実戦教師塾・琴寄政人の〈場所〉

震災と原発で大揺れの日本、私たちにとって不動の場所とは何か

一学期&柏市政 実戦教師塾通信八百七十一号

2023-07-28 11:51:53 | 子ども/学校

一学期&柏市政

 ~懺悔(ざんげ)ではなく~

 

 ☆初めに☆

昨年度末 ~ 一学期を通して寄せられた相談・報告から見えること報告します。学校はコロナが五類に移行した後も、マスクの励行が続いています。そんな現状を何とかしたいと、とりわけ管理職が率先して「顔をさらして」います。しかし、盛夏の時期となった今でも、小学校の高学年を境に効果ははかばかしくありません。「火元になりたくない警戒心」、そして「顔が見えない安心感」は、結構な壁となっています。

また、千葉県柏市の行政について報告します。30日に公示され来月の6日に投開票される市議会選挙に、いつも通り関心がない私ですが、その激震ぶりは近いところから伝わってきます。太田かずみ市長を公然と批判する立候補者は、皆無だと思われます。前市長の公約をことごとく覆している太田市長の行く末は、見届けないといけません。

 

 ☆偉大な母ちゃん☆

長期にわたる我が子の不登校が終了した。のではないかも知れないが、一学期はついに欠席ゼロだった。母親は「再発」を危惧しつつ、自分の対し方が間違ってなかったと思っているはずだ。ある日、我が子は、

「いつまでもこんなことをしてはいられない」

と、復帰宣言したらしい。終日、太陽の強い日差しが注ぐ中で肉体労働をし、7時に家に戻って食事を用意(「作る」のだ)し、片付けや洗濯をする。兄妹が、その手伝いをしている様子はない。母親が「疲れた」を連発しても、平然と洗濯物をバスケットに放り込む。しかし二人を、母親は責めることがない。恐らく全く。初め五月雨状態だった妹の欠席は、やがて全欠となる。所持する携帯がスマホとなり、初めは出勤時に預かるが、それが徐々に緩んでいく。学校は安全だけど家にいるのは心配で仕方がない、とずい分こぼした。それでも、どうして学校に行かないのかと問い詰めることはなかった。習い事をしたいと言った時も、学校にも行ってないくせに、とは言わなかった。お母さんがこんなに大変な思いをしてるのを分かってるの、とも言わなかった。兄は高校に楽しく行っている。兄妹が仲がいい、とも言う。母親は恐らく、ふたつの「安心」にすがるような思いだった。バイトを始めた兄が、自由にお金を使う姿を見て、最近妹は、お小遣い目当てのお手伝いをせがむようになったという。やがて、妹は重い腰を上げる。何事も無かったかのように。長い間寝ていた子が「良く寝たなぁ」と言って起き上がる、昔話の『三年寝太郎』を見る思いだ。

 一番悩んでいるのは本人だ。ということも、母親は十分承知している。そんな中、なんとかしないといけないという思いを、妹は少しずつ焦ることのない場所に移して来た。ご飯が美味しかったとか、動画に面白いのがあったとかいう小さな積み重ねを通して、自分の中にある「陰り」を克服して来たのだろう。母親を苦しめてはいけない、という気持ちを妹にあまり感じないのだが、そこにいい意味での「甘え」がある。「安心」に近い気持ちがある。そこんところがすごい。母親が、だ。「子どもを信じなさい」などという、甘ったれたクリニックどもの言うことに聞く耳など持たなかった。迷いと不安のただ中で、自分が出来ることをやるしかないと思ってやって来た。かつて夫婦だった時、兄妹の目の前で修羅場を繰り返した。ふたりの深い場所に傷を負わせた。母親はそれが不登校の主たる原因だと思っている。母親がちっとも大変そうな顔をしないのは、自分(たち)が、ふたりに負わせた重い荷物を考えたら軽いものだと思っているからだ。今はふたりの進学のため、大型免許を取ろうと思っていると言っている。

 

