リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

2010年3月~その2

2010年03月31日 | 昔語り(2006~2013)
ホワイトデーと女のメイク

3月16日。目覚まし、午前9時25分。ん、なんで25分なんて半端な時間なんだろう。起きて、着替えだけして、ベースメントのソファで寝なおし。ごみ収集日でトラックが通るから、ぐっすりというわけにはいかないけど、しばしうとうと。ロウルが登場したのは10時を少し過ぎた頃。見習いのニール君を連れて来た。いやもう「紅顔の美少年」って感じのかわいい坊や(といっても18才くらいだろうけど)。そっか、照明器具は取り替えるだけの簡単な作業だから、助手がやっている間に、ロウルはバスルームの諸々の制御装置の方のめんどうを見るという寸法。たくさんある箱をこれはここ、これはあっちと仕分けして、作業開始。

バスルームの鏡の両側に取り付けるスコンスはカレシが気に入ったと選んだクリーンなデザインの代替品がことのほかぴったり。ドアを開けるとモーションセンサーがこのライトをオンにしてくれて、そのまま出て来てもちゃんと消してくれるから、カレシ得意の消し忘れがなくなる。天井のライトはシャワーの内外で別々のスイッチ。隣り合わせのところへして、換気扇のスイッチもその隣だから、並んでいるスイッチをいつもよく見ないで間違った方を入れてしまうカレシには楽しみかも。細かな文字の説明書がたくさんあって、今夜は「読書三昧」かなあ。

作業が進んでいる間、仕事は休みということにして、だらだらと小町横町の散歩。ホワイトデーとかいうヘンな日の悲喜こもごも?はおかしいのか、呆れるのか。日本の人はどうしてあんなに「おかえし」にこだわって苦悶するんだろうなと思うんだけど、特にマニュアル的な「マナー」にこだわる人には無視できない社会習慣なんだろうな。お返しの「常識」にこだわりすぎると、もらったうれしさも、くれた人の好意も台無しじゃないのかなあ。でも、「価値観」の価値は小町社会ではきちんと細かく目盛りがついているものさしで計れる価値、つまりは「お金」ということになっているような感があって、人の好意も愛情もそういうものさしで計られるらしい。そういう意味でホワイトデーの「おかえし」のトピックには興味があったけど、「決算報告」を載せている人がいるから仰天。

バレンタインであげたチョコの数14個で総額8650円(最高3600円、最低200円)、ホワイトデーでもらったプレゼント数は8個で推定総額4万2千円(最高2万5千円、彼氏は1万円。最低500円はコンビニのクッキー(怒)だそうな)。投資金額1円あたりのリターンは約5倍。きゃはは、株式や外国為替なんかに投資するよりよっぽどもうかるじゃないの!いっそのこと隔月とか隔週でバレンタインとホワイトデーをやってもらいたいくらいだよねえ。2万5千円も返してきた人は310円のチョコをもらったらしい。彼氏の2倍以上で、しかも彼女のお気に入りブランドのアクセサリーって、ふむ、もらったチョコの値踏みを間違えたのか、それともこの29才女子に気があるのか、ちょっとしたドラマが書けそうだなあ。日本の男は全体的にケチになったと言いながら、彼女は「愛され度アップ」とご機嫌らしい。欧米ではもっとましな割合になるかと想像しているようだけど、残念ながら欧米にはホワイトデーなんてものはございませんのよ。元から日本式のバレンタインデーがないもので・・・。

すごい数の書き込みで女の激論が戦わされているのが『ノーメイク。。。ものすごい嫌悪感』というトピック。30過ぎてメイクをしていない人のシミだらけの肌を見せられると嫌悪感を感じてしまうんだそうな。他人がメイクしていないからって嫌悪感とは、この人も感覚器官肥大症なのか、単なる「他人嫌い」なのか。だけど、ピッチを3段くらい上げたような声で、化粧は女のマナーだとか、身だしなみだとか、シミや老けた肌は汚いとか、盛り上がりっぱなしだからすごい。しまいにはメイク派もノーメイク派もお互いに相手を「性格悪い」(掲示板などでよく見るこの表現は反論に詰まって旗色が悪くなった方が持ち出してくる、いわば「いたちの最後っ屁」のような常套句らしい)。メイクしていない女性には「女の魅力を感じない」と言う意見まで登場。あの~、女が女に女の魅力を感じるって微妙に解釈されそうな表現だと思うんだけど。まあ、にぎやかな女の戦いを読んでいたら、スノボでファッション騒動を起こした国母クンの「ちっ、うるせえな~」というつぶやきが聞こえたような。ほんっとにうるさいよねえ、おばちゃんたちったら。

さて、ほぼ家中の照明器具を新しくしたら見違えるくらい明るくなって、シミもしわもそばかすも何もかもばっちり見えて(見せて)しまいそうだな。だけど、だからといって白塗りするのもなあ、人間の顔は壁じゃないんだから・・・。

世の中は便利になり過ぎかも

3月17日。水曜日。ぽかぽかの陽気。今日はセントパトリックスデイ。パレードはアメリカのニューヨークが元祖だそうだけど、今では世界中の人が一日アイリッシュになる。アイルランドは緑の島。国花のシャムロックも緑。だから、この日のカラーは緑色。シカゴではシカゴ川に染料を流して緑色に染めるのが恒例で、パブでは緑色のビールが登場したりする。まあ、緑色のビールって、想像しただけでええ?と思うけど、飲みすぎて二日酔いになったら顔も緑色になってしまうからなあ。具合が悪いときなど、日本語では「青ざめた顔」になるんだけど、英語的には「緑ざめた顔」になってしまうわけで、日本語と英語の間の「青」と「緑」の感覚的ギャップがこんなところにも出て来る。

朝食の最中に注文してあったサーマル手袋が届いた。Thermoskinというブランドで、一緒に入っていたパンフを開いてみたら、首から肩、腰、足の先まで、体中のあらゆる関節用のデザインがある。指先は爪から先が出るようになって外側は伸び縮みするナイロン/ゴム系の素材で保温作用と軽い圧迫作用があって、内側は吸湿性・通気性の素材で汗をかかないようになっている。なかなかごつくて、初めはキーを打つのにちょっと邪魔だったけど、すぐに慣れて来た。ただし、小指だけは元から短いもので手袋をすると先まで隠れてしまうから、はさみで少し切り落として調節した。

今日はクリーニングデイでシーラとヴァルがワンちゃんのレクシーをお供に到着。私たちが日本に言っている間泊り込みで留守番をしてくれるシーラは、照明のスイッチがないのにちょっと面食らったけど、温まっているシャワーのベンチに座ってみて、「うわ~いい気持~」とご機嫌。そこへマイクから予告があって、ほどなくしてフレッドがシャワーのガラス壁を取り付けに来た。ほんとうに1センチも厚さがあって、何となく高級ホテルのシャワーのような雰囲気に見える。このガラスをタイルに埋め込んだクリップにはめ込んで立てて、クリップのねじを締めて、今日の作業は終わり。スイングするドアの寸法を念入りに測って帰って行った。キャビネットも週末までには完成らしいから、もうあとほんのひと息だな。キャビネットと鏡と三角棚が入って、シンクと蛇口が入って、シャワードアが入ったらいよいよ新しいバスルームが完成かあ。なんだかどきどき・・・。

