レフティやすおの新しい生活を始めよう!

50歳からが人生の第二段階、中年の始まりです。より良き老後のために良き習慣を身に付けて新しい生活を始めましょう。

楽器における左利きの世界(22)左利きは左弾きヴァイオリンで(1)-週刊ヒッキイ第667号

2024-07-10 | 左利き
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)
【別冊 編集後記】

第667号(Vol.20 no.12/No.667) 2024/7/6
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(22)左利きは左弾きヴァイオリンで」


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◎左利きニュース◎

6月末に左利きの歴史本が出ました。

『左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛』
ピエール=ミシェル・ベルトラン/著 久保田 剛史/訳 白水社 2024/6/27


フランス人の著者も、訳者さんも左利きだそうです。
「訳者あとがき」には、
日本で出版された左利き本についても簡単に紹介されています。


日本だけではなく、
諸外国――特に西洋諸国でも左利きが迫害されていた、
という歴史をご存じない人も多いのではないか、という気がします。

改めて、こういう左利きの歴史についても知ってほしいものです。

日本でも左利きに関して、
「迫害」という表現が許される時代になったのかな、
という気がしています。

昔は、私が「左利きの問題」などと周囲の右利きの人たちに訴えても、
「右手を使えば済む問題」と軽くあしらわれたものでしたから。

*参照:
『レフティやすおのお茶でっせ』2024.7.3
新しい左利き本『左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛』
発売される
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/07/post-e66fa0.html

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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第667号(Vol.20 no.12/No.667) 2024/7/6
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(22)左利きは左弾きヴァイオリンで(1)」
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 前号では、「左利きでもヴァイオリンは右弾きで」という
 左利きヴァイオリニストの意見を紹介しました。
 今回は、
 「なぜ左利きは左弾きヴァイオリンでなければいけないのか」
 その理由を述べ、反論していこう、と思います。


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 ◆ <めざせ!実現!!左用ピアノ!!!>プロジェクト ◆

 {左利きの人は左利き用の楽器で演奏しよう!}

- 「左利きに優しい社会」づくりは左用楽器の普及から! -

 左利きとヴァイオリン演奏について考える

   なぜ左利きは左弾きヴァイオリンでなければいけないのか(1)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ●左利きでも右弾きを薦める人たちの理由

前回は「左利きとヴァイオリン演奏」についての発言のあれこれを
見てきました。

左利きのヴァイオリニストの人も含めて、ほぼ全員が
「左利きの人でもヴァイオリンは右弾きで」と発言されていました。

今回は、それぞれのご意見に対して、
私なりの見地からおのおの反論してみよう、と思います。

まずは前回まとめた右弾きを薦める理由についてあげておきましょう。

 ・・・

【左利きでも右利き用で右弾きを薦める理由】

1.左利き用のヴァイオリンは右用とは構造が違い、手に入りにくい
→ 道具がないので、手に入るもので我慢しましょう!?

2.右手も左手も重要で、利き手の有利不利は関係ない
→ 右手も左手もどちらでも、慣れたら一緒!?

3.ヴァイオリンは集団で演奏することが多く、左弾きは立ち位置が難しい
→ 左弾きでは隣の右弾きの人と弓が当たる、
  弓の動きが逆で一人目立つ、ので困る!?

4.利き手も定かではない、小さい頃から習う人が多いので、
 利き手は関係ない
→ 利き手も小さい頃からなら換えられるという人もいるじゃないか!?


では、次にそれぞれの意見に反論してゆくことにしましょう。


 ●理由1.への反論=なければ作ればいいだけ

理由1.左利き用のヴァイオリンは右用とは構造が違い、手に入りにくい
→ 道具がないので、手に入るもので我慢しましょう!?

道具がないというのなら、単純に作ればいいのです。

それが人類の歴史でした。
より便利な生活のために人は色んな道具を作ってきました。

ない、というのなら、作ればいい。
他の左利き用の道具もそうでした。

そういう歴史を私たちは築いてきたのです。

現実に全くないわけではありません。
一部には存在します。




「左用の名器はない」という意見に対しては、
「今はなくても、将来の名器につながるものを作ればいい」
といいましょう。


昔左用(左利き用)のハサミというのは、特注品しかありませんでした。
一部の専門家の人がどうしても必要で、特注で作ってもらっていました。

しかし、そのうち「左用も必要ではないか」と考える人たちが増え、
特に子供用の左用ハサミは必要ではないかと考えるメーカーの人たちが、
これを開発し販売しようと活動し、実用化しました。

今では子供用ハサミにおいては、右用と左用が同一価格で併存するのが、
当たり前のこととなりました。
右用と左用を利き手によって選択する時代となっているのです。


 ●理由2.への反論=利き手と非利き手は役割が違う

理由2.右手も左手も重要で、利き手の有利不利は関係ない
→ 右手も左手もどちらでも、慣れたら一緒!?

利き手と非利き手では役割に違いがあります。

『手と脳 増補新装版』久保田競 紀伊国屋書店 2010/12/24
によりますと、

「第7章 利き手と脳」<言語脳と空間認知脳>

p.187《右脳の方が空間関係の認知に優れているだけでなく、
    認知された情報に基づいて手で処理する機能も、
    右脳の方が優れている》

といいます。
右利きの人は右脳-左手で、左利きの人ではその逆が。

ゆえに、利き手でない方の手(非利き手)の方が、
空間情報の処理に優れているのですから、
右弾きヴァイオリンでは、音程や音の調節をするといった、
弦を押さえる「位置」に関する動きに対しては、
「非利き手である左手」を用いる方が有利、と考えられます。

実際に右利きの人では左手で行っています。

 ・・・

左用のヴァイオリンの多くが、
左手の指が使えなくなった人のために作られた、といわれています。

左手の指が使えなくなった人が弓を持ち替えるというのは、
そういう理由からでしょう。

そういう意味で「左手が重要」という考えが生まれてくるのでしょう。

前回、ルドルフ・コーリッシュさんが、

《左手を負傷したため、止むをえず、右手でヴァイオリンを支え、
 左手で弦を動かさなければならなかった。》p.223
『左ききの本』マイケル・バーズリー 西山浅次郎訳
 TBS出版会(発売・産学社)1973――「十九 音楽における左きき」

というのも、そういうところでしょう。

以前、同様の理由から左弾きに変えたチェリストの話もありました。

 ・・・

しかし、弦を押さえる手は、基本は非利き手の役割です。
一方、弓を動かす手は、利き手の役割です。


 ●右手の役割と左手の役割

もう一度ヴァイオリンにおける右手と左手の役割を見ておきましょう。


【右手】の役割
[音を出す]要素
・ボウイング:弓を持って、上げ下げして、弦を弾く
・ピッチカート:弓を使わず指で弦を弾く

【左手】の役割
1.[音の調整]要素
・フィンガリング:指使い、運指(音程を作る)
・ポジションチェンジ
・ビブラート
2.ヴァイオリン本体の支持

これぐらいで間違いはないでしょう。


右手と左手、「利き手と非利き手の使い分け」という問題があります。

脳科学者・久保田競さんの『手と脳 増補新装版』
「第7章 利き手と脳」<手を使いわけよう>によりますと、

 《手を使うときには、右と左の特徴を使いわけるほうがいい。》p.197

 《利き手は言語を媒介する機能、言葉で考えたことを実現する機能、
  単純につかむ、つまむ、にぎることから書くことまでの機能に
  使われるべきで、非-利き手は手探り、空間認知、さらにそれを
  手がかりとして実現する機能に使われればよいのである。
  われわれの脳は左右に特殊化されているので、
  それに都合のよいように手を使わなければならない。》p.198

非利き手は《手探り、空間認知、それを手がかりとして実現する機能》と
あり、これはズバリ弦を押さえる手といっていいでしょう。

一方、利き手は《単純につかむ、つまむ、にぎること》=弓を持つ、
《言葉で考えたことを実現する機能》=どのような演奏をするか、
に使うべきだといいます。
これは、まさに弓を持つ手にふさわしい役割でしょう。

 《日本の古典楽器の琴、鼓、三味線などは片手で操作できない楽器で
  ある。利き手で弦をはねるが、非-利き手で音色と音域の調子を
  微妙に変え、調節をつづけねばならず、これをマスターするのは、
  言葉を司る利き手の側ではむずかしく、感覚を司る非-利き手の側に
  おぼえこませなければならない。
  このような楽器の練習に左右の手を使い分けることは、
  専門家にならなくても手の訓練として重要なことである。》pp.198-199

とあります。

手の訓練云々は別にして、演奏に関していいますと、
やはり利き手と非利き手の役割の認識が重要です。

右利きの人にとっての最適な方法=右手に弓、左手にヴァイオリン本体、
は裏返しますと、左利きの人にとっての最悪の選択といえるでしょう。


*参考文献:
『手と脳―脳の働きを高める手』久保田競 紀伊国屋書店 1982(昭和57)4/30
――利き手(作用の手)と非利き手(感覚の手)の役割の違いなど。

『手と脳 増補新装版』久保田競 紀伊国屋書店 2010/12/24
――《【旧版との違い】脳科学の新たな成果をアップデートするとともに、
読みやすいレイアウトに。/第2章、9章は全面的に書き下ろし》


 ●身体に合った道具を!

身体に合った道具に関してもう少し書いてみます。

私にはこういう経験があります。
私は中学生の時から父の買ってきたカメラを使い、
大人になってからも「写るんです」のようなカメラを使ってきました。

また、ソニーの8ミリビデオも使っていました。
これも右手で保持して、カメラのズームや録画などの操作も
みな右手一本で行うものでした。

それらを使っていても、なかなか慣れるということはなく、
常になにかしら違和感を抱いていました。

「隔靴掻痒」という言葉があるように、
まさに靴の上から足をかくような、
「はがゆくもどかしいこと」「思うようにいかず、じれったいこと」
「物事の核心や急所に触れず、もどかしいこと」という状況です。

あるいは、ガラス越しにものを見るというか、
夾雑物越しにものに触るときのような、
しっくりこないものがありました。

ところが、
左手用カメラ「京セラ・サムライ左手用廉価版 SAMURAI Z2-L」
を買いに行ったとき、初めて触ったのに、
まるでずっと昔から使ってきたかのような、
身体にフィットする操作感がありました。

これだ! と思いました。

あのときの感動は、初めて近視の眼鏡をかけた時の感動と同じように、
忘れられないものがあります。


このカメラは、左手でカメラ本体を握るように保持し
(落とさないように指にかけるストラップが付いています)、
左手の人差し指で、ズーム・レバーの操作や、
シャッター・ボタンを押す操作をします。

自分の好みの構図とシャッター・チャンスを
利き手である左手で操作できるのです。

まさに“自分のために作られたのか!”という印象でした。

毎度お話ししていますように、
これがきっかけとなり、左利きは左利き用の道具を! という、
私の左利き活動が始まったのです。



*参照:京セラ・サムライ左手用廉価版 SAMURAI Z2-L
『レフティやすおのお茶でっせ』
・2004.8.5
今は昔 世界初左手用カメラ、京セラ サムライSAMURAI Z2-L
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2004/08/__samurai_z2l.html
・2020.3.7
2020年は左利き公認60年&左利きライフ研究30年(2)
その後の30年(1)左手用カメラ-週刊ヒッキイ第566号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/03/post-fe5897.html


二本目の「その後の30年(1)左手用カメラ」にも書いていますように、

 《「慣れたら一緒」なんて嘘です。
  利き手に合わない道具を使うのは、
  靴を左右入れ替えて履くようなものです。》

まあ、靴の左右を入れ替えても「慣れたら一緒」
と言い張る人はいるんでしょうけれど……ね。


 ●<利き手は心につながっている>

このカメラの経験から、
私は利き手にあった道具を使うことを推薦するのです。

私の持論は<利き手は心につながっている>です。
《利き手では、反復練習で身につく作業より、心の作業を!》です。

ヴァイオリンの演奏でいえば、音を発する弓を持つ手こそ主役であり、
心の発現だからです。

音の調整は二義的なことです。
運指が巧みでも、肝心の音を出さないければ、音楽にはなりません。

カメラでいえば、まずはシャッターを押すこと。
ピントの調整ができるだけでは写真にはなりません。
写真を撮れるのは、シャッターを押したときだけです。

 ・・・

以上、ここでいったん区切ります。

次回また、理由3.と4.を取り上げ、
さらにもう一点つけ加えておきたい事柄について説明しましょう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(21)左利きヴァイオリニストの発言から」と題して、今回も全紹介です。

本来ですと、四つの理由をすべて書くつもりでしたが、思いのほか長くなってしまったので、二階に分割することにしました。

また、冒頭欄外に左利きニュース(左利きの著者と訳者による左利き本『左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛』ピエール=ミシェル・ベルトラン/著 久保田 剛史/訳 白水社)を入れています。

実は、この本はヨーロッパ社会でのは左利き迫害の歴史を語るもので、左利きでもヴァイオリンを右弾きすることが当然とされる根拠の一つといいますか、そもそもの最大原因でもある左利きを認めない社会であったことを証明する本、といっていいものです。

ヴァイオリンを左弾きしている例として語られるケースの多くがアメリカでのカントリー・ミュージックの演者であり、ヨーロッパでのオーケストラや正規の楽団などではその例がないという事実は、要するにこのヨーロッパ社会での左利きの認知度によるものだ、ということなのです。

左利きの存在を邪悪視する社会において、その上流社会の趣味である音楽演奏の場で、左弾きの演奏家が認められるはずがありませんからね。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』


『レフティやすおのお茶でっせ』
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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
楽器における左利きの世界(22)左利きは左弾きヴァイオリンで(1)-週刊ヒッキイ第667号
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新しい左利き本『左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛』発売される

2024-07-05 | 左利き
新たに「左利きの歴史」本が発売されました。

『左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛』
ピエール=ミシェル・ベルトラン/著 久保田 剛史/訳 白水社 2024/6/27


出版社の著者紹介によりますと、著者は1962年生まれの左利きのフランス人で、『左利き事典』(Dictionnaire des gauchers, Imago, 2004)という著書もあり、《フランスでは在野の歴史家として知られ、左利きの歴史をテレビやラジオなどで解説することもある。》とのこと。

副題にもありますように、ヨーロッパ――主にフランスを中心にその周辺国におけるものです。

2008年の第二版の翻訳です。
ちなみに翻訳者さんも左利きだそうです。
「訳者あとがき」に、日本で出版された左利き本についても簡単に紹介されています。


(画像:2021年から2024年にかけて出版された左利きの本および関連本(実用書をのぞく)――
上段左から(1)八田武志『左対右 きき手大研究』DOUJIN文庫 2008年DOUJIN選書の増補文庫版 (2,3)マーティン・ガードナー『新版 自然界における左と右』(上下)ちくま学芸文庫 2021年 1992年紀伊國屋書店版の文庫化再刊
下段左から(4)加藤俊徳1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き 「選ばれた才能」を120%活かす方法』ダイヤモンド社 2021年 (5)本書『左利きの歴史』白水社 2024年 (6)大路直哉『左利きの言い分 右利きと左利きが共感する社会へ』PHP新書 2023年)

16年前の本ということになります。

すでにお隣の韓国など世界7カ国で出版されているとか。

日本でも、このような「左利きの迫害の歴史」を描く本が出版される時代になったのですね。

もちろん、過去にも日本で出版された左利き本で、そういう歴史は大なり小なり語られてきました。
しかし、ここまで正面切って「迫害」と表現されることは少なかったように感じます。
そういう意味で、この本が出版されるような社会状況になるまでに掛かった歳月は、16年だったということでしょうか。

昔は、私が「左利きの問題」などと周囲の右利きの人たちに訴えても、「右手を使えば済む問題」と軽くあしらわれたものでしたから。

 ・・・

日本での左利き差別の歴史については、昨年出版されました、日本左利き協会の大路直哉さんの『左利きの言い分』などにもありますように、せいぜいここ数十年前までの日常茶飯事でありました。

*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』2023.9.20
大路直哉『左利きの言い分 右利きと左利きが共感する社会へ』(PHP新書)買いました
(「新生活」版)
『左利きの言い分 右利きと左利きが共感する社会へ』大路 直哉/著 PHP新書 2023/9/16

外国では、特に西洋は自由と民主主義の国が多いので、日本とは違いかなり早い時期から左利きに関しても、容認されていたのでないか、とお考えの方も少なくないでしょう。
しかし実態は、比較的早くから左利き「矯正」の弊害が知られていたアメリカをのぞきますと、そうでもなかったということがこの本でも明らかになりました。

もちろん、本書「序論」にもありますように、左利き解放の歴史的な流れは、解放へ向けての一方的な流れではなく、寄せては返す波のように、一進一退、比較的いい時期もあればまた悪い時期に戻るといったものでした。

本書は、そういった左利きに対する寛容と非寛容の歴史を描く文化史です。

本書の目次を紹介しましょう。

【目次】
第二版の序文 
序論 
第一部 正しい手と邪悪な手 
第1章 なぜ人類は右利きなのか 
第2章 右手主導の規則 
第3章 左利きによる秩序の転覆 

第二部 軽蔑された左利き 
第4章 左利きという異常性 
第5章 左利きという烙印 
第6章 下等人間の特性 
第7章 不寛容のはじまり 
第8章 虐げられた左利き 

第三部 容認された左利き 
第9章 中世の黄金時代 
第10章 近代の解放にいたる長い道のり 
第11章 二つの右手の神話 

第四部 称賛された左利き 
第12章 左利きの卓越性 
第13章 左利きの巨匠たち 
結論 

付録 
訳者あとがき 
参考文献 
原注 


まだ全巻通読したわけではないのですが、やはり、前半の非寛容(といいますか、迫害)の時代を読むのはつらいものがあります。

「おい、いい加減にしろよ」と怒鳴りたくなるような記述が多々出て参ります。
まあ、それでもこれが現実だったのですから、致し方ないところです。

「第二版の序文」にもありますように、これは

 《左利きの歴史はおそらく第一には右利きの歴史でもあるのだ》p.8

ということです。

ですので、左利きの人のみならず、右利きの人たちもその点をよく理解した上で、ぜひお読みいただきたいものです。

 《左利きの人々の境遇に関心を抱くということは、おそらく彼らを正当に評価すること、とりわけ、われわれの精神的遺産の知られざる側面を問うことを意味する。それは、現在の自分をよりよく理解するために、かつての自分を知ることである。》p.9

といいます。
そして大いなる歴史であれ、小さな歴史であれ、これこそが歴史の正当性だ、と。

歴史書を読むとは、そういうことなのですね。


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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
新しい左利き本『左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛』発売される
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[コラボ]私の読書論186-<左利きミステリ>第5回海外編(後)ホームズ以後--楽しい読書368号

2024-06-20 | 左利き
古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)
【別冊 編集後記】


2024(令和6)年6月15日号(vol.17 no.11/No.368)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
私の読書論186-<左利きミステリ>第5回 海外編
(後編)<ホームズ以後>19世紀末以降」



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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
  【左利きを考える レフティやすおの左組通信】メールマガジン
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第666号(Vol.20 no.11/No.666) 2024/6/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
私の読書論185-<左利きミステリ>第5回 海外編
(前編)<ホームズ以前>紀元前から19世紀末まで」
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 × × × × × × × × × × × × × × × ×
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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2024(令和6)年6月15日号(vol.17 no.11/No.368)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
私の読書論186-<左利きミステリ>第5回 海外編
(後編)<ホームズ以後>19世紀末以降」
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*「前編」も見てね! 「前編」はこちらで↓
 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(9:40 配信)

登録はこちら↓
https://www.mag2.com/m/0000171874.html

または、『レフティやすおのお茶でっせ』のサイドバーで!
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/

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 今回は、私の発行しているメルマガ
 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』と
 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』のコラボ企画です。

 以前も何度か試みましたが、その5回目です。


【過去のコラボ】

■1回目――

ツイッターで紹介した【左利きミステリ入門】のまとめでした。
そこでは、海外編として、19世紀以前の作品をツイッターで
 年代・国名・著者名・作品名・左利きの登場人物・
 左利きに関する記述の該当箇所
などの情報を紹介した、まとめ編でした。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
・第577号(No.577) 2020/8/15
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)
×レフティやすおの楽しい読書(No.276)
『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
・2020(令和2)年8月15日号(No.276)
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)
×左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii(No.577)
【別冊 編集後記】
『レフティやすおのお茶でっせ』2020.8.15
・ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)-週刊ヒッキイ第577号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/08/post-ed8cea.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/612cd4bd3edfdbeb612069497aef79fa
・ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)-「楽しい読書」第276号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/08/post-ec0ad2.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/245bddeded4348e10aaa4a027a6fab18

■2回目――

「<左利きミステリ>その後」と題して、
過去の『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』の
「小説の中の左利き・推理小説編」やブログ等で紹介したもの以外に、
それ以降に見つけた<左利きミステリ>(広義のミステリ)のあれこれを
 年代・作品名・著者名(短編の場合は、収録書籍名)
をリスト化して紹介しました。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
・第595号(No.595) 2021/5/15
「楽しい読書コラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」
『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
・2021(令和3)年5月15日号(No.294)
「週刊ヒッキイコラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」
【別冊 編集後記】
『レフティやすおのお茶でっせ』2021.5.15
・私の読書論144-<左利きミステリ>その後
-週刊ヒッキイ595号&楽しい読書294号コラボ企画
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/05/post-e0ec7a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/400a7921be1d016f8bfbff350762971a

■3回目――

【第一回】のツイッター版【左利きミステリ入門】の続きの
海外編「20世紀以降」版から
<ホームズのライヴァルたち>の作品の紹介でした。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
・第628号(No.628) 2022/10/15
「<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
 【左利きミステリ入門】ホームズのライヴァルたち」
『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
・2022(令和3)年10月15日号(No.328)
「<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
 【左利きミステリ入門】ホームズのライヴァルたち」
【別冊 編集後記】
『レフティやすおのお茶でっせ』2022.10.15
・<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
左利きミステリ~-週刊ヒッキイ第628号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/10/post-39e67a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ad9796a23bf53cf6eb0e80182a9d7b6a
・<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
私の自作左利きミステリ-「楽しい読書」第328号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/10/post-1a4b2b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/03236262a34a6ee2e03b42bff06e3267

■4回目――

<左利きミステリ>の国内編――国内ミステリのリスト紹介でした。

前半=『週刊ヒッキイ』版は、1948年「アンゴウ」坂口安吾 から、
(1997年)『三月は深き紅の淵を』「第二章 出雲夜想曲」恩田陸 まで。
後半=『楽しい読書』版は、2003年「書肆に潜むもの」井上雅彦 から、
(2019年3月)『レフトハンド・ブラザーフッド』知念実希人 までを紹介。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
・第640号(No.640) 2023/4/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(前編)」
『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
・2023(令和5)年4月15日号(No.340)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(後編)」
【別冊 編集後記】
『レフティやすおのお茶でっせ』2023.4.15
・私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(前)
-週刊ヒッキイ640号×楽しい読書340号コラボ企画
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/04/post-d5c13e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/131b4f7933014dcedf057c75702ff28e
・私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(後)
-週刊ヒッキイ640号×楽しい読書340号コラボ企画
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/04/post-5b4e1e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d0e3f19af79760633cbcc87cac454f96


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  ★ コラボ企画 ★

 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
  <左利きミステリ>第5回 海外編
(前編)<ホームズ以前>紀元前から19世紀末まで

 × × × × × × × × × × × × × × × ×

 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
  <左利きミステリ>第5回 海外編
(後編)<ホームズ以後>19世紀末以降

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<左利きミステリ>についてです。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』で、
「名作の中の左利き/推理小説編」として紹介してきました。

その後、機会ある毎に新たな情報を追加しながら、今日に至っています。

今回は、<海外編>を紹介していきます。

 ・・・

*<左利きミステリ>とは、
 左利きの人が主要登場人物である物語や
 左利きの性質をトリックに活用した推理小説、
 左利きや左手や左右に関連した推理小説、サスペンス小説、
 ホラー作品等のミステリの総称をいう。


 国内ミステリ : 東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』
 海外ミステリ : エラリー・クイーン『シャム双子の秘密』


------------------------------------------------------------------
 1843:雑誌等初出年代 (1927):書籍刊行年代
 「」:短編、長編の一章 『』:収録短編集、長編
 [未]:<左利きミステリ>にもう一歩、未成熟
 [準]:<左利きミステリ>に準ずる
 [番外編]:番外編 (左利き/左手/左右関連)
 [ホラー]:ホラー [SF]:SF
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<左利きミステリ>の登場人物・分類表

(探)◆:左利きの探偵/探偵役
(被)▲:左利きの被害者
(犯)●:左利きの犯人
(容)▼:左利きの容疑者
(他)■:左利きのその他の事件関係者
(脇)╋:脇役、通りすがり、妄想中の左利きの人物

<左利きミステリ>としての紹介の都合上、
作品のネタバレとなるケースがあります。
基本的に、キーポイントとなる読みどころに関しては
問題が起きないように留意しながら紹介していますが、
ときに一部ネタバレになる場合もありますが、ご容赦ください。


━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━

<左利きミステリ>:<海外編>リスト
(後編)<ホームズ以後>19世紀末以降



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<左利きミステリ>【海外ミステリ】編

(12)・1891年(イギリス)「ボスコム谷の謎」アーサー・コナン・ドイル (犯)●
『シャーロック・ホームズの冒険』収録
――左利きの犯人 外科医の傷跡証言から。
『シャーロック・ホームズの冒険【新訳シャーロック・ホームズ全集】』
日暮雅通/訳 光文社文庫 2006/1/1
《「外科医の検死報告にあった傷の状態は...
 真後ろから殴っているのに、傷は頭の左側にあった。
 ...これはどうみたって左ききの人物の犯行としか考えられない。」》p.175


(13)・1893年(イギリス)「黄色い顔」 アーサー・コナン・ドイル (他)■
『シャーロック・ホームズの回想』収録
――ホームズの留守中に来た依頼人の忘れ物から、左利きだ、と推理。
『シャーロック・ホームズの回想【新訳シャーロック・ホームズ全集】』
日暮雅通/訳 光文社文庫 2006/4/12
《「しかも焦げているのはパイプの右側だから、左ききだ。
きみのパイプをランプにかざしてごらんよ。
右ききだから、左側を火にさらすことになるだろう。」》

