョー・ネスボ『その雪と血を』
 ドナルド・E・ウェストレイク「パーティー族」
 シーベリン・クィン「道」

 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

参照:
『レフティやすおのお茶でっせ』2023.11.27
クリスマス・ストーリーをあなたに~全リスト:
『レフティやすおの楽しい読書』BNから
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/11/post-1995dd.html


 ●デイモン・ラニアン「三人の賢者」――ストーリー

「三人の賢者」The Three Wise Guys (1933) 加島祥造/訳

*デイモン・ラニアン「三人の賢者」収録の短編集――
・『贈り物 クリスマス・ストーリー集1』長島良三/編 角川文庫
 1978(昭和53)/11/30


(画像:角川文庫版のクリスマス・ストーリーのアンソロジー全二巻『贈り物 クリスマス・ストーリー集1』、『クリスマスの悲劇 クリスマス・ストーリー集2』)

・デイモン・ラニアン『ブロードウェイの出来事』加島祥造/訳 新書館
(1977)
→『ブロードウェイ物語2 ブロードウェイの出来事』加島祥造/訳
 新書館(新装版)(1987/12/1)


(画像:デイモン・ラニアンの本=加島祥造/訳<ブロードウェイ物語>短編集(新書館・刊)『野郎どもと女たち』『ブロードウェイの出来事』『ロンリー・ハート』『街の雨の匂い ブロードウェイ物語 4』と新潮文庫『ブロードウェイの天使』加島祥造/訳、『ガイズ&ドールズ』田口俊樹/訳、の六冊)

(以下、略)

 ●星を目当てに見つけた納屋には妊産婦が……
 ●工場の事務所の強盗事件
 ●ブロンディは金を返して……
 ●三人の賢者
 ●山形孝夫『読む聖書事典』から「三人の博士」

*山形孝夫『読む聖書事典』ちくま学芸文庫 2015/12/9

 ●原題「The Three Wise Guys」

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今回も冒頭のみの転載です。
冒頭以下は、見出しのみで本文は省略させていただきました。

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レフティやすおの楽しい読書377号-告知-私の読書論190-<町の本屋>論(7)産経新聞10/27朝刊記事より

2024-11-18 | 本・読書
古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)
【最新号・告知】


2024(令和6)年11月15日号(vol.17 no.20/No.377)
「私の読書論190-<町の本屋>論(7)産経新聞記事10/27朝刊記事
「書店が消えない処方箋」より」


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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2024(令和6)年11月15日号(vol.17 no.20/No.377)
「私の読書論190-<町の本屋>論(7)産経新聞記事10/27朝刊記事
「書店が消えない処方箋」より」
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 昨年9月から10月、11月、12月と、今年5月、9月と、
 読書習慣を持つ人の減少、および町の本屋さんの減少に関して、
 読書について、本という文化について、
 そしてその発信源としての書店の存在と、
 私なりに考えた出版業界、書店の改革について書いてきました。
 今回は、その7回目となります。

 過去の文章もあくまで「元本屋の兄ちゃん」として、一読者としての、
 私見に過ぎません――と言いつつも、本質を説いているつもりです。
 でも、まあ、気軽にお読み下さい。

【過去5回の<私の「町の本屋」論>】

2023(令和5)年9月15日号(No.350)
「私の読書論174-消えゆく書店と紙の本」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.9.15
私の読書論174-消えゆく書店と紙の本-楽しい読書350号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/09/post-f7ab5e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/a65f07da56cc868147fbd49d01c3c4bf

2023(令和5)年10月15日号(No.352)
「私の読書論175-出版業界―または本と本屋のこと」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.10.15
私の読書論175-出版業界―または本と本屋のこと-楽しい読書352号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/10/post-d8d8ec.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7b9a38985fcfd574650e4c54eba355c1

2023(令和5)年11月15日号(No.354)
「私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.11.15
私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと
-楽しい読書354号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/11/post-7462e0.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d498bde194e54d8e97a5d018d683f607

2023(令和5)年12月15日号(No.356)
「私の読書論177-個性的な本屋の作り方を学ぶ
―『美しい本屋さんの間取り』から」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.12.15
私の読書論177-個性的な本屋の作り方を学ぶ―
『美しい本屋さんの間取り』-楽しい読書356号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/12/post-bf19e5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/79bec3e02805048065d5ea41387e2c55

(参考書)
『美しい本屋さんの間取り』エクスナレッジ X-Knowledge 2022/12/29


2024(令和6)年5月15日号(vol.17 no.5/No.366)
「私の読書論184-がんばれ!町の本屋さん」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.5.15
私の読書論184-がんばれ!町の本屋さん-楽しい読書366号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/05/post-5a5bc2.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/8a1d7f9a2989edbd174487963269b52b

2024(令和6)年9月15日号(vol.17 no.16/No.373)
「私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.9.15
私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より-楽しい読書373号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/09/post-4d9a04.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7555773c70cfe4846b3dc367dbf5493c

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 - 私の読書論190 -

  ~ がんばれ!町の本屋さん <私の「町の本屋」論>7 ~

  産経新聞10/27朝刊の記事「書店が消えない処方箋」より

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●産経新聞の記事――「書店が消えない処方箋」より

書店が消えない処方箋 読書推進月間に考える
日曜に書く 論説委員・山上直子
2024/10/27 15:00

https://www.sankei.com/article/20241027-NGYGJ5GW5NOTHD5P5BKMZEDKSU/



記事冒頭、えっと思うようなこんな情報が――。

「こんなに本屋が減っているのは日本だけですよ」

先月下旬に開かれたイベント
「『本屋の危機と未来』を語るトークセッションin大阪」で、
モデレーターを務めた元トーハン執行役員でコンサルタントの
小島俊一さんの言葉だという。

 《日本の書店数はこの20年でほぼ半減し出版市場も減少。
  書店ゼロの自治体が4分の1を超えた(略)デジタル化に読書離れと、
  書店をめぐる経営環境は厳しい…はずだが、
  それは日本だけなのか?》

「こういうリポートがあるんです」と。


 ●「薄利の現状」

*参照:
『2028年 街から書店が消える日 ~本屋再生!識者30人からの
メッセージ~』小島俊一/著 プレジデント社 2024/5/22



 ●「昭和なモデル」
 ●「多様な本屋を」
 ●現状のままでの変革について
 ●本もふつうの商品として販売する制度へ
 ●日々、本を読む人

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今回も冒頭のみの転載です。
冒頭以下は、見出しのみで本文は省略させていただきました。

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レフティやすおの楽しい読書376号-告知-中国の古典編―漢詩を読んでみよう(31)陶淵明(8)村人たちと

2024-11-03 | 本・読書
古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)
【最新号・告知】


2024(令和6)年10月31日号(vol.17 no.19/No.376)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(31)陶淵明(8)村人たちと
「飲酒二十首」其の十四、其の九」



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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2024(令和6)年10月31日号(vol.17 no.19/No.376)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(31)陶淵明(8)村人たちと
「飲酒二十首」其の十四、其の九」
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 先月に引き続き、「中国の古典編―漢詩を読んでみよう」
 陶淵明の8回目です。
 
 今回は、<村人たちと>と題して「飲酒二十首」から、
 「其の十四」と「其の九」を読んでみます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆ 村人たちと ◆

 中国の古典編―漢詩を読んでみよう(31)

  ~ 陶淵明(8) ~

 「飲酒二十首」から「其の十四」と「其の九」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今回の参考文献――

『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
 江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20
「九、達観を目指して――陶淵明の世界」より


 ●陶淵明「飲酒二十首」から「其の十四」

林田慎之助/訳注『陶淵明 全詩文集』ちくま学芸文庫 2022/1/8


 ●陶淵明「飲酒二十首」から「其の九」

 ●林田慎之助/訳注『陶淵明 全詩文集』「解説」の「其の九」

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従来はほぼ全号で、本文の全文転載を行ってきましたが、購読者への思いから、前号より最新号発行の告知(冒頭部分と見出し)のみに変更しました。
あしからずご了承ください。

せっかく書いた文章ですので、いずれは本文も公開したいと考えています。
当面は、一ヶ月後ぐらいと想定しています。
実際にはどうなるかは、その時になってみないと分かりませんけれど……。

 ・・・

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レフティやすおの楽しい読書375号-完訳版ヴェルヌ『十五少年漂流記 二年間の休暇』を読む【別冊 編集後記】

2024-10-17 | 本・読書
今回からメルマガの紹介は、冒頭の部分と、それ以降は「見出し」のみの紹介です。

ここんところ、ずっと本文全文の転載紹介でした。

一生懸命書いた文章なので、一人でも多くの人に読んでいただきたい、との思いからでした。

以前は、まぐまぐ!の方で、バックナンバーの閲覧ができるようになっていました。
それがなくなって久しいのですが、何らかの形で残せたらと思うのです。

あるときの他の方のブログで、メルマガを転載紹介しているのを知り、やってみようかともって始めたのが最初でした。
当初はこれはというどうしても多くの多くの方に知っていただきたい情報のみを紹介していました。

それもやっぱりどうかという気がして、今の形になっています。


ただそれをしていますと、せっかく購読していただいている方の楽しみが減る?ような気がします。
いつでも読めるのなら、購読せずともいいのでは? という疑問を抱かせるのではないでしょうか。

そのせいかどうかはわかりませんが、購読者数の減少傾向が続いています。

そこで、今回から時差を設けて発表するように変更しようと考えています。

とにかく色々やってみようと思います。

では、よろしく!