 ☆太田市政☆

太田市長が一期で止めて国政に復帰する、という見立てや噂が止まない。近い関係者の話では、本人が「市政は面白くて仕方がない」と言っているそうだ。主張がすぐに反映されるからだという。私たちが初めに驚いたのは、前市長がかたくなに譲らなかった「市立柏病院の移転」を撤回し現在の場所に立て直すと、あっさり宣言したことだ。大きなお金がすでに動いていたはずなのだが、市民の訴えが通った形となった。次も同じく柏市の給食は「センター方式に全面移行」という前市長の公約を、これもあっさり(でもなかったけど)くつがえして「自校方式」を最大限追及するという。現在、進行中である。「美味しい&作る人/食べる人の顔がお互い見える」自校方式は、児童生徒の減少傾向下、財政上リスクを伴うという前市長の主張は、説得力を持ってもいた。おまけに「自分の子が学校を卒業する前にセンター方式になるわけではない」保護者にとって給食がどうなるか、それほど関心をそそるものではなかった。そんな中での自校方式推進は、相当なリーダーシップが必要だったと思われる。驚きの方針提示だ。もうひとつ、旧そごう別館を改築し、子ども・子育てのための総合支援施設にする計画が進行中だ。3年後の開設を目指している。最後の点は、ずっと前からの柏市子ども部・福祉部が長い間あたためていたものであって、市長の全面的イニシャチブではないと思われるが、停滞や停止にはなってないのである。これに伴う「お金はあるのか」という心配があるにしても、大胆な政策がどうなって行くのか、オンブズマン的役割を議員が担わないといけないし、そういう意味での張り合いがあるというものだろう。頑張れ、立候補者! 市議会選挙投開票は、9日後だ。

 

 ☆後記☆

この一年、結構あった相談は、うつ病や適応障害の「精神疾患」でした。教員の心の病は、相変わらず高い比率を示しています。当事者はもちろんのこと、周囲からの報告も多いのです。周囲を巻き込むのが病気だからです。公務員は民間に比し、身分が守られています。休むのはいいのです。勤務に復帰して、周囲にあたら散らすような「来てやったゼ」的態度をとるのは、自分を守るためとはいえ、いただけない。これらの対処に、少し動いています。

まだ公然とはしてませんが、面白い動きがあります。千葉県柏市全体の公立中学制服のデザインが学校別でなく、たった三種類ほどになります。間違いなく、制服リサイクルのためでしょう。カッコよく、かわいらしく、よろしく!

暑き日をどこに収めるのか、って感じの手賀沼の夕方です。

そう言えば、開いた口が塞がらない!ことがありました。盗撮現場を押さえたとかいう女の方、ニュースの会見で、

「盗撮してらっしゃる……」

と思ってとり押さえたんだとか。晩飯の豚キムチを、開いた口からこぼすところだった。アナタ、盗撮行為の方か、盗撮している奴の方か、どっちを尊敬してるの? 敬語使ってる時じゃないから。敬うくらいなら、警察に突き出すなんて、やめてください。ニュースも、編集するとか出来なかったのかよ。日本沈没!

そんなのいいや。オオタニさん、今朝のニュースで目が覚めました⚡ 

そして、明日から四年ぶりの柏祭開催です。若親分の神輿🎋 観に行かなくちゃ。わっしょいわっしょい🥁


夏ドラ 実戦教師塾通信八百七十号

2023-07-21 11:37:24 | エンターテインメント

夏ドラ

 ~静かな場所のため~

 

 ☆初めに☆

いよいよ夏休み。やっと来ましたね。オマエなんか毎日夏休みのくせして、と言われようがなんだろうが、あ~夏休み!です。久しぶりに脱力モードで、でも文句たらたらなエンターテインメントの記事をお届けします。

話題沸騰中の日本映画ですが、結局、ドイツのヴェンダース監督・役所広司主演の『PERFECT DAYS』だけ見ることにしました。是枝監督や北野監督はもちろん好きなんですが、いつも勝手に選んでて、特に是枝監督の作品は意外に観てないんです。宮崎駿監督の作品に関しては、欠かさない感じで見て来ましたが、メッセージが強そうだなと思った時は足が向いてません。今回もそうなんですが、そうではないと思えた方は教えてください。観に行きます。

