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楽器における左利きの世界(25)左利き用楽器の可能性は?-週刊ヒッキイ第672号

2024-10-11 | 左利き
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)
【別冊 編集後記】

第672号(Vol.20 no.17/No.672) 2024/10/5
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(25)
 なぜ左利き用楽器はギターぐらいなのか?」



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  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第672号(Vol.20 no.17/No.672) 2024/10/5
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(25)
 なぜ左利き用楽器はギターぐらいなのか?」
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 このシリーズ「楽器における左利きの世界」も25回目になります。
 早いものです。
 目標は高く、ということでやって来ましたが、
 まったく近づいている感じがありません。

 どこを糸口にすればいいのかわからないままに、続けてきました。
 まあ、そのうち何かぼんやりとでも光が見えてくればいいなあ、
 というところです。

 で今回は、どうして左利き用の楽器があるのはギターぐらいなのか、
 ということで……。

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 ◆ <めざせ!実現!!左用ピアノ!!!>プロジェクト ◆

 {左利きの人は左利き用の楽器で演奏しよう!}

- 「左利きに優しい社会」づくりは左用楽器の普及から! -

 左利きと楽器演奏について考える

   なぜ左利き用楽器はギターぐらいなのか?
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 ●左利き用楽器はギターぐらい?

前回までは、ヴァイオリンについて左弾き用がないのはなぜか、
について考えてきました。

結論として、ヨーロッパ社会は左利きを認めない社会であり、
楽器の演奏においても左利きは否定されてきたため、
左利き用の楽器は存在しなかった、ということになります。


『左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛』
ピエール=ミシェル・ベルトラン/著 久保田 剛史/訳 白水社 2024/6/27


という本によりますと――

ヨーロッパ社会においても、
昔は左利きに対して特別な意識はありませんでした。
ごく自然に右手も左手も使う、右手を使う人も左手を使う人もいる、
という状況でした。

社会の進歩発展の過程で、様々な道具が用いられるようになるとともに、
上流社会を中心に食事の際にフォークを右手で使う、
書字に際しても右手を用いる、といった右利きを想定した規範が生まれ、
学校制度の普及とともに、中流以下の階層にも広まってゆきました。
それとともに、左利きが否定され、反社会的な存在、
悪者扱いとされるようになりました。


ヨーロッパの芸術音楽の世界は、
上流社会で親しまれ発展したものでした。
その社会は右利きを規範とする社会で、
左利きは社会的に認められない存在だったので、
楽器の演奏においても、左弾きなどは邪道であり、
社会的に認められなかったわけです。

そういう上流社会の芸術音楽が、
しだいに中流以下の階層にも影響を及ぼし、
それまでは存在していたであろう一般庶民のあいだでも、
左利きの演奏が否定されるようになってゆき、
楽器類も右利きのみになっていった、と考えられます。

現在、左利き用の楽器として知られているものといいますと、
ギターの類いぐらいですね。

左利き用ギターの販売で有名な
「谷口楽器」https://taniguchi-gakki.jp/
には、
<レフティギター/ベース、アコーディオン、ハーモニカ専門店>
とあります。
もちろん鍵盤ハーモニカも取り扱い品目に入っています。

この企画では鍵盤ハーモニカについても書いてきました。
まさにこの企画にはピッタリなお店だといえそうです。

人見知りを捨てて、改めて連絡を取り、助言をいただくべきでしょうね。


(画像:谷口楽器のサイトより、レフティギターのタイトル・バナー)


 ●左利き演奏が許される楽器の条件

今回は、先に書きました<なぜ左利き用楽器はギターぐらいなのか?>
について考えてみましょう。


簡単に結論を書いてしまいますと――

前回も書きましたように、

--
左利きが否定される社会にあって、
「左利きですから左弾きで」
などという発言は認められるはずがありません。

「左利きは悪」だったのです。
左利きは直すべき悪習、悪癖だったのです!