家の中が忙しい間、きのうガレージのドアの脇に新しくつけてもらった照明のセンサーのセッティングをチェック。やたらと勝手に点いたり消えたりするのは、ロウルが「テスト」モードになったままなのを忘れて帰ってしまったためらしい。脚立を立てかけて、ねじを外してカバーを開けてみたら、ほんとにモーションセンサーは「テスト」に設定してある。っとに、もう。でも、ロウルもきのうは残業だったもんね。ま、これくらいのことならワタシにだってできるからいいけど。センサーが動きを感知してからの点灯時間を「20分」にセットして、裏庭は夜の間中ずっと照明しなくてもいいから「ノーマル」モードにセットして、カバーを取り付けて終わり。簡単、簡単。これで夜に買い物から帰って来て荷物を運び入れるのに、ガレージから出たところで自動的にポッと明かりが点く。迷路みたいな裏庭で足元を照らしてくれるから、安全性もぐんと向上。

センサーひとつでいろんなスイッチをオンにしたり、オフにしたりできるから、もう手を使わなくてもいいってことかなあ。うん、便利になったもんだと思うけど、ひょっとしたら便利すぎるかも・・・。

人間が多すぎるのかな

3月18日。いい天気。公式の春初日(春分の日)はもうすぐだけど、現実にはもう2月からずっと春だし、今週はもう夏時間だし、こっちは別に祝日でも何でもないから、どうでもいいかな。家の外の桜並木はもうほとんど葉桜になって、今度はライラックが色づいて来たところ。でも、3月にライラック開花って、いくらバンクーバーでもやっぱりちょっとおかしい。

何でも30年に一度というくらいの異常気象で、元凶は「北極振動」だという話。この冬はマイナスになったらしい。そういえばだいぶ前に訳した「極渦」に関する論文にも北極振動の話があったな。(地球のてっぺんに竜巻のように巻き起こった渦がふらふらと動いて行く漫画っぽいイメージがあったけど。)朝日新聞に載っていた解説の図を見たら、あらら、偏西風が(エルニーニョの影響で)バンクーバーのあたりでだけぐいっと北へ蛇行して、さして緯度の変わらないヨーロッパの地域は寒波と大雪なのに、ここだけは暖冬。なんだか申し訳ないみたいな気もするけど、冬のオリンピックをやる年に開催地だけ暖冬って、マザーネイチャーは人間を皮肉っているつもりかなあ。

そのオリンピック、今日はパラリンピックのスレッジホッケーで優勝候補のカナダが日本にまさかの敗戦。男女スレッジとホッケー3種目金メダル独占のもくろみが外れてしまった。日本チームの監督さんが言ったそうな、「カナダと千回試合をしたら999回は負ける。今日はその1回じゃなかった」と。決勝はカナダの宿敵の強豪アメリカと対戦だけど、金メダルを取れるといいな。瑕疵のない「完璧」が要求される(らしい)、まだ決して障害者に優しい社会とは言えない国で、特殊な用具や練習場所を確保するのだって大変だろうと想像するけど、「何をもって完璧」とするのかを考えさせる機会になれば、金でも銀でもメダルはぐんと重みを増すと思うな。いつかオリンピックとパラリンピックが統合されればもっといいなあ。がんばれよ、ニッポン!

カナダ統計局がおもしろい予測を発表した。2031年までにカナダの人口の4人に1人が外国生まれで、勤労世代のやっと半分がカナダに少なくとも三世代済み続けた家族になるという。同じデータからは、メトロバンクーバーのいわゆる「ビジブルマイノリティ(先住民と白人以外の人)」があと数年で「ビジブルマジョリティ」、つまり多数派になるという予測も出ていた。その中の大多数はもちろん中国系で、インド系を初めとするアジア系が続くけど、日系人がどれほどの比重を占めるようになるのかはわからない。あんがい「あそこはアジア人だらけ」といってカナダを避けるようになるのかなあ。(今だって中国人や韓国人が多すぎるという文句はけっこう多いけど。)いずれにしても、未来の新しいカナダは名実ともに「太平洋の国」になるってことか。ヨーロッパから北アメリカへと経済の中心が西へ移動して来た後の次の行く先はアジアだから、21世紀は「アジアの時代」になるんだろうと思う。それでまただんだんに西へ移って行って、200年か300年もしたら今度は「ヨーロッパの時代」かもしれないな。それまで人類がこの地球上にいればの話だけど。

スシが食べられなくなる!とひと騒ぎしたクロマグロは結局取引禁止にはならなかったようで、世界の漁獲量の80%を平らげる日本の人はひと安心だろうな。クロマグロはスシやステーキとして食べたことがあるけど、なぜかあんまり感動しなかった。キハダの方がいいけど、ワタシとしてはビンナガが一番好きだな。トンボマグロとも言われるから親近感があるってわけじゃなくて、とにかく一番口に合うから好きなんだけど。ただし、トロは脂っこすぎて魚のおいしさがあんまりないようで苦手かな。でも、東京へ行ったら築地でクロマグロのスシを食べてみようかなあ。高いだろうなあ、きっと。まあ、ビンナガにしてもストックは減っているそうだから、いずれはクロマグロと同じように保護するかどうかでもめるようになるんだろうけど。

ふむ、どうも人間のおかげで、地球の生物の未来はあぶなっかしいなあ。かといって、人間も地球上の生物だからどこかへ行ってしまうわけにはいかない。人間だけは絶滅しないとは言えないとしても、やっぱりマグロが少なすぎるというよりも人間が多すぎるのかなあ。そうはいっても、ワタシも人間のひとりだし、魚は大好きだし・・・

冬の最後の日

3月19日。暦の上では「冬」の最後の日。朝早くから電話が鳴っていて目が覚めたけど、いつものように「こんな時間に誰だ~」とむにゃむにゃ。ところがカレシがむっくり起き上がって、「誰か来ている」。ん?たしかに、ピンポ~ン。「マイクがキャビネットが来るって言ってたんだ」と、あわてて起き出して行った。朝から来ると言うメールは来てなかったけどなあと、寝ぼけた頭で考えつつ起きたところでまた電話。マイクが「おはよ~」。玄関先では人の声がしている。午前10時少し前・・・。

トッドは段ボールに包んだキャビネットと、三角棚を運び入れて、取り付け担当のウェインを残して次の配達先へ行ってしまった。ウェインが包装を外すと、おお、ちょっとワインレッドが入ったおしゃれな色合い。給水管2本と排水管を通す位置を確かめて、ドリルで穴を開ける。素材はカエデなんだそうな。こっちは盛大な爆音を聞きながら朝食。トイレの後のコーナーに三角棚を取り付けるのに、玄関先に電動鋸の台を据え付けての作業。天気はすごくいいけど、開け放した玄関から入って来る空気はひんやりと冷たい。三段の棚をねじで止めて、てっぺんのクラウンと縁取りのストリップをつけて、1時間ほどで作業は完了。キャビネットのドアのノブを買ってこなくちゃ・・・。

マイクが登場したのはキャビネットが所定の位置に納まった頃。「カウンターはどうする?ラミネートにする?みかげ石にする?」 う~ん、ここまで「高級感」が出ちゃってはラミネートはないだろうなあ。みかげ石の方がタイルの雰囲気とマッチするしなあ。高くつくけど。ということで、明日サンプルのタイルをもってみかげ石のシートを選びに行くことになった。キャビネットのサイズとシンクを据え付ける穴のサイズを測ってからの切り出し作業で、また1週間くらいかかるらしい。ふむ、結局「竣工」は月末ぎりぎりになるのかなあ。まあ、一応はトイレとして機能しているからいいけど・・・。