 

 ☆妄想たくましく☆

観たいと思えるドラマが、実に長い間なかった。でも今回、面白そうだと思えて『18/40~ふたりなら夢も恋も~』を見た。久しぶりに、最終回まで見ようと思った。ネタバレすれすれのところで言えば、これは、予期せぬ妊娠が判明した大学生の有栖(福原遥)周辺の混乱や心配の中、「出産」「家族」とは何なのかと問い続けるドラマだ。「子どもを生めない身体かもしれない」失意に沈む、彼氏のいないキャリア瞳子(深田恭子)。このふたりを中心に、生まれて来る子どもとの新たな関係を構築していく物語、だと思う。「私たち家族だから」とか「一緒に子どもを育てよう」というセリフが登場するのは、間違いないと思える。ひとりで有栖を育ててきた優しい父親(安田顕)が妊娠を知るのは、多分隠しおおせぬギリギリの時期。妊娠の告白を、有栖の気持ちが揺れるうちはしない。その気持ちが固まる頃か、その間際に、突然消えた元カレが「留学」先から帰って来て、「やり直そう」「僕たちの子どもだよね」と言い出す。ドラマは佳境に入る。って、初回を見ただけなのに妄想たくましいと我ながら思うが、予想総崩れの時は、赤面さらして謝罪いたします。今週の配信を見たところ、予想はまんざら外れてなさそうだと思えました。

 

 ☆おせっかい?☆

このドラマのどこがいいのか。「肯定的」であることだ。憎悪をまき散らすことを「正義」と言ってはばからない愚者どもが、ずい分と幅を利かせて来た。内容のない批判が到達するのは「目的としての批判=中傷」という場所だ。

「あなたは全世界を敵に回しても自分の行きたい道を進みなさい」

という瞳子のエールは、当事者の事情を分かってないものの勝手な言葉だ。しかし、何故かそれでもいいと思えるのは、私たちが「必要以上に相手に踏み込まない社会」をずっと作り続けてきたからだ。それとは違うものを、この言葉が持っていると思えたからだ。小さいけれど静かで確かなものを、この言葉が目指していると思えた。友人にこの見解を話したところ、そんな話のどこがリアルなもんか、一緒に家族になろうよだなんて突拍子もない、と目を剥かれてしまった。そうだろうかと私が思い出したのは、「赤ちゃんポスト」のことだった。熊本市の慈恵病院が始め、継続している「捨てない場所」である。自分で産む力・選択の出来ない女性をサポートする「内密出産」も開始した。里親の失敗例や命を救えなかったケースなども聞いている。しかし、今もこの事業は続いている。病院の大変な姿を「見たことか」と罵るのは簡単だが、大変な議論と苦悩の中で、このことが続いているのは間違いない。

「(18歳が成人という)法律が、あなたを大人にしてくれるなんて思ってるの?」

「(大会社のキャリアの)あなたに、お父さんと私の何が分かるっていうの?」

このドラマに「赤ちゃんポスト」を重ねるのは不謹慎と思いつつも、ふたりの会話に共感出来る。

 

 ☆何が幸福なのかと☆

水曜日のテレビ朝日は、三つの刑事ドラマをローテーションしているが、『刑事七人』だけ見ている。今回その番がめぐって来て、『18/40……』と重なった。一年以上ドラマを全く見てなかったことになる。刑事ものや医療ドラマが廃れないのは、正しいことは正しいという思いや、救われたい気持ちは報われないといけないという私たちの気持ちがあるからだ。一方、ありがちな設定としてメガバンクを敵に回すだの、東大卒と専門卒だの、あるいは重い障害を抱えるとか虐待とか、もう食傷気味と感じているのは自分だけだろうか(見てないけど)。なんかキャスティングの豪華さを、これ見よがしにと始まったドラマも気持ち悪くてしょうがない。良くないことは、これらがサクセスストーリーとして構成されていることだ。『二月の勝者』は、少し違ってたみたいだけど、頭の悪い子が慶応に入ったなんて話、別にどうでもいい。アメリカ流、もっと言えばウォルトディズニーの世界は、最後に出世・結婚・名誉・富、総じて「成功」への道に通じている。今のテレビは、そんなドラマばかりだと思える。アンデルセンや日本昔話は、ちょっと違う。私たちは人魚姫の不幸を見て、知らず知らず「他人の幸福を願う」気持ちを育てている。幸せは小さくていい、地味で静かでいい、そう思える人が不幸な人に寄り添える。