(参考) ジュリアン・シモンズ『コナン・ドイル』深町真理子/訳
創元推理文庫 1991/5/1
――彼はエディンバラ大学医学生時代、外来診療実習生として、
 エディンバラ病院の外科医でもあった恩師ジョーゼフ・ベル博士の
診療室での“講義”で推理法を身につけた。
新しい患者がはいってくると、ベル博士はずばりと言う。―
 「この人は左利きで、靴直し職人だ」それから、それを説明して...
「ズボンのひざ...右側のほうが、左側よりもはるかにすりきれかたが
激しい...底革を打つのに、左手を使っている証拠だよ」

*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』
2005.9.17
依頼人は左利き―ホームズの名推理「黄いろい顔」より
http://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2005/09/post_4893.html
2011.9.24
推理小説と左利き:週刊ヒッキイhikkii278名作の中の左利き
~推理小説編1
http://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2011/09/hikkii2781-f03e.html


(14)・1899年クリスマスデイ[1999(アメリカ)]「クリスマスの陰謀」
 エドワード・D・ホック (犯)●
(原題) The Christmas Conspiracy
――ホームズ・パスティーシュ。
 1999年 "More Holmes for the Holidays" 収録
『エドワード・D・ホックのシャーロック・ホームズ・ストーリーズ』
日暮雅通/他訳 原書房 2012/6/1 (原書)2008
《「でも、執事があの人だということが、どうやってわかったんですか?」
 「左利きだという明らかな事実が...首攻めをしたときも、
  左手を使って...写真でも...左手に銃を持って」》p.204 (日暮雅通/訳)


(15)・1896年(イギリス)「プラットナー先生綺談」H・G・ウェルズ [SF]
――SFファンタジー。四次元世界に飛ばされたのち戻ってきたら、
 右利きから左利きへ肉体の左右が逆転した男の話。
『バベルの図書館8白壁の緑の扉』ボルヘス/編 小野寺健/訳
国書刊行会 1988/9/24 収録
《ゴットフリート・プラットナーの体が解剖学的に左右逆転している
 というくらい厳然たる事実も例がないのだが》p.51
《さいきん右手が左手になってしまったらしい。》p.52

*参照:2020年2月15日
 『左利きで生きるには週刊ヒッキイhikkii』565号
 『レフティやすおの楽しい読書』264号
左右反転小説-左利きになった男(楽しい読書/週刊ヒッキイ・コラボ編)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/02/post-386af3.html


(16)・1904年(アメリカ)「ミス・ペブマーシュ殺人事件」バロネス・オルツィ
 (被)▲
――右手にペンを持った被害者のダイイング・メッセージは……。
(初出)『ロイヤル・マガジン』1904年8月号
(単行本)1905年『ミス・エリオット事件』The Cace of Miss Elliott 収録
『隅の老人[完全版]』バロネス・オルツィ 平山雄一/訳 作品社 2014/1/31 収録
《(召使いの証言)「『奥様の字はいつも読みにくいんですよ。
 左手で書くとこうなってしまうんですねえ』」/
 「『左手だって!!!』と、検視官は息を呑んだ。...
 『だってそうなんですよ!』...『奥様は子供のころに右手に
 ひどい怪我をされて、何もつかめないのを知らなかったんですか?
 指が麻痺してしまったんですよ。インク壺はいつも書き物机の左側に
 置いてあるじゃありませんか。ええ! 奥様は右手では一文字も
 書けないんですよ』」》p.262


(17)・1906年(アメリカ)「余分な指」ジャック・フットレル (犯)●
――左手の人差し指を切り落としてくれと云う依頼を受けた外科医……。
(初出)『サタデー・マガジン』1906年11月25日号
『思考機械 [完全版]第二巻』ジャック・フットレル/著 平山雄一/訳
作品社 2019/7/30
《「この人差し指を」...「第一関節で切断していただきたいのです。...」
 「どうして切り落としたいのですか?」...
 「それは申しあげられませんわ」...
 「先生がお知りになる必要はありません。あなたは外科医、
  私は手術をしてもらいたい。それで十分でしょう」》


(18)・1907年(アメリカ)「壊れたブレスレット」ジャック・フットレル
 (犯)●
――思考機械対賢い娘。住所を書いてといっても、
 左手に鉛筆を持ったまま躊躇する女。
(初出)『サタデー・マガジン』1907年9月8日号
『思考機械 [完全版]第二巻』ジャック・フットレル/著 平山雄一訳
作品社 2019/7/30
《...娘はちょっと手を止め、左手で持った鉛筆の尻で白い歯を叩き
 ながら考えていた。...》《「私、字が下手なんですもの。それに、
 手袋をしているから」...》p.382
《「...彼女は左利きか?」/「いいえ、違います。右利きです。...」》
p.383


(19)・(1909年)(イギリス)「アルミニウムの短剣」オースチン・フリーマン (容)▼
(原題) John Thorndyke's Case
――科学捜査を取り入れたソーンダイク博士探偵譚。左利きの容疑者。
 左後方からの短剣による刺し傷から推理。
『ソーンダイク博士の事件簿I』オースチン・フリーマン/著 大久保
康雄/訳 創元推理文庫 シャーロック・ホームズのライヴァルたち
1977/8/19
《「...背中の左側という短剣の位置からみて、
  犯人は左利きにちがいありません。...」》p.279


(20)・1911年(フランス) 「赤い絹の肩かけ」モーリス・ルブラン (犯)●
(原題) L'ECHARPE DE SOIE ROUGE
――怪盗紳士ルパン(リュパン)もの。ガニマール警部はルパンから
 「犯人は左利きだ」と教えてもらったことで命拾いする。
(初出)『ジュ・セ・トゥ JE SAIS TOUT』誌 79号(1911/08/15)
(単行本)『リュパンの告白』(原著1913)井上勇/訳 創元推理文庫 1966/3/24
(『世界短編傑作集2』江戸川乱歩編 創元推理文庫 1961/1/13)
『世界推理短編傑作集2』江戸川乱歩編 創元推理文庫・新版改題2018.9.14
「赤い絹の肩かけ」モーリス・ルブラン 井上勇/訳
《...リュパンが与えた警告を思い出した。プレヴァイユは左ききなのだ。
 左手で捜しているのは、ピストルだ。》p.144


(21)・(1913年)(アメリカ)『オズのつぎはぎ娘』ライマン・フランク・ボーム
 <ファンタジー・童話> (他)■
(原題)Patchwork Girl of Oz
――マンチキンの少年「不運なオジョ」は、13日の金曜日生まれの左利き
『オズのつぎはぎ娘』ライマン・フランク・ボーム 佐藤高子/訳
 ハヤカワ文庫NV 1977(昭和52)/12/15
《「偉大なる人物の多くは左ききだ」》
《「左ききは、ふつう、両方が使える。右ききはだいたいにおいて
 右しか使えない」》p.309


(22)・(1914年)(イギリス)「ディオニュシオスの銀貨」アーネスト・ブラマ
 (他)■
(原題) The Coin of Dionysius (第一短編集 "Max Carrados" 収録)
――盲人探偵初登場作品、脇役の私立探偵カーライルが左利き。
『マックス・カラドスの事件簿』アーネスト・ブラマ 吉田誠一/訳
 創元推理文庫シャーロック・ホームズのライヴァルたち 1978/4/10
《カーライル氏の右の袖口にハンカチがはさんであるということは、...
 カーライル氏が左利きである証拠だなどと推論することはしなかった。》
p.25


(23)・1917(1918)年(アメリカ)「藁人形」メルヴィル・デヴィッスン・
 ポースト (犯)●
(原題) The Straw Man (Uncle Abner, Maser of Mystery)
――アメリカ開拓時代のウェスト・ヴァージニアを舞台に、敬虔な
 キリスト教徒(プロテスタント)のアブナー伯父の探偵譚。左利きの犯人
 を、左という言葉を使うことなく(読者に伏せて)追い詰める。
初出不明、『イラストレイテッド・サンディ・マガジン』1917年6月10日号
再録、<EQMM>1959年12月号掲載
【邦訳】『ミステリマガジン』1975年4月号(No.228)掲載 山田辰夫/訳
『アンクル・アブナーの叡知』メルヴィル D.ポースト/著 吉田誠一/訳
ハヤカワ・ミステリ文庫 1976/1/1
――1918年出版の<アブナー>もの短編集(18編収録)の完訳。
『アブナー伯父の事件簿』メルヴィル・デイヴィスン・ポースト 菊池光
/訳 創元推理文庫 シャーロック・ホームズのライヴァルたち 1978/1/20
《作者生前の短編集に未収録の作品を全編収めた待望の一巻!全14編収録》
《...人間の体は、奇妙な構造になっている。二つの同じような機構が
中央の胴体に結びつき合っているかのように、二つの面をそなえている
 のだ。右側、つまり、朝日に向かった時に南にある側と、左側、つまり
 北にある側だ。この二つの側面は同等ではない。一方が主導権をもって
 いてその人間を支配しており、困難な仕事に直面すると、人は、主導権
 を有するそのより能率的な側でその仕事に対処する。》 p.177
《「彼はつねに左側の壁を伝って歩いていたのだ。...」
 「なぜなら、主導権をもっているのが左側―つまり、犯人は左利き
 だからだ!》p.178

*参照:『左利きで生きるには週刊ヒッキイhikkii』
第287号(No.287) 2011/11/19「名作の中の左利き~推理小説編
 -2-「藁人形」M.D.ポースト」
2011.11.24
<アブナー伯父>「藁人形」:週刊ヒッキイhikkii287
名作の中の左利き~推理小説編2
http://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2011/11/hikkii2872-da28


(24)・(1918年)(イギリス)「消えた金融業者」オースチン・フリーマン
 [未](被)▲
(単行本)第3短編集"The Great Portrait Mystery"収録
――左利きの被害者。左手の指を死体入れ替わりトリックを破る証拠に
 仕立てようとしているが、今一歩で「左利きミステリ」の未熟児?
『ソーンダイク博士の事件簿II』オースチン・フリーマン/著 大久保
康雄/訳 創元推理文庫 シャーロック・ホームズのライヴァルたち
1980/3/28
《「死者の左手の第三指に印章付きの指輪をはめていたとマーボットの
 医者は証言しているじゃないか。関節が膠着症の指に指輪をはめる
 わけはないだろう」》p.66


(25)・1924年(イギリス)「夜鶯荘」アガサ・クリスティ [準]左手首のほくろ
 /傷
(原題) Philomel Cottage
(初出)『グランド・マガジン』1924年11月号
――知り合ったばかりの男性と結婚した主人公は、二重結婚で妻を殺した
 男の古い新聞記事を夫の引き出しに見つける。その顔は夫にそっくり、
 左手首にほくろがあるというが、夫の左手首には傷が……。
『世界推理短編傑作集3』江戸川乱歩/編 創元推理文庫 新版改題 2018/12/2
《...その男には、左の手首、手のひらのすぐ下のところにほくろがある
 という事実.../...夫の左の手首、手のひらのすぐ下のところに、
 小さな傷あとがあるのだ。》p.173-174
『リスタデール卿の謎』アガサ・クリスティー 田村 隆一/訳
 ハヤカワ文庫 クリスティー文庫56 2003/12/15


(26)・(1925年)(イギリス)「砂丘の秘密」オースチン・フリーマン (被)▲
(原題) The Puzzle Look
(初出)『ピアスン』誌 単行本(1925年)"The Pazzle Lock"収録
――左利きの被害者。浜辺に残されていた服(左の袖口に油絵の具)と
  道具(パレットナイフの磨り減り方から)から。
『ソーンダイク博士の事件簿I』オースチン・フリーマン/著 大久保
康雄/訳 創元推理文庫 シャーロック・ホームズのライヴァルたち
1977/8/19
《「どうして左利き用とわかったんだ?」.../
 「刃のすりへった角度からだよ」》p.340


(27)・(1927)(イギリス)「ポンティング氏のアリバイ」オースチン・
 フリーマン (犯)●
(原題) The Magic Casket  第6短編集
――左利きの犯人。自殺に偽装した首のナイフの傷跡の方向(被害者自身
 の左から右へ)と左利きの犯人の手の動き(相手に向かって右から左へ)
『ソーンダイク博士の事件簿II』オースチン・フリーマン/著 大久保
康雄/訳 創元推理文庫 シャーロック・ホームズのライヴァルたち
1980/3/28
《...ハンカチを巻きつけた右手にパイプをもって、左手でタバコを
 つめた。不自由なくやってのけるところを見ると左ききらしい。
 マッチも左手でするし、腕時計も右の手首にはめているから、
 この推理はまちがいないようだ。》p.104


(28)・(1927年)(イギリス)「フラットの惨劇」アーネスト・ブラマ [準](被)▲
(原題) The Holloway Flat Tragedy
(1927年)第三短編集"Max Carrados Mystery"収録
――盲人探偵マックス・カラドスもの、「顔のない死体」もの、死体
 入れ替えの証拠作りのため手袋で隠す。被害者の左手指が欠損。
『マックス・カラドスの事件簿』アーネスト・ブラマ 吉田誠一/訳
 創元推理文庫シャーロック・ホームズのライヴァルたち 1978/4/10
《...彼は手袋をはめたままの左手を上げて、「指が一本ないので、
 こうしていつも手袋をはめているのですよ。...」》p.212


(29)・(1927年)(イギリス)『ビッグ4』The Big Four「11 チェスの問題」
 アガサ・クリスティー (被)▲
――名探偵エルキュール・ポアロものの短編連作風の長編の一章。
 世界的なチェス・プレイヤーの対戦で、3手目に相手が急死する。
 毒物は発見されず、左手に火傷の跡があるだけ。被害者は左利き。
『ビッグ4』アガサ・クリスティー 中村 妙子/訳 ハヤカワ文庫
 クリスティー文庫 2004/3/16
《「彼が左利きだということはどうですか?」/
 「あなたには驚かされます。まるで魔法使いのようですね、ムッシュ・
 ポアロ。どうしてわかったんですか? ええ、ウィルソンは左利き
 でした。事件とはべつに何の関係もありませんがね」》p.175


(30)・(1928)(フランス)「金歯の男」モーリス・ルブラン [準][番外編]
――ルパンがバーネットと称し、探偵社をやっていたときの事件。夜中に
 神父が目撃した、司祭館聖器室の宝物を盗んだ犯人は、左側に金歯。
 しかし、容疑者の金歯は右……。左右の問題。
『バーネット探偵社―ルパン傑作集VII―』モーリス・ルブラン
 堀口大學/訳 新潮文庫 1960/7/1
《「実は金歯ですよ。...二本あるんですが、ただ……。」/...
 「右側にあるんですよ……ところがわしが見たのは、左側なんです。」》
p.97


 ――以上、<ホームズ以後>19世紀末から20世紀初頭まで

 いずれ機会を見て、この続きの「1930年代<探偵小説黄金時代>以降」
 を紹介します。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:私の読書論186-<左利きミステリ>第5回 海外編(後編)<ホームズ以後>19世紀末以降」と題して、今回も全文転載紹介です。

『週刊ヒッキイ』の「編集後記」にも書きましたように、現代編までかければベストでしたが、分量的に無理で、今回はここまでです。

<シャーロック・ホームズのらいヴァルたち>まではなんとか到達しました。
結構な冊数の<ライヴァルもの>を調べたつもりですが、すべてを網羅というのは難しいかと思います。

いよいよ次回は、<1930年代・探偵小説の黄金時代>以降現代まで、に突入です。
いつになるかはわかりませんが、お楽しみに。

今、20点ぐらいは判明しているものがあると思います。
もちろんきちんとした<左利きミステリ>ではないもの――登場人物の妄想であるとか、ラストの一場で登場したり、といったほんの一エピソードだけのものも含めての数字です。

そういう作品も含めても、楽しんでいただける内容になると信じています。
では。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ


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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載

" target="_blank">[コラボ]私の読書論186-<左利きミステリ>第5回海外編(後)ホームズ以後--楽しい読書368号

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[コラボ]私の読書論185-<左利きミステリ>第5回海外編(前)ホームズ以前-週刊ヒッキイ第666号

2024-06-18 | 左利き
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第640号 【別冊 編集後記】

第666号(Vol.20 no.11/No.666) 2024/6/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
私の読書論185-<左利きミステリ>第5回 海外編
(前編)<ホームズ以前>紀元前から19世紀末まで」



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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
  【左利きを考える レフティやすおの左組通信】メールマガジン
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第666号(Vol.20 no.11/No.666) 2024/6/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
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(前編)<ホームズ以前>紀元前から19世紀末まで」
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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2024(令和6)年6月15日号(vol.17 no.11/No.368)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
私の読書論186-<左利きミステリ>第5回 海外編
(後編)<ホームズ以後>19世紀末以降」
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*「後編」も見てね! 「後編」はこちらで↓
 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』(12:00 配信)

登録はこちら↓
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 今回は、私の発行しているメルマガ
 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』と
 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』のコラボ企画です。

 以前も何度か試みましたが、その5回目です。


【過去のコラボ】

■1回目――

ツイッターで紹介した【左利きミステリ入門】のまとめでした。
そこでは、海外編として、19世紀以前の作品をツイッターで
 年代・国名・著者名・作品名・左利きの登場人物・
 左利きに関する記述の該当箇所
などの情報を紹介した、まとめ編でした。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
・第577号(No.577) 2020/8/15
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)
×レフティやすおの楽しい読書(No.276)
『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
・2020(令和2)年8月15日号(No.276)
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)
×左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii(No.577)
【別冊 編集後記】
『レフティやすおのお茶でっせ』2020.8.15
・ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)-週刊ヒッキイ第577号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/08/post-ed8cea.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/612cd4bd3edfdbeb612069497aef79fa
・ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)-「楽しい読書」第276号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/08/post-ec0ad2.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/245bddeded4348e10aaa4a027a6fab18

■2回目――

「<左利きミステリ>その後」と題して、
過去の『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』の
「小説の中の左利き・推理小説編」やブログ等で紹介したもの以外に、
それ以降に見つけた<左利きミステリ>(広義のミステリ)のあれこれを
 年代・作品名・著者名(短編の場合は、収録書籍名)
をリスト化して紹介しました。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
・第595号(No.595) 2021/5/15
「楽しい読書コラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」
『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
・2021(令和3)年5月15日号(No.294)
「週刊ヒッキイコラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」
【別冊 編集後記】
『レフティやすおのお茶でっせ』2021.5.15
・私の読書論144-<左利きミステリ>その後
-週刊ヒッキイ595号&楽しい読書294号コラボ企画
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/05/post-e0ec7a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/400a7921be1d016f8bfbff350762971a

■3回目――

【第一回】のツイッター版【左利きミステリ入門】の続きの
海外編「20世紀以降」版から
<ホームズのライヴァルたち>の作品の紹介でした。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
・第628号(No.628) 2022/10/15
「<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
 【左利きミステリ入門】ホームズのライヴァルたち」
『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
・2022(令和3)年10月15日号(No.328)
「<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
 【左利きミステリ入門】ホームズのライヴァルたち」
【別冊 編集後記】
『レフティやすおのお茶でっせ』2022.10.15
・<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
左利きミステリ~-週刊ヒッキイ第628号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/10/post-39e67a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ad9796a23bf53cf6eb0e80182a9d7b6a
・<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
私の自作左利きミステリ-「楽しい読書」第328号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/10/post-1a4b2b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/03236262a34a6ee2e03b42bff06e3267

■4回目――

<左利きミステリ>の国内編――国内ミステリのリスト紹介でした。

前半=『週刊ヒッキイ』版は、1948年「アンゴウ」坂口安吾 から、
(1997年)『三月は深き紅の淵を』「第二章 出雲夜想曲」恩田陸 まで。
後半=『楽しい読書』版は、2003年「書肆に潜むもの」井上雅彦 から、
(2019年3月)『レフトハンド・ブラザーフッド』知念実希人 までを紹介。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
・第640号(No.640) 2023/4/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(前編)」
『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
・2023(令和5)年4月15日号(No.340)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書コラボ企画:
私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(後編)」
【別冊 編集後記】
『レフティやすおのお茶でっせ』2023.4.15
・私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(前)
-週刊ヒッキイ640号×楽しい読書340号コラボ企画
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/04/post-d5c13e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/131b4f7933014dcedf057c75702ff28e
・私の読書論169-<左利きミステリ>第4回 国内編(後)
-週刊ヒッキイ640号×楽しい読書340号コラボ企画
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/04/post-5b4e1e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d0e3f19af79760633cbcc87cac454f96


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  ★ コラボ企画 ★

 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
  <左利きミステリ>第5回 海外編
(前編)<ホームズ以前>紀元前から19世紀末まで

 × × × × × × × × × × × × × × × ×

 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
  <左利きミステリ>第5回 海外編
(後編)<ホームズ以後>19世紀末以降

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<左利きミステリ>についてです。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』で、
「名作の中の左利き/推理小説編」として紹介してきました。

その後、機会ある毎に新たな情報を追加しながら、今日に至っています。

今回は、<海外編>を紹介していきます。

 ・・・

*<左利きミステリ>とは、
 左利きの人が主要登場人物である物語や
 左利きの性質をトリックに活用した推理小説、
 左利きや左手や左右に関連した推理小説、サスペンス小説、
 ホラー作品等のミステリの総称をいう。


 国内ミステリ : 東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』
 海外ミステリ : エラリー・クイーン『シャム双子の秘密』


------------------------------------------------------------------
 1843:雑誌等初出年代 (1927):書籍刊行年代
 「」:短編、長編の一章 『』:収録短編集、長編
 [未]:<左利きミステリ>にもう一歩、未成熟
 [準]:<左利きミステリ>に準ずる
 [番外編]:番外編 (左利き/左手/左右関連)
 [ホラー]:ホラー [SF]:SF
------------------------------------------------------------------

<左利きミステリ>の登場人物・分類表

(探)◆:左利きの探偵/探偵役
(被)▲:左利きの被害者
(犯)●:左利きの犯人
(容)▼:左利きの容疑者
(他)■:左利きのその他の事件関係者
(脇)╋:脇役、通りすがり、妄想中の左利きの人物

<左利きミステリ>としての紹介の都合上、
作品のネタバレとなるケースがあります。
基本的に、キーポイントとなる読みどころに関しては
問題が起きないように留意しながら紹介していますが、
ときに一部ネタバレになる場合もありますが、ご容赦ください。


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<左利きミステリ>:<海外編>リスト
 (前編)<ホームズ以前>紀元前から19世紀末まで

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<左利きミステリ>【海外ミステリ】編

1・紀元前『旧約聖書』「士師記」左利きのエホデ (犯)●
――左利きの暗殺者〈モアブの王エグロン殺し〉
『旧約聖書』「士師記」第3章12-30
第3章
《15 ベニヤミン人ゲラの子なる左手利捷のエホデ是なり
 16 両刃の剣を作らせ...
 21 エホデ左の手を出し右の股より剣を取りてその腹を刺せり》
『文語訳旧約聖書II歴史』岩波文庫 より

【情報源】マイケル・バーズリー『左ききの本』TBS出版会 西山浅次郎訳
 十三章「エホデ――ベンヤミンのジェイムズ・ボンド」より



2・7世紀半ば(中国・唐時代)[1963(アメリカ)]『白夫人の幻』
 ロバート・ファン・ヒューリック (容)▼
――東洋通のオランダの外交官(中国や日本の大使を歴任)による、
 中国歴史ミステリ。大唐帝国全盛期の県知事「狄(ディー)判事」こと、
 狄(ディー)仁傑(レンチェ)が活躍するシリーズもの探偵譚。
 ケガの状況から容疑者は左利きと推理する。
(原題)The Emperor's Pearl (1963)
『白夫人の幻』ロバート・ファン・ヒューリック/著 和爾桃子/訳
 ハヤカワ・ミステリ 2006/7/15


3・1207年(中国・南宋時代)『棠陰比事』桂万栄/編纂 駒田信二/訳
 「9 利手の左右」「10 傷跡の深浅」 (犯)●
――中国の裁判事例集、二話ずつ対比。左利きの犯人による犯罪事例。
 江戸時代「本朝棠陰比事物語」として翻訳され、翻案ものが編まれた
『棠陰比事』岩波文庫 1985/1/16
「9 利手の左右」
《囚人たちに食事をさせてその利手(ききて)を調べたところ、
彼だけが左手で匕(さじ)や箸を使ったので、この男が殴り殺したと...》
「10 傷跡の深浅」
《傷が右臂(ひじ)にあるのが不審であった。
 そこで食事をあたえて利手を調べてみたところ、
 誣告であることが明らかになったのである。》
  平凡社『中国古典文学大系39』より

【情報源】有栖川有栖『ミステリ国の人々』日本経済新聞出版社
「ディー判事――ロバート・ファン・ヒューリック」より
《「この中でただ一人、左利きのお前が犯人だ」
 などという推理が出てくるのだから。》


4・18世紀(アメリカ)「フランクリンの請願書(左手からのお願い)」
 ベンジャミン・フランクリン [番外編]
――政治家で、雷が電気だと照明したことでも知られる経済人・
 フランクリン(左利き説もある)が、常に右手の補完的存在で、
 いつも差別を受けている左手を擁護した小文。
【情報源】バーズリー『左ききの本』TBS出版会 西山浅次郎訳
「教育の監督権を有する関係者に対する請願書」
《「私の不幸な運命に対して情深い配慮を...
 すべての子どもに同等に注意と愛情を...左の手拝」》
【情報源】ブリス、モレラ『左利きの本――右利き社会への挑戦状』
 講談社 草壁焔太訳 “教育を監督主導する人々への嘆願書”
《左手についての...深刻な問題をとりあげ軽いタッチで、
 彼は左利きへの合理的な理解と同情を訴えた。》
【情報源】コレン『左利きは危険がいっぱい』文藝春秋 石山鈴子訳
《左手利き(の彼は)... 左手利きの人々にのしかかるプレッシャーに
 抗議して、「教育を監督する方々へのお願い」
 と題した文章を書いている。》