ヴァイオリンの生まれたヨーロッパに於いても、です。

ヨーロッパ社会での
ヴァイオリン演奏で右弾きしか認められなかったのは、
ヨーロッパ社会では、古くから左利きは否定されていたから、です。
--

ヨーロッパのオーケストラのような芸術音楽においては、
左利きですから左利き演奏で、という考えは認められなかったわけです。

オーケストラなどで演奏される楽器はみな、
右利き演奏しか認められなかった、というのが本当のところでしょう。

もし左利き演奏が許される楽器があるとすれば、

 (1)オーケストラでは利用されない楽器

で、かつ

 (2)構造的に左右対称形であること

これが条件と考えられます。


 ●オーケストラで使われる楽器

この条件を満たす楽器にどういうものがあるのか。

私は音楽の知識がほぼゼロなので、
オーケストラで使われる楽器にどんなものがあるのか、
改めて調べてみましょう。


【オーケストラで使われる楽器は何?】楽器の特徴とステージ上の配置
2024年9月14日 ガクオンBlog 特集記事
https://blog.gakuon.jp/orchestra-instrument/#st-toc-h-3

によりますと――

・弦楽器
高い順から、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス

・木管楽器
フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット

・金管楽器
ホルン、トランペット、トロンボーン、チューバ

・打楽器
ティンパニ、シロフォン・マリンバ、スネアドラム

・編入楽器
《演奏する曲目によって、必要な時のみ登場する楽器》
《その楽器にしか出せない音色や特徴がある》
サクソフォン、ハープ、ピアノ


(画像:オーケストラの楽器とその配置――ネット記事「【オーケストラで使われる楽器は何?】楽器の特徴とステージ上の配置/2024年9月14日 ガクオンBlog 特集記事」より)

これらの楽器は、やはり左利き用を期待するのは、難しいようです。
現状ではそもそもの発想の中に左利き用の楽器というものがありません。

そのなかで打楽器は、両手にバチを持って叩くので、
利き手の違いはあまり気にならないように思われます。
実際はどうか存じませんが、これは左利き用といいますか、
左利きにもチャンス(?)がある楽器なのかも知れません。

木管楽器は、このシリーズの初期に紹介しました、
フルートを吹く少年の絵にもありましたように、
昔は木管でどっち構えでも吹けるものだったようです。
今ではそうともいえないようですけれど。


 ●左利き用が期待できる楽器

というわけで、左利き用が期待できる楽器は、
オーケストラ的な芸術音楽のメインになる楽器ではなく、
民族楽器的なものになってきそうです。
一般庶民が気軽に手にして、日々の生活の中で演奏するような楽器。

ギターがそういう楽器なのかどうかは、
私は楽器にくわしくありませんので、よくわかりません。

雰囲気的にはそんな感じがします。

まあ、その辺は改めて調べ直すとして、
先に挙げました条件から、その(2)構造的に左右対称形であること
という点では、ギターは満たしているように思います。

ヴァイオリンのように複雑な構造を持たず、
わりにフラットな作りになっているように見受けられます。

単純に弦を張り替えれば、左用になる、ような。

作りやすい、可能性のある楽器――それがギターであり、
一般に広く親しまれている楽器でもあり、そういう点からも、
左利き用が生まれる余地のある楽器だったのかも知れません。

 ・・・

今回は簡単ですが、この辺で。

次回からは、また個別に色々な楽器について、
その左利き用の可能性を調べていこうか、と思います。

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本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(25)なぜ左利き用楽器はギターぐらいなのか?」と題して、今回も全紹介です。

今回は、正直どうしようかという迷いの中で書いてきました。
本来なら、一直線に左利き用の楽器作りのためにがむしゃらに突き進む、
という方法が一番なのですが、
具体的にどこからスタートするのがいいのか、わかりません。

もちろんメーカーさんに問い合わせるのが一番でしょう。

でも、もう一つよくわからない、というのが本当のところです。
もうちょっと色々調べて、具体的な話を進められるだけの知識を
身につけておく必要があるように感じています。

――というところでしょうか。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
楽器における左利きの世界(25)左利き用楽器の可能性は?-週刊ヒッキイ第672号
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