 では『18/40……』が、そんなささやかな幸福物語なのかどうか、有栖の夢が「なるのは大変でも、不安定で給料も安い」キュレーターなんだが、瞳子は大会社のキャリアだ。これから上司や社長やと様々な男が動くし、金を巡る話も友人の嫉妬も出て来るはず。安っぽい結末にならんことを願うばかりです。

 

 ☆後記☆

そんなわけでというか、私のささやかで贅沢な幸福。少し早かったけど、今年も土用の丑を味わいました。

残念だったのは、気が付いたら完食していたこと。もっと味わえよ、と反省しきりです。

こちらは先週のこども食堂「うさぎとカメ」で~す。夏野菜のごろごろソテー🍆🥕

スタッフの工夫と苦労の一品です。そして、ペペロンチーノ風スパゲティは、少しもたついた食感になってしまいましたが、そこはもう夏休みですから 昨日は終業式。通信簿は、まぁとりあえず、でしょ!

 万歳\(^o^)/夏休み ゆっくり楽しもう!夏休み


科学 実戦教師塾通信八百六十九号

2023-07-14 11:20:18 | 福島からの報告

科学

 ~民主と科学(2)~

 

 ☆初めに☆

小見出しが「2」なのは「福島からの報告」で「2」。今回は、安斎育郎先生のレクチャーが中心となります。話を始める前に、現在ニュースをにぎにぎしくしている「汚染水の海洋投棄」についてです。IAEA事務局長の報告書は、実に漁業関係者をバカにしたものです。とても看過できるものではありません。冒頭で、

「処理水の放出は日本政府による決定であり、報告書はその方針を推奨するものでも支持するものでもない」

と言いつつ、以下は海洋放出を「支持する」文言が続く。分かったような顔せず気を張り詰めていれば、思わぬ動きが見えることもあります。二年前に政府が処理水の海洋放出する方針を固めた当時、総務省の大臣だった高市早苗が怒っている。この海洋放出文書の差出人に、本人も知らぬ「高市早苗」署名公印があったからです。この時経産省大臣が留守だったので、自分が代理を務めることになったのだろうとも言っている。でも、誰からも報告・連絡がないではないかという驚きと怒りでした。私は2016年の、イラク自衛隊日報問題を思い出しました。廃棄したものだから存在しない、と答弁していた防衛大臣・稲田朋美ですが、結局、知らなかったのは稲田本人だけだったあのことです。思いがけなく、官僚国家が姿を現す時があるのです。

 

 1 汚染水安全諮問

 私のいい加減な汚染水の海洋投棄の認識は、良く言う「安全と安心は違う」程度のものだった。しかし、私たちはトリチウムの安全を諮問した小委員会に、漁業者あるいは漁業者の推薦する科学者を入れなかったという事実を知らない。肝心な当事者である漁業者を蚊帳の外に置いて議論を進めたという事実に気づいてない。このことをメディアが伝えただろうか。いつかどこかでやったのかもしれない。でもそうだとしても、繰り返しの報道はしなかった。

「だから、汚染水の問題ってのは、科学の問題っていうよりは民主主義の問題なんだよ」

この日、楢葉町の伝言館で安斎先生は話した。私たちが年明けにも聞いたことである。科学的に安全かどうかって言うなら安全だよと、やはり繰り返した。40分の1に薄めてから流すというのは、広い海のことを考えれば無駄な感じもするのだが、という私の疑念にも「その通りだよ」とあっさりしたものだ。要するに、今まで福島や福島の海を裏切って来た後ろめたさがあるからだと、はっきりした物言いが続く。