お昼前に全部終わって、静かな午後。いつのまにか4件も団子になって、ぎゅっと詰まりそうな様相になって来た仕事に取りかかる・・・つもりにはなるんだけど、この2、3日はすごく疲れた気分でなかなかエンジンがかからない。取り替える照明器具を揃えないと、床暖房を含めた電気工事がいつまでたっても「完」にならないのに、選定作業を徹夜しながらのぎゅうぎゅう詰めの仕事の合間にやるしかなかったからスムーズに運ばなくて、知らないうちにかなりのストレスになっていたらしい。それが解決して、1日でわっと全部作業が完了したもので、きっと一気に緊張が緩んだんだろうな。その夜はめずらしく夕食後に眠ってしまったりして、ちょっとここのところぼや~んとした気分・・・。

生活している傍らでの改装工事は、終わり近くなって設備などの取り付けや仕上げの作業になるあたりが、期待感の高まりもあって一番ストレスになる時期。我が家はもうこれで5回目か6回目の改装だから勝手がわかっていているはずなんだけど、やっぱりストレスになる。でも、今回はカレシが遅々とした進行や家の中に置きっ放しの資材に癇癪を起こしてぶっち切れることがなくて、今までで一番楽だったな。よく辛抱してくれたと思う。ありがとね。もうあと10日ほどだからね。さて、ねじを締めて、仕事にかからないと、また徹夜モードになってしまう。明日からは公式に春・・・

春初日は春ぼけ三昧

3月20日。今日は公式に春の初日。公式といっても、どういう意味なのか良くわからないけど、北米では春分の日をもって「春」が始まることになっている。同様に、夏至が夏の始まりだし、当然、秋は秋分の日、冬は冬至に始まるわけだけど、実際の季節とはかなりずれている。たとえば、これからどんどん昼が長くなって明るい時間が増えるから気分も軽くなるという意味では、冬至の方が春の始まりにふさわしいように思うけど、実際には冬至の頃に春の気配が始まるなんてことはないな。それでも、ニュースの第一声は「今日から春です」。はあ、もう2ヵ月も春なんだけど。もっとも、バンクーバーには四季なんてない、あるのは「乾期」と「雨期」だけという人もいて、長く住んでいるとあんがいそっちの方が実感があるような気もするなあ。

正午少し前に起きて、カレシが石屋のカルヴィンと午後2時半に会うアポを取ってから、朝食。一応いろんな寸法を測って、シンクの穴のテンプレートを用意して、デジカメでキャビネットの周囲の写真を撮って、いざ出かけてみたら肝心のタイルのサンプルを忘れて来てしまった。やれやれ。でも、どっちみち正確な寸法を測りに来るそうだから、とりあえずカレシが気に入ったという青系統の黒っぽい石の見本を借りて来た。実際の証明の下で置いて見て、壁の色には合うけれど、カレシがタイルの色と付き合わせて、もっと明るい色調の方がいいという。ま、カレシが一番よく使うバスルームなんだし、まだ鏡の調達もあるんだしということで、この部分はカレシにげたを預けてしまった。ワタシは仕事に追いまくられながらここまでプロジェクトマネジャーをやって来たんだから。癇癪を起こさないでいるのだけが「参画」じゃあないんだからして・・・。

やれやれ、これで仕事に集中できると思ったら、「ディナーの予約を入れといた」とすごい事後報告。おいおい、ディナーに行こうかって話をしたのは覚えているけど。ま、久しぶりにPastisに行くと言うから、ま、いっか。というわけで、またも仕事への「専念」を中断して、おでかけ。ところが、車を止めて降りたところで、「財布がない」。えっ、どこかで落としたの?眉間にしわを寄せてう~んと考えて、「ポケットに入れるのを忘れた」。なあ~んだ。ワタシもカードを持っているからいいけど、憧れのオンナノコとの初デートじゃなくてよかったね。せっかくのロマンスも一発で吹っ飛んじゃうよねえ。

手始めにピコンとクロネンブール。(そういえば、日本でピコンを調達するんだった。通販で売っているから買っておいてもらおうか・・・。)カレシはキッシュとマグロ。ワイン通で有名なオーナーがフランスはロワール地方、Vouvray産のシェナンブランを推薦。ワタシはフォアグラと鴨にして、ピノノワール。フォアグラには定番のソーテルヌを小さいグラスに少し。デザートはもちろん焼きたてあつあつのプチマドレーヌ。Pastisでのディナーはこれがお目当て。指で摘んで口に入れていたら、かる~く100個は食べてしまいそうなくらいにおいしい。ああああ、ストレスも何も吹っ飛んでしまうくらいにおいしくてしあわせ・・・。

帰り道、財布を忘れてきたカレシは運転免許証も持っていないから、「おまわりさんの注意を引くような運転はしちゃダメ」と釘を刺されて、慎重運転。ずっと前にあったでしょ、ちょっと危ない右折をして止められたら、シートベルトもしていなくて、おまけに免許証も家に置いて来ていたもので、「危ない右折」は注意だけにしとくけど、といって、(高い罰金のつく)シートベルト不装着と免許証不所持で違反切符を切られたこと。いつもの横道運転をやっていたら、パラリンピックのカーリング会場の交通規制に出会ってしまったけど、とにかく今日は文句を言わずにまじめにのろのろと慎重運転。あはは、忘れものには気をつけなくちゃね(二人とも)。今日はなんだか久しぶりに「普通の土曜日」だった感じがするなあ。

似て非なる似たもの同士

3月22日。月曜日。あっというまに3月も下旬。足が早すぎるよ、時間。ちょっとは止まってひと息入れて欲しい。というわけにもいかないから、カレンダーを見てため息をつくだけにしておくけど、やっぱり時間が経つのが早すぎていけないな。

土曜日にお出かけした分を取り戻そうと、きのうは1日猛烈な勢いでがんばった。がんばりすぎて、明日の夕方が期限の分まで終わってしまった。とりあえず今日が期限の分を見直しして納品。続けて明日の分も見直しをして今日中に納品できることになった。クライアントは喜ぶし、ワタシも次にまた納期がきつい仕事が待ち構えているからうれしい。がんばってぶっ飛ばして、予定通りに納品したら、どうしてもとねじ込まれた仕事のある週末まで、3日間は「架空の仕事」。たまにはそんな案件でもでっち上げないと「24時間戦わにゃ~」状態になってしまうことがある。「24時間戦えますか」なんていわれても、こっちも人間なんだから・・・。

カウンターの調達を任せられたカレシ、メールで見積もりをもらって、電話して、ボイスメールに価格はOKだけど借りたサンプルは合わなかったから選び直しをしたいとメッセージを残したまではよかった。だけど、今日は何も返事がなかったもので、さっそくご機嫌ななめの様子。「トイレは使えるんだし、シャワーさえ使えるようになれば、後はいくら遅れたってオレはどうってことないよ」とか何とかぶつぶつ言っている。やれやれ、いつもながらの「今すぐ主義」のカレシだなあ。すぐに返事が欲しいならこっちからプッシュすればいいものを、それはやりたくない。自分ではそういうことをやりたくないから、ぶつぶつ、ぐちぐちと文句を言って、何とかしてワタシが「じゃあ、電話してみるね」と言い出す方向にもって行こうとする。その手はもうわかってるから通じないんだけどなあ。

カレシの言動を見ていると、ふっとよく「なんだか心理的に日本人っぽい多い人だなあ」と思い当たることが多い。日本人っぽいというよりは、日本人に多い性格と共通する点が多いということだと思うんだけど、オンナノコたちとの火遊びに走るまではそんな風に感じたことがなかったのは、カレシを日本人と比べてみたことがなかったからかもしれない。だって、日本人じゃないってことは当然最初からわかっていたし、日本じゃないから何もかも違うんだと最初から納得して来たわけだし・・・まあ、あの頃は日本と便利につながっていられない時代だったから、みんなそんな風に納得して来たんだろうと思うけど。だから、長い間この人はこういう人なんだと思っていた。よく考えてみると、最初のうちは「何もかもが違う」のに慣れることにエネルギーをつぎ込んでいて「この人ってどうしてこうなの?」と考える余裕がなかったのかもしれないし、あるいは、あんまり日本人っぽいせいで「外国人」という実感がわかないままだったのかもしれない。