(参考) 1971(昭和56)年 「兄弟」阿刀田高 [番外編]
――「フランクリンの嘆願書」に類似した内容のショートショート。
 『新装版・最期のメッセージ』阿刀田高 講談社文庫 2009/1/15 より
《...双生児の兄弟、姿形だって真実鏡に映したように
 二人はよく似ていた。》

*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』2012.7.11
<右手と左手>の立場を語る「兄弟」~
『イソップを知っていますか』阿刀田高
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2012/07/post-6a7a.html
http://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/f551a7846a67e4408a978fdfdab08d95
2011.12.29
阿刀田高「兄弟」とLYGP2012:メルマガ
「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」291、292号告知
http://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2011/12/lygp2012-hikkii.html
http://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/8067fe3bf2ee0e82e960e5259cc9b509


5・1841年9月(アメリカ)「悪魔に首を賭けるな 教訓のある話」
 エドガー・アラン・ポー (犯)●?
――習慣によって身の破滅を招く男。原因は、母親固有の具体的欠点で
 あった左利きによる打擲と貧乏だった!
『ポオ短編全集III』野崎孝訳 創元推理文庫 1974/6/28
《彼の母親の肉体的欠陥から生まれたものだ。
 悲しいかな、この女は運悪く左ききだった...
 子供を左から右へひっぱたいたって甲斐ないこと。》


6・1843年6月(アメリカ)「黄金虫」エドガー・アラン・ポー (他)■
――暗号解読宝探し小説。左利きの従僕の左右取り違えで、
 一度は宝探しに失敗するが……。
(初出)『ダラー・ニューズペーパー』1843年6月21日号、28日号 分載
(原題) The Gold-Bug
『ポオ短編全集IV』丸谷才一訳 創元推理文庫 1974/9/27
《「おまえ、自分の右手と左手の区別がつくか?」/
 「...薪を割るのがおらの左手ですだ」/「なるほど、左利きだもんね。
 じゃあ、お前の左の眼は左手と同じ側にあるんだ。」》

*参照:『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第180号(No.180) 2009/5/16
「名作の中の左利き(2)」―その2―『黄金虫』エドガー・アラン・ポー


(7)・1870年7月(フランス)「バティニョールの老人」エミール・
ガボリオ (被)▲
――自分の血で書いた犯人の名と思われるダイイング・メッセージ。
 左手の指に血が付いていたので、予審判事も警察署長も、犯人が誤って
 左手に血を付けて偽装したと判断し、犯人逮捕に辿り着くが……。
「ル・プチ・ジュルナル」(フランス四大日刊紙)1870年7月8日~19日連載
『世界推理短編傑作集6』戸川安宣編 創元推理文庫 2022/2/19
《右手は汚れていない……べっとりと血にまみれていたのは、
 左手の人差指だった。/では、老人は左手で血の文字をかいたのか……
 そんなばかな……》p.36(太田浩一/訳)
《「...おまえが血に浸したのは、死体の左手だったんだよ……」》
《「ビゴローの親父はもともと左利きだったんだよ!」》p.99

(参考) 1892(明治25)年「血の文字」黒岩涙香 (被)▲
――エミール・ガボリオ「バティニョールの老人」の翻案小説。
1892(明治25)年8月刊、小説集『綾にしき』収録
『日本探偵小説全集1 黒岩涙香・小酒井不木・甲賀三郎集』
創元推理文庫 1984/12/22
《「...あの老人が左得手(えて)で、筆を持つのは左手だと云う事を
 御存じないと見えますな」》p.107


(8)・1871(イギリス)『鏡の国のアリス』ルイス・キャロル [番外編]
――ご存知『不思議の国のアリス』の作者による
 鏡のなかの左右反転世界での冒険
『鏡の国のアリス』矢川澄子/訳 金子國義/イラスト 新潮文庫 1994/9/28
《「あの鏡のお家に住んでみる気はない、キティ? 
  あっちでもあんた、ミルクもらえるかしら。
  鏡のなかのミルクなんて、おいしくなさそう――」》

(参考) クリス・マクマナス/著『非対称の起源―偶然か、必然か』帯絵
(大貫 昌子/訳 講談社ブルーバックス 2006/10/21)



(9)・1881年(ロシア)「左利き トゥーラのやぶにらみの左利きと鋼鉄の蚤の
 話」レスコフ [番外編]
――ミニチュア細工の左利きの職人が、イギリスから持ち帰った軍事上の
 秘密とは……。
『ルーショ』紙1881年第45号、50号、51号掲載
1882年『オリョール報知』紙転載 1884年単行本
『レスコフ作品集1 左利き』岩浅武久/訳 群像社 ロシア名作
ライブラリー 2020/2/28
《「じゃあなぜ左手で従事を着るのですか?」/「彼は左利きで、
 何でも左手でやるのです」》


(10)・19世紀?(アメリカ)(小話)〈玉突屋のおやじ〉マーク・トウェイン
 [番外編]
マーク・トウェイン『ちょっと面白い話』大久保博/編訳 旺文社文庫
1980/1/1 収録
《ひと勝負やるか とおやじ/おれの腕前を見て
 「よし結構。それならおれは左手で突こう」》
《「左手でもそれだけ突けるんだから、右手で突いたら、
 いったいどれだけ突けるんだい?」/「いやあ、だめさ」
 とおやじは言った。/「おれはもともと左ギッチョなんだ」》


(11)・19世紀?(アメリカ)〈多数派〉マーク・トウェイン [番外編]
マーク・トウェイン『ちょっと面白い話』大久保博/編訳 旺文社文庫
1980/1/1 収録
《多数派は常に間違っている/自分が多数派にまわったと知ったら/
 それは必ず行いを改める(か、一息いれて反省する)時だ》

(参考) マーク・トウェインは左利き―
『神々の左手―世界を変えた左利きたちの歴史』エド・ライト/著
スタジオタッククリエイティブ 2009.6


 ――以上、<ホームズ以前>紀元前から19世紀末まで。

 (「後編」では、<ホームズ以後>19世紀末以降
         の諸作品を紹介します。)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
本誌では、「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:私の読書論185-<左利きミステリ>第5回 海外編(前編)<ホームズ以前>紀元前から19世紀末まで」と題して、今回も全紹介です。

以前、X(旧Twitter)のまとめ編を基に、総リスト化してみました。
「前・後編」で現代まで、という気持ちでいましたが、残念ながら今回はそこまで届きませんでした。
1920年代まででした。
またいずれ機会を見て、残りの1930年代(探偵小説黄金時代)以降、現代までをお届けしたいと思います。

今回新たに追加した作品は、

(2)・7世紀半ば(中国・唐時代)[1963(アメリカ)]『白夫人の幻』ロバート・ファン・ヒューリック
(7)・1870年7月(フランス)「バティニョールの老人」エミール・ガボリオ
 (参考) 1892(明治25)年「血の文字」黒岩涙香
(9)・1881年(ロシア)「左利き トゥーラのやぶにらみの左利きと鋼鉄の
蚤の話」レスコフ

ぐらいでした。

15歳から70歳の今日まで56年間に読んだ本は、2800冊程度。
内、広義の「ミステリ」はせいぜい1500程度でしょうか。
しかも、<左利きミステリ>を意識して読むようになったのは、ここ20年ほどで、それ以前に読んだ本はまったく記憶にないものも数多くあります。
あれが抜けてるとか、これを知らないの? といった見落とし作品がいくつもあるかと思います。

特に、近年は読書量も減っており、一方で海外ものの翻訳作品は売れ行きとは反比例で、相変わらずかなりの量が翻訳されています。

追々調べながら追加しておこうと思っています。
ご存知の作品などありましたら、ご教授いただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』


『レフティやすおのお茶でっせ』
〈左利きメルマガ〉カテゴリ

--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載

" target="_blank">[コラボ]私の読書論185-<左利きミステリ>第5回海外編(前)ホームズ以前-週刊ヒッキイ第666号

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楽器における左利きの世界(21)左利きヴァイオリニストの発言から-週刊ヒッキイ第665号

2024-06-07 | 左利き
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)
【別冊 編集後記】

第665号(Vol.20 no.10/No.665) 2024/6/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(21)左利きヴァイオリニストの発言から」



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第665号(Vol.20 no.10/No.665) 2024/6/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(21)左利きヴァイオリニストの発言から」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 前回は、YouTubeヴァイオリン動画

 左利き用バイオリン?! なぜみんな左手でバイオリンを持つのか。
https://youtu.be/1AmkzYXwHuY?si=0GR1mBoVlDkQkwbN
(2022/03/26「達ちゃんねる」13分27秒)

 を紹介しながら、左利きとヴァイオリン演奏について考えてみました。

 今回も、もう一つのYouTubeの動画を紹介しながら、
 左利きとヴァイオリン演奏について考えていこう、
 という予定でしたが、
 ネットで見つけた左利きヴァイオリニストさんの発言を紹介し、
 なぜ左利きでも右用ヴァイオリンで右弾きしなければならないのか、
 という点を見ておきましょう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ◆ <めざせ!実現!!左用ピアノ!!!>プロジェクト ◆

 {左利きの人は左利き用の楽器で演奏しよう!}

- 「左利きに優しい社会」づくりは左用楽器の普及から! -

 左利きとヴァイオリン演奏について考える

   ネットの左利きヴァイオリニストの発言から

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●ヴァイオリンYouTube動画(その2)

今回の動画はこれです↓

解説! 左利き用のバイオリンについて!
全盲のバイオリニスト穴澤雄介が教えます
【左利きの生徒さんを教えた経験談も】
https://youtu.be/d-xrKPRvgEo?si=bR30My4xtn6Rat3S
4:33

2022/09/29 全盲のユーチューバー、音楽家、講演家、
穴澤雄介チャンネル
--
ヴァイオリンやヴィオラに、
果たして左利きのための楽器は存在するのでしょうか?
左利きだけどバイオリンをやってみたい、
そう思っている方へ安心のアドバイス!!
--

というのですけれど……。

結論から書いてしまいますと、
ごくごく常識的?な発言ばかりで、参考にはなりません。

ごくごく簡単にまとめますと――

 《左利き用のヴァイオリンはありません。昔はあったらしいですが。》

 《大勢が並んで演奏することが多いので、
  ひとりだけ左弾きだと、弓がぶつかる、見た目がよくない》

 《左手で弦を押さえるのも、難しいから、左利きが不利とも言えない。》

 《楽器をやっていると、両利きのようになる、
  私も左の方が握力が強い》

――といったところです。
いつも聞かされる台詞といったところですね。


 ●「ツルノリヒロの生活と推理」から

次に、ネットで見つけた左利きヴァイオリンについての記事から
二、三紹介してみましょう。


【ネット記事から(その1)】

ツルノリヒロの生活と推理
アーティスト、ツルノリヒロの気ままな発信基地。

左利き用バイオリン
2012-04-20 20:36:54 | 思いつくままに
https://blog.goo.ne.jp/tsuru-norihiro/e/fcce99fe4f40cbbc34fe6a3425f321cc

ここでも簡単に気になる部分を紹介しておきましょう。

 《チャップリンは左利きで、チェロもバイオリンも、
  特注の楽器を弾いていたらしい。》

――有名人なので、その可能性はありそうですね。

 《今は、左利きの方でも右利きの構えに、
  早くからならされて弾く方が多いので、普通の楽器で良いのだが、》

――小さい頃からやってるから……というやつですね。
「結論」になるのですが、
ヨーロッパでも、日本と同じように左利きは差別されてきました。
認められるようになったのは、日本と同じように第二次大戦後のこと。

昔から左利きの子供たちは、親や学校の先生など大人たちから
「矯正」の名の下に、字を書く等の“人間的”な行為に関しては、
右使いに転換させられてきたのです。

*参考文献:欧米における左利き差別について
・左利きイギリス人の左利き研究家の著作
『左ききの本』マイケル・バーズリー 西山浅次郎訳 TBS出版会(発売・産学社)1973
(原著 THE LEFT-HANDED BOOk -An Investigation Into The Sinister
History Of Left-handedness- 1966) ――「序論」他


『右きき世界と左きき人間』マイケル・バーズリー 西山浅次郎訳 TBS出版会(発売・産学社)1972
(原著 Left-handed Man in a Right-handed World, 1970) ――著者の
 主宰する左利きの会会員の便り「第五章 左ききの試練と苦難」他


・左利きアメリカ人の左利きの著作
『左利きの本――右利き社会への挑戦状』ジェームス・ブリス、ジョセフ・モレラ 草壁焔太訳(講談社)1980.12
(原著 The Left-handaers' Handbook) ――「第I部 外国編」


・左利きのドイツのノーベル賞作家ギュンター・グラスの短編小説
「左ぎっちょクラブ」(1958、『僕の緑の芝生』飯吉光夫訳 小沢書店
 1993/10/1 収録) 
『僕の緑の芝生』
――左利きの青年たちが所属する“出来もしない”のに右手使いに転換
(「矯正」)することを目的としたクラブでの出来事を描く


ヨーロッパのクラシック音楽も、
伝統のある歴史のあるもので、演奏もその教育法も
昔から一つの形ができあがっていたのでしょう。

当然のごとく楽器演奏もまた、左利きの子供たちは、
右使いに「矯正」されてきた、というだけのことです。


 《利き腕を重視して演奏するには、
  バイオリンもチェロも、ボディーの中は左右対称ではないため、
  左利き用の楽器を使わなければならない。》
 《バイオリンとか、チェロは、作られてからすぐ、よりは、
  何十年も時を経て、
  初めてその楽器の持つ音が鳴るようになる。》
 《やはり特注して作ってもらう、と言う事になるのだろう。
  そうなると、なかなかいい音は望めないのだろう、
  だから、左利きでも右利きに矯正され、
  演奏する事になるのかもしれない。》

――この辺のところは、なかなか納得させられます。

楽器の音が練れてくるまでに時間がかかるので、
左利き用の歴史のある名器を見つけるのは難しい。

だから、「名器を演奏したいのなら、左利きの人でも右弾きで!」
という発言には、一理あるなあ、と感心します。

ただ、“名器を育てる”という行き方もあるはずですよね。

 《そういえば昔、
  スイスロマンド管弦楽団のバイオリンに、
  一人だけ左利き用で演奏している楽団員がいたが、
  テレビで見ていて、一人だけみんなと逆に構えているのが目立って、
  とても不思議な気がした事がある。》

――これは、目立ちたい人には魅力的でしょう。
逆に、目立ちたくない人には困ったことでなります。
左利きの人は「人前で目立ちたくない」という控えめな人も多いので、
これは困った事態ですね。


 ●「左利き?のヴァイオリニスト」から

【ネット記事から(その2)】

2017-02-21 23:57:46
左利き?のヴァイオリニスト
https://ameblo.jp/atsukosahara/entry-12248820146.html

佐原敦子(ヴァイオリニスト)さんのブログです。

《ウィーンの素晴らしいヴァイオリニスト、
 ルドルフ・コーリッシュ(1896~1978)》のことを書いておられます。

コーリッシュのYouTube動画

Kolisch String Quartet - Mozart:
https://youtu.be/ILCu3kMHHJc


 《コーリッシュは、一番右側の方です。
  たいてい、1stヴァイオリンは、一番左側ですが、
  弓があたらないように、/右側にいらっしゃいますね。

  私は、このように弾かれている方には
  お会いしたことがありませんが、
  一度、テレビでヨーロッパのオーケストラの中で弾かれている姿を
  観たことがあります。

  反対でも弾けるようになるには、
  顎当てや弦も反対に張ったヴァイオリンがないと練習できません。
  私はウィリアム一台しか持っていないので、上達は難しそうです。》

――とのこと。
左利き左弾きのコーリッシュさんは、他の人と弓があたらないように、
(向かって)「右側」にいると。

左利きの人ならこういうことはよく理解できるでしょう。
私たち日本人の左利きの人たちも、
食事の時には、他の人と肘が当たらないように、「左端」に座ります。

次に、「反対でも弾けるようになるには」反対のヴァイオリンが必要で、
二台目がいるとのこと。

プロでも道具がないとどうにもならない、ということなんですね。

*参照:ルドルフ・コーリッシュ
『左ききの本』マイケル・バーズリー 西山浅次郎訳
 TBS出版会(発売・産学社)1973――「十九 音楽における左きき」
に、ヴァイオリンに関しての記述があり、
「ルドルフ・コリシュ」として、彼に関しても記述があります。

 《左手を負傷したため、止むをえず、右手でヴァイオリンを支え、
 左手で弦を動かさなければならなかった。》p.223

それでも四重奏団を結成、1939年の解散まで好評を博した、とあります。

また、これは次回に解説しますが、
四重奏団は、左弾きが入っても位置的、視覚的に美学上有利である、
とも書かれていました。

ちなみに、チャップリンに関しても記述がありました。
これもいずれ紹介しようと思います。


 ●左利き用のヴァイオリンって、そうだったの?

2023年11月2日 2024年1月15日
ヴァイオリンは左利きでも弾ける?左利きのプロ奏者や経験談を紹介
https://moka-violin.com/violin-lefthanded/

によりますと、左利き用のヴァイオリンは、

 《左利き用というより、
  事故や障害などで左手のコントロールが困難な方向けのようです。》

といいます。

まあ、そういうこともあるかと思いますが、
実際に存在するのは事実のようですし、
どのような理由にしろ、存在するということが大事なわけです。

もし、だれもが右用と左用のどちらも試せる状況があって、
どちらでも教えてくれる先生がいるとすれば、
実際に試して自分にとって弾きやすい方を選べるわけで、
それは最高のチョイスになるでしょう。


 ●手の役割と足の役割

ここで、ネット情報から「ヴァイオリンは左右どちらの手も難しい」
(だから、利き手は関係ない)という発言が多いので、
ヴァイオリンにおける両手の役割・仕事をチェックしておきましょう。

【右手】
・ボウイング:弓の上げ下げ
・ピッチカート:弓を使わず指で弦を弾く

【左手】
・フィンガリング:指使い、運指(音程を作る)
・ポジションチェンジ
・ビブラート

詳しい内容については私には理解できていませんが、
何かしらイメージは着くだろうと思います。

もうひとつ、左手の役割としましては、「本体を持つ・支持する」
ということも大きな要素でしょう。

この点も後ほど、検討してみようと思います。


 ●左利きでも不利ではない――「慣れれば一緒」の思想?

結局、右利きのヴァイオリニストのかたも、
左利きのヴァイオリニストのかたも、結論とされているのは――

 ヴァイオリンを弾くとき、右手と左手は役割が異なり、
 それぞれに特殊な動きがあり、どちらも同じくらい重要である。
 そのため、利き手による有利不利はない。

というものです。

先に紹介しました

「ヴァイオリンは左利きでも弾ける?左利きのプロ奏者や経験談を紹介」

には、こうあります。

 《右手の役割は弓を持って弦をこすり、
  音に強弱をつけて音色を表現することです。

  一方左手の主な役割は音程を作ることで、
  正確な位置に素早くしっかりと弦を押さえる必要があります。

  ヴァイオリンを弾くときは右手も左手も同じくらい重要なので、
  左利きだからといって不利になることはありません。》

しかし、これは多くの楽器でも同じようにいう人がいます。

また、他の両手を使う道具や機械、例えばカメラでも、
同じようにいわれています。

一眼の高級カメラの場合は、
右手は、カメラ本体を保持し、構図を決め、
ここぞという瞬間にシャッター・ボタンを押す。
左手は、レンズを支えながら被写体のピントを決める、
といった操作を行います。

そして、実際に使っている左利きの人がいうのは、
(右利き用でも)「慣れれば一緒」です。

しかし、これらのものはみな、両手を使っているといっても、
実は、右手が主役で左手は補助です。

その点も後ほど解説します。


 ●有名な左利きでも右弾きのヴァイオリニストさん

上のサイト記事でも、最後は、日常生活では左利きでも
ヴァイオリンの演奏は右利き用のヴァイオリンで右弾きで有名になった
ヴァイオリニストを紹介しています。

一人目は、古澤巌さん。

 《古澤巌さんは1959年東京都生まれのヴァイオリニストで、
  桐朋学園大学とカーティス音楽院(アメリカペンシルバニア州)を
  卒業しています。/
  3歳の時に保育園の先生から左利きだから習い事をさせた方がいい
  と言われ、ヴァイオリンを始めたそうです。/
  最初は苦労したようですが、努力の甲斐あってか古澤巌さんは
  数々のコンクールで1位を受賞しています。/
  また実力を認められ、ストラディバリウスの名器
  「サン・ロレンツォ」を生涯貸与されています。》


二人目は、千住真理子さん。

 《千住真理子さんは1962年東京都生まれで、慶應義塾大学を卒業して
  から国内外で広く活躍されています。/
  2歳半でヴァイオリンを始めて12歳でNHK交響楽団と共演しデビュー、
  パガニーニ国際コンクールに最年少で入賞などを果たしています。/
  華々しい経歴を持っていますが、幼少期にヴァイオリンの先生から
  「左利きはヴァイオリニストになれない」
  と言われたことがあるそうです。/
  しかし今や世界で活躍する演奏家として名を馳せているので、
  左利きを理由に諦めなくていいのだと勇気づけられますね。》

とのこと。

古澤巌さんは、《最初は苦労したようですが、努力の甲斐あってか》
著名な名演奏家になれたようです。

千住真理子さんも、《「左利きはヴァイオリニストになれない」
と言われた》にもかかわらず、成功されたようです。

とは言えこれは、「左利きでも右弾きに成功する人もいる」
というだけのことです。


 ●人はそれぞれ偏りの度合いが違う

別に「左利きでも右弾き」を否定する必要は無いのですが、
人にはそれぞれ個性があり、利き手の偏りの度合いも異なります。

以前、<左利きプチ・アンケート>で各種利き手テストを紹介しました。

その結果を大雑把にいえば、利き手に関しては、

多くの片手作業で右手を使う「強い右利き」以外にも、
その裏返しの、多くの片手作業で左手を使う「強い左利き」がいて、
いくつかの項目で左手を使う「弱い右利き」から
その逆のいくつかの項目で右手を使う「弱い左利き」までの、
私が「中間の人」と呼ぶ人たちがいます。

また、利き手以外にも利き足や利き目といった、
左右対称に存在する器官における使用の偏りがあります。

利き手では約90%の人が右手利きといわれますが、
利き足や利き目では右利きが60~70%といわれています。

手の利きと足や目の利き側との相関関係は、60~70%といわれています。
右手利きの人の60~70%は右足利きだ、ということです。

これらの身体全体の偏りを考慮しますと、
右手利きという人でも、左足利きや左目利きの人もいるので、
「中間の人」はかなり存在すると思われます。

そういう人では、右使いに馴染める人――
ヴァイオリンの右弾きに慣れやすい人も当然いるでしょう。

しかし、私のように強度の左利きの場合には、右使いには慣れにくく、
そういう強い左利きの人の場合、
ヴァイオリンの右弾きに関しても慣れるのは難しいと考えられます。


 ●左利きでも右利き用で右弾きを、という理由

色々見てきましたが、総じて言えることは――

1.左利き用のヴァイオリンは右用とは構造が違い、手に入りにくい
→ 道具がないので、手に入るもので我慢しましょう!?

2.右手も左手も重要で、利き手の有利不利は関係ない
→ 右手も左手もどちらでも、慣れたら一緒!?

3.ヴァイオリンは集団で演奏することが多く、左弾きは立ち位置が難しい
→ 左弾きでは隣の右弾きの人と弓が当たる、
  弓の動きが逆で一人目立つ、ので困る!?

4.利き手も定かではない、小さい頃から習う人が多いので、
 利き手は関係ない
→ 利き手も小さい頃からなら換えられるという人もいるじゃないか!?

