柏場所
~隆の勝一家~
☆ぶつかり稽古(げいこ)☆
あいにくの冷たい雨。柏体育館前に急ごしらえされた屋台は、あったかいそばやラーメンが売れていました。
二階ギャラリーに空席はあったのですが、体育館のフロアはほぼ満席。すでに土俵上ではぶつかり稽古が始まっていました。
稽古の様子はニュースなどでよく見る、部屋でのものと同じです。しかし、すべての部屋が集まる巡業は、大人数です。土俵下に控えている、逸の城や妙義龍の姿が見えます。
この稽古、壁のように回りを固める力士たちの前で、相対した二人がぶつかる。受け手が出されれば、その間にみんなが「やめやめ」と割ってはいる、あの稽古です。
これは栃の心のぶつかり稽古の様子です。みて分かる通り、力士たちの人垣(ひとがき)がかなり手薄になっている。観客にサービスしているわけではありません。未熟なものは、力ずくだったり力があまったりと、怪我(けが)のリスクが大きい。それが理由です(私の見解ですが、間違ってないはずです)。
ぶつかる方と受ける方では、
「ぶつかる方が大変ですねえ」
隆の勝の答です。
☆遠藤/稀勢の里
ぶつかり稽古の途中で、会場で大きな拍手。なんだと思ったら、花道を稀勢の里が入場して来るのでした。やっぱり人気があるんですねえ。
土俵上でそんきょしているのが、高安。左側の土俵下にいるのが、手前から稀勢の里、その左側が栃の心。さらにその奥で付き人の胸を借りているのは、鶴竜です。まさに巡業の稽古だからこそみられる風景です。
☆土俵入☆
幕内力士の土俵入。赤ちゃんを託されたのは3人だったかな。嘉風が抱いてる赤ちゃんは、化粧回しまでしています。向こうにいるのは、多分栃の心が抱いてる赤ちゃん。でも、もう限界って感じ。
横綱の土俵入で初めて顔を見せた白鵬ですが、うまく撮れなかった。これは鶴竜の土俵入です。
子ども相手のお相撲は、御嶽海に隆の勝、そして石浦と遠藤でした。ふだんめったに笑顔を見せない遠藤ですが、この日はよく笑っていた。
☆隆の勝一家☆
この日、隆の勝一家に会えたのです。お正月イベントのレポートで触れましたが、お兄ちゃんと妹(隆の勝からみてお姉ちゃん)とは縁がありまして、この日は「10年ぶり!」の、そして驚きの再会は、雨の降る体育館入口でした。
「先生が退職の時、学校まで会いに行って以来です」
そういうお兄ちゃんは、中学時代、膝から下二本の骨折も、高校時代のバイク転倒による骨折も「仕方がない」顔をするやつでした。自分がダメな奴だという「男は黙って」のお兄ちゃんは、
「よく覚えてますね」
とはにかむのです。
「べんさん(私の昔のあだ名)、今でもバイク乗ってんの?」
今はもう小さいバイクなんだよ、と答える私に、
「でも、きっと大きく見える。(べんさん)痩せてるから」
という妹に、優しいよなこいつはと、改めて思う。自分の心の置き場をずっと見つけられないで、あんなに暴れてた中学校時代。今も豪快に笑い飛ばす一方、細かい気づかいを見せるのです。面白い。
お兄ちゃんが、隆の勝の仕度(したく)部屋に入る手続きをしてくれました。ちょうど土俵入&取組前の大銀杏(おおいちょう)を結(ゆ)っているところでした。床山さんも後ろで写ってます。右が私で左側が妹(先の通り、隆の勝から見てお姉ちゃん)です。
☆薬師寺!☆
隆の勝の後援会は、柏と大阪にあるという。だから化粧回しも二枚あると言います。「大阪はお寺さんらしいです」とうろ覚えのお兄ちゃんですが、これがお母さんに聞けば、
「薬師寺? 奈良の」