それが長い間に「何もかもあたりまえ」になってから、ある日突然カレシがそれまで特に考えることがなくなっていた日本や日本人を二人の生活空間に持ち込んで来たもので、改めて「誰なの?」という目で見るようになったんだろうな。そうしたら、何となく鬱っぽいところ、他人やものごとに対して否定的なところ、自分に自信がないところ、だけどプライドは高いところ、他力本願的なところ、待つことができないところ、何となく子供っぽいところ、何となくオタクっぽいところ・・・新聞や掲示板やその他の日本のメディアを通して見る「日本人」、ワタシと(数は少ないけど)親しく交流のある日本人とはかなり違った、たぶん「一億総何とか」の方の日本人に似ているなあと思えてきた。

だからといって、あの時にカレシを日本に行かせてあげていたら、今頃は日本人らしい日本人妻をもって幸せになっていたかというと、それはないだろうなあ。「日本なんか嫌いだ。日本人は~だから嫌いだ」と毎日ネガティブなオーラを出しまくっているんじゃないかと思う。所詮カレシは日本人じゃないし、日本人の心を持っているわけでもない。たまたま一般的に日本人に「多い」性格を持ち合わせているということだけだから、あくまでも「外国人」の日本ではもっと生きにくかっただろうと思うなあ。まあ、カレシはあくまでもカレシという人間なんだから、そのつもりで向き合って行けば、ワタシとしてはそれでいいんだけど。

女ってすることが多すぎる

3月23日。火曜日。少し早めに目が覚めたから、即起き出して、朝食を済ませて、「架空の仕事」に入る?前のひと仕事にとりかかる。期限は午前7時。ま、ぶっ飛ばせば午前2時には済みそうな感じだけど。

カレシは英語教室の教材作り。マイクから電話がかかって、カウンター選びはどんな状況かと聞いているようで、カレシはさっそく「連絡がない。困っている。何とかならないか」と泣きついた?らしい。どうやら配管屋のトニーがシンクの据付を終わらせて下請仕事完了ということにしたいらしい。まあ、月末だし、みんなお金を払ってもらいたいよね。下請から来る請求書を払わなければならないマイクだって早くプロジェクトを終わらせて残りの代金を回収したいだろうし。みんなのニーズがうまくかちあって、ホームストレッチのペースがちょっとでも早まればしめたもんだけど・・・。

実際のところ、連絡がないんじゃなくて、カレシがメールをよくチェックしていなかったために、カルヴィン君からのメッセージを見落としていたんだけど、どっちにしても石の選びなおしは明日の話。たしかに借りて来たサンプルはちょっと黒が勝ちすぎているから、明日こそはちゃんとタイルを何枚か持って行って、マッチするのを見つけなくちゃね。終盤になって急にげたを預けられたカレシ、1月半ばからどさどさと降ってくる仕事を徹夜までしてこなしながら、プロジェクトマネジャーをやり、日本行きのホテルやパッケージの予約をやり、税金申告の準備をやり、毎日のご飯を作り、たまには洗濯もやって来たワタシのストレスが少しはわかったかなあ。たった1件の折衝だけでくたびれるなんて、そりゃあないでしょ~がぁ、っとに。はあ・・・

結局のところ「工事完了」は4月に持ち越してしまいそうだけど、それでもたぶん来週いっぱいでいよいよというところか。3日間は架空の仕事の彼方に雲隠れして、週末はまた特急仕事が2本か。その後はまた「ここにはないどこかの仕事」を3、4日。消費税の申告期限も迫ってくるから、第1四半期の帳簿付けもやらないといけないし、何よりも4月の会議でのプレゼン資料を作らないと間に合わなくなってしまう。なんで女ってこんなにすることがいっつも山積みなんだろうなあ。何もしなくても、いつも山のような「やらなければならないこと」があって、やってもやっても減らない。まあ、取り崩せば崩すほどに、どんどん積み上げまくる人たちがいるんだから、しょうがない。かといって、ワタシは逆立ちしたって専業主婦にはなれそうにないしなあ。食べるのは好きだから料理はするけど、掃除洗濯はめんどうくさい。毎日やれる人はすごいなあと思う。掃除洗濯が好きだと言う人はもっとすごい。

ま、とにかく今年何度目だか今週何度目だかわからなくなったけど、とにかくまたまた胸突き八丁を越えると、ロングウィークエンドだから、気張って気合を入れて、がんばりなさいね、ワタシ。

脳みそは休みモード

3月24日。水曜日。いい天気。今日からちょっと「幻」の仕事に出張で、のんびりした気分で起きた。でも、とりあえず、朝食を済ませて、サンプルのタイルを持ってカルヴィン君に会いに行く。黒すぎた最初の候補は、ショールームで見るとちょうどいい色調に見えるんだけど、どうやら南向きでさんさんと日が差しているせいらしい。バスルームには窓がないから、100%人工照明。それじゃあ、印象が違っても不思議はない。今度は少し茶色っぽいんじゃないかなあというのにした。ほんとうに青系統の石というのはあまりないのかもしれないな。まあ、よく見たらタイルにも薄茶や緑っぽい色が混じっているから、いいか・・・。

キッチンの本棚を取り付けに来ると言っていたマイクに途中で電話したら、今日は天気がいいから、今外でやっている作業を優先させるので、本棚は明日。楽しみにしていたけど、実は、ああ、よかった。なにしろ、コーヒーがない。ミルクがない。野菜類がない。食べるものがない、ない、ないの危機的?な状況。渡りに舟とばかり、スーパーに寄り、青果屋に寄りして、どんと買い物をして来た。これでひと安心。キッチンの本棚が入る窓際も、置いてある椅子やらスタンドを移動して、準備OKにしておける。

なんだかみんな急にせかせかと急ぎ出したなあと思ったら、来週の週末は復活祭の四連休だった。てっきりその次の週末だと思っていて、なんで連休の週末にコンサートがあるのかなあと(漠然と)考えていたら、来週だったのか。もっとも、カレシはご隠居だし、ワタシの商売は月月火水木金金で週末もへったくれもないから、三連休だろうが四連休だろうか関係なんてないもんなあ。それでついうっかり忘れちゃうんだけど。う~ん、復活祭のご馳走、ど~しよ~。久しぶりに極楽とんぼ亭でスペシャルディナーということにしようか。ほんとにバレンタイン以来の久しぶりの開店。メニューは何がいいかなあ。なんとなく春らしいものを春らしい彩で・・・う~ん、ど~しよ~。

さて、いつもな~んにもしないで終わる「休みモード」初日だけど、明日は忙しくなりそう。体は使っていいけど、脳みそだけは休ませてあげないとね・・・。おやすみ。

やらなくちゃ、やらなくちゃ

3月25日。木曜日。午前10時より少し前に目が覚めたらかなりの雨。。夜のうちにマイクから「午前中遅く」に本棚を取り付けに来ると言うメールがあったので、11時ごろかと狙いをつけて、10時半に目覚ましをセットしておいたんだけど、雨の音で目が早く目が覚めてしまったのかもしれない。アラームをオフにして、ベースメントのソファでちょっと寝なおし。正午を過ぎてカレシが起きて来たけど、マイクは影も形もない。はて、「午前中遅く」はマイクの時間だったのか、我が家の時間だったのか。