以上、これぐらいの理由でしょう。

では、次回からそれぞれの意見に反論してゆくことにしましょう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(21)左利きヴァイオリニストの発言から」と題して、今回も全紹介です。

今回は、「左利きでも右利き用のヴァイオリンで右弾きするのがよい」といったヴァイオリニストたちのご意見を紹介し、その理由とされる事柄をまとめてみました。
次回は、これらの理由に関して私なりの反論を書いてみる予定です。

従来から、左利き幼児の右使いへの転換行為(「矯正」と、正しいことであるかのように、きれい事のような表現がされてきました)がなされていたものですが、それらに反発し、反論してきた日々のことを思い出してしまいます。
まったく同じ状況といっても過言ではありません。

やはり音楽、器楽演奏の世界は遅れているようです。
なんとかしなければなりませんねえ。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』


『レフティやすおのお茶でっせ』
〈左利きメルマガ〉カテゴリ


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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
楽器における左利きの世界(21)左利きヴァイオリニストの発言から-週刊ヒッキイ第665号
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『左組通信』復活計画(30)『LL』復刻(3)LL4 1995年春号-週刊ヒッキイ第664号

2024-05-19 | 左利き
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)
【別冊 編集後記】

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第664号(Vol.20 no.9/No.664) 2024/5/18
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [30]
『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(3)LL4 1995(平成7)年 春号」



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第664号(Vol.20 no.9/No.664) 2024/5/18
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [30]
『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(3)LL4 1995(平成7)年 春号」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今回も、季刊誌『LL(レフティーズ・ライフ)』の復刻ということで、
 ホームページに公開していたページのコピーです。


┏ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┓
ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [30]

  『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻 (3)
 
   (内容紹介)LL4 1995(平成7)年 春号
┗ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛      

*(参照)――

・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第43号(No.43) 2006/8/12
<「国際左利きの日」記念号>「私にとっての左利き活動(3)」
 ■レフティやすおの左利き活動万歳■ ―隔号掲載―
私にとっての左利き活動(3)『LL』の時代
(参照)※『レフティやすおの左組通信』のページ
○レフティやすおの左利き自分史年表
○レフティーズ・ライフ(LL)再録(1)全号目次 

・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第602号(No.602) 2021/9/4
「創刊600号突破記念―
 私が影響を受けた左利き研究家・活動家(2)第二期・紙の時代―その1」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2021.9.4
私が影響を受けた左利き研究家・活動家(2)第二期・紙の時代1
(創刊600号突破記念)-週刊ヒッキイ第602号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/09/post-57d0e5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/e2aaaa56a6400bcc04d24d46a47d1d03

・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第650号(No.649) 2023/10/7
「創刊19年に向けて―650号記念号―
 <左利きの人の自覚――意識の覚醒>が最も重要」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2023.10.7
<左利きの人の覚醒>左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii
創刊19年記念号-第650号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/10/post-158a3d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/8396e0fae38c6eeab56013360f58d18e
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 ●『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ』LL4

LL4 1995(平成7)年 春号
・前説 The Compliments of the Spring Issue 発信し続けること
・From LHI (Lefthanders International/U.S.A)
  レフトハンダーズ・インターナショナル(アメリカ)より
・From LHC (Left-handers Club/U.K.)
  レフトハンダーズ・クラブ(イギリス)より
・左利きの生活 To Live In The Right-Handed World―
 (1)私のいちばん嫌(いや)~なことば――
  「○○君は、ぎっちょか。器用やなぁ。」
 (2)「転びキリシタン」あるいは「隠れキリシタン」のように

≪スタート! 新学期≫子供用品特集
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
 その4〔子供用左利き用品の紹介〕―
  文具(はさみ・鉛筆・鉛筆削り・定規・缶ペンケース入り文具セット)、
  野球/ソフトボール用グラブ・ヘルメット・手袋
〔手を使い分けよう〕
 久保田競著『手と脳―脳の働きを高める手』紀伊国屋書店より
〔左利きの子供に対する接し方〕
 箱崎総一著『左利きの秘密』立風書房より



┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
LL4 1995(平成7)年 春号
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

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前説 The Compliments of the Spring Issue
発信し続けること
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 さてわが“LEFTIES’ LIFE”もこの春号をもって、
季節を一巡したことになります。何とか一年続けることができました。
これもひとえに読者の皆様のご声援のたまものと感謝しております。
 ありがとうございました。

「継続は力なり」ということばがあります。
とにかく、出し続けることが認知される早道だ、と考えています。
 借金も請求しなければ、パーになるそうです。
 自分が痛いときや苦しいときは、
そういわなければ人にはわかりません。
自分ひとりがガマンすることですむ問題ならば、それでいいでしょう。
しかし、そうでないときにはいわなければ、人には伝わりません。
伝わらなければ、助けてもらえません。
SOSを発信しなければ、救助隊も出動しません。
一度のSOSでダメでも、
発信し続ければいつか誰かが気づいてくれる。
ひとりではできないことでも、人が集まればできるようになる。
――そう信じて、続けていきます。
これからもよろしくおつきあいのほどお願い申し上げます。
では、≪スタート! 新学期≫増大号をお楽しみください。


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From LHI (Lefthanders International/U.S.A)
レフトハンダーズ・インターナショナル(アメリカ)より
------------------------------------------------------------------

いつも手紙を下さるマーケッティング・ディレクターの
キャロル・リドルさんから、
≪左利きの人を欲求不満におちいらせるもの」
”Things that are frustrating for lefties!”
と題する報告を送っていただきました。

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From LHC (Left-handers Club/U.K.)
レフトハンダーズ・クラブ(イギリス)より
------------------------------------------------------------------

最新の会報とともに、昨年行われたメンバー向けの
左利きに関するアンケート調査の結果が送られてきました。

――このふたつの詳細は、また機会をみて紹介します。


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左利きの生活 To Live In The Right-Handed World
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--------------------------------------
私のいちばん嫌(いや)~なことば――
「○○君は、ぎっちょか。器用やなぁ。」
--------------------------------------

春は新しい出会いの季節です。
期待と不安を胸に新たな世界へ飛び出してゆくとき――
楽しみな反面、こわい所もあります。特に新しい人との出会いには。

「○○君は、ぎっちょか!? 器用やなぁ。」

 初めて会う人から言われるいちばん嫌なことばです。
「ぎっちょ」の部分は、
最近は「左利き/サウスポー」と表現されます。
ここまでは事実を指摘している内容ですので仕方ありません。
が、このあとの「器用やなぁ」という発言には大いに問題があります。
 このことばだけを取るとほめことばのようですが、
何を指すかによって変わってくるのです。
 右手であれ左手であれ、利き手を起用に動かせるのは、
当たり前のことですから――
〔ぎっちょ/左利きの人〕=〔器用な人〕 という発想ならば、
それは文字通りほめことばです。
 でも、〔ぎっちょ/左手を使うこと〕=〔器用〕 
すなわち〔器用〕だから → 〔ぎっちょ/左手を使う〕
 という発想ならば、それは明らかにまちがいです。
 
 左利きの人は、自分は器用だから「右手でもできるのに、
わざと左手を使っている」というわけではなく、
右利きの人が無意識に右手をつかうのと同じように、
「自分の意志にかかわらず、ごく自然に」左手が動いてしまうのです。
 ただ単に、左手が利き手だから、器用に動くだけです。

 もちろん、
発言者はそんな厳密な意味を考えて話しているわけではなく、
何も考えずに、ちょっとした話のきっかけといった程度に、
単純に軽い気持ちで自分の驚きをあらわしているにすぎません。

 しかし、私にはうわべだけのことばと聞き流すことができません。
このような発言に接するたびに、何かバカにされている、
茶化されているように思えてならないのです。
 これは単に、私の思いすごしにすぎないのでしょうか?


-----------------------------------------------------
「転びキリシタン」あるいは「隠れキリシタン」のように
-----------------------------------------------------

 最近、手のない子について書いた文章を読みました。
 彼は生まれつき「棒のような手」しか持っていません。
しかし、それを当たり前のことだと思っているため、
手のないことの不自由さを感じていないというのです。
「手がないので不自由でしょう?」というのは、
ふつうの人の勝手な想像にすぎないというのです。
 
私たち左利きの人も、自分が左利きであることを、
当然のことと受け止めています。
決して自分のことを変だとか奇異だとか考えたことはありません。
 左利きであること自体に、不自由さを感じたことはありません。
 左手も右手も対称形を成しています。
鏡に映してみればどちらがどちらか区別の付かない人もいるでしょう。

 生れたときから、右利きの社会で暮らしてきた左利きの人々は、
なんの疑いもなく、ありのままにこの世の中を受け入れてきました。

 しかし残念ながら今現在この社会は、
右利きの人達が生活するのに便利なように作り上げてきた、
右利きの世界だったのです。
 人類が始めて道具を手にしたとき――このときから利き手が始まった、
といわれている――から、右利きの人たちにとってはごくごく自然な
発想である、右手右足といったからだの右側にある感覚器官を優先する
思想に基づいた、文明や文化を堂々と築き上げてきたのです。
 
 そんな世界で、少数の存在である左利きの人たちは、
あるときは、右手を使うように「矯正」という名の強制を受け、
大部分の人は「転びキリシタン」のように、
訓練を受けた特定の作業のみ右手で行うことのできる
「右利きもどき」のような、「隠れキリシタン」ならぬ
「隠れ左利き」としての生活を強要されてきました。
 一方「転ばなかった」左利きの人は、強情で我の強い、わがままな、
協調性にかける性格の「アウトロー」という烙印を押されることも
間々ありました。
 さらに、「転んだ」人も「転ばなかった」人も
社会のさまざまな場面で右利き用の道具や機械、
それらの配置など右利き社会への適応を余儀なくされている、
のが現状です。


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≪スタート! 新学期≫子供用品特集
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左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
 その4
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今回は、子供用の左利き用品を紹介します。
 わが子が左利きとわかったとき、
世の親御さんはどのような反応を示すのでしょうか?

 昔のように、なにがなんでも右利きに、という圧力は
弱くなっているようですが、基本的には、
できうる限り右手を使わせるように、
できるものなら右利きにさせよう、と努めるのではないでしょうか?

 ではなぜ、そのような指導をさせる気持ちになるのでしょうか?

 今の社会では、右利きに比べて、左利きは何かにつけて不利である、
と考えられるからでしょうか?
 あるいは、左利きでは行儀が悪い、からでしょか?
 左利きは他人に迷惑をかける、とでもいうのでしょうか?

 もしある社会が、
特定の人々にとって不利な状況をもたらすものであるとすれば、
そのような社会の構造そのものが問題であり、
改善されるべきでしょう。
 個人個人がそれぞれに工夫するのは、あくまで私的な便法にすぎず、
根本治療とはいえない、と私は考えます。

 CDとアナログ・レコードのシェアが逆転したとき、あっという間に、
プレーヤーやレコード針が姿を消してしまったことがありました。
 あのような劇的な変革は望むべくもないでしょうが、
しかし、改善に向けて、まず一歩、踏み出す努力が必要です。
 あなたの子供は待ってくれません。

 待ってくれない子供たちにとって大切なのは、最初に出会う道具です。
小さい頃から、その子にあった道具を与えてやることが肝心です。
自分に合った道具で正しい使い方をマスターしたとき初めて、
自分に自信が持てるのです。
 使いにくい道具で悪戦苦闘する、けがをする、
自分はダメだと思い込む…。
からだの傷は一時でも、心の傷は一生ついてまわります。
子供が引け目を感じないで、胸を張って生きていけるように、
その子に合った道具をそろえてあげたいものです。


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≪スタート! 新学期≫子供用品特集
★━━━━━━━━━━━━━━━━★

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
左利きは少数派ではあるが、その存在を認め、生活方法、
手を使う道具など左利きの人に都合のよいものが開発されねばならない。

 久保田競著『手と脳―脳の働きを高める手』より
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(グッズ紹介)
① RAYMAY 左手用こどもはさみ KHH350
 児童用 135ミリ ¥350 株式会社レイメイ藤井
・発売以来二十数年のロングセラー定番商品。
・先が丸くて安全、価格も安価で「右利き用」と同一価格がうれしい。
・刃先が二段刃なので耐久性バツグンです。
・名前のネームタグ付き。
・中心の「かしめ」部分はゆるみ防止のリングバネ付きです。
 ――商品企画室 F・Sさん

② アレックス 学童用鋏 S21-145 ¥600 株式会社木屋 
・刃物用ステンレス鋼。
・全長145mm
・小型で軽く、小さな子供の手にフィットするサイズ、サビにくく、
気楽に使えます。
・木屋、または各地のデパート内木屋は物売り場にて。
  ――企画課 Iさん

③ ステンレスハサミ 学童用 左用 No.145 ¥600
 プラス株式会社
・長さ145mm。
・学校で便利な名札付き。
「他社に左利き用のハサミが無い事もあり、お蔭様でご好評頂いてます。
同じ形の右用に比較しても出荷率がかなり高いです。
大人も使えるNo.165(¥1300)も宜しくお願い致します。」
――製品事業部 S・Sさん

④ ミズノ野球・ソフトボール用品――ミズノ株式会社
〔グラブ〕
少年硬式用〈ワールドウィン〉パラショックμハニカム
 オールラウンド用 一塁手用
少年硬式用〈ワールドウィン〉シーラス
 オールラウンド用 size L, M, S, SS 一塁手用
〔ヘルメット〕
硬式用 (左打者用) 軟式用 (左打者用) ソフトボール用 (左打者用)
 他にそれぞれ「両耳付打者用」がある。
少年硬式用 (両耳付打者用) 少年軟式用 (両耳付打者用)
〔バッティング手袋〕
左打者用 19~27cm(少年用対応) 
「スポーツにおいて左利きを意識して企画している商品でジュニア用は、
現在のところ野球用品しかございません。
商品としては、グラブ、バッティング手袋、ヘルメットです。」  
――お客様商品相談センター A・Mさん

今回は、品番の紹介だけに終わりました。くわしくは上記の相談センター、
またはミズノ製品取扱店でおたずねください。 

⑤ 4インチ先丸形 クラスルーム・シザーズ アメリカ製 /輸入品
・長さ約10センチ。先が丸くて安全な、幼児から小学校低学年向けの
ハサミ。

⑥ 5インチ スタンダード・スクール・シザーズ アメリカ製/輸入品
・長さ約12.5センチ。学童用ハサミ。

(*2024.5.15――個人名をイニシャルに変更、
「ミズノ野球・ソフトボール用品」の商品番号と価格を省略しました。)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
〔手を使い分けよう〕

(略)左右の運動機能の分化の芽生えは、生れたときすでにあるので、
左手と右手の機能の差を考えた育児が肝要である。
 
 利き手は言語を媒介する機能、ことばで考えたことを実現する機能、
単純につかむ、にぎることから書くことまでの機能に使われるべきで、
非「利き手」は、手探り、空間認知、さらにそれを手がかりとして
実現する機能に使われるべきである。
われわれの脳は左右に特殊化がおこなわれているので、
それに都合のよいように手を使わなければならない。
(略)左利きの幼児が生まれたら、利き手の矯正をすることなく、
そのまま左右それぞれの手の機能発達をはかるべきである。

  久保田競著『手と脳―脳の働きを高める手』紀伊国屋書店
 1982年刊より


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


⑦ 消しゴム付鉛筆 アメリカ製/輸入品
・こすれても手が汚れない鉛筆。
・左手に持ってもプリントされた文字が逆立ちしていない。
・レフトハンダーズ・インターナショナルのロゴ入り。

⑧ 鉛筆削り ドイツ製/輸入品
・手持ち式。
・左手に鉛筆を持ち、反時計方向に回して削る。

⑨ 15センチ定規・30センチ定規 イギリス製/輸入品
・左手で線を引くときに便利なように、右から目盛りがついている。

⑩ 缶ペンケース入り文具セット イギリス製/輸入品
・ 子供用ハサミ、15センチ定規、万年筆、シャープペンシル、鉛筆、
鉛筆削り、消しゴム、スペアインク、レフトハンダーズ・クラブのバッジ、
がセットされている。

⑤⑥⑦は、LEFTHANDERS INTERNATIONAL(USA)より。
⑧⑨⑩は、 ANYTHING LEFT-HANDED(UK)より。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
〔左利きの子供に対する接し方〕

たしかに、この右利き偏重社会で左利きの子どもたちが
立ち向かっていかなくてはいけない試練は多いだろう。
だが、子どもたちが左利きであることの誇りと、
そして勇気を持って進んでいくならば、
この社会はかならず変革できるはずである。
そうした誇りと勇気を子どもたちに与えるのが、
左利きの子どもを持った親のつとめではないだろうか。
もしあなたが愛情という言葉を口にするならば、
愛情とは子どもの手から武器を奪い、
犬のように尻尾を巻いて退散させることではない、と私はいいたい。
愛情とは、むしろ敵に立ち向かう力と知恵とを
子どもに授けることだと思う。
そんな愛情を持って、子どもと接していただきたい。
そうすれば、子どもはきっと力強く生きていくにちがいない。

親としては単に愛情だけで子どもに接するにとどまらず、
社会における左利きの立場に対する客観的な認識を
子どもに与えるように心がけるべきである。
 
たしかに、親としては子どもの左利きをなんとか直したい
と考えるだろう。
なぜなら、親が何十年か生きてきたこの日本の社会は
完全な右利き偏重の社会であったし、
それはまだまだ続くだろうからだ。
左利きの子どもが立ち向かわなくてはいけない社会の壁、
あるいはさまざまな差別と迫害…、そうしたものを考えたとき
「右利きに直るものなら、なんとか直したい…」と思うのは
当然の“親ごころ”であろう。
だが、そんな“親ごころ”を認めたとしても、
なお私は「左利きを矯正してはいけない」と叫びたい。
「こどものため…」と思う“親ごころ”が
客観的な認識力を欠落したとき、
子どもに対していかに大きなストレスとなるか。
これは“教育ママ”の例をあげるまでもない。

「教育」という言葉を英語ではEDUCATIONという。
これは“EDUCE=引き出す”という動詞からきた言葉なのだ。
つまり、教育というのは無限にある子どもの能力や個性を
無理にねじ曲げることではけっしてないのだ。
私が、左利きはひとつの“個性”であって
“異常”なのではないと強調してきたのも、
そういったことをじゅうぶんに考えて、
子どもに対応していただきたい。

  箱崎総一著『左利きの秘密』立風書房 1979年刊より


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本誌では、「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [30]『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(3)LL4 1995(平成7)年 春号」と題して、今回も全紹介です。

今回も、思い出話です。
グッズ紹介のコーナーがありましたが、それぞれのメーカーさんに「LL」のBNを同封したお便りを出し、その返答をいただいた方と連絡を取り、お言葉をいただいたりしました。
こういうことを毎回くり返し、色々と情報をご提供していただいたものでした。

ちょっと記憶が曖昧で、調べる手間をとる余裕もないのですけれど、子供用の左手用ハサミの開発に関する情報をお寄せいただいたメーカーさんもありました。
また、左手用子供ハサミの老舗、レイメイ藤井さんからは、左手用こどもハサミの前年比売り上げ(?)の増加の数値なども教えてもらったことがありました。
林刃物さんからは、左用ハサミに関して、当初はもっと多種類(大・中・小・長など)を用意していたけれど、種類を絞ることになったなどの報告もいただいたものでした。

今は、直接他者に働きかけるという行動を取っていないので、そういう意味では啓蒙活動としては消化不良なのかな、と反省しています。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載

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楽器における左利きの世界(20)YouTubeヴァイオリン動画から(1)-週刊ヒッキイ第663号

2024-05-05 | 左利き
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)
【別冊 編集後記】

第663号(Vol.20 no.8/No.663) 2024/5/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(20)YouTubeヴァイオリン動画から(1)」



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  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第663号(Vol.20 no.8/No.663) 2024/5/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(20)YouTubeヴァイオリン動画から(1)」
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 前回は、

 梶野絵奈『日本のヴァイオリン史――楽器の誕生から明治維新まで』
 (青弓社 2022/9/26)

 より、ヴァイオリンの歴史を少し学びました。

 ヴァイオリンは、16世紀北イタリアでその原型となる楽器が生まれ、
 のちに、西洋の芸術音楽で中心的な役割を果たしました。
 
 大きくて重いピアノと違い、軽便で広く一般に親しまれてきた、
 といいます。 

 そして、昔のヴァイオリンには、顎当てに見られるような、
 明らかな左右差は見られず、ほぼ左右対称の形状であったのでは、
 と思われました。

 さて、今回は、左利きとヴァイオリンについて、
 YouTubeの動画を紹介しながら考えていこう、と思います。

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 ◆ <めざせ!実現!!左用ピアノ!!!>プロジェクト ◆
 {左利きの人は左利き用の楽器で演奏しよう!}
- 「左利きに優しい社会」づくりは左用楽器の普及から! -

 YouTubeヴァイオリン動画から 左利きとヴァイオリンについて考える

 (その1)「左利き用バイオリン?!
        なぜみんな左手でバイオリンを持つのか。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●ヴァイオリンYouTube動画

ヴァイオリンは「擦弦楽器」と呼ばれ、
弓や棒などで文字通り「弦を擦って鳴らす」楽器ということで、

 《ヴァイオリンはそもそも弾くのが難しい。》
  (梶野絵奈『日本のヴァイオリン史』p.160)

といいます。
そういう楽器ではありますが、YouTubeを見ますと、
いくつものヴァイオリン演奏に関する動画が見られます。

その中から左利きとヴァイオリンについての動画を紹介しましょう。
今回は、長島達也さんの「達ちゃんねる」動画を。


 ●「左利き用バイオリン?!~」から

まずはズバリなタイトルが付いていたこの動画から――

(その1)
左利き用バイオリン?! なぜみんな左手でバイオリンを持つのか。
https://youtu.be/1AmkzYXwHuY?si=0GR1mBoVlDkQkwbN



2022/03/26「達ちゃんねる」13分27秒

《欧米を拠点に活躍するピアニスト・指揮者》という、
長島達也さんのYouTube動画です。

略歴を見ますと、演奏者としてだけでなく大学でも教えている他、
海外国内でのコンクールで審査員も務めているという方です。

実演だけでなく理論的にも、左利き用楽器とその演奏に関して、
様々な助言を“期待できる”人材といえそうです。

「なぜみんな左手でバイオリンを持つのか?」
という視聴者からの質問に答える動画です。


結論は――大きな理由が二つある、と言います。

以下、正確な文字おこしではなく、私の要約で紹介します。


◆一番大きな理由――両手の役割の問題

  たとえば、ピアノではほとんどの人が右利きになります。
  なぜなら、それだけ右手がたくさん使われるから。

  大人になると話が別だと思うのですが、
  子供の頃からやっていれば、左利きであろうが右利きであろうが
  全然違和感なく、それができます。

例として、ナダルというテニスプレーヤーの話をします。

本来右利きのナダルに、コーチが左利きの方が得だと、
小さいときから左利きのプレーを教えた。
その結果、今までも左利きのプレーヤーとして活躍している、と。


  ピアノであれヴァイオリンであれ、
  小さい時からやっていれば関係ないと思うんですね。

それを言いますと、「右へ倣え」でなくても、
「左へ倣え」でもいいはずですが……。


  それだけじゃなくて、
  (弦を弾くのと、弦を押さえるのと)それぞれに
  ヴァイオリンの難しさがあるので、
  自分の利き手がどっちをやればいいのか、ということは、
  (左手で弓を持たないことと)関係があると思う。
  難しさはそれぞれあるので。
  
  わざわざ左利きだからといって(左構えにして)
  右手でヴァイオリンを持つ人が少ない、という一つの理由。 


◆二番目の理由――右用と左用の楽器の構造の違いの問題

  一見こっちに持ち持ち替えるだけと思われるかも知れませんが、
  (ヴァイオリンを持ち替えるには)もっと色々な問題が出てきます。
  弦の並びを換えなければいけない、
  ペグという弦を調律をするところも真逆にしなければならない、
  またブリッジという部分も左右で高さが違うので、
  これも逆さにすれば、まったく違った音になってしまう。
  顎にフィットさせないといけない。
  ヴァイオリンのなかみにも違いがある。
  
内部の構造的にも、「バスバー」「サウンドポスト」等位置が異なる、
といいます。

  すべて特注で作ってもらわなければならないということが
  すごく大きな問題となってきます。

特注となりますと価格も高くなり、不利であるといいます。

この価格の問題も、昔から左利き用品についていわれ続けてきたこと、
もしくは、現在も言われていることです。


◆その他の理由――クラシックで言う「正しい持ち方」の問題

  右手で弓を持って左手でヴァイオリンをもつ、というのが、
  一般的なヴァイオリンのやりかたなんだけれど、
  逆にヴァイオリンをもってはいけない、ということはない。

  子供の頃からやるのなら、左手で弓を扱おうと右手で扱おうと、
  左手でヴァイオリンを持って弦のピッチをやろうと、
  おのおのの難しさがあるから、
  右でやろうが左でやろうがあまり関係ない、ということになるので、
  みんなここ(左手で持つ構え)になってしまいます。

いってみれば両手を使うから、それぞれの役割の難しさがあるので、
どちらがどちらとは言い切れない、ということなのでしょう。
ただ、この点は後ほど大いに語るつもりですが、
これは、やはりさほど重要なポイントとは言い切れないと思います。


  左でヴァイオリンを持つ人を何回か見たことがありますが、
  クラシックでは生では見たことがない、
  アメリカのカントリー・ミュージックなんかで
  左でやっている人はみるんだけれど、
  その人たちってこんな感じで弾くんで(中央に構えるような仕草)、
  クラシックで言う正しい持ち方とは全然違うので、
  果して右手と左手を換えるのが役立つのかというのも、
  また変わってくるのかな、と思います。


◆クラシックにおける理由――立ち位置の問題

  なぜクラシックの人たちのほとんどが右でやるのかというと、
  オーケストラで演奏するとき困ってしまいます。

  一人だけ左だと弓を持つ手と弓を普通に持っている人と
  肘が当たったり、弓が当たったりする。
  譜めくりの問題も出てくる。ヴァイオリンの場合、
  スタンドパートナーという二人で譜面をシェアするので。
  
  もし左の人がいれば、その左の人は一人だけ後ろに立たされて
  演奏することになるかも知れない。

並ぶ位置の問題ですね。

しかし、これも昔から言われていることですが、
隣の人とひじがあたる、という左手箸の問題と同じですね。

これも間隔の取り方の問題でしょう。


  また、ヴァイオリンはホールに向かって左側に出る。
  なぜかというと、ヴァイオリンは右の方に向いて構えるので、
  音もそちらの方にいく。
  左側に立つことで、客席に向けて音を届けることができる。

  構えが違うと、右と左では音の出る方向も違ってくるのではないか。
  そうすると、室内楽の時、
  演奏時の立ち位置の配置も換えなければけないのかな、と。 

これも、以前書きましたが、
「左右対称に展開する」という配置もあっていいと思います。


 ●右手でヴァイオリンをもって、左手で弓を弾く人

最後に、歴史的に見て、左で弾く人の話が出てきます。

最初に、喜劇王のチャップリンのはなし。


(画像:長島達也さんのYouTube動画「達ちゃんねる」より「左利き用バイオリン?! なぜみんな左手でバイオリンを持つのか。」のチャップリンについてのくだりから)


(画像:ネットから拾った、チャップリンの左利きヴァイオリン演奏)

次に、19世紀のバイオリン・ヴィルトゥオーゾ、ニコロ・パガニーニ。
一時期左で弦を押さえられなくなったので、左手で弾いたとか。

リチャード・バース(1850-1923)パーヴォ・ベルグルンド(1929-2012)
ルドルフ・コーリッシュ(1896-1978)などの名が上げられています。

有名な人が何人かいらっしゃるようです。
それぞれに理由があってのことでしょうけれど、
その辺も調べてみるとおもしろいかも知れません。

私の思うには、一つは本来右利きであったが、
ケガ等で右手もしくは左手が、
それぞれの分担すべき役割を果たせなくなったときに、
両手の役割を入れ替えることで演奏が可能になったケース。

もう一つは、元々左利き、それも強い左利きの傾向を持っていて、
どうしても右手で弾く形が自分に合わなかったケース、です。

どちらにしろ、
「有名な人なら許される」ということではないでしょうか。

大事なことは、まずは有名になること?