 ・・・

古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)
【別冊 編集後記】


2024(令和6)年10月15日号(vol.17 no.18/No.375)
「私の読書論189-完訳版『十五少年漂流記 二年間の休暇』
(ジュール・ヴェルヌ 光文社古典新訳文庫)を読む」



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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2024(令和6)年10月15日号(vol.17 no.18/No.375)
「私の読書論189-完訳版『十五少年漂流記 二年間の休暇』
(ジュール・ヴェルヌ 光文社古典新訳文庫)を読む」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今月は、7月10日に発売されました、光文社古典新訳文庫の
 完訳版『十五少年漂流記 二年間の休暇』ヴェルヌ/鈴木雅生訳
 を読んでみましょう。

 この作品は、子供の頃に読んだいう読者も少なくないと思われます。
 また、大人になって文庫本でも読んだ、
 という人もいらっしゃることでしょう。
 しかし、それらも大半は抄訳本であったりします。

 最近は、子供向けでも完訳本が増えてきました。
 一般向けの文庫本でも完訳版が出ていました。

 それでも文庫の大手、新潮文庫の『十五少年漂流記』は、
 <夏の文庫フェア>でもよく取り上げられています。
 ところがこの本がやっぱり昔ながらの抄訳本(?)なのですね。

 新潮社からは、2015年の8月に、椎名誠・渡辺葉という父娘共訳の
 480ページの完訳本が出ています。

『十五少年漂流記』ジュール・ヴェルヌ/著 椎名誠/訳 渡辺葉/訳
新潮社 2015.8.31

 それでも文庫版は、今でも抄訳本のままです。
 「抄訳だからだめだ」とは一概には言えません。
 しかし、完訳が著者のいわんとするところを十全に伝える方法だろう
 ことは、想像に難くありません。

 ということで、今回は、その完訳版の
 『十五少年漂流記 二年間の休暇』を紹介します。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 - 私の読書論189 -

  ~ 完訳版は小説としての味わいが深い! ~

  光文社古典新訳文庫 完訳版『十五少年漂流記 二年間の休暇』
  ヴェルヌ/鈴木雅生訳 2024/7/10 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●縮約版(抄訳版)か、完訳版か

夏休みを前に出版されたのが、この完訳版のジュール・ヴェルヌの
“ロビンソンもの”の冒険小説『十五少年漂流記 二年間の休暇』です。

完訳版『十五少年漂流記 二年間の休暇』ヴェルヌ/著 鈴木雅生/訳
光文社古典新訳文庫 2024/7/10 



(画像:私の蔵書から、ジュール ヴェルヌの『十五少年漂流記』文庫版の翻訳書4点――旺文社文庫<特製版>、旺文社文庫カバー付、集英社文庫<ジュール・ヴェルヌ・コレクション>版、新刊の光文社古典新訳文庫版)


(画像:縮約版と完訳版の厚さの違い――左から『十五少年漂流記 二年間の休暇』光文社古典新訳文庫 712ページ、集英社文庫<ジュール・ヴェルヌ・コレクション>版『二年間のバカンス 十五少年漂流記』544ページ、旺文社文庫/縮約版『十五少年漂流記』248ページ)


『レフティやすおのお茶でっせ』で、

2024.7.28
光文社古典新訳文庫から完訳版『十五少年漂流記 二年間の休暇』
ヴェルヌ/鈴木雅生訳 が発売
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/07/post-579d65.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/8655ac0ebc9b20c696b589d7d66e1b24

という文章でもあれこれ書いていますが、
ここでも改めて完訳版と縮約版の違いについて書いてみましょう。

 ・・・

(以下、略)

 ●私の見解
 ●『十五歳の船長』を補完する
 ●10年前の作品『少年船長の冒険』
 ●少年リーダーの思考と心の動きを描くべき
 ●嵐の果てに陸地に辿り着く少年たち
 ●ロビンソン生活から極悪人との戦い、そして帰還
 ●少年たちの知恵と努力
 ●時代の産物

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上にも書きましたように、今回から最新号発行の告知を中心に内容の一部の紹介のみとしました。

ご意見ご感想がございましたら、御連絡ください。(連絡は、『レフティやすおのお茶でっせ』「プロフィール」欄より)


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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
レフティやすおの楽しい読書375号-完訳版ヴェルヌ『十五少年漂流記 二年間の休暇』を読む【別冊 編集後記】
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中国の古典編―漢詩を読んでみよう(30)陶淵明(7)空想の世界で-楽しい読書374号

2024-10-04 | 本・読書
古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)
【別冊 編集後記】


2024(令和6)年5月31日号(vol.17 no.17/No.374)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(30)陶淵明(7)空想の世界で
「読山海経十三首」「桃花源記」」



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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2024(令和6)年5月31日号(vol.17 no.17/No.374)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(30)陶淵明(7)空想の世界で
「読山海経十三首」「桃花源記」」
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 5月以来の「中国の古典編―漢詩を読んでみよう」です。
 陶淵明の7回目です。
 今回は“空想の世界で”と題して、陶淵明さんのまた違った面から
 「読山海経十三首」と「桃花源記」を紹介します。 

(前回の陶淵明)
2024(令和6)年5月31日号(vol.17 no.10/No.367)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(29)陶淵明(6)
「雑詩十二首 其の二/飲酒二十首 其の十六・其の二十」」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.5.31
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(29)陶淵明(6)
「雑詩十二首 其の二/飲酒二十首 其の十六・其の二十」
-楽しい読書367号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/05/post-7fd77a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/4ba167232a719b87a68079d36e56d064


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◆ 空想の世界で ◆

 中国の古典編―漢詩を読んでみよう(30)
  ~ 陶淵明(7) ~

 「読山海経十三首」「桃花源記」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今回の参考文献――

『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
 江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20
「九、達観を目指して――陶淵明の世界」より



 ●陶淵明「読山海経十三首」

今回は、参考本『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』の
「九、達観を目指して――陶淵明の世界」より<仮想の世界へ>から、
「読山海経十三首」を紹介します。

陶淵明の別の面――ファンタジーの世界、空想の世界にふれてみよう、
というわけです。

まずは『山海経』について書いておきましょう。

『山海経(せんがいきょう)』は、魏から晋の時代に作られた地理書です。

《神仙思想の流行で人々があちこちの山へお参りや遊山に出かけますが、
 その時のガイドブックの役割を果たしたとも言われます。》p.368

山や川の由来や特産品、各地に伝わる神話伝説まで収めています。
地理書でありながら、中国の神話伝説の宝庫と言われる由縁です。

「経」という字は、“教科書”“基準になる大切な本”の意味です。

作者は不明で、郭璞(かくはく)が注をつけた本を陶淵明さんも読み、
挿絵も見ていたのでしょう、といいます。

私も中国の妖怪としてこういう絵を楽しんでみていた記憶があります。
中国の古典の一つとして紹介しよう、と考えたこともありました。


(画像:『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20 より、『山海経』に描かれている妖怪たちの挿絵を掲載したページ(pp.368-369))

 ・・・

読山海経十三首
  山海経(せんがいきよう)を読(よ)む十三首(じゆうさんしゆ)

 其一  其(そ)の一(いち)

孟夏草木長  孟夏(もうか) 草木(そうもく)長(ちよう)じ
繞屋樹扶疏  屋(おく)を繞(めぐ)りて 樹(き) 扶疏(ふそ)たり
衆鳥欣有託
  衆鳥(しゆうちよう) 託(たく)する有(あ)るを欣(よろこ)び
吾亦愛吾廬  吾(われ)も亦(また) 吾(わ)が廬(いほり)を愛(あい)す

 初夏を迎えて草や木が伸び、
 我が家を取り巻いて木々がうっそうと茂っている
 鳥たちは身を託する木の茂みができたのを嬉しがり、
 私もこういう我が家が気に入っている

既耕亦已種  既(すで)に耕(たがや)し 亦(また) 已(すで)に種(う)ゑ
時還読我書  時(とき)に還(ま)た我(わ)が書(しよ)を読(よ)む
窮巷隔深轍  窮巷(きゆうこう) 深轍(しんてつ)を隔(へだ)て
頗回故人車  頗(すこぶ)る故人(こじん)の車(くるま)を回(めぐ)らす

 私は畑を耕し、苗を植え、
 時間があれば部屋に戻って愛読書を読む
 家に通じる路地は深いわだちを遠ざける
 ただ時折、親しい友人の車輪がくるくる回って訪れてくれるだけである

