2024年9月27日(金)に自民党総裁選が行われ、決選投票で石破茂が高市早苗を破って当選した(敬称略)。今日の関東は「警報級の大雨」になると予報されていたので、まあ家で自民党総裁選でも見ようかなと思った。今まで誰が当選するか投票日には予想がつく総裁選が多く、僕もここまで勝者が予想できないのは初めてだ。まあ、自分には投票権がないから見てるだけ。今書かなくてもと思いつつ、大きなニュースではあるので、感想をちょっと。
今回は9人が立候補したが、報道によれば終盤戦の情勢は「決選投票に残る可能性があるのは3人」だとされていた。それは石破、高市、小泉の3人。そうすると決選投票には「石破・小泉」「石破・高市」「高市・小泉」の3通りの組み合わせがあり得る。石破は議員票は少ないが党員票をかなり集めて、決選には残るだろうと言われていた。そこで「石破・小泉」か「石破・高市」になるが、「石破・小泉」だと麻生副総裁には最悪の組み合わせ。そこで高市が決選に残れるように、第1回投票で麻生派が票を回したと思われる。そのため、高市は議員票で小泉75に続いて、72と事前予想より30人以上多くなり、第1回投票でトップの181票を獲得した。2位石破は154票、3位小泉が136票となった。
(1回目投票結果)
高市は党員票でも109票と石破の108票を上回ってトップとなった。この結果は予想以上で、党員票の出方も見ると決選も高市有利かと一時は僕も思った。しかし、後知恵になるが「第1回でトップになったことが決選で不利に働いた」と思われる。高市だけ党員にリーフレットを送付して、「金をかけない」総裁選に反していた。そういうルールができる前に送付したという話だが、党員票に少なからぬ影響を与えたという。この「ズルしたもの勝ち」で良いのかという反発が国会議員にあった。また唯一の派閥となった「麻生派」の支持が明確になったことも「派閥の力が働いた」ということで不利になった。
それと同時に、そもそも高市陣営には「千慮の一失」というべき大問題があった。推薦人20人のうち、13人が「裏金議員」だったことだ。総選挙で野党に攻められるのは確実で、衆院選、参院選を控えた議員心理に大きな影響を与えたのは間違いない。推薦人に今まで問題発言を繰り返してきた杉田水脈(裏金議員の一人)がいるというのも、信じられない。推薦人は選対が決めたので自分は関わっていないと言ってるようだが、そんな意識の議員が選対を仕切っていたこと自体理解不能。他にも支持者がいないわけじゃないだろうに。「裏金」と「派閥」の支持を受けた総理と言われるのは確実で、選挙を控えた議員心理を左右した。
(決選投票の内訳)
石破の方は「消去法」で選ばれた面もあるだろう。立憲民主党の新代表に野田佳彦元首相が選ばれたことも、石破に有利になった。高市や小泉だと、野田との応酬が心配になる。石破なら、論戦力は負けないだろうと思われた。だが石破は党内に基盤がなく、あまり突出すると昔の三木政権時の「三木降ろし」みたいな、「石破降ろし」が起きるかもしれない。逆に党内に配慮し過ぎて、「政治とカネ」に甘い対応を取ると、これまた支持率が急減するかもしれない。多くの議員が「選挙の顔」として、石破が高市よりマシと判断した。それがどう出るか判らないが、野党に取って小泉や高市より攻めにくいのは確実だ。
当初は小泉が大量の党員票を取ると思われていたが、その後「失速」したと報じられた。しかし、もともと「小泉が党員票を大量に獲得するだろう」というのが幻想だったのではないか。若い世代に小泉支持が高いと言われたが、若い世代に自民党員なんていないだろう。もちろん少しはいるだろうが、自民党員・党友の平均年齢は相当高いと予想できる。議員との関係で党員になってる人は、議員の意向に従う。それに長年党員を続けている人は、相当に「保守的」だろう。選択的夫婦別姓制度など小泉が掲げる「改革」「決着」なんか支持されなかった。それはそれで困ったことだが。
ということで、「若手」は退けられた。そうなるだろうことを予測できずに小泉を担ぎ出した菅前首相も感覚がズレていた。まあ決選では石破に入れたようで、辛くも存在感を残したが。一方、麻生副総裁は高市に賭けて失敗し、政治感覚のズレを露呈した。今後どう処遇されるか不明だが、事実上「失権」し、総選挙では引退する可能性もある。もう84歳なんだから潮時だろう。そういうことで、二階も含めて、長老世代が権力を失う可能性がある。そうでなければ、石破が当選するなどあり得なかっただろう。
だが子飼い議員も少なく、今後の人事、国会、総選挙はなかなか大変だと思う。高市早苗をどう処遇するか。高市が決選に残って、敗れたというだけで円相場が4円以上動いた。何も処遇しないわけには行かないだろう。外相は危ないから、経済関係閣僚か。幹事長と官房長官も難しい。小泉進次郎官房長官はあるかもしれないが、党役員かもしれない。小林鷹之は入閣するだろうが、他の人の予測は難しい。岸田政権を継承するという対外イメージのため、外相は上川留任か林芳正に戻すかも。まあ、僕が考えても仕方ないが、野党側も協力体制をしっかり作らないと選挙は厳しくなると思う。