おかげでゆっくり朝食をすることができて、マイクとウェスとダレルが来たのは午後1時半。おお、すばらしい本棚。仕上げのステインの色もキッチンのキャビネットとぴったり同じ。クレアの大工の腕はすごいんだ。張り出し窓の下に端から端まで、位置を調節できる棚で本棚部分が2段。上に底の浅い引き出しが3つ。さっそく、後になるコンセントの位置を測って穴を開けて据え付け、持って来た薄い板とグルーガンで窓のカーブに合わせるトップと一番上に置くガラスのテンプレートを作る。なるほど、そういう手があるんだ。何かのときのために覚えておこう、と門前の小僧のワタシはこと細かに観察。

そうするうちに、石屋のオーナーのホーさんがバスルームのカウンタートップの寸法を測りに来た。広東語なまりが強いのは、きっと香港からの移民一世だからなんだろうな。週末に作業をして、月曜には取り付けできそうというからびっくり。「マイクはいいお得意だからね」とホーさん。実は配管屋のトニーが今月一杯で商売を閉めてニューブランズウィック州に帰るのに、我が家のシンクの取り付けが最後の最後まで残った仕事なんだそうで、トニーのために特別に急いでくれることになったらしい。トニーの人徳に感謝しなくちゃ。マイクは明日ペンキ塗りの総仕上げで、鏡とキャビネットのドアや引き出しの取っ手はワタシが自分で買ってきて取り付けることにした。自分で家具を作ったこともあるし、それくらいお茶の子さいさいだって。きのうまでの作業の請求書に小切手を切って、今日の訪問は終わり。前回の分とあわせるとほぼ見積もりの金額になっている。残りの作業からして、それほどのオーバーにはならずに済みそうな見通し。それでもカレシの「読書室」は我が家で一番のデラックスな空間になった・・・。

おまけでプロジェクトに加えた新しい本棚のおかげでキッチンのテーブルの周りが広々とした感じになって、料理の本がたくさん入りそうだし、引き出しにはネットで見つけて印刷したレシピをしまっておける。テーブルの上の緑色のかさのライトのおかげで、二人の食卓もちょっぴり「図書室」風のゆったりした雰囲気になった。でも、しばらくはオイルステインの臭いが漂いそう。バスルームもキャビネットの塗装の臭いがまだぷんぷん。だけど、ほんとにあと1週間で長い長いプロジェクトもいよいよ「完」か。ほぼ10週間のお付き合いで、なんだか名残惜しいような気もするけど、「平常」の生活に完全に戻れるのはうれしい。

あわただしい1日の今日は、会計事務所から納税申告の資料を持って来いという手紙とチェックリストが送られてきた。はあ、こっちも早くやらなくちゃね。消費税の納付申告もやらなくちゃね。請求書も書かなきゃね。その前に残る2つの仕事をちゃんとやらなくちゃね。1ヵ月後に迫ったプレゼンの準備もやらなくちゃね。う~ん、まだ他にも忘れてる「やらなくちゃ」はないだろうなあ(大丈夫、かな・・・)。

改装工事、ようやく95%

3月26日。金曜日。また10時半にかけてあった目覚ましが鳴る一歩手前で目が覚めた。なんだか目覚ましをかける意味がないような気がするな。(かけないと寝過ごすんだろうけど。)カレシも目を覚ましたので、今日はそろって早起きということにした。きのうの雨が嘘のようないい天気。

市内での10時のアポが終わったら来ると言っていたマイクは11時半を過ぎても現れない。新しいプロジェクトの相談らしいから、長引いているのはいい兆候なのかなあ、思っていたらウェスとダレルが本棚の天板を持って到着。出窓の鈍角にぴったりと納まった。外したベースボードもぴたり。明るい日差しのせいもあって、広々して見えて気持がいい。庭仕事をしていたカレシも入ってきて、ご満悦。そこへ登場したマイクもご満悦で「ここにずらりと料理を並べてパーティができるなあ」。ほんと、立食パーティに使えそう。本棚に載せるガラス板のテンプレートを作り終わったウェスとダレルを次の仕事に送り出して、さてペンキ塗り・・・のはずが、フレッドが出来上がったシャワードアを持って来たので、またもマイクはペンキ塗りを諦めて「じゃ、来週」。来週早々にはキャビネットのカウンターが来て、トニーがシンクを取り付けに来るから、なかなか出番はなさそうだけどなあ。

分厚い強化ガラスはヒンジを取り付ける切り欠きが一番難しくて、ちょっとしたミスでこっぱみじんになってしまうらしい。ドアは大きな取っ手がついていて、内側、外側のどちらにもスイングするようになっている。ちょっとホテルのような感じもするなあ。壁に固定してある方のガラスとタイルの間の隙間に防水用のシリコンを塗り込んで新しいシャワーストールは完成。明日の夜には使ってもいいというから、ちょっとワクワク。フレッドが帰って、ほどなくして今度はUPSが小包を持って来た。うわっ、注文してあった新しいバスマットが4枚。まるで申し合わせたような、何というタイミングの良さ!

ばたばたしているうちに夕食の算段を忘れていたもので、とりあえず刺身用のキハダマグロとビンナガとサーモンを出して来て水につけて解凍。もらいものの菜の花ご飯の具があるのでお米を2合セットして、ビンナガのしっぽの方をタルタル風にして、大根を薄切りにしてちょっと塩もみ・・・とスピード料理でちょっぴりお祝い風の夕食。二人とも待ちかねていたように、元の本箱から出してリビングに積んであった料理の本やリビングの本棚にあった料理の本も並べた。ミニコンポも本体とスピーカーが納まって、まだ余裕があるぞ’。アイランドに置いてあった回転式のブックスタンドも引退させたら、ほんとにキッチンが広々として見える。これですっきり。後は墨においてあった2脚のダイニングチェアをどうするかだけど、東南アジア製のせいか木が乾燥して足の桟が緩んでしまって、ずっと前からぐらついていたから、やっぱり分解して処分か。リビングの「八角塔」においてあるダイニングテーブルとは色が合わないし、これも新調のしどきだろうなあ。

早起きして、1日中ばたばたしていたような気がして、今日は疲れたなあ。でも、疲れているんだけど、やっと95%くらいのところまで「こぎつけた」という感じで心はウキウキしている不思議。さて、明日はカレシがブロックウォッチの新キャプテン/副キャプテンのトレーニングの日。午前10時15分までに警察署のロビー集合ということで、うへ、8時半に起床だ。かといって早寝もしにくいなあ・・・。

仮想的有能感はしんどい

3月27日。土曜日。目覚ましは午前8時45分だけど、目が覚めたのは8時43分。ま~た目覚ましが鳴る寸前にお目覚め。どうしてなんだろう。この時計、まさか眠っているワタシの脳みそにヘンな電波を発信しているんじゃないだろうなあ・・・というのはちょっとSF的で、ちょっと被害妄想的か。な~んかしゃくに触るし、特に今日はカレシが早く出かけなければならないから早起きするんだから、目覚ましが鳴り出すまでのらくらしてやった。(時計と張り合ってもしょうがないけど・・・。)

カレシは定番の「めんどくさい。行きたくない」の連呼。朝食を済ませて、ひとつ先の地下鉄の駅まで車で行くことになった。それはそれでいいんだけど、「ノートかなんか小さいのはない?」 そんなのないよ(何で今頃・・・)。「ボクの携帯、知らない?」 知らないよ(知るわけないでしょ)。どっちみち終わったらWhole Foodsで落ち合うんだから、なくたって大丈夫。「どこにあるのかわからないのに出かけるわけには行かないだろ」。あ、そ・・・。