歓言酌春酒  歓言(かんげん)して春酒(しゆんしゆ)を酌(く)み
摘我園中蔬  我(わ)が園中(えんちゆう)の蔬(そ)を摘(つ)む
微雨従東来  微雨(びう) 東(ひがし)従(よ)り来(きた)り
好風与之倶  好風(こうふう) 之(これ)と倶(とも)にあり

 そんな時、私は親友と談笑して春飲む酒を酌み交わし、
 つまみとして我が家庭菜園の野菜をつんで食卓に備える
 その折、霧雨が東の方から降りはじめ、
 それとともに心地よい初夏の風も吹いて来た 

汎覽周王伝  汎(ひろ)く周王(しゆうおう)の伝(でん)を覽(み)て
流観山海図  流(あまね)く山海(さんかい)の図(ず)を観(み)る
俯仰終宇宙  俯仰(ふぎよう)して宇宙(うちゆう)を終(を)ふ
不楽復何如  楽(たの)しからずして 復(ま)た何如(いかん)

 私は周の穆王の不思議な物語を通読したり、
 『山海経』の幻想的な挿絵をざっと眺めたりする
 そうしていると、上を見、それから下を見る
  その短い時間のうちに、時間と空間を見尽くした気分になる
 これが楽しくないならば、いったいどうだというのか


「読山海経十三首」は、十三首の連作で、
全体として『山海経』の読後感を述べたもの。
「其の一」は序論に当たります。

宇野直人さんの解説によりますと、
《彼の生活ぶりが出ています》とのこと。

第一段では、「孟(もう)」は“はじめ”の意味で、初夏の季節感を示し、
周囲の状況を述べています。

第二段では、自分の農耕生活やお読書、友人との関係を述べます。
「轍(わだち)」が遠いということは、立派な馬車の訪れがない、つまり、
貴族や政府高官との縁の無い生活で気楽な生活。

第三段は、親しい友人との交流の一コマ。
「春酒(しゅんしゅ)」は冬仕込みのお酒、「蔬」は野菜。
のどかな雰囲気。

第四段は、読書について。

《「周王の伝」は『穆天子伝(ぼくてんしでん)』という一種の空想的な話
 で、『山海経』とともに彼の愛読書だったようです。》p.371

魏・晋の時代から中国には空想や怪奇趣味の世界があったといいます。
道教・老荘思想が地誌記事の心を捉え、仏教も伝来し、現世と違うものに
惹かれる精神的風潮が続いていた、その中に、陶淵明さんもいたのだ、
と宇野さんの解説です。


 ●陶淵明さんの読書生活

この「其の一」は、『山海経』を読んでいるという、
陶淵明さんの読書生活の一端を示して、序文の代わりとなっています。

以前の詩にも、農作業の合間に本を読む、といった場面があったか
と思います。

そういう政治の世界を離れてからの生活ぶりの一端を示す詩、
となっているようです。

次に、紹介するのは「桃花源の記」という陶淵明さんの散文作品です。

陶淵明さんは、空想的な世界に興味を持っていましたので、
当時語り伝えられていた不思議な話を集めてリライトし、
『捜神後記(そうしんこうき)』という小説集を作った、といいます。

そのうちの一編が、この「桃花源の記」というユートピア物語で、
“桃源郷”という言葉の出典となっています。


 ●「桃花源の記」

桃花源記  桃花源(とうかげん)の記(き)  陶淵明

[第一段]

晋太元中、武陵人、捕魚為業。縁溪行、忘路之遠近。忽逢桃花林。
夾岸数百歩、中無雜樹。
芳草鮮美、落英繽紛。
漁人甚異之、復前行、欲窮其林。林尽水源、便得一山。山有小口、
 髣髴若有光。便舎船従口入。

  晋(しん)の太元中(たいげんちゆう)、 武陵(ぶりよう)の人(ひと)、
   魚(うを)を捕(とら)ふるを業(ぎよう)と為(な)す。
  溪(たに)に縁(よ)りて行(ゆ)き、
   路(みち)の遠近(えんきん)を忘(わす)る。
  忽(たちま)ち桃花(とうか)の林(はやし)に逢(あ)ふ。
  岸(きし)を夾(はさ)むこと数百歩(すうひやくほ)、
   中(うち)に雜樹(ざつじゆ)無(な)し。
  芳草(ほうそう)鮮美(せんび)、落英(らくえい)繽紛(ひんぷん)たり。
  漁人(ぎよじん) 甚(はなは)だ之(これ)を異(い)とし、
   復(ま)た前(すす)み行(ゆ)きて、
   其(そ)の林(はやし)を窮(きは)めんと欲(ほつ)す。
  林(はやし) 水源(すいげん)に尽(つ)き、
   便(すなは)ち一山(いちざん)を得(え)たり。
  山(やま)に小口(しようこう)有(あ)り。
   髣髴(ほうふつ)として光(ひかり)有(あ)るが若(ごと)し。
  便(すなは)ち船(ふね)を舎(す)て、口(くち)従(よ)り入(い)る。

 晋の太元年間、南中国(湖南省)の武陵の人で、
  魚を捕って暮らす漁師がいた。
 或る日、いつも通り谷川の流れに沿って舟で行き、
  やがてどのくらいの距離を来たのかわからなくなり、
  道に迷ってしまった。
 突然、桃の花ばかりの森に出くわした。
 その桃の森は、皮の両岸に数百歩続いている。
  その中に桃以外の木はない。
 地面にはかぐわしい緑の草が鮮やかに茂り、
  その上に桃色の花びらが散りしいている。
 漁師はその眺めをたいへん不思議に思い、
  そのまま舟を進め、この森の奥をつきつめてやろうと思った。
  そうするうちに森が川の水源で終わり、山が見つかった。
 そこに小さな洞穴があり、何かぼんやりと光が差しているようだ。
  興味をもった漁師は、舟を降りてそこに入っていった。


《冒頭は、主人公の漁師が道に迷い、不思議な世界に舞い込んで行く
 過程です。》p.347

時代と主人公の紹介から。
晋の太元年間(376~396)は、陶淵明さんの12歳から32歳までの時期で、
当時の流行していた時事ネタを記録したものだ、といいます。


[第二段]

初極狭、纔通人。復行数十歩、豁然開朗。土地平曠、屋舍儼然。
有良田美池桑竹之属。阡陌交通、鷄犬相聞。其中往来種作。
男女衣著、悉如外人。黄髮垂髫、並怡然自楽。

  初(はじ)め極(きは)めて狭(せま)く、
   纔(わづ)かに人(ひと)を通(つう)ずるのみ。
  復(ま)た行(ゆ)くこと数十歩(すうじつぽ)、
   豁然(かつぜん)として開朗(かいろう)す。
  土地(とち)平曠(へいこう)、屋舍(おくしや)儼然(げんぜん)たり。
  良田(りょうでん)・美池(びち)・桑竹(そうちく)の属(ぞく)有(あ)り。
  阡陌(せんぱく) 交(こもごも)通(つう)じ、鷄犬(けいけん)
   相(あひ)聞(きこ)ゆ。
  其(そ)の中(うち)に往来(おうらい)して種作(しゆさく)す。
  男女(だんじよ)の衣著(いちやく)、
   悉(ことごと)く外人(がいじん)の如(ごと)し。
  黄髮(こうはつ)・垂髫(すいちよう)、
   並(なら)びに怡然(いぜん)として自(みづか)ら楽(たの)しむ。

 はじめはごく狭く、やっと人一人を通すくらいであった。
 さらに数十歩進むと、やがて目の前がからっと明るく広がった。
 平らで広い場所に、家屋がきちんと整って並んでいる。
 作物が多く取れる畑、きれいな池、農家につきものの桑や竹が
  たくさん植わっている。
 畑のあぜ道は縦横にきれいに通じ、鶏や犬の鳴き声が聞こえる。
 人々はその中を行き来して、種を植えたり畑を耕したりしている。
 男女の衣服はみな、漁師らと変わったところはなく、老人も子どもも、
 みんながゆったりくつろいで楽しそうにしている。


第二段は、洞穴の説明から始まり、その先に現実とは対照的に
きちんとした農村の風景が広がっています。
「黄髮・垂髫」は、老人と子供の意味で、
社会的弱者が大切にされている、理想的な隠れ里があったという。


[第三段]

見漁人、乃大驚、問所従来。具答之。便要還家、設酒殺鷄作食。
村中聞有此人、咸來問訊。
自云、先世避秦時乱、率妻子邑人、来此絶境、不復出焉。
遂与外人間隔。問今是何世。乃不知有漢、無論魏晋。
此人一一為具言所聞。皆歎惋■。
余人各復延至其家、皆出酒食。停数日、辞去。
此中人語云、不足為外人道也。