もしかして世界遺産の? 私は慌(あわ)てふためきました。なにが大阪だよ兄貴ぃ! 重要文化財よりも国宝がはるかに上であること、世界遺産はそのまた上にある、というようなことを、私は興奮してまくし立ててしまいました。
間違いなかった。奈良に何度も行ったと言う隆の勝は、お寺の様子を教えてくれる。
「オマエはどんな寺か分かってるね?」
そう確かめずにはいられない私でした。
仕事で来れなかったお父さんと、まだいる三人の兄弟が写っていませんが、全員勢ぞろい。床山さんに撮ってもらいました。私は後ろでと主張したのですが、お母さんは先生が前にと言ってくれて、お言葉に甘えました。
妹は隆の勝の身体をおもちゃにするし、お母さんはおっきな整体院の経営者、みんな隆の勝の身体に触るので、私も隆の勝の身体に遠慮なく触ってきました。柔らかい。
「これも脂肪じゃないんでしょ?」
お腹に触って聞く私に、隆の勝は笑ってうなずきます。
取組が始まります。みんな仕度部屋を出る。でも、一家は帰るという。
「取組見ないの?」
私は驚きます。みんなにこにこ笑って、
「別にいいかな」「話できたし」
とあっさり。
家族や兄弟やと、あったかいものをたくさん見せてもらいました。
☆後記☆
本来なら「隆の勝関」と語りかけるところを、みんな家族の会話なので、私もつい「オマエ」が多くなってしまいました。真ん中にズシンと座っているのは、24時間相撲部屋の大変な生活をしている力士なのに、紛(まぎ)れもない「弟」なんですねえ。不思議な景色なんです。
☆ ☆
「オオタニさ~ん」の三連勝なりませんでした。でもこれからですよ。
本人は一番分かってるでしょうが「挽回(ばんかい)しよう」と思わないことですねえ。
今日から福島行って来ます。いつもならまだ桜が咲いてます。でも今年は無理かも知れませんね。
~隆の勝一家~
☆ぶつかり稽古(げいこ)☆
あいにくの冷たい雨。柏体育館前に急ごしらえされた屋台は、あったかいそばやラーメンが売れていました。
二階ギャラリーに空席はあったのですが、体育館のフロアはほぼ満席。すでに土俵上ではぶつかり稽古が始まっていました。
稽古の様子はニュースなどでよく見る、部屋でのものと同じです。しかし、すべての部屋が集まる巡業は、大人数です。土俵下に控えている、逸の城や妙義龍の姿が見えます。
この稽古、壁のように回りを固める力士たちの前で、相対した二人がぶつかる。受け手が出されれば、その間にみんなが「やめやめ」と割ってはいる、あの稽古です。
これは栃の心のぶつかり稽古の様子です。みて分かる通り、力士たちの人垣(ひとがき)がかなり手薄になっている。観客にサービスしているわけではありません。未熟なものは、力ずくだったり力があまったりと、怪我(けが)のリスクが大きい。それが理由です(私の見解ですが、間違ってないはずです)。
ぶつかる方と受ける方では、
「ぶつかる方が大変ですねえ」
隆の勝の答です。
☆遠藤/稀勢の里
ぶつかり稽古の途中で、会場で大きな拍手。なんだと思ったら、花道を稀勢の里が入場して来るのでした。やっぱり人気があるんですねえ。
土俵上でそんきょしているのが、高安。左側の土俵下にいるのが、手前から稀勢の里、その左側が栃の心。さらにその奥で付き人の胸を借りているのは、鶴竜です。まさに巡業の稽古だからこそみられる風景です。
☆土俵入☆
幕内力士の土俵入。赤ちゃんを託されたのは3人だったかな。嘉風が抱いてる赤ちゃんは、化粧回しまでしています。向こうにいるのは、多分栃の心が抱いてる赤ちゃん。でも、もう限界って感じ。
横綱の土俵入で初めて顔を見せた白鵬ですが、うまく撮れなかった。これは鶴竜の土俵入です。