(その後思ったのだが、「石破首相」が全国遊説中に官邸を離れられない官房長官に、小泉進次郎を任ずるわけがない。選挙の顔なんだから。今言われているところでは、小泉は選対委員長。官房長官は林芳正留任。幹事長は森山裕総務会長という話。9.28追記)
今回は9人が立候補したが、報道によれば終盤戦の情勢は「決選投票に残る可能性があるのは3人」だとされていた。それは石破、高市、小泉の3人。そうすると決選投票には「石破・小泉」「石破・高市」「高市・小泉」の3通りの組み合わせがあり得る。石破は議員票は少ないが党員票をかなり集めて、決選には残るだろうと言われていた。そこで「石破・小泉」か「石破・高市」になるが、「石破・小泉」だと麻生副総裁には最悪の組み合わせ。そこで高市が決選に残れるように、第1回投票で麻生派が票を回したと思われる。そのため、高市は議員票で小泉75に続いて、72と事前予想より30人以上多くなり、第1回投票でトップの181票を獲得した。2位石破は154票、3位小泉が136票となった。
(1回目投票結果)
高市は党員票でも109票と石破の108票を上回ってトップとなった。この結果は予想以上で、党員票の出方も見ると決選も高市有利かと一時は僕も思った。しかし、後知恵になるが「第1回でトップになったことが決選で不利に働いた」と思われる。高市だけ党員にリーフレットを送付して、「金をかけない」総裁選に反していた。そういうルールができる前に送付したという話だが、党員票に少なからぬ影響を与えたという。この「ズルしたもの勝ち」で良いのかという反発が国会議員にあった。また唯一の派閥となった「麻生派」の支持が明確になったことも「派閥の力が働いた」ということで不利になった。
それと同時に、そもそも高市陣営には「千慮の一失」というべき大問題があった。推薦人20人のうち、13人が「裏金議員」だったことだ。総選挙で野党に攻められるのは確実で、衆院選、参院選を控えた議員心理に大きな影響を与えたのは間違いない。推薦人に今まで問題発言を繰り返してきた杉田水脈(裏金議員の一人)がいるというのも、信じられない。推薦人は選対が決めたので自分は関わっていないと言ってるようだが、そんな意識の議員が選対を仕切っていたこと自体理解不能。他にも支持者がいないわけじゃないだろうに。「裏金」と「派閥」の支持を受けた総理と言われるのは確実で、選挙を控えた議員心理を左右した。
(決選投票の内訳)
石破の方は「消去法」で選ばれた面もあるだろう。立憲民主党の新代表に野田佳彦元首相が選ばれたことも、石破に有利になった。高市や小泉だと、野田との応酬が心配になる。石破なら、論戦力は負けないだろうと思われた。だが石破は党内に基盤がなく、あまり突出すると昔の三木政権時の「三木降ろし」みたいな、「石破降ろし」が起きるかもしれない。逆に党内に配慮し過ぎて、「政治とカネ」に甘い対応を取ると、これまた支持率が急減するかもしれない。多くの議員が「選挙の顔」として、石破が高市よりマシと判断した。それがどう出るか判らないが、野党に取って小泉や高市より攻めにくいのは確実だ。
当初は小泉が大量の党員票を取ると思われていたが、その後「失速」したと報じられた。しかし、もともと「小泉が党員票を大量に獲得するだろう」というのが幻想だったのではないか。若い世代に小泉支持が高いと言われたが、若い世代に自民党員なんていないだろう。もちろん少しはいるだろうが、自民党員・党友の平均年齢は相当高いと予想できる。議員との関係で党員になってる人は、議員の意向に従う。それに長年党員を続けている人は、相当に「保守的」だろう。選択的夫婦別姓制度など小泉が掲げる「改革」「決着」なんか支持されなかった。それはそれで困ったことだが。
ということで、「若手」は退けられた。そうなるだろうことを予測できずに小泉を担ぎ出した菅前首相も感覚がズレていた。まあ決選では石破に入れたようで、辛くも存在感を残したが。一方、麻生副総裁は高市に賭けて失敗し、政治感覚のズレを露呈した。今後どう処遇されるか不明だが、事実上「失権」し、総選挙では引退する可能性もある。もう84歳なんだから潮時だろう。そういうことで、二階も含めて、長老世代が権力を失う可能性がある。そうでなければ、石破が当選するなどあり得なかっただろう。
だが子飼い議員も少なく、今後の人事、国会、総選挙はなかなか大変だと思う。高市早苗をどう処遇するか。高市が決選に残って、敗れたというだけで円相場が4円以上動いた。何も処遇しないわけには行かないだろう。外相は危ないから、経済関係閣僚か。幹事長と官房長官も難しい。小泉進次郎官房長官はあるかもしれないが、党役員かもしれない。小林鷹之は入閣するだろうが、他の人の予測は難しい。岸田政権を継承するという対外イメージのため、外相は上川留任か林芳正に戻すかも。まあ、僕が考えても仕方ないが、野党側も協力体制をしっかり作らないと選挙は厳しくなると思う。
(その後思ったのだが、「石破首相」が全国遊説中に官邸を離れられない官房長官に、小泉進次郎を任ずるわけがない。選挙の顔なんだから。今言われているところでは、小泉は選対委員長。官房長官は林芳正留任。幹事長は森山裕総務会長という話。9.28追記)
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