2021年4月1日から、消費税額を含めた「総額表示」にしなければいけない。つまり「1000円+税」という表示は認められなくなる。確かに「950円」だと思って「千円しないから」と買ったら、消費税を忘れていたということもあるので、スーパーやコンビニではその方がいいと思う。
しかし、スーパーやコンビニで買うものは、その日に食べたりするものだ。その日じゃなくても、近々使うつもりがあって買うものばかりだ。賞味期限がある食品でなくても、洋服には季節があるから商品が入れ替わっていく。文房具や食器などもスーパーに置いてあるけど、全然売れなければ他の商品に変えられてしまうだろう。何年も置いといて、数年間かけて売っていくというのはスーパーの売り方ではない。
世の中には違った売り方をする商品もある。「文化」に関わる商品は大体そうだ。CD、DVDなど、よく売れるものは店にあるだろうが、ちょっと珍しいものは店頭からなくなる。しかし、目録にはあって注文して取り寄せることが出来る。会社の方もそうやって数年掛けて売っていく。注文するのは面倒だったから、インターネットができてずいぶん便利になった。
(出版物は大きな影響を受ける)
本(出版物)も同じである。本屋で文庫を見てみれば判るだろう。「新刊」コーナーには新刊があるが、大型書店で棚にある文庫は多くが数年前に印刷されたものだ。「名作」と呼ばれる小説も、そんなに売れるわけではない。でも2年、3年ぐらいで新しく印刷されるのがロングセラーになる。それでも昔に比べて文庫の寿命は短くなった。しかし、もっと内容が硬い本、「学術書」はまたひと味違う。もともとベストセラーになることを目指さず、そのテーマに強い関心を抱く少数の研究者のために何年も売り続けることを使命としている。
今では音楽や映画だけでなく、本も電子書籍の時代になるのかもしれない。だけど、学術書、専門書に関しては「本」の重要性はなくならないだろう。電子書籍だと会社ごとなくなってしまったら、もう読むことができない。何十年のレベルで「専門的業績」として認められるには、やはり本として出版されないとダメだろう。そういう本は一般の人が読む本ではない。新書などで後ろの方の参考文献に載っているような本である。僕も今ではそういう本はほとんど買わない。でも大学図書館や大きな公共図書館には入っている。それが後進の研究者のために大事なのだ。
この問題は多くの人に関係ないかもしれないが、日本の文化、学術のために大切なことだと思う。特に人文、社会科学系の学問にとっては、大きな影響がある。昨秋の学術会議問題を思い出せば、政権は人文、社会科学を軽視、あるいは敵視しているようだから、わざとやってるのかと思うぐらいだ。この問題は昨年来一部で取り上げられていたが、何の解決策も講じられていない。消費税導入時と同様に、絶版本がたくさん出る可能性がある。もっとも今ではネットで売ることが可能なので、ネット上で総額表示にして書店には置かないというやり方もあるのかもしれない。
(可能な総額表示方法)
ところで何でこのような「総額表示」にするのだろうか。消費税は1989年の導入後、3%、5%、8%、10%と段階的に増税になってきた。そして10%時に「軽減税率」を一部に導入した。今後も上げ続けるのなら、総額表示はできない。政府が10%で打ち止めと言っていることを保証する意味があるのだろう。逆に考えれば、「下げる意思」もないということになる。
現在コロナ禍での消費喚起のため「消費税減税」を野党が主張している。諸外国にも時限措置で下げた国がある。それが正しい方針なのか僕には疑問もあるが、総額表示にした直後に税率を下げることは業界に迷惑だ。だけど、それで本当にいいんだろうか。消費税を本当にこのまま10%でやっていけるのか。あるいは時には下げる判断もあって良いのではないか。それらの疑問にきちんと答えることなく、ただ単に総額表示にするだけでは意味がない。
しかし、スーパーやコンビニで買うものは、その日に食べたりするものだ。その日じゃなくても、近々使うつもりがあって買うものばかりだ。賞味期限がある食品でなくても、洋服には季節があるから商品が入れ替わっていく。文房具や食器などもスーパーに置いてあるけど、全然売れなければ他の商品に変えられてしまうだろう。何年も置いといて、数年間かけて売っていくというのはスーパーの売り方ではない。
世の中には違った売り方をする商品もある。「文化」に関わる商品は大体そうだ。CD、DVDなど、よく売れるものは店にあるだろうが、ちょっと珍しいものは店頭からなくなる。しかし、目録にはあって注文して取り寄せることが出来る。会社の方もそうやって数年掛けて売っていく。注文するのは面倒だったから、インターネットができてずいぶん便利になった。
(出版物は大きな影響を受ける)
本(出版物)も同じである。本屋で文庫を見てみれば判るだろう。「新刊」コーナーには新刊があるが、大型書店で棚にある文庫は多くが数年前に印刷されたものだ。「名作」と呼ばれる小説も、そんなに売れるわけではない。でも2年、3年ぐらいで新しく印刷されるのがロングセラーになる。それでも昔に比べて文庫の寿命は短くなった。しかし、もっと内容が硬い本、「学術書」はまたひと味違う。もともとベストセラーになることを目指さず、そのテーマに強い関心を抱く少数の研究者のために何年も売り続けることを使命としている。
今では音楽や映画だけでなく、本も電子書籍の時代になるのかもしれない。だけど、学術書、専門書に関しては「本」の重要性はなくならないだろう。電子書籍だと会社ごとなくなってしまったら、もう読むことができない。何十年のレベルで「専門的業績」として認められるには、やはり本として出版されないとダメだろう。そういう本は一般の人が読む本ではない。新書などで後ろの方の参考文献に載っているような本である。僕も今ではそういう本はほとんど買わない。でも大学図書館や大きな公共図書館には入っている。それが後進の研究者のために大事なのだ。
この問題は多くの人に関係ないかもしれないが、日本の文化、学術のために大切なことだと思う。特に人文、社会科学系の学問にとっては、大きな影響がある。昨秋の学術会議問題を思い出せば、政権は人文、社会科学を軽視、あるいは敵視しているようだから、わざとやってるのかと思うぐらいだ。この問題は昨年来一部で取り上げられていたが、何の解決策も講じられていない。消費税導入時と同様に、絶版本がたくさん出る可能性がある。もっとも今ではネットで売ることが可能なので、ネット上で総額表示にして書店には置かないというやり方もあるのかもしれない。
(可能な総額表示方法)
ところで何でこのような「総額表示」にするのだろうか。消費税は1989年の導入後、3%、5%、8%、10%と段階的に増税になってきた。そして10%時に「軽減税率」を一部に導入した。今後も上げ続けるのなら、総額表示はできない。政府が10%で打ち止めと言っていることを保証する意味があるのだろう。逆に考えれば、「下げる意思」もないということになる。
現在コロナ禍での消費喚起のため「消費税減税」を野党が主張している。諸外国にも時限措置で下げた国がある。それが正しい方針なのか僕には疑問もあるが、総額表示にした直後に税率を下げることは業界に迷惑だ。だけど、それで本当にいいんだろうか。消費税を本当にこのまま10%でやっていけるのか。あるいは時には下げる判断もあって良いのではないか。それらの疑問にきちんと答えることなく、ただ単に総額表示にするだけでは意味がない。
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