  漁人(ぎよじん)を見(み)て、乃(すなわ)ち大(おほ)いに驚(おどろ)き、
   従(よ)り来(きた)る所(ところ)を問(と)ふ。
  具(つぶさ)に之(これ)に答(こた)ふ。
   便(すなは)ち要(むか)へて家(いへ)に還(かへ)り、酒(さけ)を
   設(まう)け鷄(にはとり)を殺(ころ)して食(し)を作(つく)る。
  村中(そんちゆう) 此(こ)の人(ひと)有(あ)るを聞(き)き、
   咸(みな) 来(きた)りて問訊(もんじん)す。
  自(みづか)ら云(い)ふ、「先世(せんせい) 秦時(しんじ)に
   乱(らん)を避(さ)け、妻子(さいし)・邑人(ゆうじん)を
   率(ひき)ゐて此(こ)の絶境(ぜつきよう)に来(きた)り、
   復(ま)た出(いで)ず。
  遂(つひ)に外人(がいじん)と間隔(かんかく)す」と。
  「今(いま)は是(こ)れ何(なん)の世(よ)なるか」と問(と)ふ。
  乃(すなわ)ち漢(かん)有(あ)るを知(し)らず、魏(ぎ)晋(しん)に
  論(ろん)無(な)し。
  此(こ)の人(ひと) 一(いち)一(いち) 為(ため)に具(つぶさ)に
  聞(き)く所(ところ)を言(い)ふ。皆(みな) 歎惋■(たんわん)す。
  余人(よじん) 各々(おのおの)復(ま)た延(まね)ゐて
   其(そ)の家(いへ)に至(いた)らしめ、
   皆(みな) 酒食(しゆし)を出(い)だす。
  停(と)まること数日(すうじつ)にして、辞去(じきよ)す。
  此(こ)の中(うち)の人(ひと) 語(つ)げて云(い)ふ、
  「外人(がいじん)の為(ため)に道(い)ふに足(た)らざるなり」と。

 或る村人が漁師を見つけ、これはこれはと大いに驚いた。
 漁師が辿ってきた道を尋ねた。漁師はそれに詳しく答えた。
 すると村人は家に戻って酒席を設け、庭の鶏をしめてご馳走を作って
  歓迎してくれた。
 やがて村じゅうの人が、こういう人が現れたと聞いて
  我も我もとやって来て、いろいろ質問した。
 この家の主人が言うには、「私たちの先祖は秦の世の乱れを避け、
  妻子や村人たちを引き連れてこの秘境にやって来て、
  それきり外へ出ようとしませんでした」。
 「今はどんな時代なんですか」と問う。
 なんとまあ、村人たちは漢王朝があったことも知らない。
  漢より新しい魏や晋を知らないのは当然であった。
 そこで漁師はいちいち村人たちの質問に対して、
  聞き知っていることをくわしく話してあげた。
 すると村人たちはみんな、世の中の変化に感じてため息をついた。
 さらにほかの村人たちも家に漁師を招待し、酒や食事でもてなした。
 そのようにして漁師はとどまること数日、
  そろそろおいとましようということになった。
 村の或る人は漁師に告げた、「外部の人にこの村のことを言うには
  およびませんよ」


第三段では、隠れ里の人が漁師をみつけます。
《「乃(すなは)ち」はけっこう結構思い言葉で
 “なんとまあ”と驚きを強調します。
 ふつうの人は入って来られないので、これは特別のお方に違いない、
 といった感じでしょう。》p.377

中国では桃は魔除けの力があると信じられていて、
桃の森に囲まれたこの土地にはめったな人は入れない、
《ここは、世の乱れを避けて閉じ籠もった人が住む隠れ里なんです。
 だから単なる理想郷ではなく、“外界を拒否する閉鎖的な空間”という、
 排他的な性格がある。》p.378
要するに、ユートピアではない、ということ。
別れの場面で、「外部の人にこの村のことを言うにはおよびませんよ」
というのは、「言わないでください」の婉曲表現。


[第四段]

既出、得其船、便扶向路、処処誌之。及郡下、詣太守、説如此。
太守即遣人隨其往。尋向所誌、遂迷不復得路。南陽劉子驥、高尚士也。
聞之、欣然規往。未果、尋病終。後遂無問津者。

  既(すで)に出(い)でて、其(そ)の船(ふね)を得(え)、
  便(すなは)ち向(さき)の路(みち)に扶(よ)り、処処(しよしよ)に
   之(これ)を誌(しる)す。
  郡下(ぐんか)に及(およ)び、太守(たいしゆ)に詣(いた)りて、
   説(と)くこと此(かく)の如(ごと)し。
  太守(たいしゆ) 即(すなは)ち人(ひと)をして
   其(それ)に随(したが)つて往(ゆ)か遣(し)む。
  向(さき)に誌(しる)せし所(ところ)を尋(たず)ぬるに、
   遂(つひ)に迷(まよ)つて復(ま)た路(みち)を得(え)ず。
  南陽(なんよう)の劉子驥(りゆうしき)は、
   高尚(こうしよう)の士(し)なり。
  之(これ)を聞(き)き、
   欣然(きんぜん)として往(ゆ)かんことを規(はか)る。
  未(いま)だ果(はた)さざるに、尋(つ)いで病(や)みて終(をは)る。
  後(のち) 遂(つひ)に津(しん)を問(と)ふ者(もの)無(な)し。

 漁師はもはや外に出て自分の舟を見つけ、先日来た道をそのまま通り、
  あちこちに目印をつけておいた。
 自分が住んでいた郡の役所がある町につくと、長官のもとを訪れ、
  かくかくしかじかと体験を報告した。
 そこですぐさま部下を派遣し、漁師の後に従って部下に
  桃源郷を探しに行かせた。
 そこで一行は先に目印をつけた所を辿って行ったが、
  そのうち迷ってしまい、もはや道を見つけられなかった。
 隠者である南陽の劉子驥は、その話を聞いて大喜びで訪問を計画した。
 ところがそれを実行しないうちに、間もなく病気になって亡くなった。
 以後、そのまま桃源郷への道筋を尋ねる者はいなくなった。


第四段は、漁師が帰ってからの行動。
《「高尚」は日本語と少し違い、心と行いがきれいで、
 俗から離れていることをいい、「隠者」とほぼイコールです。》
そういう場所こそ自分の住処にふさわしいと隠者が探すが
見つけられないまま、病死する。


 ●理想郷としての桃源郷

陶淵明さんがこういう話に注目したのは、
《世の中が乱れていて、別天地に行きたい
 という興味があったからじゃないでしょうか。》p.380

というのですが、『老子』では、理想郷を「小国寡民」に置いています。
そういう世界をここに描いているのでしょう。

陶淵明さんが逃げ出してきた、
現実の乱世に対するアンチテーゼとしての存在を描いたお話、
ということでしょうか。

村人たちは、秦の時代の乱世に世を向けて、
この世界に逃げ込んできた人たちの末裔で、
その後の歴史を知らないまま生きています。

外から来た漁師は歓待を受け、また出かけてこようと考えます。
しかし、もう二度と戻ることはできませんでした。
この話を聞いた隠者も探しますが、見つけられません。

桃源郷といえば、理想の居心地よい世界のようですが、
結局そういう世界は夢幻(ゆめまぼろし)の世界ということでしょう。

それとも邪な心を持つ人たちには見えない、見つけられない世界
ということでしょうか。

 ・・・

今回は、陶淵明さんのまた違った一面をのぞいてみました。

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本誌では、「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(30)陶淵明(7)空想の世界で「読山海経十三首」「桃花源記」」と題して、今回も全文転載紹介です。

古代中国の妖怪を扱った地理書『山海経』についての一首と、桃源郷の言葉の由来となったという散文のお話を紹介しています。

中国の怪奇小説の類いもけっこう好きで、『聊斎志異』は読んでいます。
いずれ、中国の小説を取り上げようと思っていますが、その中で『山海経』などにもふれてみたいと考えています。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

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私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より-楽しい読書373号

2024-09-16 | 本・読書
古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)
【別冊 編集後記】


2024(令和6)年9月15日号(vol.17 no.16/No.373)
「私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より」



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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2024(令和6)年9月15日号(vol.17 no.16/No.373)
「私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より」
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 昨年9月から10月、11月、12月と、今年5月の
 読書習慣を持つ人の減少、および町の本屋さんの減少に関して、
 読書について、本という文化について、
 そしてその発信源としての書店の存在と、
 私なりに考えた出版業界、書店の改革について書いてきました。
 今回は、その6回目となります。
 特に、筋道通した議論を続けてきたわけではなく、
 その都度思うところを書いてみただけですので、重複もあれば、
 前後つじつまの合わない部分もあったかも知れません。
 あくまでも元「本屋の兄ちゃん」として、一読書家としての、
 私見にすぎません。
 
 適当に読み飛ばしていただければ、と思います。


【過去5回の<私の「町の本屋」論>】

2023(令和5)年9月15日号(No.350)
「私の読書論174-消えゆく書店と紙の本」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.9.15
私の読書論174-消えゆく書店と紙の本-楽しい読書350号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/09/post-f7ab5e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/a65f07da56cc868147fbd49d01c3c4bf