子ども相手のお相撲は、御嶽海に隆の勝、そして石浦と遠藤でした。ふだんめったに笑顔を見せない遠藤ですが、この日はよく笑っていた。
☆隆の勝一家☆
この日、隆の勝一家に会えたのです。お正月イベントのレポートで触れましたが、お兄ちゃんと妹(隆の勝からみてお姉ちゃん)とは縁がありまして、この日は「10年ぶり!」の、そして驚きの再会は、雨の降る体育館入口でした。
「先生が退職の時、学校まで会いに行って以来です」
そういうお兄ちゃんは、中学時代、膝から下二本の骨折も、高校時代のバイク転倒による骨折も「仕方がない」顔をするやつでした。自分がダメな奴だという「男は黙って」のお兄ちゃんは、
「よく覚えてますね」
とはにかむのです。
「べんさん(私の昔のあだ名)、今でもバイク乗ってんの?」
今はもう小さいバイクなんだよ、と答える私に、
「でも、きっと大きく見える。(べんさん)痩せてるから」
という妹に、優しいよなこいつはと、改めて思う。自分の心の置き場をずっと見つけられないで、あんなに暴れてた中学校時代。今も豪快に笑い飛ばす一方、細かい気づかいを見せるのです。面白い。
お兄ちゃんが、隆の勝の仕度(したく)部屋に入る手続きをしてくれました。ちょうど土俵入&取組前の大銀杏(おおいちょう)を結(ゆ)っているところでした。床山さんも後ろで写ってます。右が私で左側が妹(先の通り、隆の勝から見てお姉ちゃん)です。
☆薬師寺!☆
隆の勝の後援会は、柏と大阪にあるという。だから化粧回しも二枚あると言います。「大阪はお寺さんらしいです」とうろ覚えのお兄ちゃんですが、これがお母さんに聞けば、
「薬師寺? 奈良の」
もしかして世界遺産の? 私は慌(あわ)てふためきました。なにが大阪だよ兄貴ぃ! 重要文化財よりも国宝がはるかに上であること、世界遺産はそのまた上にある、というようなことを、私は興奮してまくし立ててしまいました。
間違いなかった。奈良に何度も行ったと言う隆の勝は、お寺の様子を教えてくれる。
「オマエはどんな寺か分かってるね?」
そう確かめずにはいられない私でした。
仕事で来れなかったお父さんと、まだいる三人の兄弟が写っていませんが、全員勢ぞろい。床山さんに撮ってもらいました。私は後ろでと主張したのですが、お母さんは先生が前にと言ってくれて、お言葉に甘えました。
妹は隆の勝の身体をおもちゃにするし、お母さんはおっきな整体院の経営者、みんな隆の勝の身体に触るので、私も隆の勝の身体に遠慮なく触ってきました。柔らかい。
「これも脂肪じゃないんでしょ?」
お腹に触って聞く私に、隆の勝は笑ってうなずきます。
取組が始まります。みんな仕度部屋を出る。でも、一家は帰るという。
「取組見ないの?」
私は驚きます。みんなにこにこ笑って、
「別にいいかな」「話できたし」
とあっさり。
家族や兄弟やと、あったかいものをたくさん見せてもらいました。
☆後記☆
本来なら「隆の勝関」と語りかけるところを、みんな家族の会話なので、私もつい「オマエ」が多くなってしまいました。真ん中にズシンと座っているのは、24時間相撲部屋の大変な生活をしている力士なのに、紛(まぎ)れもない「弟」なんですねえ。不思議な景色なんです。
☆ ☆
「オオタニさ~ん」の三連勝なりませんでした。でもこれからですよ。
本人は一番分かってるでしょうが「挽回(ばんかい)しよう」と思わないことですねえ。
今日から福島行って来ます。いつもならまだ桜が咲いてます。でも今年は無理かも知れませんね。
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