携帯がみつかって、やっと出発。ひとつ先の駅はモールにあるんだけど、モールの外の路上駐車のスペースを探して、ぐるぐる。あのさ、このあたりは1時間とか2時間の時限付きが多いし、オリンピックからこの方許可証がないと止められないところが増えたの。探している間に時間が経っちゃうから、4時間までのモールの駐車場に止めればいいのに、「いや、止められるところがあるはず」と、ぐるぐる。結局、もうひとつ先へ行くことにして、ここも許可証専用ばかり。それでも、オリンピック規制から新しい規制に切り替わる間らしくて止められるところがあって、やっと地下鉄に乗れた。ただし、降りるのは2駅目のオリンピックヴィレッジ。

それでも何とか警察署ロビー集合の時間に間に合って、ワタシはぶらぶらと買い物。天気が良いんだから、一番近い駅まで歩いた方が早くて樂々だったと思うんだけど、なんだって物ごとをやたらとややこしくては、自分でストレスになってむくれるんだろうな。ほんとにフシギな人だねえ、あなたって。ただ観察しているだけならおもしろい心理ですむんだろうだけど、毎日付き合う側にとってはけっこう対応がややこしい。(まあ、ややこしいといっても心理的メカニズムみたいなものがわかればそれほどめんどうでもないんだけど。)なにしろ人の助言は頭から否定しがちだし、うまく行かなければ何がああだからこうだからと理屈を並べるし、世の中のことすべてについて「ベストアンサー」を持っている(と思っている)ところは、パパと実によく似ていて、まさに「この父にして・・・」の感がある。どっちも(おそらくは)自分への苛立ちを他人や社会に転嫁しているということ、ある意味で基盤の弱い自尊感情の補強策としての「仮想的有能感」なのかもしれないな。

この仮想的有能感というヤツ、人やものごとと貶めたときには瞬間風速的に気分が高揚するのかもしれないけど、長い人生はかなり生きにくいものになるんじゃないかと思う。俗界を遠く離れた仙人と違って人間は霞を食べて生きていけるわけじゃないから、喜怒哀楽がこもごもの現実の空気を吸って現実的有能感という栄養を吸収しないと、心が栄養失調になる。生きるエネルギーが不足して、そうでなくたって誰にとってもけっこう大変な人生がしんどいものになるんだろうと思うな。要するに、仮想的有能感に当たる心理は何も日本の若者に限った現象じゃなくて、人間世界にはごく普通に存在しているのが、縦(上下)志向の社会で(バブル景気という)無秩序な変化が起こった結果、たまたまその時代にその社会で育った人たちの間に集団発生したかのように見えるだけかもしれない。

自尊感情とか自己肯定とか言っても、まず肯定すべき「自分」がいないことには話にならないけど、「自己」のつく言葉がおしなべて否定的な意味合いを持ち、「個人主義」がわがままや身勝手と同義語のように扱われ、「自己否定」を善とする風潮の強い社会だと、よけいに自分を肯定しにくいのかもしれないな。人間というのは根本的に「自分はOKなんだ」と思いたいものなのに、建前だか何だか知らないけど「OKじゃない自分」であることを求められるんだから、そりゃあややこしいよなあ。自分は全然OKじゃないのに、他人はOKだと思えと言われたって、そんなの無理。だから、人間関係がややこしくなるし、自分はますますOKじゃなくなって鬱々とするから、生きるのがしんどくなってしまうんじゃないのかな。それで仮想的有能感という「よろい」を着て自衛しようとするんだろうけど、所詮は仮想のよろいだから、「現実」という強敵の前ではひとたまりもない。自分がOKじゃないんだから、世の中はOKじゃない。他人もOKなはずがない。それってしんどいんじゃないかい?

今大流行で猫も杓子もやっているような感のあるTwitter。日本でもツイッターとして普及しているらしい。Twitterのメッセージのことを「tweet」というんだけど、日本語ではこれを「つぶやき」と呼んでいるとわかって、なんだかいかにも日本的なイメージだと思った。誰なんだろうな、こんな名訳?を考えついたのは。だって、tweetというのはピーチクパーチクとにぎやかな鳥の「さえずり」のことだけど、片や「つぶやき」は大きな声では言えないことをぼそぼそと独りごちっているような、いかにもネクラなイメージが浮かんできてしまう。文化を他国語に翻訳する難しさが現れているのかもしれないけど、この違いはおもしろい!

それにしても、カレシのことから日本人の話に発展することがずいぶん多いなあ。でも、カレシを観察していると日本人のことがわかって来るというのではなくて、まったく逆に海を隔てていろんなメディアを通して日本人を観察しているとカレシという人がわかって来るということで、「あっ、この人のこの言動はそういう心理なんだ」とわかって来れば、カレシと二人の人生もけっこう生きやすくなるというもの。似て非なるものでも似たような対応が通じることもあるってことかな。

15分が惜しくてアメリカへ

3月28日。日曜日。あっという間に日曜日って感じだけど、あっという間に3月もおしまい。きのうはなぜかものすごく疲れた気分で、ベッドに入ったとたんに眠ってしまったらしい。まあ、相当な早起きだったから、言ってみれば「半徹夜」とあんまり変わらないかもしれない。中途半端に少しだけ睡眠をとるよりは、ぶっ通しで起きている方が楽なんじゃないかという気もするけど、果たしてどうなのかなあ。

カレシの方もかなりのお疲れらしい。今日はRestoration Hardwareという変わった名前の店にバスルームの鏡やタオルかけを見に行くはずだったんだけど、カレシの何となくうつ~っとした顔を見たら、こりゃだめだ~。まあ、ワタシも仕事モードに戻らなきゃならないし、なんだかめんどうになったもので、ネットで注文することにした。アメリカの会社でカナダへは特急サービスはやらないということで、所要日数は1週間から10日。間に復活祭の4連休が入るから2週間近いかもしれないけど、日本へ出発する前には届くだろうから、ま、いっか。ということで、前から決めていたサテン仕上げのステンレスのフレームがついた鏡をクリック。ついでにあちこちを見ているうちに、キャビネットのドアのつまみをクリック。同じデザインコレクションのタオルバーをクリック。ついでにタオルリングもクリック。ついでに鏡の下につける小さなガラスの棚もクリック。「チェックアウト」をクリックしたときには6品目になってしまった。だから、ネットショッピングは危ないっちゅうの。

アメリカのサイトだから価格標示は当然アメリカドルなので、アメリカドル建てのクレジットカードを使う。品物の配達先は自宅だけど、請求先の住所は郵便局の私書箱になっているから、ここを請求書の通りに正確に入力しないとカード会社に拒否されることがある。(銀行の残高明細の送り先が私書箱になっているせいで、黙っていたらカードも同じ住所で発行されてしまった。)カードの裏にある3桁の暗証を入れてクリック。ん?問題あり、やり直すか電話をしろだと?も一度カードの番号と期限と暗証を入れてクリック。あれ、また同じ。しょうがないから電話。カードのデータは間違っていないのに通らないと言ったら、「ときどきあるんです。私が処理しますので、ご注文品を読み上げてください」だって。あ、そう。ショッピングカートに戻って、品番を読み上げて、返って来る品名を確認して、個数を言って・・・いやあ、手際がいいの何のって。アメリカのどこにあるんだろうな、この会社。カードの番号と請求住所と配達住所と電話番号とメールアドレスを教えて、注文番号をもらって、カナダドルにすれば900ドルの買い物。あまりの効率の良さに、思わず「ヘルプ感謝しま~す」と言っちゃった。