――以上、動画の内容紹介でした。


 ●「両手を使うから、利き手は関係ない」の誤り

まずは全体を見ての感想です。

一言でいえば「洗脳されている」といいますか、
「固定観念」に毒されているといいますか、
多数派の「右へ倣え」思想がそのまま生きている、
というところでしょう。

今存在するプロの音楽家のほとんどの人は、
物心つく前、利き手も定かではない頃から楽器に親しんでおり、
おとなの教えるままの演奏法を無事に身につけられた人たちです。

現状の世界観にどっぷりとはまってしまっています。

「利き手が違えば異なった演奏法もあり」
という考えには素直には馴染めないでしょう。


かつて先人が、そして今も私たちが戦ってきた、
左利きへの偏見や誤解をそのまま踏襲している、という感じです。

「利き手/利き側」という物の本質が良くおわかりでない、
という感じがします。

 ・・・

いつも言うことですが、
「両手を使うから、利き手は関係ない」という言葉の無意味さ。

本当に「両手を使うから、利き手は関係ない」というのなら、
どうして右用と左用が「50対50」で存在しないのか?
あるいは、過去においても存在していなかったのか?

高度な分業体制で、楽器の製造が機械化された結果、
現代では「右用一辺倒になった」というのなら、
過去に置いて「50対50」の時代があったとしてもおかしくはないのに、
手作りの時代からすでに右用が多数派であったというのが事実です。

圧倒的に右用ばかりという現実が、
「両手を使うから利き手は関係ない」という考え方が間違っている、
という事実を証明している、と私は考えます。


 ●両手の役割

楽器演奏で「両手を使う」といっても、
それぞれの手の役割の内容が異なります。

通常の右利きヴァイオリンならば、
右手は、弓を持ち、弦をこすって音を鳴らす。
左手は、ヴァイオリンを持ち、弦を押さえて音のピッチを変える。

右手の役割は音を出すこと――楽器の第一義です。
左手は音を変えること――楽器の第二義です。

そもそも音を出さなければ、楽器の存在意義はありません。

大事名のことは、まずは音を出すことです。
その音を出すのが、右手に持つ弓です。

どちらの手が大事かは誰にも分かることでしょう。


 ●両手の使い分け

昔の本(1998年発行、久保田競『脳を探検する』講談社)

の情報なので、現代での考え方がどうなのかはわかりませんが、
こんな情報があります。

第635号(No.635) 2023/2/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(9)利き手と非利き手の役割について」
2023.2.4
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)
楽器における左利きの世界(9)利き手と非利き手-週刊ヒッキイ第635号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/02/post-c8e73c.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/431a52b05a1016b1f10cbf13ce2a994f

↑でも書いていますが、

「両手を使うことで脳を鍛えよう」という提案で、

 「利き手は利き手らしく、
  そうでない手は、そうでない手のように左右どちらも使いなさい」

というものです。

 《脳に左右で分業があるのですから、
  手の使い方も脳の分業と直結した使い方をしなければならない
  ――両手をそのように使い分けねばならないのです。》

 《手には運動器官としての役割と感覚器官としての役割がある》

というのです。


第315号(No.315) 2012/6/2「レフティ・グッズ・プロジェクト
<左手・左利き用品を考える>第5回」

より、その文章をまとめますと――

--
利き手は主役として器用さを、
非利き手は感覚器としての機能を生かせ

【両手を使い分ける】:両手にはそれぞれ役割がある
・利き手 =作用(運動器官)
・非利き手=感覚(感覚器官)

例えば、点字を読むのは、利き手より非利き手
(右利きなら、右手より左手)
を使う方が読むスピードも正確さも優れている、といいます。

また、大工さんは右手でカンナをかけ、
左手でその削った面をさわって確かめる、という動作をします。

紙切りでもそうで、主役の右手でハサミをチョキチョキし、
感覚器である左手で巧みに紙を送ります。

野菜を細かく切るときも、
右手は包丁を持ち、刃を適切な角度で保ち、
切るという動作を担当し、
左手は単に野菜を押さえるのではなく、
切る際の包丁を下ろす間隔を誘導しています。

ハサミで言えば、
利き手では、正しい位置に正確な角度で刃を当てチョキチョキする、
非利き手は、刃の当たる正確な切る位置にしっかりと紙をあてがう、
という役割分担です。
--

ヴァイオリンならば、利き手で弓を持ち、音を出す。
非利き手では楽器を安定させ、正確に弦を押さえ、正確に音を決める。

利き手と非利き手がそれぞれの役割を十全に発揮したとき、
優れたパフォーマンスが完成する、わけです。



 ●右用と左用の楽器の問題――楽器がない

この問題は、昔から左利き用品に関して言われていたこと
そのものです。

左用の楽器がないのは、右利きという多数派による
制度化された歴史的な背景があるからでしょう。

西洋におけるクラシック音楽というものは、
基本的に上流社会の産物だったということでしょう。

そういう社会では、建前という形式主義に陥りがちです。
教育制度なども、そういう考えの基になされます。

西洋の社会でもかつては左利きは否定されていました。
当然、右利きの演奏法が定式化されます。

それができない人は落伍者となるしかありませんでした。

しかし、現代は違います。

現代では人権が認められており、当人が求めるならば、
誰もが公平に自由を満喫することが許されています。

左用の楽器も特注でなくても、一部では存在しています。
その気があれば、可能性は残ります。


(画像:「左利きバイオリン」GCV-800EL 左利き用バイオリン◆ストラディバリ Soil III [GCV-VN-800EL-SOI] ネットより無断借用)


(画像:「左利きバイオリン」Ma工房 左利き用・バイオリン・ファインレベル2ピースバック ネットより無断借用)

 ●人間の作ったものは変えられる

通常、人間の作ったものは、人間が変えることができます。

それに対して、
神様(あるいは「天」でも「創造者」でも「大自然」でも)の
作ったものは、人間が勝手に変えることができません。

楽器は人間が作ったものですから、自由に変えることができます。

一方、その人の利き手/利き側というものは、
神様が作ったものなので、人間が勝手に変えることはできません。

「小さい頃なら、右利きであれ左利きであれ、慣れる」
というのですが、利き手をそのまま活かすのが、
その人の持つ能力を最大に発揮する本来の道であるはずです。


 ●おとなの場合――趣味の楽器演奏のために

百歩、いや一万歩ぐらい譲って、「利き手も定かでない幼児」の場合は、
それでもいいとしましても、
おとなの場合は、また話が違ってきますよね。

上の動画でも長島達也さんが《大人になると話が別だと思うのですが》
と発言されていました。

音楽というのは、「音を楽しむ」と書きます。

職業的な音楽家は、利き手も定かでない時期から訓練するので、
右利き用一本でも、それはそれでいいかもしれません。

しかし、おとなの場合、趣味として音楽を楽しみたい人にとっては、
どうでしょうか。

強度の左利きの私の持論は、
「利き手は心につながっている」というものです。

音楽もまた、心の表現です。
技術さえあればいい、というものではないはず。

豊かな心の表現としての音楽は、
心につながる利き手を主体とした演奏から生まれる
のではないでしょうか。


左利きの人や右利きではない人のために、利き手を活かす演奏法を、
プロの音楽家のみなさまにも真剣に考えていただきたいものです。

それが音楽をさらに広め、プロのご自身の職業的にも
活躍の場を広げることにつながるでしょう。

プロの人たちも左利きの人たちのために、
他人事のように考えるのではなく、多様性の一環として、
左利き用の楽器の普及を手助けしてほしいものです。

 ・・・

次回は、もう一つYouTubeの動画を紹介しようか、と考えています。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(20)YouTubeヴァイオリン動画から(1)」と題して、今回も全紹介です。

以前、弊誌で「日本左利き協会」の大路直哉さんの著書『左利きの言い分』の坂本龍一さんの章について書いたことがありました。

『左利きの言い分 右利きと左利きが共感する社会へ』大路 直哉/著 PHP新書 2023/9/16

第654号(No.654) 2023/12/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(17)
 大路直哉著『左利きの言い分』の音楽家たちについて」
【別冊 編集後記】2023.12.2
楽器における左利きの世界(17)『左利きの言い分』の音楽家-週刊ヒッキイ第654号
(「新生活」版)

そのときにも書いたことですが、坂本さんも小さい頃からピアノに親しみ、ピアノが右利き用と気付かないまま(?)、不満を持ちつつ、演奏されていたようです。

 《主役は右手ばかり。左手はいつも脇役に追いやられていた。
  僕は左利きだから、これが納得できなかった。
  「差別じゃないか」とか言ってね。かなり生意気な子どもでした》

どうしても小さい頃からその世界にどっぷり使ってしまっていると、(右利き用が当たり前という)その考えからなかなか抜け出せないものです。

私のように、大人になってから楽器に取り組んでみようと思った人には、利き手の違いが大きな問題だということがよく分かります。

長年左利きライフ研究家として活動してきた私から見れば、ごくごく初歩の事案なのですけれど……。

 ・・・

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『左組通信』復活計画(29)『LL』復刻(2)LL3-週刊ヒッキイ第662号

2024-04-22 | 左利き
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)
【別冊 編集後記】

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第662号(Vol.20 no.7/No.662) 2024/4/20
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『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(2)LL3」



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第662号(Vol.20 no.7/No.662) 2024/4/20
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [29]
『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(2)LL3」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今回も、季刊誌『LL(レフティーズ・ライフ)』の復刻ということで、
 ホームページに公開していたページのコピーです。
 (原文の明らかな誤りは修正しています。)

┏ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┓
ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [29]

  『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻 (2)
 
   (内容紹介)LL3
┗ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛      

*(参照)――

・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第43号(No.43) 2006/8/12
<「国際左利きの日」記念号>「私にとっての左利き活動(3)」
 ■レフティやすおの左利き活動万歳■ ―隔号掲載―
私にとっての左利き活動(3)『LL』の時代
(参照)※『レフティやすおの左組通信』のページ
○レフティやすおの左利き自分史年表
○レフティーズ・ライフ(LL)再録(1)全号目次 


・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第602号(No.602) 2021/9/4
「創刊600号突破記念―
 私が影響を受けた左利き研究家・活動家(2)第二期・紙の時代―その1」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2021.9.4
私が影響を受けた左利き研究家・活動家(2)第二期・紙の時代1
(創刊600号突破記念)-週刊ヒッキイ第602号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/09/post-57d0e5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/e2aaaa56a6400bcc04d24d46a47d1d03

・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第650号(No.649) 2023/10/7
「創刊19年に向けて―650号記念号―
 <左利きの人の自覚――意識の覚醒>が最も重要」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2023.10.7
<左利きの人の覚醒>左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii
創刊19年記念号-第650号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/10/post-158a3d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/8396e0fae38c6eeab56013360f58d18e
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 ●『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ』LL3(概要)

LL3 1994-95(平成6-7)年 冬号 A5版4ページ

・前説 The Compliments of the New Year
新年明けましておめでとうございます。
・左利きの生活 To Live In The Right-Handed World―鍋を囲む
・知恵小僧の左熟語の基礎知識 なんの意味ダス!? その1
 Words & Phrases―小学館『国語大辞典』より
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
 その3―はさみ(つづき)
・よい品がいつでも 手軽に 購入できるようにしよう!
―いろんな用途のはさみ
・左利きの本だなぁ その1 お勉強編
 The Books on the Left-handedness―
 スタンレー・コレン著『左利きは危険がいっぱい』



 ●LL3 1994-95(平成6-7)年 冬号

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
LL3 1994-95(平成6-7)年 冬号
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

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前説 The Compliments of the New Year
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新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

昨年は、左利きの人にとって記念すべき年でありました。

新年早々、女子プロテニスの伊達公子選手(ラケットを持つ手は右だが、
 ファンにサインするときは左手にペンを持つ左利きのプレーヤー)が
 四大トーナメントのひとつ、全豪オープンで大活躍!
一月末には、左利き研究の世界的権威スタンレー・コレン博士の
『左利きは危険がいっぱい』の翻訳版が刊行されました。
三月に入ると、新製品情報誌『モノマガジン』に
「左利き生活向上委員会」なる連載コラムが誕生!
 コラム執筆者AK氏自らの発明になる左利き用品に始まり、
様々な情報が紹介されました。
夏には、この「レフティーズ・ライフ」が始まりました。
長島監督率いる巨人軍が熱戦のすえ日本一に輝く一方、
かつて長島と人気を二分した王貞治氏
(米大リーグのハンク・アーロンを上回る八百六十八本のホームランを
うった左の強打者)は、パ・リーグのダイエー監督に就任し、
長島巨人と覇を競うことに!
年末近く、女子バレーボールの大林素子選手(世界のベストテンに
 数えられる左利きのオールラウンド・プレイヤー)が突然の解雇。
 しかし、イタリアのプロリーグ入りが決定し、新しいスタートに!
アメリカでは、クリントン政権に対する批判票を受けて、中間選挙で
 民主党は大敗、上下両院で共和党に過半数を奪われる結果に。
今後のクリントン大統領(第42代。第38代フォード、一代おいて
 第40代レーガン、第41代ブッシュに続いて、近年5人中4人目の
 左利きの大統領*)の政局運営が注目されています。

さて、1995(平成七)年はどういう年になるでしょうか?
 皆様にとって、私にとって、良き年となりますように!


悲しいことが起こりました。大地震です!

幸い私のところは、不安定なものが幾つか落ちてきた程度で
無事でしたが…。
阪神淡路大震災の被災者の皆様には心からお見舞い申し上げます。


*参照:
『神々の左手―世界を変えた左利きたちの歴史』エド・ライト/著
ricorico/訳 スタジオタッククリエイティブ 2009/6/1
――「左利きの著名人/偉人」本。左利きの特徴(性格的・器質的な)を
挙げて、それが成功の一因であるとして、ラムセス大王から
ホワイトハウスの4人(原書発刊当時直近の米歴代大統領)まで、
世界を動かしてきた左利きの偉人たちの歴史を描く。




・第44代大統領バラク・オバマ(2009-2017年)さんも左利き。


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左利きの生活 To Live In The Right-Handed World
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木枯らしの季節と言えば、やっぱり鍋がいいですねェ。
気の合った者同士がひとつの鍋をつつく、
楽しそうな雰囲気が漂ってきます。
まるで、つみきみほさんのカネテツのCMみたいな。

でもたったひとり左利きの人が混じるだけで、
なんとなくぎこちなく窮屈な思いをする人が出てきませんか?
 隣の人と手がかち合って、
どちらかが譲りあわなければならないような事が。
もしこんなときに、
「お前ひとりのためにせっかくの輪が乱れるやないか、
みんなで仲良う丸うなって一つの鍋つついてんのに、邪魔しやがって」
なんて言いだす人が出てくると、
それこそ和やかな雰囲気が吹っ飛んでしまう事になりかねません。
もちろん現在では、左利きだから左手にお箸を持つのは当たり前だ、
と考える人が増えてきてはいるのですが…。

小さい頃からずっと私は、
自由に席がとれるときは左端に座るようにしています。
そうすることで少しでも人様の邪魔にならないようにしているのです。
これはほとんどの左利きの人たちに言えることで、
たいていの人はそういう事に気を配っているようです。
右利きの人でそんなことを考えて座る人はいないのでは…?

先程の例で言えば、
私などはなるたけそういう場には出ないようにしています。
どうも人前でご飯を食べるのが苦手です。
ひとりで食べる方が気楽でいられるようです。
特定の人だけが犠牲になるのでなく、
みんなが少しずつ気を配ればいいのに、と思います。

ホラ、湯気の向こうに、≪希望≫という名の笑顔が見える――


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左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか? その3
Left-handed tools & goods
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前回につづいてハサミのことをもうしばらく―

ハサミの思い出といえば、こんな事がありました。
学校の工作の時間でしょうか。
級友たちは線に沿ってきれいに紙を切っていく――
試し切りもしないで。
しかし、自分はなかなか一回ではきれいに切れない。
試し切りをして初めて、線と刃の距離の勘が身について、
線に沿って切ることができるようになる。
どうしても人より遅くなるし、勘に頼っている分正確さに欠ける。
線をはみ出したり、切りすぎたりして曲がってしまう。
私は自分が不器用だと思っていました。

ところが、生れて初めて左利き用のハサミを使った時、
この秘密が明らかになったのです。
なんと、自分が特別不器用なのではなく、
自分にあった道具を使っていなかっただけだったのです! 

三十年の歳月が流れた今、
私は自分のことを決して器用だとは思いませんが、
かといって特別不器用だとも思っていません。
こんなささいなことの積み重ねが
大きな問題に発展していくのではないでしょうか。
「もしあの時、左利き用の道具を持っていたら?」
「もしあの時、学校の先生が左利きの子供に対して適切な指導を
していたら?」
自分のなかの何かが変わっていたかもしれない、……。

よい品がいつでも 手軽に 購入できるようにしよう!

さて、前回紹介したハサミは、ごく日常に用いる一般的なものでした。
他にも用途別にいろんな製品が作られています。
例えば、今私の手元にある、イギリスの通信販売会社
ANYTHING LEFT-HANDEDのカタログには、
家庭用・一般事務用・子供用などのふつうのハサミから、
洋裁用の裁ち鋏、ピンキング鋏、レースを切るものなど、料理用、
ヘア・カット用、爪切り用、園芸用、などなど各種掲載されています。

これら外国産のみならず国産でも各社から様々なものが
発売されているのですが、
実際に手に入れるとなると以外に大変なのです。
ごくふつうの事務用ハサミですら、
通りがかりのコンビニでさっと買えるわけではありません。
ましてや他の商品となると…。
また、価格も全体に二、三割高で、
これも普及への大きな壁になっています。

*参照:
イギリスの左利き用品専門通販「Anything Left-Handed」の1990年代の
カタログ表紙


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左利きの本だなぁ その1 お勉強編
The Books on the Left-handedness
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 スタンレー・コレン著『左利きは危険がいっぱい』

新登場のこのコーナーでは、左利きに関する本を紹介します。

先ず第一回目は、お勉強編です。

今回は、今までに私が手にした左利きに関する本の中で
もっとも新しく、かつもっとも詳しく論じられている、
スタンレー・コレン著『左利きは危険がいっぱい』石山鈴子訳
 “THE LEFT-HANDER SYNDROME” (文藝春秋 ¥2000
 1994年1月発行)を紹介します。

著者は、カナダのブリティシュ・コロンビア大学の心理学教授で、
からだの利き側に関する世界的権威。

本書は、長年の研究の成果に基づく、
左利きの謎に迫った決定的な書物である。
学術的な側面の記述もあるが、
長年の研究の日々のなかでの体験も合わせてつづられており、
読み物として充分に楽しめる。

左利きに対する無理解や認識不足の結果から起こる、
さまざまね不便さ、不平等さ、理不尽さなど左利きであることの
ハンディキャップのいろいろな実例や、
社会のなかに潜んでいる差別的な事例の紹介に始まり、
利き手に関する調査の難しさ、利き手研究の歴史の紹介へと進み、
さまざまな研究の成果が紹介される――
高齢出産などの出産時の障害が左利きを生む可能性があること等々。

そして、最大の謎――なぜ高齢者に左利きが少ないのか――に迫る。
 左利きは九年早死にするという、衝撃的な研究結果が示され、
それに対処する社会への提言で結ばれている。

左利きの人はもちろん、
右利きの人々にも広く読んでいただきたい本である。

たとえば、左利きに対して無意識のうちに抱いている
マイナス・イメージの実態を浮かび上がらせる質問がある。

 次の○○○に「左利き」という言葉を当てはめたとき、
二番目の話し手の言わんとする意味をどう解釈するか、というもの。

A 「どんな具合でした?」
B 「彼の振るまいは、まるで○○○のようでしたよ」

 例えば、「天才」とか「英雄」という言葉をあてはめると、
万事うまく行ったことになる。
逆に、「大バカ者」とか「まぬけ」といった言葉を入れると、
ことがはかばかしくなかったことになる。さて、あなたの場合は?

英語で言う”food of thought” 思考の糧、
考えるきっかけを与えてくれる本である。


*スタンレー・コレン著『左利きは危険がいっぱい』石山鈴子訳
 文藝春秋 1994/1/1


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本誌では、「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [29]『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(2)LL3」と題して、今回も全紹介です。

昔のことを思い出します。
少しでも左利きの仲間のためになるようなものを、という気持ちではじめたのですが、徐々に情報を得て、より読み応えのあるものに変えて行けた、という印象があります。
偶然、いろんな本と出会うことができ、それらを紹介するだけで内容を充実させることができました。
今のようにネットもなく(アメリカ辺りではすでに始まっていたようですけれど)、情報源としては本や雑誌といったものだけ。
あとは自分の手(問い合わせの手紙等)と足(お店巡り)で見つけていくしかない状況のなかでは、よくやっていたと思います。

それを思いますと、今はちょっとダメだなあ、というところでしょうか。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
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" target="_blank">『左組通信』復活計画(29)『LL』復刻(2)LL3-週刊ヒッキイ第662号

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楽器における左利きの世界(19)梶野絵奈『日本のヴァイオリン史』から-週刊ヒッキイ第661号

2024-04-09 | 左利き
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)
【別冊 編集後記】

第661号(Vol.20 no.6/No.661) 2024/4/6
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(19)
 梶野絵奈著『日本のヴァイオリン史』からヴァイオリンの歴史」


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  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第661号(Vol.20 no.6/No.661) 2024/4/6
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(19)
 梶野絵奈著『日本のヴァイオリン史』からヴァイオリンの歴史」
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 前号では、<左利き用楽器>製作プロジェクトの一環として、
 イギリスの利き手・左利き研究の権威、マクマナスさんの著書の邦訳
 クリス・マクマナス『非対称の起源』 (講談社ブルーバックス)
 から、左利きと音楽家についての文章を紹介しました。

 今回は、引き続き、同様の趣旨で、図書館で見つけた本――

 梶野絵奈著『日本のヴァイオリン史――楽器の誕生から明治維新まで』
 (青弓社 2022/9/26)
 から、ヴァイオリンの歴史を少し勉強してみます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ◆ <めざせ!実現!!左用ピアノ!!!>プロジェクト ◆

 {左利きの人は左利き用の楽器で演奏しよう!}

- 「左利きに優しい社会」づくりは左用楽器の普及から! -

  梶野絵奈著『日本のヴァイオリン史』から ヴァイオリンの歴史
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

*参照:

梶野絵奈著『日本のヴァイオリン史――楽器の誕生から明治維新まで』
(青弓社 2022/9/26)



 ●初期のヴァイオリンには左右差がない?

まず最初に感じたことは、この点でした。

現代のヴァイオリンには、
正面から見て向かって左の下部に「顎当て」があり、
左右性が見て取れます。

ところが、この本の写真を見ていますと、初期のヴァイオリンには、
これがなく明らかな左右差が見られませんでした。

弦を張り替えれば、どちらで弾くこともできるように思えます。

前回のマクマナスさんの本『非対称の起源』のなかでも、
「両手利き」の楽器も少なくないとして、

 《ギターの弦の順序を逆に張りかえれば、
  左利きの奏者も弾くことができるのは、ポール・マッカートニーや
  ジミー・ヘンドリックスなどのミュージシャンを見れば明らかだ。
  ヴァイオリンやチェロ、コントラバスも、映画『ライムライト』の
  チャップリンが弾いたヴァイオリンのように、
  左利き用に弦を張り替えることはできる。》p.391

クリス・マクマナス『非対称の起源―偶然か、必然か』
大貫 昌子/訳 講談社ブルーバックス 2006/10/21


と記述されていました。
(実際には内部の構造に差があるのかも知れませんけれど。)

この本の中にはいくつかのヴァイオリンを手にした画像があります。
しかし、みな右弾きスタイルでした。

ヴァイオリンという楽器は、演奏がむずかしいといいます。
この本の著者も、「あとがき」のなかで、

 《ヴァイオリンはそもそも弾くのが難しい。
  三十代くらいまでは、このようなむずかしい楽器を
  どうしてこんな一生懸命に弾いているのだろうかという
  疑問が脳裏をよぎることもしばしばだった。》p.160

というほど。
確かに初めてヴァイオリンを弾く人の演奏は、
「キーコキーコ」という擬音で表現されますからね。

そういう楽器ですから、この楽器を弾く人はそれなりにエリートで、
「選ばれた人」だったのでしょう。
「右使いができる人」で、左手も器用な人というところでしょうか。


ちなみに、
ヴァイオリンは「擦弦楽器」と呼ぶようで、
弓や棒などで文字通り「弦を擦って鳴らす」楽器ということのようです。

こすって弾くというのは、いかにもむずかしそうですよね。

ほかの弦楽器には、下の二種類があるようです。

「撥弦(はつげん)楽器」――何らかの方法で弦を弾いて音をだす楽器で、
  抱えて演奏するギターなど、置いて演奏する琴など
「打弦楽器」――弦をたたくことで音を出す楽器で、ピアノなど


●ヴァイオリンとはどういう楽器?