 ●朝日新聞の記事「本屋ない市町村、全国で26%~」
 ●再販制度――定価販売による価格保証
 ●書店経営が厳しい背景の要因―雑誌の売り上げの急減
 ●ネット書店で本を買う人の増加
 ●リアル書店での「偶然の出会い」
 ●リアル書店の生き残りについて――「コンビニ+本屋」
 ●ベストセラーではなく、ロングセラーを!
 ●本屋はそのまちの文化のバロメーター

一番大事なことは、本屋さんというのは、
その町の文化を代表する存在の一つだ、ということです。

もちろん文化施設としては、
公立や私立の図書館とか美術館とか博物館などもあります。
あるいは学校――小・中・高校、大学、専門学校などの教育施設などが
あります。

しかし、最も身近な文化施設として、私が思うところは、
やはり町の本屋さんなのです。
これは私の経験からの意見です。

本屋さんに出入りするようになり、私の世界が広がったのです。
今の私につながるような変化を生みました。

それが文化というものでしょう。

本の世界には、文字通り世界のすべてが包含されています。
未知なる世界への入口になるのです。

日常的な生活だけでは、絶対ふれ得ないような世界の広さです。

それが本屋さんというものだと私は思っています。

もちろん、昔でいえば映画やラジオやテレビもそういうものでした。
しかし、それらは自分の手元に置いておくことができにくいものでした。

紙の本なら、それが可能でした。

広い世界へつながる入口――それが本屋さんであり、
文化へ続く道だったのです。
--

2023(令和5)年10月15日号(No.352)
「私の読書論175-出版業界―または本と本屋のこと」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.10.15
私の読書論175-出版業界―または本と本屋のこと-楽しい読書352号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/10/post-d8d8ec.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7b9a38985fcfd574650e4c54eba355c1

 前回に引き続き、本と本屋の世界といいますか、業界について、
 「元本屋の兄ちゃん」として、本好き・読書好きの人間として、
 私なりに考えていることを書いてみようと思います。

 前回は、朝日新聞の記事「本屋ない市町村、全国で26%~」を基に、
 書店が生き残る方法など、私なりの考えを書きました。
 再販制度をやめよとか、雑誌販売についてとか、
 書店の選書について等々。

 今回はその続きで、出版業界における改革について、
 私なりの案を書いてみましょう。

 ●日本の本は安い!?
 ●本の値段を上げてみれば?
 ●本の価格を1.5倍に
 ●より良い本作りが可能に
 ●「軽い」本は電子版で
 ●「良い本」を作れる環境を!

まとめ的にいいますと、
現状ではまず本の値段を上げてそれぞれの取り分を増やす。

そうして、著者・出版社の「良い本」を作れる環境を整え、
書店がそれらの「良い本」をじっくり時間をかけて売れる状況にする。

――というところでしょうか。
--

2023(令和5)年11月15日号(No.354)
「私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.11.15
私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと
-楽しい読書354号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/11/post-7462e0.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d498bde194e54d8e97a5d018d683f607
 ●月0冊が半数
 ●系統だった情報を入手する方法としては本が上では?
 ●「読書週間」と読書習慣
 ●「本を読むから偉い」のでなく「本を読んだから偉くなれた」
 ●「読む時間が確保できない」
 ●「読みたい本がない」について
 ●書店の新形態――無人の店舗、コンビニ併設
 ●本屋さんの生き残りに期待

とにかく、本屋さんがなくなるというのが一番の悲劇だと思っています。
何らかの形で残って欲しい、という強い願望があります。

ふらりと入った本屋さんであれこれ見ることで、
「あっ、こんな本が出てる!」という偶然の出会いがあります。

それが本好きにとっての一番の至福の時間かもしれません。

私は、本屋さんにいるときが一番楽しい時です。
図書館も楽しみですが、本屋さんの方が、より新しい顔を見られる、
という点で楽しみが大です。

今の私があるのは、ひとえに本屋さんあればこそ、と思っています。
私の人生の一番の友、それが本で、その友との出会いの場が本屋さん、
なんです。

(略)

私は、書店・本屋さんは、地域の文化の担い手だと考えています。
がんばれ本屋さん!
--

2023(令和5)年12月15日号(No.356)
「私の読書論177-個性的な本屋の作り方を学ぶ
―『美しい本屋さんの間取り』から」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.12.15
私の読書論177-個性的な本屋の作り方を学ぶ
―『美しい本屋さんの間取り』-楽しい読書356号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/12/post-bf19e5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/79bec3e02805048065d5ea41387e2c55

 (今回の参考書)
『美しい本屋さんの間取り』エクスナレッジ X-Knowledge 2022/12/29

 ●現物の魅力
本屋さんの魅力といいますと、なによりも、
<思いがけない本との出会いがある>という点でしょう。

欲しい本を買うだけなら、ネットで十分です。
在庫があれば、Amazonなどではホントにすぐに送ってきてくれます。

でも、自分が欲しい本が必ずしも、選んだ本だった、とは限りません。
色々な情報を手にしたうえで吟味して選んだつもりでも、
ホントに自分に合ったものかどうかは、
実際に手に取って読んでみなければ分からないものです。

その点、本屋さんではある程度立ち読みで現物を確認する事もできます。
内容だけではなく、実際の“もの”としての魅力という側面もあり、
自分で納得のいくものに出会えるという点では、
リアルの世界の持つ力は、捨てがたいものがあります。

本屋さんで本を探していると、予定していた本以外にも、
もっと適切な本が見つかることがあります。

さらに、考えてもいなかった本と出会うこともあります。
自分の中にそんな欲望があったのか、と思うような、
異なるジャンルの本との出会いも。

 ●本屋さん開業の夢
 ●『美しい本屋さんの間取り』主な目次
 ●間取りの図版が楽しい
 ●1章 設え方 来店者を増やす
 ●2章 見せ方 美しく本を見せる
 ●3章 基本 知っておきたい基礎知識
 ●本書が見せてくれる自分の本屋さんの夢
--

2024(令和6)年5月15日号(vol.17 no.5/No.366)
「私の読書論184-がんばれ!町の本屋さん」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.5.15
私の読書論184-がんばれ!町の本屋さん-楽しい読書366号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/05/post-5a5bc2.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/8a1d7f9a2989edbd174487963269b52b

 ●「多様な本屋があればこそ 書店減少と読書文化を考える」
産経新聞2024/4/30の山上 直子さんの
「一筆多論/多様な本屋があればこそ 書店減少と読書文化を考える」
https://www.sankei.com/article/20240430-3WZGEHWNPVPEHJSDN4I2J4ITXU/
 《思わぬ本に出会って人生が変わることもある。
  これまで、その舞台となってきたのが「街の本屋さん」だった。》
 《近年、個性的な書店が増えている。
  規模も取り組みもさまざまだが、従来の経営モデルでは
  もう通用しないという裏返しでもあるだろう。》

 ●私の“町の本屋さん”の生き残り法
(1) 現状の出版販売制度を維持したままでならば、本の価格を引き上げ、
その値上げ分を著者を含めた出版社、取次、書店で分配する方法。
これにより利益率を改善する。
(2) 根本的に販売制度を変え、再版制度をやめて、
書店の自由販売に変える。
他の商品などと同じように、自主的に仕入れて、自由に価格を設定、
販売する。

 ●文化の発信地としての書店の役割
書店の役割として、地域の文化の創造基盤としての存在、
というものがあると思います。

 ●がんばれ! 町の本屋さん
紙の本による、
三次元で肉体と精神の両方を駆使して行う知的活動こそが読書だ、
と考える人もいます。

特に子供さんなどは、手に取って触って見て、五感で理解するのです。
ものとしての本の役割は、非常に大きなものがあります。
--

以上、過去の5回の<私の「町の本屋」論>の概要とまとめでした。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 - 私の読書論188 -
  ~ がんばれ!町の本屋さん <私の「町の本屋」論>6 ~

  産経新聞8/12朝刊の記事「書店主導「売れる本」売る改革」より
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ●新聞記事から――書店主導「売れる本」売る改革

2024(令和6)年8月12日の産経新聞朝刊に、

《書店主導「売れる本」売る改革/
 直接仕入れ 取り分増・返品率は減へ》

という見出しの記事が出ていました。



*ネット版 2024/8/11 21:45《書店主導で「売れる本」を売る
 返品減らし利益高める改革に着手》
https://www.sankei.com/article/20240811-H3U5U7CNWBKN3LHCGBKBTZM6I4/

段落毎に見出しを付けている、
ネット記事を参考に内容を簡単に紹介しますと――

出版科学研究所によりますと、
《少子高齢化やインターネットの普及などの影響》で、
紙の出版物(書籍と雑誌)の推定販売額が
ピーク時の1996(平成8)年の2兆6564億円から
昨年2023(令和5)年は1兆612億円と4割以下に落ち込んでいる、
といいます。

《電子コミックの販売額が伸びる一方で、
 紙の雑誌の落ち込みが目立ち書店の経営難に拍車をかけている。》

その苦境下、《既存の流通システムが曲がり角を迎えつつある中》、
《街中の書店を残すため》の書店主導の改革が進められている、
という内容の記事です。


 ●「売れる本」って?