どっちみち自分で取り付けるものだから、配達が10日先でもどうってことはないけど、よく考えてみたら、初めからウェブで注文すればよかったんだな。というのも、バンクーバーにある店に行っても、目ざす品物が在庫にあるとは限らない。トヨタのカンバン方式を取り入れたのかどうか知らないけど、どうも最近は「お取り寄せ」が多いから、どっちみち自分で注文するのと同じ時間がかかってしまう。それなら自宅に配達してもらえる通販の方がよほど効率的。それに、こっちで買えば当然価格はカナダドルになるわけで、しかも関税や輸送費を含めたアメリカドル価格を即換算するわけじゃなくて、大きなマージンで嵩上げされた「カナダ価格」になる。だったら、アメリカドルのカードで買って、アメリカドルの口座から直接払えば手っ取り早いというもの。

日本でも昔は「北海道価格」というのがあって、九州の端では東京と同じ価格でも、北海道では輸送コストがかかるとか何とか理由をつけて、さして距離の違わない九州より高くなっていた。道産子のワタシとしては同じ日本の中でどうしてそんな不公平な扱いなんだろうと不思議でしかたがなかった。要するに北海道は植民地並みに搾取されていたわけ。カナダ国内でも、かっては資源や農産物を西から東へ輸送する運賃が、工業製品を東から西へ輸送する運賃より格段に安く設定されていたという、一種の「西部価格」のようなものがあったそうで、同じぼったくり精神でアメリカからカナダに輸入されるものも為替レートとはかけ離れた高い価格になることがよくある。だから、カナダドルのレートが良くなると、国境沿いのカナダ人は大挙してアメリカへ越境ショッピングに押し寄せるわけなんだけど、その越境ショッピングがやりやすくなったのはインターネットのおかげ。

というわけで、車で15分先の店まで行くのがめんどうで、飛行機で何時間かかるかわからない店で衝動買いつきのショッピング。あんがい、それで在庫をそろえる代わりに初めから「カンバン方式」にするチェーン店が増えて来たのかもしれないな。ほんとに便利な時代なのかどうか、わからない・・・。

極楽とんぼ亭記事: サングリアで作る魚のソース

3月29日。きのうは一晩中すごい嵐が吹き荒れて、目が覚めたらちょっとした台風一過の日差し。それもすぐに曇ってしまったけど、なぜか目まぐるしく晴れたり、曇ったり、降ったり。ひょっとしたら先週の日本の春嵐の成れの果て・・・?

今日は納期が2つ。まずきのうのうちに済ませたものを見直して、スペルチェックして、納品。お次は翌日午前7時が期限だから、髪を振り乱してわき目も降らずに超特急の突貫作業。そういうときは手間をかけた料理なんかする気にならない。そこで手抜き自慢?の極楽とんぼ亭シェフのお出ましとなる。

[写真]
スズキのソテー、サングリアリダクションソース、蒸したインゲン添え
ほうれん草、マッシュルーム、オルツォのリゾット風
(サラダ)

まっ白なスズキは上品な味を殺してしまわないように、軽く塩と胡椒をしてフライパンで焼くだけ。白身の魚にはフルーツ味のソースがよく合う。さてリキュールは・・・とお酒の棚を見渡して見つけたのが、もらいものの出来合いのサングリア。小さい鍋にたっぷり入れて、ゆっくりと何分の一かに濃縮する。元々サングリアはワインにフルーツと炭酸飲料を入れたものなので、そのまま飲むには甘すぎるけど、魚料理のソースとしてはかなりイケる。これはめっけものだな。

さて、明日はいよいよバスルームのキャビネットにカウンタートップがついて、シンクと蛇口がつくらしい。やっと99%というところか。やれやれ・・・

たかがブランド、されどブランド

3月30日。火曜日。まずまずの天気。(極楽とんぼ時間の)きのうは午前3時半までかかって仕事のINBOXを空にした。やれやれ、これで一応すっきり。復活祭の四連休が終わるまでは「内緒」のお休みモード。納品したばっかりなのにもう「来週の予定は?」なんて聞いてくるから、どうしようか。うまく延長する手はないものか・・・・

今日はカウンタートップが来るということで、起き抜けから二人ともそわそわ。マイクが何時ごろ来るかと第一声。ほどなくしてカルヴィン君から「2時と2時半の間に行きます」(よくこういう幅のある表現が使われる)と連絡。ははあ、マイクがせっついているな。なにしろ月末の明日がカナダの太平洋側から反対の大西洋側まで引越しするというトニーの仕事納めの日なもので、遅れは許されないってこと。おかげで磨き上げたみかげ石のカウンタートップが入って、シンクもはめ込んでくれた。薄いブルーの壁に合うかなあと心配だったけど、スコンスの電球が天井のハロゲン灯の白にほんのり赤みを加えてくれたので、思いのほかぴったり。キャビネットの色とも合って、「これ!」と選んだカレシは大満足。トニーは明日の朝10時と10時半の間に来るそうな。これで99.5%。

休みモードの最初の仕事はキッチンの新しい本棚の引き出しに引き手をつける作業。浅い引き出した3つ並んでいるから、水平に3個まっすぐにならないとかっこ悪い。そこで大きな紙で引き出しのフロントのテンプレートを作って、これを縦と横に2つに折って中心線をつける。引き手は心心で3インチだから、中の両側に1.5インチずつ。これをテープで貼って、プッシュドリルというスプリング式の押して穴を開けるドリルを使ってねじを通す場所に印をつける。引き出しのフロントはオークだから硬くてプッシュドリルでは傷をつけるのがやっと。その上でいよいよ電動ドリルで穴を開ける。ここまでは良かったけど、浅い引き出しなので、箱の一辺にフロントを取り付けてあるから、厚さが引き手のねじの長さより50%増しになってねじを通しても引き手のねじ穴には届かない。はて、どうしたものかと思案して、一番大きなドリルビットで内側から少しずつ穴を広げてねじを奥まで押し込めるようにしてみたら成功。小1時間かかって、引き出し3つに引き手がついた。作業中にプッシュドリルの先がすべって指先に切り傷ひとつ。離れたところにあるねじ回しを取ろうとしてぎっくり腰寸前。何でできたのか、腕に引っ掻き傷が4つ。もちろん労災はなし・・・。

カレシを英語教室に送り出して、去年の減価償却を計算して、帳簿を閉める。これで納税申告の資料は全部そろったから、後は会計事務所に持って行くだけ。明日は請求書を書いて、プレゼンの準備に入る(つもり)。つもりって、あと3週間しかないんだけどなあ。大丈夫なの、ワタシ?といいながら、今日はここでおしまい。せっかくの休みモードなんだから、あれやこれやと馬車馬みたいにやることないもんね。リラックス、リラックスで、ゆるりと小町の井戸端を訪問してみると・・・。

メイク論争の後は、今度はブランド論争。ブランドを愛好をするのはむしろ所得の少ない人ではないのかという疑問。ようは、身なりが安物だったり、カジュアルだったりする人が高級ブランドのロゴ入りのバッグを持ち歩いているということなんだけど、例によって「そういう人、いるいる」と知人、友人、同僚、ご近所さん、はては赤の他人まで、「ブランド物を持ち歩く貧乏人」を引っ張り出して、ああだこうだと、まあ、(たぶん気に食わない)人をこき下ろして溜飲を下げる場になっている。他人のことはどうだっていいじゃん!と思うんだけど、この人たちには深刻なストレス源なんだろうな、きっと。