本書の概要を伝える「はじめに」の冒頭に、
「ヴァイオリン」の紹介があります。

 《ヴァイオリンは、十六世紀に北イタリアでその原型となる楽器が
  生み出されて以来、西洋の芸術音楽で中心的な役割を果たした...》

また、フィドル(英語―「ヴァイオリン」はイタリア語から派生した言葉)
と呼ばれて、アイリッシュ音楽やアメリカのカントリー音楽等、

 《多くの民族の人々に好まれて演奏され続けている。》

そして、

 《クラシック音楽に用いられるほかの弦楽器や管楽器と比べて
  守備範囲が広く...「楽器の女王」の異名を取る...》

さらに、

 《大きくて重いピアノとは違い、軽便で、低価格の楽器もあるため、
  ...場所をかまわず演奏されてきた歴史もある...》

といい、

 《人々の社会的ヒエラルキーをも超えた多様な文化と社会のなかに
  過去にも現在にも存在している。》

とあります。


日本でヴァイオリンが本格的に普及しはじめたのは、明治維新後で、
明治期のヴァイオリン演奏の担い手は、上は西洋音楽の学び手から、
ヴァイオリン演歌師、女学生や若き日本男児まで、

 《...ジェンダーもジェネレーションも超えて、
  時間の経過とともに人々の生活に取り込まれていった。》

と。

 《...今日の日本で、ヴァイオリンはクラシック音楽を演奏するための
  「楽器」という印象が強く、それ以外は邪道という感覚は広く
  共有されているだろう。...》

といいます。

こういう感覚が強くあれば、どうしても
「ヴァイオリンを左手で弾こう」という試みは、
あまり歓迎されえないのでは、という気がします。

しかし、

 《ヴァイオリンは演奏技術の習得が最も難しい
  といわれているにもかかわらず...》

高度経済成長期頃から、世界的な舞台で活躍するヴァイオリニストや、
名器ストラディヴァリウスを所有する個人や団体も増え、
アマチュア演奏家の人口も多く、趣味として楽しむ人もいる、といい、

 《ヴァイオリンを愛する人々の層の厚さに思いを馳せると、この楽器が
  いかに深く日本に根ざしているかを改めて認識させられる。》


このように日本でも、世界中でもヴァイオリンが、
民衆の音楽を担う軽便な楽器として存在してきた、
という事実を知りますと、
もっと自由に演奏者の「利き手に合わせた楽器」としての
「左用ヴァイオリン」も登場して良いのでは、という気持ちになります。


●ヴァイオリンの歴史――起源

ちょっと結論を先走ってしまいましたが、
本書からヴァイオリンという楽器の歴史についてみておきましょう。

 《ヴァイオリンの起源については諸説あるが、
  イタリアでヴァイオリンの原形が十六世紀に生み出されたというのが
  定説になっている。》「はじめに」p.21

これは不思議なことに、
日本に残っているヴァイオリン関連資料の最古のものと、
ほぼ同時期だといいます。

さて、ヴァイオリンの起源ですが、未だに解明されていないことが多く、
学者も決定的な言及を避けているそうです。

ただ、「原型」があって「完成」された、と説明されるといいます。

弓を用いる楽器は900年頃から彫刻や絵画に現れるが、
文字資料に残された名称に一貫性がなく、
異なる楽器に同じ名称が用いられている場合もあり、混乱しやすい。

 《明らかにされているのは、ヴァイオリン(その原型も含めて)が
  誕生したのは十六世紀前半で、
  北イタリアで進化したということである。》p.24

指揮者が原型と読んでいるものの例として、
1535年、ガウデンツィオ・フェッラーラ(Gaudenzio Ferrari)が
描いたサロンノ大聖堂(Saronno Cathedral)の天井のフレスコ画に
ある楽器、がそれだといいます(カラー口絵の図1)。
ただ、背面しか見えず、三弦で胴体にくびれがあることが確認できる。

 《ヴァイオリン属の楽器はすべて二五年から五〇年にかけて
  生み出された。ヴァイオリンはそのなかの一つである。
  ヴァイオリンを創案した人物は不明で、
  『ニューグローヴ世界音楽事典』で示された
  「一人の人物が成し遂げたことではないだろう」という見解に
  異論は唱えない。》p.25

とし、

 《...ヴァイオリンは、いうならばヨーロッパの擦弦楽器の
  長い歴史の末に生み出された、擦弦楽器の集大成なのである。》p.25

そのように作成された楽器はほかにもあったはずだが、

 《ヴァイオリンが最も成功した例だったのは歴史が証明している。》p.26

と。

 《...一五〇〇年頃前後にはヴァイオリンの原型[傍点]が世に現れ、
  現在の形のヴァイオリンが誕生したのは十六世紀中頃と考えていい。》
   p.26

現存する最古のヴァイオリンは、メトロポリタン美術館所蔵の
イタリアの製作家アンドレア・アマティ(Andrea Amati)の
1560年頃の作とされている。


(p.27に写真が掲載されている)

A・アマテイの孫ニコロ・アマティ、
その弟子のアントニオ・ストラディバリ、
A・アマテイの弟子のアンドレア・グァルネリを祖父に持つ
バルトロメオ・ジュゼッペ・アントーニオ・グァルネリ、
通称グァルネリ・デル・ジェスといった名匠たちが次々と現れ、
彼らの製作した楽器が今日も頂点とされている、といいます。


以下色々と、他の古い楽器のことなどが語られています。
私にはよくわかりませんので、割愛します。

日本での歴史も語られてゆきますが、それもここではふれません。


 ●左利き用バイオリンについて

とにかく私の結論としましては、先ほども書きましたように、
西洋音楽に置いてポピュラーな楽器だということで、
それならギターのように、もっと使い手の利き手に沿った楽器――
左利き用の「左用ヴァイオリン」が現れてもいいのではないか、
ということです。


「左利き用バイオリン」で検索しますと、ネット上には、
SOLDOUTとなってはいますが、

「ストラディバリモデル」という
「GCV-800EL 左利き用バイオリン◆ストラディバリ [GCV-VN-800EL]」
https://kreislermusic.ocnk.net/product/1334







(画像:「左利きバイオリン」GCV-800EL 左利き用バイオリン◆ストラディバリ Soil III [GCV-VN-800EL-SOI] ネットより無断借用)

「Ma工房 左利き用・バイオリン・ファインレベル2ピースバック」
https://www.autumnvalley.net/product/1708


(画像:「左利きバイオリン」Ma工房 左利き用・バイオリン・ファインレベル2ピースバック ネットより無断借用)

といったものがでています。
必ずしも「存在しない」わけではありません。


次回、また取り上げますが、
ネットでは「左利き用バイオリン」に関するYouTubeの動画も
いくつかあるようです。

で、それらの発言を聞いていますと、
「なぜ左手でヴァイオリンを持ち、右手で弓を弾くのか」について、
「なぜ右手で箸を持つのか」「なぜ右手で字を書くのか」
といった疑問への、
昔よく聞かれた回答と同様の“あやまった見解”が認められます。

これらについては、次回改めて……。


 ●木琴を反対側から弾くと「左用」?

本書に「木琴」が登場しています。
北斎の絵も掲載されています。



思えば「木琴」も一種の鍵盤楽器といえそうですし、
この楽器は、逆方向、向こう側から弾けば、
左側が高音部で右側が低音部となり、「左用」になりそうな気がします。


[通常(右用)]
左側(低音部) → (高音部)右側
--------------------------------
ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド
--------------------------------
(右腕の自然な動き)→(右へ引いていく)


[逆から(左用?)]
左側(高音部) ← (低音部)右側
--------------------------------
ド・シ・ラ・ソ・ファ・ミ・レ・ド
--------------------------------
(左腕の自然な動き)←(左へ引いていく)


実際にはどうなのでしょうか。
また、もしそうだとして、そういう演奏の仕方はあるのでしょうか。

両手で弾く(叩く)ので、利き手の違いは関係ない、といわれそうです。

でも、本当にそうでしょうか。
逆弾きもあり、な気がしますが。

演奏法がよくわからないので、これ以上語ることはできません。

今思いついたのですが、私が持っているようなミニ電子キーボードなら、
反対側からキーを押すぐらいならできるので、
逆弾きもできそうな気もします。
試してみようかと思います。

 ・・・

今回はこの辺で。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(19)梶野絵奈著『日本のヴァイオリン史』からヴァイオリンの歴史」と題して、今回も全紹介です。

今回は改めてヴァイオリンについてのお勉強です。
実際に3歳の頃からヴァイオリンを演奏されている方のお言葉なので、これは間違いないでしょう。

演奏が難しいとされる楽器だというのことが改めて分かりました。
それゆえに、やはり演奏者の「利き手に応じた演奏ができる楽器」が必要なのではないでしょうか。


また、木琴についても少し書いています。
こういう楽器もあるのですよね。

『ウィキペディア(Wikipedia)』によりますと、「鍵盤打楽器」といった呼び名もあるようです。
文字通りという感じです。
これを逆方向から弾く(叩く)ことで、「左用」になるのかどうか、くわしいかたにお聞きしたいものです。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

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楽器における左利きの世界(19)梶野絵奈『日本のヴァイオリン史』から-週刊ヒッキイ第661号
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元卓球女子五輪メダリスト石川佳純さんがサウスポー始球式

2024-04-08 | 左利き
久しぶりの「サウスポー始球式」の紹介です。

最近は、「左利き」検索もほとんどしていないので、情報不足でこの手の記事は書いていませんでした。
プロ野球も新しいシーズンイン入り、今回は偶然見つけたので、書いておくことにしました。

昨年(森七菜さん、吉高由里子さん他)一昨年(福原遥さん)の偶然知った「サウスポー始球式」は書いていないので、いつか発表できればと思っています。

 ・・・

4月6日、東京・神宮球場でのプロ野球ヤクルト―阪神戦で、昨年引退した元卓球選手、2021年東京五輪の銀など卓球女子団体でオリンピック3大会連続メダリストの石川佳純さんが人生初の始球式に登場。

胸にスワローズのロゴなし、背には「KASUMI 2024」のユニホームを着用――今年パリで開催されるオリンピックのフジテレビ系スペシャルキャスターに就任するのにちなんで。

始球式前には、同じサウスポーの現役最年長のヤクルト・石川雅規投手(44)からボールの握り方などアドバイスも。

残念ながら、本番の始球式では大きく左に外れたワンバウンドでした。


*画像:産経新聞ニュースより――始球式で投球する石川佳純さん=神宮球場(撮影・長尾みなみ、松永渉平)

始球式で投球する石川佳純さん=神宮球場(撮影・長尾みなみ)

始球式で投球する石川佳純さん=神宮球場(撮影・松永渉平)

始球式で投球する石川佳純さん=神宮球場(撮影・長尾みなみ)

始球式で投球する石川佳純さん=神宮球場(撮影・長尾みなみ)

始球式を終え、笑顔を見せる石川佳純さん=神宮球場(撮影・長尾みなみ)

笑顔でグラウンドを後にする石川佳純さん=神宮球場(撮影・長尾みなみ)


同じ左腕の石川雅規投手から指導を受けている画像


*【過去の<サウスポー始球式>】:

・2023.9.3西武ライオンズファンの乃木坂46向井葉月さんが左腕で初始球式
「新生活」版
・2022.5.18サウスポー始球式二連発(1)5月14日玉木宏(2)5月15日新川優愛、プロ野球西武-楽天戦で始球式
「新生活」版
・2022.3.21サウスポー“スーパーガール”桃月なしこが始球式で左腕から大暴投
「新生活」版
・2021.11.22左利きの女優・吉高由里子さんが4年ぶりプロ野球日本シリーズ第2戦でサウスポー始球式
「新生活」版
・2021.4.2
左利きの女優・森七菜さんのサウスポー始球式
「新生活」版
・2018.4.19
地元アイドルNegiccoのKaedeさんが左投げで新潟知事の代役始球式
「新生活」版
・2017.10.30
吉高由里子がサウスポーで伸びやか始球式 日本シリーズ第2戦
・2017.6.15
左利きの女優・剛力彩芽さん、四度目の始球式登板も…
・2017.5.26
サッポロビールイメージガール川辺優紀子さんの左利き始球式
・2017.5.7
女優の松井愛莉さんがサウスポー始球式
・2017.5.2
ピンクラインのサウスポー、女優でモデルの新川優愛さんが始球式
・2016.8.17
左利きのSKE48日高優月(ひだかゆづき)が始球式
・2016.7.23
左利きの女優すみれさん左腕で始球式
・2016.6.29
左利きの剛力彩芽さんの3度目の始球式は大暴投: レフティやすおのお茶でっせ
・2016.6.5 AKB48Team8/AKB48TeamB兼任の坂口渚沙さん (画像のみ)
AKB48選抜総選挙、暫定21位倉野尾成美・同53位坂口渚沙はTeam8の左利き
・2016.3.7
左利きのあっちゃん前田敦子の始球式

・2014.8.6 右利きの石原さとみさんの左投げ(撮影で右腕を痛めたということで「サウスポーでやります」と宣言。)
終わったはずのクチコミ「右利き? 左利き?」がまた

・2013.12.4 体操新技「シライ」の白井健三選手
体操新技「シライ」の白井健三選手は左利き
・2011.5.12 『五体不満足』の著者の乙武洋匡さん
乙武洋匡さんのサウスポー始球式
・2004.11.11 アテネオリンピック女子マラソン金メダリストの野口みずき選手
素敵な光景:野口選手の左利きの始球式

*【カテゴリ:<サウスポー始球式>


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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
元卓球女子五輪メダリスト石川佳純さんがサウスポー始球式
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『左組通信』復活計画(28)『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(1)全号目次-週刊ヒッキイ第660号

2024-03-19 | 左利き
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)
【別冊 編集後記】

第660号(Vol.20 no.5/No.660) 2024/3/16
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 前回は、「左利き自分史年表」1991(平成3)-1994(平成6)春まで、
 「紙の時代」第一期として『ひだりぐみ通信』の時代を紹介しました。

 今回は、1994(平成6)春以後、夏以降の「紙の時代」の第二期として、
 いよいよ季刊誌『LL(レフティーズ・ライフ)』の時代に突入です。

 ところが、一月下旬からパソコンの状態が悪くなり、
 とにかくネットもエクスプローラーのファイルもなかなか思うように
 開いてくれず、チェックが進みませんでした。

 二月はなんとか貯金と合併号でのりきりましたが、
 いよいよ時間的余裕がありません。

 申し訳ありませんが、今回・次回辺りは、
 季刊誌『LL(Lefties' life)』の復刻ということで、
 ホームページに公開していたページのコピーで、ご勘弁を!

┏ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┓
ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [28]

  『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(1)
 
   全号目次/(内容紹介)LL1・LL2
┗ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛      

*(参照)――

・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第43号(No.43) 2006/8/12
<「国際左利きの日」記念号>「私にとっての左利き活動(3)」
 ■レフティやすおの左利き活動万歳■ ―隔号掲載―
私にとっての左利き活動(3)『LL』の時代
 *** 商品情報から利き手教育へ(承前) ***
 *** 天命 ***
 *** 海外との連携をめざす ***
 *** 『LL』の反応 ***
 *** 『LL』の挫折 ***
 *** 女性問題に取り組む人たち ***
(参照)※『レフティやすおの左組通信』のページ
○レフティやすおの左利き自分史年表
○レフティーズ・ライフ(LL)再録(1)全号目次 

・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第602号(No.602) 2021/9/4
「創刊600号突破記念―
 私が影響を受けた左利き研究家・活動家(2)第二期・紙の時代―その1」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2021.9.4
私が影響を受けた左利き研究家・活動家(2)第二期・紙の時代1
(創刊600号突破記念)-週刊ヒッキイ第602号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/09/post-57d0e5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/e2aaaa56a6400bcc04d24d46a47d1d03
(2)第二期・紙の時代から―その1―
 ◆ 左利き用品の総カタログ的『モノ・マガジン』左利き特集号 ◆
  『モノ・マガジン』「左利き生活向上委員会」編集部A・K氏
 ●第二期・紙の時代―左手用カメラとの出会いに始まる
 ●『モノ・マガジン』左利き特集号がスゴかった!
 ●『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ』創刊
 ●左利き関連本あれこれ
 ●「左利き生活向上委員会」のA・K氏

・メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第650号(No.649) 2023/10/7
「創刊19年に向けて―650号記念号―
 <左利きの人の自覚――意識の覚醒>が最も重要」
・ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』2023.10.7
<左利きの人の覚醒>左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii
創刊19年記念号-第650号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/10/post-158a3d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/8396e0fae38c6eeab56013360f58d18e
 ●左利き活動の「初心」は?
 ●「来た、見た、買(こ)うた」
 ●左利き活動の始まりは、1990年末「世界初左手用カメラ」購入
 ●右手用のハンディカムの違和感
 ●『モノ・マガジン』左利き特集号との出会い
 ●存在を知らなければ、「存在しない」のと同じ
 ●最初はハガキサイズの「左組通信」という紙媒体
 ●左利き活動の「初心」について――もう一度
 ●始まりは左利きの人の覚醒にある
------------------------------------------------------------------

 ●『Lefties' Lifeレフティーズ・ライフ』全号目次


(画像:今はなきホームページ『レフティやすおの左組通信』の「レフティーズ・ライフ(LL)再録1・全号目次」のページ冒頭)

LL1 1994(平成6)年 夏号 A4版1ページ
・前説―To Live In The Right-Handed World―右利き社会を是正する
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
 その1 Left-handed tools & goods―筆記具・定規・はさみ
・私のお気に入り左利き用品 ベストテン

LL2 1994(平成6)年 秋号 A4版1ページ
・前説―To Live In The Right-Handed World―左右共用の製品を
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
 その2―はさみ

LL3 1994-95(平成6-7)年 冬号 A5版4ページ
・前説 The Compliments of the New Year
新年明けましておめでとうございます。
・左利きの生活 To Live In The Right-Handed World―鍋を囲む
・知恵小僧の左熟語の基礎知識 なんの意味ダス!? その1
 Words & Phrases―小学館『国語大辞典』より
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
 その3―はさみ(つづき)
・よい品がいつでも 手軽に 購入できるようにしよう!
―いろんな用途のはさみ
・左利きの本だなぁ その1 お勉強編
 The Books on the Left-handedness―
 スタンレー・コレン著『左利きは危険がいっぱい』

LL4 1995(平成7)年 春号
・前説 The Compliments of the Spring Issue 発信し続けること
・From LHI (Lefthanders International/U.S.A)
  レフトハンダーズ・インターナショナル(アメリカ)より
・From LHC (Left-handers Club/U.K.)
  レフトハンダーズ・クラブ(イギリス)より
・左利きの生活 To Live In The Right-Handed World―
 ①私のいちばん嫌(いや)~なことば――
  「○○君は、ぎっちょか。器用やなぁ。」
 ②「転びキリシタン」あるいは「隠れキリシタン」のように

≪スタート! 新学期≫子供用品特集
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
 その4〔子供用左利き用品の紹介〕―
  文具(はさみ・鉛筆・鉛筆削り・定規・缶ペンケース入り文具セット)、
  野球/ソフトボール用グラブ・ヘルメット・手袋
〔手を使い分けよう〕
 久保田競著『手と脳―脳の働きを高める手』紀伊国屋書店より
〔左利きの子供に対する接し方〕
 箱崎総一著『左利きの秘密』立風書房より

LL5 1995(平成7)年 夏号
・前説The Compliments of the Summer Issue二年目に向けて
  Toward the second year
・From LHC (Left-handers Club/U.K.)
  レフトハンダーズ・クラブ(イギリス)より―
  新たなる希望!THE NEW HOPE!
・From LHI (Lefthanders International/U.S.A)
 レフトハンダーズ・インターナショナル(アメリカ)より―
  左利きの人をガッカリさせるもの
  THINGS THAT ARE FRUSTRATING FOR LEFTIES!
・左利きの生活 To Live In The Right-Handed World―
  こんな道具が不満です!
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
  その5―あなたは靴派? スリッパ派?―爪切りはさみセット
・知恵小僧の左熟語の基礎知識 なんの意味ダス!? その2
  Words & Phrase小学館『国語大辞典』より
・左利きの本だなぁ その2 激励編
  The Books on the Left-handedness―斎藤茂太著
  『左ききの人はなぜ才能があるのか―左ききの性格分析』
   KKベストセラーズ/ワニ文庫刊


(画像:LL第5号より「From LHC (Left-handers Club/U.K.)レフトハンダーズ・クラブ(イギリス)より―新たなる希望!THE NEW HOPE! 」の冒頭――“The Left-hader”に紹介された「LL」と左組についての記事と『LL』第5号の部分)

LL6 1995(平成7)年 秋号
・前説 The Compliments of the Fall Issue道を切り開こう!
・左利きの生活 To Live In The Right-Handed World―
  私の簡単“左利き判別法”
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
  その6Left-handed tools & goods―左利き用万年筆の使い心地良さ!
・左利きの本だなぁ その3 お楽しみ編―
  『左利きの名画』ロジャー・オームロッド著 野中千恵子訳
    社会思想社 現代教養文庫〈ミステリ・ボックス〉
・<特集:左利きアンケート>From LHC (Left-handers Club/U.K.)
  レフトハンダーズ・クラブ(イギリス)より―
   ザ・レフトハンダーズ・クラブ1994年アンケート調査結果

LL7 1995-96(平成7-8)年 冬号
・前説 The Compliments of the Winter Issue―出発点にもどって
  Get back to the starting point
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
  その7Left-handed tools & goods―世界初の左手用カメラ
  〈京セラSAMURAI Z2-L〉
・左利きの本だなぁ その4 雑誌/カタログ編―『モノ・マガジン』
  1991年4月2日号 No.188 ワールド・フォトプレス発行―
  特集/左を制するものは時代を制す/左利きの商品学
・左利きの生活 To Live In The Right-Handed World―
  怒りをことばに―「このはさみは欠陥です!」
・左利きの本だなぁ その5 雑誌/コラム編―『モノ・マガジン』
  1994年11月2日号 モノ・インタレスティング「左利き生活向上委員会」
・右側の席から/左側の席から (読者のお便りコーナー)
  Letters from the right/left side seats

LL8 1996(平成8)年 春号
・前説 The Compliments of the Spring Issue―
  見果てぬ夢を追い求めて “To dream the impossible dream,….
   This is my quest.”
・利き手差別をなくせ! Down with handism!
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
  その8 Left-handed tools & goods―てのひら≪掌中≫電卓/
  左利き用 ZELCO DOUBLE PLUS calculator No.10731
・左利きの本だなぁ その6 お楽しみ編―梅田香子『勝利投手』
  河出文庫/河出書房新社―≪日米プロ野球女性サウスポー対決その一≫
・右側の席から/左側の席から (読者のお便りコーナー)
  Letters from the right/left side seats―
  右側の席から/左側の席から/左利き用品メーカーより

LL91996(平成8)年 夏号
・前説 The Compliments of the Summer Issue―
  工作から始めよう、豊かな体験! ≪ありがとう、手≫
夏休み<アイデア>紙工作特集―
その①ゴム動力紙パック外輪船/その②風力帆掛け段ボール・カー
・左利きの生活 To Live In The Right-Handed World―
  あなたの刃はどっち向き? 左利き用ハサミ紹介
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
  その9 Left-handed tools & goods―サウスポー・カッターナイフ/
  田島製作所 LC504
・左利きの本だなぁ その7 お楽しみ編―ロスワイラー
  『赤毛のサウスポー』集英社文庫/集英社―
  ≪日米プロ野球女性サウスポー対決その二≫
・右側の席から/左側の席から (読者のお便りコーナー)
  Letters from the right/left side seats―左利き用品メーカーより

LL10 1996(平成8)年 秋号
・前説 The Compliments of the Fall Issue―
  特集“左利きを科学する”① 
特集“左利きを科学する”①―あなたの<左利き度>をしらべてみよう
・左利きの本だなぁ その8 お勉強編―前原勝也
 『右利き・左利きの科学 利き手・利き足・利き目・利き耳…』
  講談社ブルーバックス
・左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
  その10 いつもポケットにウェンガー―WENGERスイス・アーミー・
  ナイフ/レフトハンダー・シリーズ
・右側の席から/左側の席から (読者のお便りコーナー)
  Letters from the right/left side seats―
  左利き用品メーカーより/右側の席から
・左利きについて知るための本

LL11 1997(平成9)年 夏号終刊号


 ●LL1 1994(平成6)年 夏号

I’m a lefty. /Me, too. /We are lefties.
I’m a righty. /But we are human being.
Lefties and righties are friends.

前説―To Live In The Right-Handed World
 左利きで生きていく、といっても最近ではあまり問題にならないようだ
 ――右利きの人のあいだでは。
 少なくとも昔のようにはうるさく言われなくなった。
 以前は、右利きの大人たちがいろいろな事を言ったものだ。
 ――いや、左利きは頭がおかしいのだとか、
 左手に箸を持つのは行儀が悪いとか、
 字は右手で書くようにできているものだとか、言いたい放題。
 もちろん今でもそういうことを言う人がいないわけではないが、
 めっきりと少なくなったようだ。喜ばしいことである。
 とはいえ、つまらぬことを言う人が減ったというだけでは
 世の中が良くなったとはいえない。
 「右利きの人達」が単に干渉しなくなったというだけでいけない。
 彼らが積極的に「この世のなかには左利きの人もいる」ということを
 認め、「右利きの人達」だけでなく、「左利きの人」にとっても
 住みよい社会にしなければ。
 「右利き社会」を是正しなければ、と真剣に考え始めない限り、
 「左利きの人」にとってより良き社会にはならないのだ!
 一人の人間として「左利きで生きていく」ことが
 精神的にも肉体的にも
 苦痛とならない社会を作っていかなければならないのだ。
 「右利きの人達」とともに。
 『Lefties’ Life』即ち、この新聞が対象とする読者の中心は、
 実は人口のおよそ10%を占めるといわれる「左利きの人」ではなく、
 残る90%の「右利きの人達」なのです。
 まず「左利き」とは何か、「左利き」として生きてゆくとは
 どういうことか、ということから始めて、
 「右利き社会」で「左利き」として生きてゆく場合
 どのような問題があるのかを知ってもらい、
 「左利きの人」にとって不利な「右利き社会」を是正し、
 誰もが生活しやすい社会をつくる、のがねらいです。

左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
 その1
Left-handed tools & goods
 一枚の紙を用意してください。
 定規を使って、適当なところに線を引いてみましょう。
 ところで、今あなたの手にある筆記具は何ですか。
 鉛筆ですか、ボールペンですか?
 まあどちらでもいいのですが、それはどちらのメーカーでしょうか。
 そこになんて書いてありますか?
 右手に持っている方はすぐに読み取れるでしょう。
 では、それを左手に持ち替えてみてください。
 今読んだ文字が逆立ちしていませんか?
 そうなんです。私たち左手に筆記具を持つものは皆、
 こういう文字を目にしているのです。
 実用には問題はないのですが、
 しょっちゅうこういうものを目にしていてはいい気持ちはしません、
 よね。
 さあさあ、線を引きましょう。定規を置いて左から右へ――
 紙の端から仮に五センチメートルにしましょうか。
 あなたの定規に㌢cmの目盛りがあれば簡単ですね。
 でも、左手に鉛筆を持って線を引こうとすると、
 右から左へ引くことになります。目盛りは? 一二の三…、と。
 十五引く十は五と。ウーン――ちょっと抵抗があるなあ。
 さて、線も引いたし、切りましょう。
 ハサミを持って、刃に線をあてがって、と。
 おっと、何度もすいません。
 そのハサミを左手に持ってみてください。
 そして同じように線に刃をあてがってみると…。
 ねえ? 線が見えないのです。
 何とかしようとすると、手をからだの反対側に持っていくか、
 ハサミを傾けるかしなければなりません。アーしんど! 
 そこで、私たち左利きの人は左利き用のものを用意します。
 筆記具、定規、ハサミ、というように。
 でも、どこで手に入れればいいのでしょうか?
 あなたは知っていますか?