「売り上げ前年比2割増」――
紀伊国屋書店と
蔦屋書店などを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)、
出版取次大手の日本出版販売(日販)の3社が昨年設立した合弁会社
「ブックセラーズ&カンパニー」では、
《出版社と直接仕入れ数や価格を交渉し「売れる本」を多く仕入れる。
 参加書店は返品時の物流費を負担するが、取り分も増える仕組みだ。》

《「売れる本」を多く仕入れる》というのですが、
この「売れる本」というのが曲者です。

私が本屋さんで働いていた頃で、年間2万4千点程度
(だったかと記憶しています)の新刊本が出版されていました。
これだけでも、町の本屋さんが扱える規模を越える点数だ、
と感じていたものでした。
もちろんそのすべてが入荷するわけではありません。
そのうちのほんの十分の一か、そこらだったのでしょう
(あるいは、もっと少なかったのかも知れません)。
今では年間8万点を超える、といわれて久しいものです。

そのうち本当に「売れた」といえる本など、ほんの一握りです。
それをどのように仕入れるかというのは、かなり難しい選択です。

もちろん、ある程度「売れる」作家さんという人もいらっしゃいますし、
こういうジャンルの本なら、この程度は売れる、
というデータもあるでしょう。

例えば、時代小説作家の佐伯泰英さんなども
人気シリーズをいくつもお持ちですし、
推理作家の東野圭吾さんも、新作は確実にある程度売れる作家さんです。
そういった人は幾人もいらっしゃいます。

大手の有力書店さんなら、そういった具体的なデータも資料も
十分お持ちのことでしょう。

これらの本を重点的に大量に仕入れる代わりに仕入れ価格を抑え、
さらに返品を減らして、効率よく販売して売上を上げる。

理屈としては成り立ちますが、切り札になるのでしょうか。

扱う商品点数が多いので、個別に価格交渉するといっても、
なかなか大変で、いかにデータを駆使しても、
新規の本は“読み”きれないでしょう?


 ●紙の雑誌・コミックの売上減少

「目立つ紙の雑誌落ち込み」――
《電子コミックの販売額が伸びる一方で、
 紙の雑誌の落ち込みが目立ち書店の経営難に拍車》
とのこと。

私の本屋さん時代でも、コンビニが登場し「雑誌の売上が落ちた」
といわれたものでした。
当時、雑誌と書籍の売上額は、半々ぐらいの感じでした。

当時、書店にとって、売上の大きなパーセンテージを占めていたのが、
雑誌とコミックでした。
活字離れといわれるなかで健闘していたのが、コミック販売でした。

今では、雑誌は電子版が増え、紙の雑誌が廃刊されることも多く、
コミックも電子版に移行しているようで、
書店にとって減益の大きな要素でしょう。


 ●近隣書店の在庫横断検索システム

「街の本屋、ネット書店と同じ土俵に」――
《ネットから地域の書店へ客を誘導する試み》
として、参加する出版社の公式サイトなどで、
ユーザーの位置情報から近隣書店の在庫を確認し、
お客さんを誘導するための、
《「書店在庫の横断検索システム」》
の実証実験が6月に始まった、といいます。

私が働いていた町の本屋さんは、隣の駅前に本店がある支店の方でした。
お客様の希望の本がこちらにない場合、
ただ「ない」と答えるのではなく、
もし本店に在庫があれば翌日にはこちらで、
お客様ご自身が取りに行かれるのなら、その日でも購入可能です、
と答えるシステムでした。

その上で、お客様が望まれれば、本店に確認の電話を入れる
という形でした。

もちろん、即座に断られるケースもありましたが、
こういう形で販売できることも結構ありました。

最近では、私自身、大手書店のネットで在庫を確認して買いに行く、
ということもありました。

左利き関係の本など発行部数の限られた、一般向けでない本の場合、
一般書店で置いていないケースもあり、そういうこともしました。

「元本屋の兄ちゃん」という経歴でもあり、
できる限りリアル店舗で買いたい、という思いがあります。

ホントは、地元のいつも行く書店に注文するのがベストなのですが、
早く欲しいという気持ちがある場合は、仕方なくAmazonや、
こういう形で購入することが増えています。

そういう意味では、この近隣の書店で在庫確認し購入できるという形は、
有効だと思っています。


 ●自主仕入れと責任販売

最終的に私が思うのは、やはり現状の再販制度、委託販売制度の
制度疲労をどうにかする、ということです。

中小書店の場合、現状の制度改革は難しいとは思いますが、
本も一般の商品と同じで、
もう今までのやり方では売れない時代になっています。

専門店化と複合店化で生き残るしかない、と考えています。

専門店として高付加価値の希少商品を中心に本を扱うか、
一般商品との併売で、店舗を「本も売っています」化するしかない、
と思っています。

一番の急所は、自主仕入れと責任販売で、
出版社なり取次なりと価格交渉を進めて、
売上の取り分を上げていくしかない、と思われます。


 ●電子版も売る店?

もう一つの方法として、店舗で紙の本だけでなく、
電子版も売れるようにする、という行き方もあるかもしれません。

店舗でダウンロードするやり方はあまり未来はないかも知れません。
わざわざ出かけていくのは、必然性があまり感じられませんから。

しかし、
店舗で注文すると何か「キーワード」のようなものが与えられ、
それをネットで打ち込むと割引が受けられるとか、
店舗の方には、その売上の何パーセントかがバックされる、
というような販売法もあっていいかもしれません。

紙の本では、歴史に残るような価値ある本を出し、
電子版は、もっと広く、一過性の人気本のほか、
とにかく「売れそうな本」をあれこれ打ってみるというやり方が、
これからの出版の行き方ではないか、と考えています。

そうでもしないと、紙の本を扱う書店の規模は限られていますし、
資源的にも無駄にならないためには、そういう方法が必要でしょう。


 ●がんばれ、「紙の本」と「町の本屋さん」!

記事の最後には、
《経済産業省も書店振興プロジェクトチームを設置し支援策の検討》
とあります。

とにかく、町の本屋さんというものは、地元の文化の発信の一つで、
世界への入口でもあります。

これ以上衰退しないことを切に願っています。

先にも書きましたように、書店業は、
私が<本屋の兄ちゃん>時代にも、少しずつ衰退の兆しはありました。

しかし、ここまで早くダメになるとは考えてもいませんでした。
私の人生の楽しみがこんなに早く風前の灯火となるとは!

少なくとも自分の生きているうちは、大丈夫だろうと思っていました。

電子版もあるとはいうものの、やはり印刷のインクの匂いとか、
紙の手触りとか、本自体の重さとか、逆に薄い本の軽さとか、
物理的な体感を伴う、紙の本の存在感というのは、
捨てがたいものがあります。

がんばれ、「紙の本」と「町の本屋さん」!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より」と題して、今回も全文転載紹介です。

本誌では分量的に長くなってしまい省略しました、【過去5回の<私の「町の本屋」論>】の概要とまとめを、こちらではそのまま掲載しています。

他には特にいうことはありません。
<元本屋の兄ちゃん>としての書店に関する個人的な意見です。

「なんとか生き残ってくれ」という私の願いは読者の皆様に届いたか、と思います。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より-楽しい読書373
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<夏の文庫>フェア2024から(3)新潮文庫・小川洋子『博士の愛した数式』-楽しい読書372号

2024-09-02 | 本・読書
古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)
【別冊 編集後記】


2024(令和6)年8月31日号(vol.17 no.15/No.372)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から(3)新潮文庫・
小川洋子『博士の愛した数式』」


------------------------------------------------------------------
◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
------------------------------------------------------------------
2024(令和6)年8月31日号(vol.17 no.15/No.372)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から(3)新潮文庫・
小川洋子『博士の愛した数式』」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今年も毎夏恒例の新潮・角川・集英社の
 <夏の文庫>フェア2024から――。

 昨年同様、一号ごと三回続けて、一社に一冊を選んで紹介しています。

 第三回は、「新潮文庫の100冊 2024」フェアから、
 小川洋子『博士の愛した数式』を。


【角川文庫の夏フェア】
「カドイカさんとひらけば夏休みフェア2024」特設サイト
https://note.com/kadobun_note/n/n94088457149e

集英社文庫『ナツイチ2024』フェア-
ナツイチ2024 言葉のかげで、ひとやすみ
https://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/

「新潮文庫の100冊 2024」フェア
https://100satsu.com/



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ◆ 2024年テーマ:夢か奇蹟の物語 ◆

  新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から(3)