このトピックには、「少ない所得」とはいくら以下なのか、富裕層と少所得層をどうやって見分けるのか、そもそも「ブランド」とは何かが明確に定義されていないから、議論は最初からかみ合わない。だからおもしろいんだけど、日本では、ヴィトンもグッチもローンで買うらしいし、中古がよく売れるというから驚き。読み進んでいるうちに、「ブランド」というのは概ねあの土気色の地にアルファベットの模様が入っているバッグのことを言っているらしいとわかってきた。そういえば、ああいうのを持っている人はどこに行ってもたくさん見かける。ワタシには個別のブランド名まではわからないけど、ポピュラーなんだということはわかる。だって、どれもみんな同じような色に同じようなデザインで、いったいどれがルイヴィトンでどれがグッチなのやら。(常日頃ダサいデザインだとは思っているけど・・・。)

だけど、名前や値札にかかわりなく、ああいうのが大好きという人もいるんだろうし、まさに蓼食う虫も好き好き。本人が好きならそれでいいじゃないかと思うけど、そうはどっこい簡単に卸してくれないのが厳しいチェックで泣く子も黙る小町横町の井戸端委員会なのだ。ほんと、だいたい身なりや風采がぱっとしないからって貧乏だとは限らないのに。ホームレスで野たれ死にした人が実は億の貯金を持っていたなんて話もあったし、人間て自分より所得が少ない人を「貧乏」だと思いたがるところがあるしなあ。レスポンスの中に「1点豪華主義」という昭和の流行語が出てきてすごく懐かしかったけど、「一億総成金」バブル時代の「何もかも豪華主義」のような消費から、またつつましい「一点豪華主義」に戻って来て、女性にとってはルイヴィトンやグッチ、シャネルのロゴ入りバッグがその「一点」ということなのかなあ。まあ、「一点豪華」もそこがぱっと明るく見えて、うつうつとした閉塞感から少しでも抜け出せるとしたら、悪くないと思うけどな。とどのつまりは人それぞれなんだけど。

ブランドで思い出すのが、秘書時代に上司にもらった「セクレタリーデイ」のプレゼント。濃紺の地にぶっ違いの「F」が一面に並んだクラッチバッグ。何だかつまらないデザインだなあとは思ったけど、使い勝手はすごく良かったから、結局はジッパーの布が擦り切れるまで使い込んだ。あのバッグが「フェンディ」というイタリアの高級ブランドで、おそらくは当時のワタシには目玉がぼい~んと飛び出すくらいすっごくお高い品物だったとわかったのは使えなくなって捨ててからずっと後のこと。基本的にずぼらなワタシは入れ替えがめんどうなので、ふだんのバッグはひとつだけ。それをどこへでも持って歩くわけだけど、しがない秘書稼業のワタシが高級ブランドのロゴ入りバッグをフツーのデパートのバッグのつもりで持ち歩いているのに気がついた人ってどれくらいいるんだろうなあ。

まあ、こっちには他人が持っているものが気になる人ってあまりいないだろうけど。外から目に見える情報だけでその人が金持か貧乏かなんて、空港のボディスキャナじゃないんだからわかるわけがないでしょうが。金持は危ないからそんなこと吹聴して回らないし、やたらと貧乏だと愚痴る人たちに限ってけっこうお金があったりするし、ほんとうに貧乏な人は生きるのに忙しくてブランドがどうのこうの言っている暇なんかないだろうし、はたしてどうやって見分けるのかなあ。興味津々・・・。

3月はライオンのように

3月31日。水曜日。トニーが来るので少しだけ早起き。カレシはぐうすかだから、そっとベースメントへ降りて、まず所得税申告の書類を整理して、マークをつけたチェックリストと一緒に大きな封筒に入れて今日の仕事がひとつ完了。

うたた寝していたら、トニーが来て、シンクに蛇口を取り付けて、排水パイプを取り付けて、まわりに防水のシリコンを塗って、トニーの担当の仕事はこれで全部完了。今日が仕事納めで、あと2週間でニューファンドランドへ出発するんだそうな。奥さんも同じ土地の出身で、どうやら「帰去来」の心境なのは奥さんの方らしい。ニューファンドランドはいつか行ってみたいところ。テレビでやっている州の観光省局のコマーシャルを見ると、アイルランドの風景に似ているし、古くからアイルランド人が入っていたから人間も似ている。生まれ故郷の釧路にも似た雰囲気が感じられるから、一度は行ってみたいと思うのかな。ニューファンドランド島(新しく見つけた島)。何となくロマンがある・・・。

シーラとヴァルが来て掃除。外ではジェリーが今年最初の芝生刈り。といっても、この冬は市道も家の庭も、見渡す限り芝生がめちゃくちゃにほじくり返されてぼこぼこ。何でもコフキコガネという虫が大発生して芝生に卵を産みつけたもので、その幼虫を狙って鳥が大挙して芝生をほじくり返しているという話。そういえばカラスが芝生をむしってはポイ、むしってはポイとやっているのを見て、頭のいいカラスのことだからてっきり「愉快犯」だと思っていたけど、実はごちそうを食べていたわけか。それにしてもほんとに「ぐしゃぐしゃ」としかいいようがないくらいにほじくり返されているし、むしられた芝は枯れて散乱しているし、目も当てられない惨状。我が家の庭には芝生がないからいいけど、市道の芝生の修理は市がやるのかな。

掃除が進んでいる間に、地下鉄でダウンタウンの会計事務所までひとっぱしり。明日から定期や回数券が値上がりするけど、シングルの切符は据え置きなんだそうな。要するに、前払い切符の値引き率を下げたってことか。値上げ率としてみると10%近いそうな。でも、一枚の切符で90分の間に往復すれば実質的には半額なんだけど。明日からは電気料金もそれぐらい上がるし、いろんな公共料金がど~んと上がる。まさにインフレの観。不況から回復するペースが速すぎるとかで、夏までには金利も上がるという観測。おまけに(サブプライムの教訓を受けて)住宅ローンの規則が変わって借りにくくなるらしいから、今のうちに買おうと言う需要があるのか、不動産エージェントが郵便受けに入れて行くチラシには「売約済み」の家の写真がずらり。スタイルで年代が、住所で地域の環境がわかるんだけど、この場所でこんな値段!とびっくりするような高値で、「言い値以上」と書いてあるのもざらだからすごい。こうなったらもうバブル再発としかいいようがないような・・・。

今日はカレシの英語教室最後の日。6月に夏の教室を立ち上げるまではいわば「春休み」なんだけど、「最後の授業」だってのに、いつものように出かける間際になって「携帯がない」。きのうは持って行ったじゃないの。バッグの中をかき回し、中身をぶちまけ、デスクの周りをかき回し、バッグを放り込んだら中身がこぼれたからとトラックの床を3度も調べたのに、携帯は見つからない。「どっかにあるはずだ!」とイラついたって、カレシが自分で置いた「どっか」にあるはずでしょ。自分の持ち物くらいちゃんと自分で管理してくれないかなあ。そのうちふっと思い出したのが、きのうはまたバッテリが上がってしまったトラックじゃなくてエコーで出かけたこと。やっぱり携帯はエコーの床に落ちていた。「思い出してくれて助かった」と言うもので、ワタシがいなかったらどうするの?と聞いたら、「生きていけないよ」とスリスリ。それはヤバいよと言ったら、「なんとか順応するさ」。ワタシがいなくなる前から順応してくれた方が安心なんだけどなあ・・・。

3月はライオンのようにやって来て、子羊のように去ると言うけど、今年はライオンのようにやって来て、ワタシが獅子奮迅でやっている間に、ライオンのように駆け去った。やれやれ・・・。