私のお気に入り左利き用品 ベストテン
 My favorite left-handed items: BEST 10
Count dawn start!
10 “HAZEL”ビジネス・フォルダー
 メモ・パッドが左側についたA4サイズのフォルダー
9 “OSMIROID”マスター・カリグラフィー・セット
 欧文ペン習字用ペン先セット
8 鉛筆削り(ドイツ製)手持ち式 反時計回りで削る
7 “ALLEX”家庭用・事務用ハサミ 165mm 一般用ハサミ
6 “ZELCO”ダブル・プラス・カリキュレーター
 右掌にすっぽり収まる左手入力電卓
5 15cm定規 30cm定規(イギリス製)
 目盛りが右から左についている定規
4 田島サウスポー・カッター・ナイフ
 握りも刃も左手用 オートロック式 左用替刃別売り
3 “RAYMAY”こどもはさみ 先が丸く安全
 135mm 国産品ではもっとも安価
2 スイス・アーミー・ナイフ
 “WENGER” キャンパー・レフト(スイス製)
 すべて左手用のポケット・ナイフ
1 京セラ “SAMURAI Z2-L” 世界初左手用カメラ
 オートフォーカス 3倍ズーム


 ●LL2―1994(平成6)年 秋号

前説―To Live In The Right-Handed World
 秋も深まり、落ち葉の季節。
 掃いても掃いても舞い落ちてくる落ち葉たち…。
 というわけで今回は、『ちりとり』のお話から―― 
 わが家には『変わったちりとり』があるのです。
 どこが変わっているかというと、左利きの私から見ると、
 これは完璧に『右利き用ちりとり』なのです。
 「エエーッ、ちりとりにも右用とか左用とかあるの!?」
 「おまんねんやわぁ。」
 ほうきでお掃除するときの事を考えてみましょう。
 人はだれも無意識のうちに利き手にほうき、
 逆の手にちりとりを持つようです。
 大部分の人達は右利きなので、
 右手にほうき左手にちりとりとなるわけです。
 普通のちりとりは、
 特別に利き手を意識した作りにはなっていないものです
 (単純に左右対称形になっている)が、
 わが家のこの『ちりとり』は、
 左手に持ちやすいように把手の部分が左側に付いており、
 全体の形は包丁のぶっといの、といったところ。
 右利きの人にとってはごく普通に使える代物でしょう。
 しかし「喉から手が出るほど欲しい」という品物ではないはず。
 「多少は便利かなぁ」という程度ではないでしょうか。
 ところが、左利きの私にとっては非常に使いづらいものなのです。
 なぜなら右手でゴミを受けようとすると把手が向こうになり、
 手を伸ばして逆手に持たないと使えないのです。
 「なんでこんなモン作んねん!」と不思議でしかたがないのです。
 この『ちりとり』のように
 「ほんのちょっと便利かな」といった程度の利便性の為に、
 本来阻害されるはずのない人々が
 そういう悲惨な体験を余儀なくされる結果を招くということは、
 理不尽としか言えないのではないでしょうか。
 プンプン!(と怒っている)
 みんなで使うような道具は、左右共用できる製品を作ってほしい。
 単純に左右対称形にさえしておけば、
 それだけで左右共用できる品物が、
 この世の中にはたくさんあると思いませんか?
 にもかかわらず、わが家のちりとりのような
 デザインになっているものが多く見られるのです。
 ウーン、残念!
 結局、右利き社会なのです。
 積極的に左利きを差別、あるいは疎外しようという意志はなくとも、
 社会の底流に「右利きがアタリマエー」の考えが
 浸透しているのでしょう。
 Lefties’ life is tough. 「左利きはつらいよ!」

左利き用の道具を知っていますか? 使ったことがありますか?
 その2
Left-handed tools & goods
 前回は、一枚の紙に定規で線を引き、ハサミで切ることに
 チャレンジしました。
 予想どおり、ハサミが一番の問題だ、というのが大方の意見でした。
 左利きの人が右用のハサミを使う場合の問題点は、
 正確には切れない(「勘で切るんや!」)、
 大きなハサミで厚紙などを切るときに、
 握りの部分が指に食い込んで痛い、の二つ。
 しかし、左利き用のハサミなんて見たこともない、という人が大半。
 これは本当に残念なことです。
 実は日本にも左利き用のハサミを作っているメーカーは
 何社もあるのです。ところが、一般には知られていない。
 近所の小売店、スーパーにも売っていない。
 これはいったいどこに問題があるのでしょうか? 
 宣伝しないメーカーが悪いのか、置かない店が悪いのか、
 「こういう品物がほしい」と要求しない消費者が悪いのか。
 それぞれが少しずつ悪い、というのが本当のところかもしれません。

我がLefties Club『左組』では、次の商品をお勧めしています。
1 子供用―RAYMAY藤井/こどもはさみ左手用 KHH350 ¥350
 近鉄・西武百貨店など ◎指の細い人なら大人でも充分使える
2 一般用―ALLEX林刃物/アレックス事務用はさみ(中)左手用
 S-165(L) ¥1200 DIYの店
 (ホームセンター・コーナン、東急ハンズ、西武ロフトなど)
3 厚紙用―PLUSプラス/ステンレスはさみ左手用
 布地・厚紙用 No.210L ¥2800
 近鉄百貨店、東急ハンズ、西武ロフトなど
 
 さあ、すぐ買いに行きましょう!
 とにかく、左利きの人も右利きの人も、それぞれ使ってみてください。
 そして、右(左)利きの人が今までどんなふうに使っていたか、
 実感してみてください。
 長年右用しか使ってこなかった左利きの人は、
 最初はとまどうかもしれませんが、
 そのうち良さがわかってくると思います。
 「なんや、右利きのやつらはこんなに楽してたんか!」
 と思われるかも…。
 逆に、右利きの人は「左利きの者は、
 ようこんなん使う(ツコォ)てたなあ」とあきれるかも…。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [28]『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(1)全号目次/LL1・LL2」と題して、今回も全紹介です。

本文中にも書いていますように、1月下旬からパソコンの状態が今ひとつで、昔のデータを調べたり、ネットで調べたりがむずかしくなっています。
一時回復したかと思ったのですが、またときどきサボタージュを起こすようで、この文も書くのは二度目です(なぜか保存されず消えていました)。

というわけで今回は、「LL」の再録です。

調べれば以前にも書いているかも知れません。
今は、メルマガのバックナンバーがネット上にはありませんので、個人的に保存されているもので確認するしか方法はありません。
たぶん初出かなあ、と思います。

 ・・・

「左鍵ハモ計画」の方も、上のような状況で今は動きなしです。
そのうちなんとかしたいものです。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』


『レフティやすおのお茶でっせ』
〈左利きメルマガ〉カテゴリ


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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
『左組通信』復活計画(28)『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(1)全号目次-週刊ヒッキイ第660号
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楽器における左利きの世界(18)マクマナス著『非対称の起源』から-週刊ヒッキイ第659号

2024-03-08 | 左利き
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』【別冊 編集後記】

第659号(Vol.20 No.4) 2024/3/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(18)
 マクマナス著『非対称の起源』から<音楽家と利き手>について」



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第659号(Vol.20 No.4) 2024/3/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(18)
 マクマナス著『非対称の起源』から<音楽家と利き手>について」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 前号では、<左利き用楽器>製作プロジェクトを紹介しました。
 こちらについては、また後ほどふれるとして、
 今回は、昨年12月以来の、<楽器における左利きの世界>です。

 イギリスの利き手・左利き研究の権威、マクマナスさんの著書の邦訳
 クリス・マクマナス『非対称の起源』 (講談社ブルーバックス)
 から、左利きと音楽家についての文章を紹介しましょう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ◆ <めざせ!実現!!左用ピアノ!!!>プロジェクト ◆
 {左利きの人は左利き用の楽器で演奏しよう!}

- 「左利きに優しい社会」づくりは左用楽器の普及から! -

  マクマナス著『非対称の起源』から<音楽家と利き手>について
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

*参照:
クリス・マクマナス『非対称の起源―偶然か、必然か』大貫 昌子/訳
講談社ブルーバックス 2006/10/21

――左利き研究20年のイギリス人科学者による、左利き・利き手の研究を
中心に、左右に関する話題を含めた科学研究書の訳書。「利き手と社会」
「左利きの苦悩」といった章を含み、左利きには興味深い本。イギリス・
スコットランドの「左利き」についての方言集など一部省略されている。
原著:RIGHTHAND LEFTHAND (c)2002


 ●「第4章 利き手と社会」

本書『非対称の起源―偶然か、必然か』の第4章「利きと社会」には、
《相互作用の世界のなかの側方性》について書かれています。

これは、例えばみなが一列になって鎌を手に草刈りをするようすを
一例としてあげています。
全員が右利きで右手に鎌(西洋の草刈り鎌は大きくて1メートルぐらい
ある)を構えて一斉に草を刈るとき、
そのなかに一人でも左利きの人がいて逆方向に鎌を振るようでは、
横にいる人がケガをする可能性がある、というのです。

全員が同じ動作で同じ方向に振れば問題は起きにくい、と。
これが「側方化した作業」ということばの意味です。

 《二人の人が側方化した作業をいっしょにしようとするとき、
  一人がすることは必然的に他方の作業に影響する。
  したがって社会はそのような場合のため、法律であれ、
  規約あるいはエチケットであれ、
  とにかく何らかのルールを作る必要がある。》p.362

そのようなルールやエチケットの例として、握手や
テーブル上でのナイフとフォークの位置を上げています。

これらは
 《左利きにとっては多少不自由かもしれないが、
  その不便さは些細なものだから文句を言う人はいない。》p.362
という。

ここはちょっと同意しかねますが、話の展開上、一旦置いておきます。

もっと複雑な相互作用の時にはどうなるであろうか、
この章で考えてみよう、というわけです。


 ●競争ではなく、協力が必要なケースでは?

競争の場合、左利きは時に有利になることがある、といいます。
それに対して、競争ではなく互いの協力が必要な状況では、
左利きにとってはどうだろうか?

最初の例は、何人かが一つのチームとなって行う外科手術の場合、
指示することなく
他の外科医の動きを見てサポートする態勢が整っている必要がある。
そこで、右利きと左利きが混じっていると問題だろう、といいます。

実際に調査した例は一つしかないが、
その聖マリア病院付属医学校の学生の調査では、
医師67人中左利きは12%であるが、
外科医36人中左利きは一人もいなかった。
統計的にはあり得ない結果だが、
外科医に左利きが少ない可能性は考えられる、とあります。

次にあげられている例が今回紹介しようという、オーケストラの場合。


 ●「右利き」での演奏

<オーケストラも右利きが多い>という段落を紹介しましょう。

オーケストラのヴァイオリン、チェロなどの弦楽器の弓は
1メートルぐらいあり、これらがぶつかり合うことを考えると、

 《オーケストラの弦楽器が必ずと言っていいぐらい、
  「右利き」で演奏されるのも当然のことだ。》p.391

といい、さらに

 《楽器の中には必ず「右利き」で演奏しなければならないものもある。》

と。

 《ピアノは良い例で、高音のキーは右側の端、
  低音は左側の端と決まっている。》p.391

これは、このシリーズで私がいつも言ってきたことでもあります。


 ●「両手利き」の楽器や逆弾きの奏者

次に「両手利き」の楽器も少なくないと、ギターの例をあげています。

 《ギターの弦の順序を逆に張りかえれば、
  左利きの奏者も弾くことができるのは、ポール・マッカートニーや
  ジミー・ヘンドリックスなどのミュージシャンを見れば明らかだ。
  ヴァイオリンやチェロ、コントラバスも、映画『ライムライト』の
  チャップリンが弾いたヴァイオリンのように、
  左利き用に弦を張り替えることはできる。》p.391

これはちょっと違う点もなきにしもあらずですが、
やってやれないことはない、という次元ですね。

さらに、時には左利きの奏者が、右利き用に張った弦を
そのまま「逆に」(左利きで)演奏する例があるといいます。

 《独学でニューオーリンズのジャズベース奏者になった
  シャーウッド・マンジャパーネは、
  ジャズ史研究家ディック・アレンによると、
  「ただ耳で聞いたままを、自己流に弾いている」のだ。
  「何しろ左手だから、まるであべこべに弾いているみたいに見える。
  彼は弦を張り替えずに、そのまま弾くことを覚えただけのことだ」。》
p.391

右利き用が一般化、あるいは標準化して普及している場合、
左利きの人がこういう弾き方をすることは当然起こりうること、
と考えられます。

そうするしか思いつかないのですから。

私のような左利きの年配者たちが右手用のハサミを、
それが右手用(右利き用)と知らないまま、
左手で使っていたのと同じことでしょう。


 ●オーケストラ奏者の13%が左利き

著者は、ヴァイオリン独奏者で左利きの弾き方をする人がいるとしても、
現代のオーケストラで左利きの演奏者は見たことがない、といいます。

 《してみると、彼らの大多数、あるいはひょっとすると全部が
  右利きなのだろうか? ほかにも右手と左手とが異なったことを
  するようデザインされているオーケストラ用楽器は数多いが、
  その奏者たちも右利きなのだろうか?》

実はそうではない、といいます。

英国の17のプロのオーケストラを調べた結果は、
《自分の選んだ楽器の種類に関係なく》13パーセント近くが左利きで、
《これは一般の人口よりやや多め》だといいます。

右利き用の楽器しかないので、
左利きの人でも、しょうことなしにそれに慣れた人が生き残ったのか。

右利き用の楽器といえども、左手も何らかの形で使う必要があるので、
両手がある程度使える人が生き残ったのか。

 《左利きだからと言って、必ずしもプロレベルのオーケストラで、
  右利き用の楽器を奏でる妨げになるとは限らないようだ。》p.392

とも書いています。
しかし、妨げにはならないかもしれませんが、
それで左利きの奏者自身に不満がない、とはいえないでしょう。


 《社会の中で他人と協力していく必要上、
  左利きのヴァイオリン奏者は「右利き」の弾き方をし、
  食事のときには右利きの人と同じように、
  フォークとナイフを使っているのにちがいない。》p.392

という結論でこの段落の文章を締めています。


 ●「右へ倣(なら)え」するということ

他人と協力してゆく上で、少数派が多数派に合わせるということが
必要なケースはあると思います。

交通ルールとしての「車は左側通行」というように。

しかし、これも日本やイギリスのような一部の島国ぐらいの決まりで、
欧米の大陸では逆の「右側通行」になっています。

本書の本章でもそれを取り上げていますが、
これは「偶発性」のものだと結論しています。

何かしら根拠があってというのではなく、偶然の結果としてそうなった、
というもののようです。


「右へ倣え」ということの是非というものも考えてみるべきではないか、
と思います。

何事も多数派に合わせなければならない、というものではないはずです。

左利きの人は多く、自分の利き手である「左利き」を
アイデンティティとして感じているものです。

これは右利きの人ではまず見られないことです。

多くの人に聞いたことがあります。
私が聞いたかぎりでは、右利きの人にとって「自分は右利きだ」
という自覚は、ほぼありませんでした。

ところが左利きの人では「自分は左利きだ」という事実が、
自分を表すアイデンティティの一つになっているものです。

そういう意識を持つ人にとって、
何でもかんでも「右へ倣え」というのは、非常に抵抗があります。

例えば、こういう風に考えてみてはどうでしょうか。

オーケストラで、
ヴァイオリン奏者の腕が一斉に右に左に流れるのを見て、
「美しい」と感じる人がいるとしても、
では、その中の一人が逆の動きをしていれば、確かに目立つでしょうし、
なかにはそれを、ひとつの汚点や玉に瑕(きず)のように感じる人も
いるかもしれません。

しかし、左利き奏者と右利き奏者を左右に配置すれば、
鳥が翼を広げるように、左右に大きく展開する場面が生まれ、
視覚的に一つのダイナミズムを生む演奏につながるかもしれません。

ただ単に一列に並んで、一斉に右に左にと動くだけの演奏とは違い、
新たな視覚的表現となる可能性もあるのではないでしょうか。

それによって、今までは右利き動作に馴染めずに
音楽家としての限界を感じていたような左利きの人にも、
新たな職業選択の機会を与えることが可能になると思います。

 ・・・

さて、今回はこの辺で。


 ▼「左鍵ハモ計画」

最後に、<左利き用楽器>製作プロジェクトについて――

「左利き用鍵盤ハーモニカ」製作プロジェクト =「左鍵ハモ計画」
についてあちこちメールを出してみようと考えていましたが、
1月下旬からパソコンの調子が今ひとつで、ネットにつながるのに、
時間がかかり、クルクル状態で、思うように、調べることもできません。

保存したファイルも同様で、どうも不調です。

もうしばらく時間がほしいなあ、と思います。

どなたか「我こそは」という人が現れると良いのですけれど……。
(甘い!甘い!)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(18)マクマナス著『非対称の起源』から<音楽家と利き手>について」と題して、今回も全紹介です。

今回は、マクマナス著『非対称の起源』の音楽関係を取り上げたのですが、この本、部分的に納得のいかない部分がよく出て来るのです。
イギリスの利き手研究の権威だそうで、納得できる話は多いのですが、そのなかでもう一つピンとこないところが出て来るのですね。
単に私の勉強不足もあるのでしょう。

反面、左利きというのは、自分のなかで非常に大きな要素なので、私の場合は自分の実感や体感に基づく考えなわけです。
そこにどうも合わない部分が出て来るわけです。

具体的には、追々お話しする機会があるかと思います。
ではまた。

 ・・・

「左鍵ハモ計画」なんですが、これは大切なことなのですが、どうも突っ込んでいけない自分がいます。
体力不足というところでしょうか。

ここ何年か、ほとんど人と関わるようなことをしなくなりました。
どうしても、色々と考え方の違いや何やかやが出てきます。
それが面倒くさい、という感じですね。

元々一人でコツコツやってきた人間で、社交的な人間ではないので人と関わるのが苦手です。

若い人で精力的な人が現れないかなあ、というのが希望的観測なんですけれど……。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
楽器における左利きの世界(18)マクマナス著『非対称の起源』から-週刊ヒッキイ第659号
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2月10日<左利きグッズの日>記念2月合併号―<左利き用楽器>製作プロジェクト-週刊ヒッキイ第658号

2024-02-11 | 左利き
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』【別冊 編集後記】

第658号(Vol.20 No.3) 2024/2/10
「2月10日<左利きグッズの日>記念2月合併号――
<左利き用楽器>製作プロジェクトについて考える」


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  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第658号(Vol.20 No.3) 2024/2/10
「2月10日<左利きグッズの日>記念2月合併号――
<左利き用楽器>製作プロジェクトについて考える」
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 本日2月10日は、<左利きグッズの日>です。

 由来について先の<号外>でも書いていますので、
 省略させていただくとして、

 今回は、もう一昨年になりますか、
 「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
  楽器における左利きの世界」
 で、左利き用の楽器について考えてきました。

 「左利きの人は、自分の身体に合った左利きの道具を!」
 というのが私の持論であり、「心の必需品」である楽器もまた同じで、
 「左利きの人は左利き用の楽器を演奏すべきだ!」と考えています。

 そこで、<左利き用楽器>製作プロジェクト
 というものを考えて見たいと思います。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ◆ めざせ!実現!!<左利き用楽器>製作プロジェクト ◆

  (1)プロジェクトA<左利き用鍵盤ハーモニカ>
  (2)プロジェクトB<左利き用電子キーボード>
  (3)プロジェクトC<左利き用ピアノ>

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●<めざせ!実現!!左用ピアノ!!!>プロジェクト

なんと言いましても、
左利きの人の生活向上のためにあるのが、この記念日です。

以前書きましたように、
左利きに関する社会のものの見方・考え方が改善されるだけでは、
左利きの人の生活向上にはつながりません。

生活の質を高めるには、左利きの人の身体に合った道具や機械、
システムなどが整わなければ、生活の向上は期待できません。

左利き用品の普及の度合いが、左利きの人の幸福の度合いだといっても
過言ではありません。

生活必需品に関しては、かなり改善されてきました。
しかし、心の必需品ともいうべき、嗜好品に関してはどうでしょうか。
例えば楽器などは、プロの人は別として、
一般に人にとっても「心の必需品」ではないでしょうか。

そこで、この左利き用楽器の問題を取り上げる必要があるのです。

 ・・・

以前、<めざせ!実現!!左用ピアノ!!!>プロジェクト
という題目を唱えたことがありました。

これは一応、最終目標として掲げたものでした。
あらゆる楽器の中で、
ピアノという楽器が一番の頂点にあるような気がしたからです。

私の子供の頃、学校でも必ず置いてあったのは、ピアノに限らず、
オルガン等の鍵盤楽器でしたから。


で、今回話題に取り上げるのは、三つのプロジェクトです。

(1)プロジェクトA<左利き用鍵盤ハーモニカ>
(2)プロジェクトB<左利き用電子キーボード>
(3)プロジェクトC<左利き用ピアノ>

実現の難易度でいうのではありませんが、
実現した場合、当面の利用者への利益の還元という観点からいいますと、
この順になりそうな気がするからです。

鍵盤ハーモニカは、
今でも一番子供さんが利用することが多いように思います。
学校で義務的に、一律に演奏する機会があるようです。

そうしますと、これはやはり一番先に取り組まなければならない、
と考えられます。

電子キーボードは、
基本的に配線の問題ではないか(?)という気がするので、
実現の可能性も高いのでは、と思っています。

三つの中で一番難易度が高いと思われるのが、ピアノです。
しかしこれも、左利きピアニストのクリストファー・シード
(Christopher Seed)さんは、左利き用ピアノを作り演奏している、
という実例があります。


(画像:左利きピアニストで、自分で左利き用ピアノを作り演奏しているクリストファー・シード(Christopher Seed)さんの左利き用ピアノ(左の茶色)と通常の右利き用ピアノ(右の黒色))

(画像:左利きピアニストで、自分で左利き用ピアノを作り演奏しているクリストファー・シード(Christopher Seed)さん)

お金があれば、そして作って欲しいという熱意があれば、
実現するものなのだと思います。


 ●クラウドファンディング

そこで、この「お金と熱意による夢の実現」にふさわしい手段として、
クラウドファンディングというものがあるようです。

クラウドファンディングについての詳しい話は置いておきますが、
色々な実現例があるようです。

左利き用楽器実現の可能性もあると信じます。

左利きに関しての実例として私が知っているのは、何年か前に
「左ききの道具店」さんが行った「左利き用手帳」の例がありました。

製作に協力してくださるメーカーさんがあってのこと、
だったと記憶しています。

こういう熱意を持つ企画者と協力者がいれば、
クラウドファンディングも成功するのではないか、と思われます。

私はかつては少しは活動家の真似をしていたものですが、
今は100%「うどん屋の釜」=「ゆう(言うと湯をかけた)だけ」
状態です。
どなたか若い方――若くなくてもいいですが、実務のできる方で、
ぜひチャレンジしていただきたいものです。


 ●(1)プロジェクトA<左利き用鍵盤ハーモニカ>

まず手始めは、

(1)プロジェクトA<左利き用鍵盤ハーモニカ>
――略称「左鍵ハモ」計画

ですね。

以下のメルマガで、
「左鍵ハモ」についての過去のメルマガ記事を振りかえっています。


第652号(No.652) 2023/11/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(16)
 左利きの知らない 鍵盤ハーモニカの世界(2)」
2023.11.4
[左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)]
楽器における左利きの世界(16)鍵盤ハーモニカの世界(2)
-週刊ヒッキイ第652号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/11/post-4f8030.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/5abfe073615fa9926465d8b75bf9f3e8


そのうちから、

第520号(No.520) 2018/6/16「【左手・左利き用品を考える】
右用と左用の違い(23) 楽器編(5)鍵盤ハーモニカ・後編」
学校で出会う楽器―鍵盤ハーモニカ・後編
 ●鍵盤ハーモニカと左利き
--
事業機関「鍵盤ハーモニカ研究所」の運営する
鍵盤ハーモニカ情報サイト
「鍵盤ハーモニカ奏者ピアノニマス公式ブログ」の記事
「左利き用の鍵盤ハーモニカについて」
http://www.pianonymous.com/entry/2014/08/19/%E5%B7%A6%E5%88%A9%E3%81%8D%E7%94%A8%E3%81%AE%E9%8D%B5%E7%9B%A4%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%A2%E3%83%8B%E3%82%AB%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6
■対策1:ホースを延長して、反対側まで伸ばす。
■対策2:右手を鍛えるための試練とおもって頑張る
■対策3:もういっそのこと私と同じスタイルで弾こうよ!
 《…以上、あまり解決に導けなくて申し訳ない。》
 《※追記 2014/09/04
  左利き用の鍵盤ハーモニカについて
  スズキ楽器製作所へ直接問い合わせを行った。
  結論からいうと、
  現状どのメーカーも製造は一切していないようだ。
  というのも左利き用のパーツを製造するには
  倍以上のコストがかかり、
  作りたくてもどこも作れない状況とのこと。
  うちのサイトにきてくれた左利きの皆様、
  有力な情報が提供できずすみません。》
 ●相談サイトでは……
 ●「ちょっと」だからこそ簡単!?
--
身体に服を合わせるのが、普通の考え方です。
服に身体を合わせるなんて、あり得ない! のでは?
手や腕は、右と左の二つしかありません。
単純に考えれば、
右用があれば、左用があっていいのではないでしょうか。
作っても二つだけです。
利用者全体の総数が違う、というかもしれませんが、
だからといって、多数決で決める必要はありません。
洋服のサイズを多数決で決められても困るでしょう。
...
結局は、心がけの問題ではないでしょうか。

発想の問題。

一人でも多くの人に音楽を楽しんでもらいたい、
と考えるかどうか。

心の優しさ、思いやりの問題とも言えそうです。
--
 ●左右平等の思想で……
--
右利きが多数派だから「右へならえ」せよ、
ではなくて、
左右平等で考えてほしいものです。