  新潮文庫・小川洋子『博士の愛した数式』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

●「新潮文庫の100冊 2024」フェア

【限定カバー】
「ヨルシカ×新潮文庫 コラボレーション限定カバー」
  『文鳥・夢十夜』(夏目漱石)
「季節限定カバー 夏Ver.」
  『世界でいちばん透きとおった物語』杉井光
「プレミアムカバー 2024」
古典名作や人気作を中心に選定した全8種のラインナップで、
作品に合わせたこだわりのカラーをセレクトしています。
●宮沢賢治『新編 銀河鉄道の夜』
●中島敦『李陵・山月記』
●ルイス・キャロル/著 、矢川澄子/訳『不思議の国のアリス』
●谷崎潤一郎『痴人の愛』
●エーリヒ・ケストナー/著 、池内紀/訳『飛ぶ教室』
●夏目漱石『こころ』
●太宰治『人間失格』
●星新一『宇宙のあいさつ』

【ラインナップ】――既読および気になった作品のみ挙げておきます。

「愛する本」
川端康成『伊豆の踊子』、深田久弥『日本百名山』、
谷崎潤一郎『痴人の愛』、宮本輝『錦繍』、
シェイクスピア 、中野好夫/訳『ロミオとジュリエット』、
夏目漱石『夢十夜』、宮沢賢治『新編 銀河鉄道の夜』、
三島由紀夫『金閣寺』、赤川次郎・他『吾輩も猫である』

「シビレル本」
カミュ 、窪田啓作/訳『異邦人』、
スティーヴン・キング/著 、山田順子/訳『スタンド・バイ・ミー』、
沢木耕太郎『深夜特急1』、村上春樹『螢・納屋を焼く・その他の短編』、
司馬遼太郎『燃えよ剣(上下)』、星新一『宇宙のあいさつ』、
夏目漱石『こころ』、ヘミングウェイ、高見浩/訳『老人と海』、
ガブリエル・ガルシア=マルケス/著 、鼓直/訳『百年の孤独』

「考える本」
太宰治『人間失格』、河合隼雄『こころの処方箋』、
遠藤周作『海と毒薬』、
ドストエフスキー/著 、工藤精一郎/訳『罪と罰』、
ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、
ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2』、
ヘッセ/著 、高橋健二/訳『車輪の下』、
サイモン・シン/著 、青木薫/訳『フェルマーの最終定理』、
土井善晴『一汁一菜でよいという提案』
レイチェル・カーソン/著 、上遠恵子/訳『センス・オブ・ワンダー』、
コナン・ドイル/著 、延原謙/訳『シャーロック・ホームズの冒険』、
芥川龍之介『羅生門・鼻』、
ゲーテ/著 、高橋義孝/訳『若きウェルテルの悩み』

「ヤバイ本」
中島敦『李陵・山月記』、H・P・ラヴクラフト/著 、南條竹則/編訳
『アウトサイダー―クトゥルー神話傑作選―』、
フランツ・カフカ/著 、高橋義孝/訳『変身』、宮部みゆき『火車』、
星新一『ボッコちゃん』、安部公房『砂の女』、
ルイス・キャロル/著 、金子國義/絵 、矢川澄子/訳
『不思議の国のアリス』、西村賢太『苦役列車』、
ロバート・L・スティーヴンソン/著 、田口俊樹/訳『ジキルとハイド』、
梶井基次郎『檸檬』、江戸川乱歩『江戸川乱歩傑作選』

「泣ける本」
エーリヒ・ケストナー/著 、池内紀/訳『飛ぶ教室』、
吉本ばなな『キッチン』、三浦綾子『塩狩峠』
小川洋子『博士の愛した数式』、
サン=テグジュペリ/著 、河野万里子/訳『星の王子さま』

――といったところでしょうか。
既読は他社版も含めて32点ぐらいです。


 ●小川洋子『博士(はかせ)の愛した数式』

で、今回は、小川洋子さんの『博士の愛した数式』を取り上げます。

★「新潮文庫の100冊 2024」フェア――
小川洋子『博士の愛した数式』新潮文庫 2005/11/26



 《ぼくの記憶は80分しかもたない――
  あまりに悲しく暖かい奇跡の愛の物語。
  [ぼくの記憶は80分しかもたない]博士の背広の袖には、
  そう書かれた古びたメモが留められていた──
  記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。
  博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。
  数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、
  ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。
  あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。第1回本屋大賞受賞。》

いやあ、本当に、この言葉のままといってもいいでしょうね。
《悲しく暖かい、奇跡の愛の物語》です。

母子家庭の30前の派遣家政婦さんとその10歳の息子さんと、
派遣先の64歳の記憶に障害のある男性との三人の“友情”の物語です。

「泣ける本」に分類されていますが、ちょっと違うように思います。
何でも「泣ける」という形容詞でごまかすべきではない、と考えます。

これは「記憶」というもの「人間の存在」というものと、
三人のあいだに紡がれる友情について考えさせる物語です。


 ●ストーリー

過去に9人の派遣された家政婦さんたちが次々と辞めてしまった
という問題のお客様が、博士でした。
大学の数論の教師でしたが、17年前の交通事故で記憶に障害が発生し、
未亡人の義理の姉の住む家の離れに一人住んでいる。

義理の姉の話によると、

 《頭の中に八十分のビデオテープが一本しかセットできない状態》p.11

で、それを上書き使用する状況……。

今日挨拶をしても明日にはまた初めての出会いになるといい、
会わせてももらえません。

初めて会ったとき、いきなり君の靴のサイズは? と聞かれ、
「24」と答えると、「潔い数字だ、4の階乗だ」(p.13)と。
「カイジョウとは何でしょうか」と問うと、
「1から4までの自然数を全部掛け合わせると24になる」と。

すべてこういう調子で話が進んでいきます。

言葉の代わりに数字を、それが

 《他人と交流するために彼が編み出した方法だった。》p.14

それが相手と握手するために差し出す手であり、
自分の身を保護するためのオーバーだったのです。

誰も脱がすことができないもので、
とりあえず自分の居場所を確保する手段だったのです。

数学が二人の間を取り持つ言葉となり、
瞬間瞬間に生きる博士と「私」との
人間同士としての心の交流へと進んでゆきます。

博士は家にいるときも外出するときも、背広にネクタイのスーツ姿。
昔は美男子だったと思わせる面影が残り、

 《彫りの深い顔つきには心惹かれる陰影があった。》p.16

しかしその背広には、多くのメモがクリップで留められています。
一番古そうなメモは、唯一「私」に読み取れるもので、

 《僕の記憶は80分しかもたない》p.21

とありました。

あるとき、家政婦の「私」に10歳の息子がいると知った博士は、
「これはいかん」と、自分の夕食を作る「私」に
「明日からは学校が終わると直接ここへ来て宿題をし、一緒に食事を」
といい、《新しい家政婦さん》のメモに、
《と、その息子10歳》と書き加えます。

 《本当に私が警戒心を解き、博士を信用するようになったのは、
  博士と息子が出会った、最初の瞬間からだった。》pp.43-44

そして、次の冒頭の一節に帰ってきます。

 《彼のことを、私と息子は博士と呼んだ。そして博士は息子を、
  ルートと呼んだ。息子の頭のてっぺんが、
  ルート記号のように平らだったからだ。/
  「おお、なかなかこれは、賢い心が詰まっていそうだ」》p.6

初めて会ったその瞬間に、彼はルートを抱擁するのです。

 《その両腕には、目の前にいるか弱い者をかばおうとする、
  いたわりがあふれていた。》p.44

そんな息子の姿を見てしあわせに感じ、自分もまた
そのように博士に迎えられたい、という気にさえなる「私」でした。

なぜなら、息子は「私」が高校生の時に出会った大学生の子で、
妊娠を知ると逃げてしまったという無責任男が父親だったからで、
「私」も母子家庭の娘で、母親は男と出て行ってしまい、
息子は孫としても幸せな時間を過ごすことが少なかったからでした。


 ●博士という人

博士には、意外な趣味や好みがあるようで、
だんだんと明るみに出てきます。

一つは野球カードを集めていたこと。
阪神タイガースの江夏投手の大ファンだったようで、
理由の一つは「28」という数字にあったようです。

「完全数」だそうで、

「私」 《「28の約数を足すと、28になるんです」》p.62

「博士」《「完全の意味を真に体現する、貴重な数字だよ」》p.63

 《「完全数は連続した自然数の和で表すことができる」》p.71

28=1+2+3+4+5+6+7


ルートは阪神タイガースのファンで、
阪神タイガースが町にやって来るというので、
「私」はチケットを手に入れ、三人で試合を見に行くことにします。

ルートがねだるので売り子さんからジュースを買おうとすると、
博士が「いかん」と止めます。

 《「ジュースを買うのならば、あのお嬢さんからにしなさい」》p.141

 《「あちらのお嬢さんが、一番可愛らしいからです」/
  博士の審美眼は間違っていなかった。ざっと見回したところ、
  彼女が一番美人で、一番感じのいい笑顔を振りまいていた。》
pp.141-142

彼女が近づいてくると、博士が「はいっ」と勢いよく手を挙げ、
ルートにジュースを買ってくれます。
それだけではなく、頼んでもいないのに、
ポップコーンやアイスクリームまで買ってくれたのです。

博士が球場のジュース売りのお姉さんに恋したエピソード、でした。


また博士は、不意に目の前に現れ、腕を組み、
じっと食事の用意をする「私」を見つめています。

 《「君が料理を作っている姿が好きなんだ」》

というのです。

「私」は、息子のルートが小さかった頃、
雇い主にいじめられて泣いていたときに慰めてくれた言葉

 《「ママは美人だから大丈夫だよ」》p.84

にもあるように、どうやら美人らしいのです。

博士という人は案外、……なようです。


 ●友達

阪神戦の観戦の夜、博士は熱を出し、
義姉から母屋には出入りするなと言われていた「私」は、
一晩つきっきりで看病します。

ところが、これが悪くとられ、クビになります。

さらに、ルートはお友達になっていた博士のもとを勝手に訪れ、
それがまた悪く取られます。

 《「どうして辞めた家政婦さんの子供が、
   義弟のところにやって来る必要があるのでしょうか?」》p.183

義弟を丸め込んでお金を取ろうとしている、というのです。

さすがに「私」は反論します。

 《「友だちだからじゃありませんか」/私は言った。/
  「友だちの家に、遊びに来てはいけないんですか」/
  「誰と誰が友だちというのですか?」/
  「私と息子と、博士がです」》p.186

 《「義弟に友人などおりません。一度だって友人が訪ねてきた
   例(ため)しなどないのです」/
  「ならば、私とルートが最初の友だちです」/
  不意に博士が立ち上がった。/
  「いかん。子供をいじめてはいかん」》p.187

そう言うと博士はポケットからメモ用紙を取り出し、数式を一つ書いて、
席を立ちます。

 《あらかじめ、そうすべきことが決まっていたかのような、
  毅然とした態度だった。そこには怒りも混乱もなく、
  ただ静寂だけが彼を包んでいた。》p.187

 《もう誰も余計な口をきかなかった。(略)彼女の瞳から少しずつ
  動揺や冷淡さや疑いが消えていくのが分かった。
  数式の美しさを正しく理解している人の目だと思った。》p.188

こうしてまた「私」は博士宅の家政婦に戻ります。
理由は定かではないままでした。

「私」はこの数式について町の図書館で調べます。
偶然目を惹いたフェルマーの最終定理の本に、この数式を見いだします。

では、なぜ博士はあのときこの公式を書き付けたのか?

 《ただ一つ間違いないのは、彼の一番の心配はルートであった、
  ということだ。自分のせいで母親たちが争っているとルートが
  思い込んでしまわないか、怖れていた。だからこそ彼独自の、
  自分にできる唯一の方法で、ルートを救い出した。/
  今振り返っても、博士が幼い者に向けた愛情の純粋さには、
  言葉を失う。それはオイラーの公式が不変であるのと同じくらい、
  永遠の真実であった。》pp.199-200


 ●ルートの11歳の誕生日と博士の一等賞お祝いパーティー

季節は巡り、いつしか博士の記憶のタイマーが狂い出します。

博士が何日も苦しんで解いた数学雑誌の懸賞問題で一等賞を取ったとき、
「私」とルートが喜びたいので、お祝いをしようと提案します。
9月11日のルートの11歳の誕生日と一緒に、というと、
やっと関心を示します。

11に対して、

 《「美しい素数だ。素数の中でもことさらに美しい素数だ。
  しかも村山の背番号だ。素晴らしいじゃないか、君」》p.238

博士へのプレゼントとして江夏の野球カードを、と二人で決めたものの
たいていはすでに博士の持っているものでした。

 《「途中止(や)めしたら、絶対正解にはたどり着けないんだよ」/
  それがルートの意見だった。》p.250

やっと見つけたカードは、限定版の江夏のカード。

そして、パーティーの最中にちょっとしたトラブルが起きます。
博士の記憶が“時間切れ”となりますが、貼ってあったメモのお陰で、
なんとかパーティーを続けることができました。

ルートは、少年野球用の本格的なグローブを貰います。
それは未亡人の義姉が博士の希望を聞いて買ってきてくれたものでした。


 ●記憶と記録

最後まで紹介するのはやめておきましょう。
ここまででもいくつかのエピソードを省いてはいますけれど。

はっきりしたことはわかりませんが、
未亡人の義姉と博士のあいだには、
どうもある秘密が隠されているようです。

それもおもしろい謎ではありますが、
ここまでではっきりしていることは、
とにかく博士と「私」とルートのあいだに、ある友情が育まれたこと、
特に博士が子供に対して抱いている優しさというものが、
非常に心に残る作品でありました。

この三人の交流はまさに「奇蹟」の一つだったのかも知れません。


 《私たち三人にとって、夕方は貴重な時間帯だった。
  朝、初対面の者同士として出会ってから、
  わずかでも博士の緊張が和らぎだし、そしてルートが帰ってきて
  無邪気な声を振りまくのが、夕方だったからだ。》p.96

 《私とルートは決して、「その話はもう聞きました」と言わないよう、
  固く約束し合った。江夏について嘘をつくのと同じくらい、
  大事な約束だった。たとえどんなに聞き飽きていても、
  誠意を持って耳を傾ける努力をした。こんな幼稚な私たちを
  数論学者のように扱ってくれる博士の努力に、ルートと私は
  報いる必要があったし、なにより彼を混乱させたくなかった。
  どんな種類であれ混乱は、博士に悲しみをもたらした。私たちさえ
  黙っていれば、博士は失ったものの存在について知ることもなく、
  何も失っていないのと同じになるのだ。そう考えると、
  「その話はもう聞きました」と言わないでいるくらい、
  たやすく守れる約束だった。》p.96


このお話には、数学的な美しさといったものと同様に、
人の心の美しさというものも描かれているように思いました。

人を思う気持ちというものは、何物にも代えがたいものであり、
それはたとえ人の記憶が失われたとしても、
永遠に続き、残るものなのではないでしょうか。

そして大事なことは、記録するという行為です。
ちょっとしたメモでもいい、何かしら書いたものを残しておく。
それをたどることで、記憶が甦ってきたり、
何かしら印象が残っていることに気付く。

そういうことが大きく言えば、人類の遺産となるのでしょう。

そんなこんなを考えさせられたお話でした。

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本誌では、「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から(3)新潮文庫・小川洋子『博士の愛した数式』」と題して、今回も全文転載紹介です。

当初図書館本で済ますつもりでしたが、あまりに気になる部分が多く、抜き書きしておくのも大変で、本屋さんで買ってしまいました。
今年は、角川文庫の『ナミヤ雑貨店の奇蹟』も買った本なのですけれど。

通常は、昔買った本を再利用したり、図書館本で済ますことが多いですね。
でも、最近は新たな作家さんを開拓しようと、その年のフェア本で初めて登場したような作品を買うことがあります。

今年一番気になった本は、やっぱりよく売れているという、ガブリエル・ガルシア=マルケス/著、鼓直/訳『百年の孤独』ですね。
これを取り上げて見ようかと思ったのですが、ちょうど売り切れていたりして……。

新潮文庫は、フェアの本を買うと、「ステンドグラスしおり」というのを一冊につき一枚もらえるそうで、書棚をバックにしたものを選びいただいてきました。
思えばこういう経験は初めてでしたね。
たまにはいいものですね。


よその文庫を買ったときにはそういう「必ずもらえる」というものがなかったのか、もらったことがないですね。
フェアの冊子だけは必ずもらうようにしているのですけれどね。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ


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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
<夏の文庫>フェア2024から(3)新潮文庫・小川洋子『博士の愛した数式』-楽しい読書372号
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メルマガ『レフティやすおの楽しい読書』8月15日発行分夏休みのお知らせ

2024-08-15 | 本・読書
読書メルマガ『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』夏休みのお知らせ の(号外)です。



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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
------------------------------------------------------------------
2024(令和6)年8月15日号(vol.17 号外)
「夏休みのお知らせ」
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 本来は、毎夏恒例の新潮・角川・集英社の
 <夏の文庫>フェア2024から、第三回新潮文庫編をお届けする
 ところですが、パリ・オリンピックや、
 (これは例年のことではありますが、)8月13日の
 「国際左利きの日」もありました。

*参照:
『レフティやすおのお茶でっせ』2024.8.13
8月13日は49回目の「国際左利きの日」INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY
──始まりは1976年アメリカ
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/08/post-2af44d.html

 
また、わが東大阪市でも、
 8月1日には過去最高と並ぶ、最高気温38℃を記録するなど、
 連日35℃を超える猛暑が続いています。

 勝手ながら一回お休みをいただき、
 31日月末に繰り延べとさせていただきます。

 あしからずご了承ください。

 では簡単ですが、この辺で。

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もう一つのメルマガ
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ)
第三土曜日発行、17日発行分もお休みとさせていただきます。

ではまた。


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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
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