人は、みんなやっぱり人なのです。
心もあれば、それぞれに痛みも感じるのです。

「自分だけがしあわせであれば良い」
なんて、誰も思いませんよね。

「みんながしあわせになれる」
そういう社会にかえてゆきましょう

まずは楽器から、始めてみませんか?
--

と私は書いています。

ここで提案されている左利きの場合の演奏法は、
テーブルに置いて、チューブでつないだ吹口を使う方法でした。

これでは「本来あるべき姿の左手による鍵盤操作」の問題を
クリアーできません。


で、上のサイトの追記(色文字の部分)を、改めてコピーしておきます。

--
※追記 2014/09/04

左利き用の鍵盤ハーモニカについてスズキ楽器製作所へ
直接問い合わせを行った。
結論からいうと、現状どのメーカーも製造は一切していないようだ。
というのも左利き用のパーツを製造するには倍以上のコストがかかり、
作りたくてもどこも作れない状況とのこと。
うちのサイトにきてくれた左利きの皆様、
有力な情報が提供できずすみません。

ちなみにスズキさんでは、身体にハンディのある子どもたちのために
メロディオンやリコーダーを手作りし、無償で提供する
という取り組みをされているなど、右手にハンディがある人に対しては、
協力的なスタンスである。(※学校や施設が直接申請をするフローで、
一般への特注等は行っていない)

いずれにせよ、手間と時間がかかることなので、
やはり左利きの小学生は私と同じ弾き方をしよう!という結論にいたる。

※さらに追記 2016/6/8

スズキさんで左利き用の製品をみた、という方から情報を得た。
しかし…それはただ単に歌口が逆についているモノだったそうだ。
--


改めて読んでみますと、
《スズキさんでは、身体にハンディのある子どもたちのために
 メロディオンやリコーダーを手作りし、無償で提供する
 という取り組みをされている》
といいます。

左利きは、現状では<身体にハンディのある>といっていいのではないか
という気がしますけれど、どうでしょうか。

少なくとも、この時期よりは、左利きに限らず、
マイノリティーへの理解が進んでいる、と考えられます。

今なら熱意を持って協力を依頼すれば、実現の可能性は
少しは上がっているような気がします。


 ●「左鍵ハモ」計画への道

問題は、やはり「鍵盤を左右反転させる」という発想を
受け入れてもらえるのかどうか、にかかっているかと思われます。

しかし、このサイトの南川朱生さんには、

2015-03-07
両手弾き用の鍵盤ハーモニカを考案してみた
https://www.pianonymous.com/entry/2015/03/07/%E4%B8%A1%E6%89%8B%E5%BC%BE%E3%81%8D%E7%94%A8%E3%81%AE%E9%8D%B5%E7%9B%A4%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%A2%E3%83%8B%E3%82%AB%E3%82%92%E8%80%83%E6%A1%88%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%81%9F


(画像:南川朱生さんの考案する両手弾き鍵盤ハーモニカの画像-無断拝借)

という記事もあります。
この両弾き用の左側だけでいいのですから、可能性はあると思われます。

《もし自分が大金持ちになり、各メーカーに依頼して
 特注鍵盤ハーモニカを制作できるのであれば、
 下図のような商品を作りたいと思っている。》

とあります。

続けて《一般的な需要は微塵も感じられないが、》とありますが、
左用ができれば、こちらの可能性も広がるという点では、
協力してもらえるかもしれません。

希望的観測に過ぎませんが。


▼「左鍵ハモ」計画への道――

・左利き用品を扱っているお店の人に計画への協力を依頼する

・鍵ハモのプロ、南川朱生さんにお話を聞いてもらう

・現時点で鍵ハモを製作しているメーカーをチェックして、
 製作を打診してみる

この辺からスタートすることになりそうです。

その後の段階としましては、

1.メーカーさんに試作品を作ってもらう――3Dプリンターが登場して
比較的簡単に試作できるようになったといいます。

2.できた試作品を南川さんのようなプロ、一般の左利きの大人、
左利きの子供さん、小学校の音楽科の先生らに試演してもらう。

3.試演の結果が良ければ量産の方法を考える。

この試作の段階でのクラウドファンディングでは、
支援者への見返りは期待できません。

次の量産の段階のクラウドファンディングでやっと見返りとして
製品の購買が可能になる、というところでしょうか。

こういう二段構えのクラウドファンディングが考えられそうです。

 ・・・

「左鍵ハモ」計画に興味を持たれた方で、
クラウドファンディングに挑戦してみてもいいのでは、
とお考えの方は申し出ていただけると幸いです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「2月10日<左利きグッズの日>記念2月合併号――<左利き用楽器>製作プロジェクトについて考える」と題して、今回も全紹介です。

左利き用品の普及が、「左右平等社会の指標となる」と考えています。
これは、次のような言葉を受けての考えです。

1970年代「左利き友の会」を主宰された
左利き解放運動の活動家でもあった、精神科医の箱崎総一先生の著書
左利きの秘密』(立風書房マンボウブックス 1979)にある言葉です。

 《左利きに対する偏見と差別が真になくなるのは、
  左利きの人たちがなんら苦痛を強いられることなく
  生活していけるときである。
  それをはかる物指しは、結局、
  左利きのための道具・器具の普及度である、と私は考える。》

さらに続けて、

 《たとえ人々の頭の中から
  左利きに対するあやまった考えがなくなったとしても、
  それだけでは左右同権の社会とはいえないのだ。
  左利きの人たちが
  右利きのための道具や器具に囲まれて暮らしているかぎり、
  真の解放はありえないのだ。/
  こうしたことを考えるとき、わが日本の左利きにとって
  まだけわしい前途が横たわっているといわねばならない。》

左利きの人も、右利きの人と同じように生活できる社会の実現――。

左利きの人の生活向上があってこそ、左利きの人の解放につながるのだ、と。

左利き用品は、近年生活必需品的な道具類に関しましては、かなり普及してきました。
ハサミや包丁のような刃物類、右端からメモリが始まる左利き用の定規など、です。

しかし、嗜好品的な楽器やカメラなどは、まだまだ左利きの人のためのそれらが実現していません。

特に楽器は、心の必需品ともいうべきものだと思うのですが、どうでしょうか。

<左利き用楽器>の普及が、これからの時代に期待されます。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

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『レフティやすおのお茶でっせ』
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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載

" target="_blank">2月10日<左利きグッズの日>記念2月合併号―<左利き用楽器>製作プロジェクト-週刊ヒッキイ第658号

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左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii(号外)2月合併号(10日第二土曜発行)のお知らせ

2024-02-01 | 左利き
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』【別冊 編集後記】

(号外)2月合併号(10日第二土曜発行)のお知らせ

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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
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  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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(号外)2月合併号(10日第二土曜発行)のお知らせ
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弊紙は、通常月に2回、第二土曜日と第四土曜日の発行ですが、
今月2月は、
<2月10日左利きグッズの日>が土曜日とか重なりますので、
2月10日第二土曜日に「2月合併号」を発行する予定です。

で、今週はこのお知らせのみとし、また第三土曜日の発行はお休みとし、
来週2月10日の<左利きグッズの日>の日に、
左利きグッズに関連した内容のメルマガを発行します。

昨年も第一土曜日発行分で続けていました、左利きと音楽、
左利き用楽器について書いてみる予定です。


まずは、「左利き用ピアノ」までの第一歩として
「左利き用鍵盤ハーモニカ」の制作を目指したい、と考えています。

もし障壁が「お金の問題」というのなら、今よくやっている
クラウドファンディングで支援者とお金を集めるという方法もある、
と思います。

左ききの道具店さんが以前
左利き用の手帳をクラウドファンディングでやっていました。

ああいう風にできれば、可能性はあると思うのですけれど、
メーカーさんにも訊いてみたいものです。

お楽しみに!


(画像:左利きピアニストで、自分で左利き用ピアノを作り演奏しているクリストファー・シード(Christopher Seed)さんの左利き用ピアノ(左の茶色)と通常の右利き用ピアノ(右の黒色))

 ・・・

<2月10日 左利きグッズの日>

●記念日の由来●
《社会生活で左利きの人が感じているさまざまな道具の使いづらさ。
 それを解消するための左利き用グッズの普及を目指し、
 左利きグッズを扱う神奈川県相模原市の菊屋浦上商事株式会社が制定。
 日付は2月10日を0210として「0(レ)2(フ)10(ト)」
 と読み、レフト=左の発想から。》

『レフティやすおのお茶でっせ』2008.12.28
2月10日は左利きグッズの日、日本記念日協会で認定される: レフティやす...
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2008/12/210-8885.html


*『レフティやすおのお茶でっせ』過去の2月10日「左利きグッズの日」の記事:
・2008.12.28
2月10日は左利きグッズの日、日本記念日協会で認定される
・2009.2.10
今日2月10日は“左利きグッズの日”
・2011.2.8
左手書字考(1)左手で字を書くこと―再考:週刊ヒッキイhikkii249
・2011.2.9
「左利きグッズの日」記念「第5回<LYグランプリ>2011」読者大賞アンケート
・2012.2.9
2月10日は「左利きグッズの日」ですが…メルマガ「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」298号告知
・2012.2.10
2月10日「左利きグッズの日」記念<LYGP>第6回2012:メルマガ「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」299号予告
・2013.2.10
今年もまた<左利きグッズの日>でした
・2015.2.10
2月10日は改称7年目の〈左利きグッズの日〉
・2016.2.9
2月10日は左利きグッズの日
・2016.2.10
2月10日は左利きグッズの日―普及の前提
・2017.2.9
2月10日〈左利きグッズの日〉をまえに左来人(Right Hidari)『左利きあるある 右利きないない』を買う読む
・2017.2.10
左手左利き専用グッズ開発「レフティー21プロジェクト」菊屋浦上商事呼びかけ
・2018.2.10
2月10日は「左利きグッズの日」―どこまで進む「左利き」容認―産経新聞投書から
・2019.2.10
2月10日は「左利きグッズの日」―に思うこと
(新生活版)2月10日は「左利きグッズの日」―に思うこと
・2020.2.8
2020年2月10日は令和初の〈左利きグッズの日〉-文末に嬉しい情報あり
(新生活版)2020年2月10日は令和初の〈左利きグッズの日〉-文末に嬉しい情報あり
・2021.2.8
〈日本版左利きの日〉から20年、2月10日は〈左利きグッズの日〉
(新生活版)〈日本版左利きの日〉から20年、2月10日は〈左利きグッズの日〉
・2022.2.9
2月10日〈左利きグッズの日〉を前にTBSテレビ【新・情報7daysニュースキャスター】で左利き情報
(新生活版)2月10日〈左利きグッズの日〉を前にTBSテレビ【新・情報7daysニュースキャスター】で左利き情報
・2023.2.9
2月10日は左利きグッズの日―私のファースト左手・左利き用品ことなど
(新生活版)2月10日は左利きグッズの日―私のファースト左手・左利き用品ことなど

『レフティやすおのお茶でっせ』カテゴリ――
2月10日左利きグッズの日

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「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii(号外)2月合併号(10日第二土曜発行)のお知らせ」です。

本文中にもありますように、2月10日は<左利きグッズの日>ですので、偶然土曜日に当たるということで、今月はこの日に一回だけ発行することにしました。

実はどうもパソコンの様子がいまいちだ、ということもあります。
体調も、とうとう老眼になったのか本が読みにくかったり、他にも色々と変なものが見えたりという目の不調と、以前から時折不調となる腰の方がこれもいまいちで、長時間の座っているのも大儀な状態です。

適当に手抜きでやっていこうと思います。
気長にお相手していただけると幸いです。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』


『レフティやすおのお茶でっせ』〈左利きメルマガ〉カテゴリ


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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii(号外)2月合併号(10日第二土曜発行)のお知らせ
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2024年新春左利き放談―左利き楽器演奏-週刊ヒッキイ第656号

2024-01-07 | 左利き
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』【別冊 編集後記】

(『まぐまぐ!』: https://www.mag2.com/m/0000171874.html)

第656号(Vol.20 No.1) 2024/1/6
「2024年新春左利き放談―左利き楽器演奏:
左右平等理想社会の指標として(その2)」


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遅くなりましたが、
2024(令和6)年、
明けましておめでとうございます。

といいつつも、元日から不幸続きで、
おめでた気分も吹っ飛んでしまいました。

能登半島地震の犠牲となられた方々に心よりお悔み申し上げるとともに、
被災者のみなさまには心よりお見舞い申し上げます。
一日も早い救出、復旧・復興を衷心よりお祈り申し上げます。

また、日航機・海保機事故の犠牲者・被災者のみなさまにも
心よりお悔みおよびお見舞い申し上げます。

レフティやすお


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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第656号(Vol.20 No.1) 2024/1/6
「2024年新春左利き放談―左利き楽器演奏:
左右平等理想社会の指標として(その2)」
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 まずは、今年で弊誌も足かけ20年となります。
 2005年の9月より発刊し続け、20年――。

 過ぎてしまえば速いものですが、思い返せば色々なことがありました。
 今年もまた新たな一ページを重ねていこうと思います。

 変わらぬご愛顧のほどよろしくお願いいたします。


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 ――2024年新春左利き放談――

  左利き楽器演奏:左右平等理想社会の指標として(その2)

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 ●今年もやります「左右平等理想社会の指標としての楽器」

「左利き楽器演奏:左右平等理想社会の指標として(その2)」と、
(その2)となっていることから。
これは、昨年もこの副題で書いているからです。

で、今年も月の前半では、
「左利きと音楽」「左利きと楽器」について考えていこうと思います。

一昨年も、
「左右平等理想社会の指標としての楽器」という放談を書いています。

・第611号(No.611) 2022/1/15
「2022年新春左利き放談2――左右平等理想型社会と楽器」
・『レフティやすおのお茶でっせ』2022.1.15
2022年新春左利き放談2―左右平等理想型社会と楽器
-週刊ヒッキイ第611号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/01/post-a2eb41.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/2528d6da8c187f37b99884bd24cf9535

《左右平等社会の指標は楽器》というのが私の持論です。
今年もその点を突っ張っていこうと思います。

一人でも多くの方に着いてきていただきたいものです。


 ●左利きの人にも優しい社会にするために必要なもの――楽器

左利きの人にも優しい社会にするために必要なものがいくつもあります。

精神的なものもそうですし、物理的なものもそうです。

左利きに対する考え方は、大きく変化してきました。
一方的な忌避状態から、容認へとかわり、
さらにもう一歩進んで憧憬へと変化した部分もあります。

まだ一部の人の間には、偏見を持つ人もいないではありませんけれど。
左手使いは作法として見苦しい等。

これらの精神的・心理的な見方・考え方の変化に伴い、
物理的な面では、左利き用の道具といったものが
必要性が認識され、かなり普及してきました。

しかし、それらの道具としては、ハサミといった刃物類とか、
主に生活必需品的なものが大半です。

最低限度の生活必需品だけでは、人間の生活は豊かにはなりません。
心の生活必需品とも言うべきものが必要になります。

それが楽器です。

音楽は「音を楽しむ」と書きます。
心から音楽を楽しむためには、
自分の身体に合った道具である楽器が必要です。

左利きの人には、左利き用の楽器が!


 ●普通のピアノは右利き用

普通のピアノは、右手側に高音部、左手側に低音部があるのは、
どなたもご存知でしょう。

これは右利きの人のための配置です。

なぜならこの配置は、
右利きの人にとって“自然な”右手の動きを反映したものだからです。

右手・右腕の動きは、左から右への移動が都合がいい、
手指も、親指から人差し指というふうに小指へと動かすのが自然です。

指折り数える場合、小指から順に折ってゆく人はいないでしょう。
まずは親指から人差し指、中指というふうに。

そのため、従来左利きの人は、道具に合わせて練習していきました。
しかし、それでは本当の力は発揮できにくいことでしょう。


(画像:ガボちゃんさんのブログから、左右合体型の鍵盤の妄想楽器――
左手と右手がそれぞれの方向に音程があがっていく、それぞれの腕の動きに対応した配置になった鍵盤
《左右どちらの手でも主旋律・伴奏の担当を選択できますし、人間工学的に都合のいい動き方ができます。》)


(画像:ガボちゃんさんのブログから、左右合体型の鍵盤の妄想楽器――の説明)


(画像:クリストファー・シード(Christopher Seed)さんの左利き用ピアノ)


王貞治さんは、元は右打ちでした。
それを見たプロ野球選手・荒川博さん(のちの巨人軍打撃コーチ)が、
左利きなら左で打てば、と助言され、
のちのホームラン王となったそうです。

元阪神タイガースの鳥谷敬さんも、シニアリーグの監督から
左利きなら左で打てば、と助言され、
右打ちから左打ちに変え、プロ入り後2000本安打を達成、
名球会入りの名選手となりました。

本来の姿で、自分の利き手を活かすことで花開く才能というものがある
と思います。

ピアノもまた同じで、左利きの人がその才能を活かすためには、
左用のピアノが必要だと、私は考えます。

*参照:
第495号(No.495) 2017/6/3
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その22―
左利きで心地よく生きるための方法(29)
左利きってなんだ(その17) 快適左利きライフ入門(4)」

・鳥谷敬著『キャプテンシー』(角川新書 2016/3/10)

 ●過去の「楽器における左利きの世界」

最後に、ここまでの弊誌における「楽器における左利きの世界」の
BNを書き留めておきましょう。

 ・・・

第614号(No.614) 2022/3/5
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(1)左利き演奏という選択肢」
2022.3.5
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)
楽器における左利きの世界(1)-週刊ヒッキイ第614号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/03/post-ef0097.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/6fa045b88142a10817aed582e054fdd4
《前回は、
 「左利き対応楽器が欲しい!」というアピールで終わりました。
 今回からは、左手・左利き用の楽器による左利き楽器演奏について、
 考えてみようと思います。》

第616号(No.616) 2022/4/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(2)演奏時の腕の移動方向」
2022.4.2
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)
楽器における左利きの世界(2)-週刊ヒッキイ第616号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/04/post-7b0072.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/90951982e3ad1c1498e325ea8915cd0f
《演奏の際の腕を動かす方向という観点から、
 右手・右腕演奏と左手・左腕演奏の違いについて考えてみます。》

第618号(No.618) 2022/5/7
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(3)左右合体型鍵盤の提案」
2022.5.7
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)
楽器における左利きの世界(3)左右合体型鍵盤-週刊ヒッキイ第618号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/05/post-8565bd.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/cc82a2fea9313dcccc335acdc252ffe0
《今回は、これら左右の手・腕の動きを一つの鍵盤で試すことができる
 「左右合体型鍵盤」について考えて見ようと思います。》

第620号(No.620) 2022/6/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(4)昔の楽器」
2022.6.4
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)
楽器における左利きの世界(4)昔の楽器-週刊ヒッキイ第620号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/06/post-a16d77.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/e39a907352de2803051e12b4d7997497
《前回は、左右の手・腕の動きを一つの鍵盤で試すことができる
 「左右合体型鍵盤」について考えてみました。
 今回は、一部その続きと、昔の楽器には左右の別がなかった、
 というお話を。》

第622号(No.622) 2022/7/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(5)フルート演奏の右左」
2022.7.2
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)
楽器における左利きの世界(5)フルート-週刊ヒッキイ第622号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/07/post-b263b7.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/c06787b185285b3af78e0ba00c07abfc
《前回に引き続き、フルートのお話を。
 今回は、思うようにお勉強が進んでいないので、
 以前見つけたサイトの記事から、フルート演奏の右左について。》

第627号(No.627) 2022/10/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(6)左利きは楽器演奏に不利か?」
2022.10.1
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)楽器における左利きの世界(6)不利な楽器-週刊ヒッキイ第627号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/10/post-6d2221.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7142edd7f782a8478966aa6006f16d06
《思うほど「左利きと楽器演奏」についての先行研究といったものが
 見つけられず、悪戦苦闘しているというところです。(略)
 今回は、ネットで拾った情報からひとつ取り上げてみます。》

第629号(No.629) 2022/11/5
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(7)ギター講師の意見 」
2022.11.5
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)
楽器における左利きの世界(7)ギター講師の意見-週刊ヒッキイ第629号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/11/post-044348.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/801461827eaef5ba210c119da48fd743
《今回も、ネットのサイトにあったご意見を紹介します。
 右利きの方のご意見なのですが、
 私と同じ考えで、私の納得のいくご意見でした。》

第631号(No.631) 2022/12/3
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(8)利き手と非利き手の役割 」
2022.12.3
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)楽器における左利きの世界(8)利き手の役割-週刊ヒッキイ第631号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/12/post-a25936.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/c81018b1d59dc648cf8da15566740dc2
《今回も引き続き、
 ネットで見たギター演奏に関するご意見を紹介します。》

第633号(No.633) 2023/1/7
「2023年新春左利き放談――左利きと音楽(楽器演奏)」
2023.1.7
2023年新春左利き放談――左利きと音楽(楽器演奏)
-週刊ヒッキイ第633号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/01/post-454008.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ee741c977468f232b03aeffc7850f456
《左利き楽器演奏:左右平等理想社会の指標として》

第635号(No.635) 2023/2/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(9)利き手と非利き手の役割について」
2023.2.4
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)
楽器における左利きの世界(9)利き手と非利き手-週刊ヒッキイ第635号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/02/post-c8e73c.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/431a52b05a1016b1f10cbf13ce2a994f
《今回は、以前から説明しようと考えながらそのままになっていました
 利き手と非利き手の役割について改めて考えて見ましょう。》

第637号(No.637) 2023/3/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(10)左利きのチェリスト」
2023.3.4
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)
楽器における左利きの世界(10)左利きのチェリスト-週刊ヒッキイ第637号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/03/post-c6328f.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/8cb7798f8f196e2f5d386755fb96f5f2
《今回は、ネットから拾った左利きのチェリストを紹介しましょう。》

第639号(No.639) 2023/4/1 x4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(11)広瀬正『鏡の国のアリス』より」
2023.4.1
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)楽器における左利きの世界(11)広瀬正『鏡の国のアリス』より
-週刊ヒッキイ第639号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/04/post-bd12d8.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/da5e6246a452d429fefd7456233ff4a5
《今回は、この世界とは異なり左右が逆転した<左利きの世界>を描く
 広瀬正のSF『鏡の国のアリス』からその主人公を取り上げます。》

第641号(No.641) 2023/5/6
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(12)ピアノって右利き用…」
2023.5.6
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)
楽器における左利きの世界(12)ピアノって右利き用…
-週刊ヒッキイ第641号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/05/post-707e4b.html

《今回は、GWのおしまいでもありますので、
 最近始めた、初心者・独学者向けのピアノ練習や
 楽譜の読み方など音楽の基礎的なお勉強に関する
 YouTube動画の鑑賞について、その感想といいますか、
 やっぱり現状のピアノは右利き向けなんだ、
 と思ったことなどについて...》

第643号(No.643) 2023/6/3
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(13)キーボード演奏での指使い」
2023.6.3
[左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)]
楽器における左利きの世界(13)キーボード演奏での指使い
-週刊ヒッキイ第643号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/06/post-5691ca.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/12dd668304395546320d2e53f4c38893
《『初心者の為のキーボード講座 ゼロから始められるあんしん入門書』
 (自由現代社 2022.8.30)
 を読んでちょっと試してみたこと、思ったことなど...》

第645号(No.645) 2023/7/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(14)
『左対右 きき手大研究』から<音楽の才能と左利き>」
2023.7.1
[左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)]
楽器における左利きの世界(14)<音楽の才能と左利き>
-週刊ヒッキイ第645号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/07/post-57fd25.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/e0f6bb3c4229bde94ec6c0b2862afd9b
《今回は、前回のおわりに紹介した八田武志さんの著者
 『左対右 きき手大研究』にあった「音楽の才能と左利き」の項目を
 もう少し紹介してみよう...》

第648号(No.648) 2023/9/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(15)
 左利きの知らない 鍵盤ハーモニカの世界」
2023.9.2
[左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)]
楽器における左利きの世界(15)鍵盤ハーモニカの世界(1)
-週刊ヒッキイ第648号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/09/post-e4540c.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/b48069538edf0c84d684ff6fd4aa2b8a
《今回は、再び<左用ピアノ>への第一歩として、
 鍵盤ハーモニカについて勉強してみよう...》
『鍵盤ハーモニカの本』南川朱生(ピアノニマス)から

第652号(No.652) 2023/11/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(16)
 左利きの知らない 鍵盤ハーモニカの世界(2)」
2023.11.4
[左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)]
楽器における左利きの世界(16)鍵盤ハーモニカの世界(2)
-週刊ヒッキイ第652号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/11/post-4f8030.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/5abfe073615fa9926465d8b75bf9f3e8
《過去のメルマガで左利きと鍵盤ハーモニカ始め楽器を
 どう扱ってきたのか、その辺を振り返って...》

第654号(No.654) 2023/12/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(17)
 大路直哉著『左利きの言い分』の音楽家たちについて」
2023.12.2
[左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)]
楽器における左利きの世界(17)『左利きの言い分』の音楽家
-週刊ヒッキイ第654号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/12/post-ae5d74.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/be026931242af6380336a9c53468744f
《9月に出版された大路直哉さんの著書『左利きの言い分』から、
 「第5章 左利きの才人、偉人たち」の音楽家たちについて
 思うところを...》坂本龍一他

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本誌では、「2024年新春左利き放談―左利き楽器演奏:左右平等理想社会の指標として(その2)」と題して、今回も全紹介です。

弊誌も足かけ20年となります。
本誌でも書きましたが、過ぎてみればアッという間ではありますが、思い返せば色々とありました。
ここ一二年は、第一土曜日発行分では左利きと音楽、楽器について考えてきました。
左利きが容認されるようになり、左利き用品も少しずつでも普及してきました。
しかし、その大半は、まだまだ最低限度の生活必需品に限られています。
嗜好品と言いますか、楽器の類いはまだまだ未開発の領域です。

実際には、楽器などは“心の生活必需品”とでもいうべきものであり、もっと注目されるべきものであるはずなのですけれど……。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
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〈左利きメルマガ〉カテゴリ

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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載

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