 先だって書いたことを繰り返す。昨年の降水量の減少と施設周辺工事の進行によって、汚染水保管タンクの満杯時期が大幅に延びた。それによれば早くて今年の秋(11月)、遅ければ来年の3月になった。「関係者の納得が得られないうちは海洋放出は行わない約束」のための時間が出来た。しかし、IAEA事務局長の「放出後も観測は継続する」なる文言は「関係者の納得」と全く関係がない。

 

 2 甲状腺ガン

 もうひとつ、ずっと気になっている「原発事故と甲状腺ガンの因果関係は不明」というものだ。あるに決まってるという、いかにも分かった風な推論は、怠惰な態度がもたらしている。煩雑で膨大な資料から、それなりに分かって来たことがある。ヨウ素の「半減期が8日」が意味するのは、それが短期間のうちに体内に発見出来ないものとなること。その点がセシウムとは違う。厄介なのは、放射性物質は自然消滅するわけではないこと。ヨウ素131が通過した後、甲状腺が肥大する。ヨウ素は甲状腺に蓄積するからだ。半減期の早いヨウ素は、それがガンになる頃には全く姿を消している。「原発事故と甲状腺ガンの因果関係は不明」とは、ヨウ素がどこにも見当たらないものを根拠にする。証拠がないのだ。まさに「渡りに船」とはこのことだ。外部被爆の理論は、生物的濃縮には全く役に立たない。

 一方で、福島での青少年の甲状腺ガン発症は300人を超えた。これが多いか少ないか、そして「過剰診断」という議論がされている。同じ「精度の高い」計測法で、広域検査が行われたのは2014年だ。その結果、福島の突出はなかった。しかし、これが2巡目になって数値が変わる。このことを安齋先生は「潜伏期間」の問題ではないか、と考えている。大切なのは、経過観察を続けることだという。福島で200人近い子どもたちが、甲状腺ガンの手術を受けた。ガンと聞いて多くの親が動揺したのだ。しかし、甲状腺ガンは、手術を要しない「良性ガン」であることが多い。手術を受けたのが、果たしていいことだったのかどうかと、多くの人たちが苦しんでいる。当事者の思いは「原発事故と甲状腺ガンの因果関係は不明」かどうかにはない。どうすることが「正解」なのか、という切実なものだった。

 

 ☆後記☆

これでも専門用語や細部に触れず書いたのですが、力任せのレポートになりました。暑苦しいなと思った読者に、お詫び申し上げます。ついでに、もうひとつ「約束」でムカついてます。マイナンバーカードの取得は、あくまで「任意」だという「約束」です。人為ミスだの不完全なシステムだのって、そんなの全く興味ないです。「任意」でいいです。

暑さが少し和らいでいる、ここニ三日です。ありがたいですね、ホント。風鈴が涼しさにそよいでます 🎐

こども食堂「うさぎとカメ」、明日ですよ~ チラシ裏側は、明日用の記事で~す。ニンニクとピーマン使わずに、子ども向けに作ります。美味しいよ🍝

我が家の金木犀の下で砂浴び、暑さを何とかしようとスズメさんです。見えるかな?

そして、さあ、あと三日の登校で夏休み みんなみんなあと少しだよ


夕筋 実戦教師塾通信八百六十八号

2023-07-07 11:44:18 | 福島からの報告

夕筋

 ~地道に続く(1)~

 

 ☆初めに☆

小雨でしたが、福島県・広野町の夕筋浜に行きました。広野町役場で、一体どこなのかと場所を聞いたのです。震災当時から職員をされている方だったので、誰もいない真っ暗な庁舎の中に積みあがった支援のミネラルウォーターや、庁舎の一部が東電の補償窓口になったことなど、当時の話で盛り上がりました。ポスターと一緒に、たくさん持って行ってくださいと、観光案内のパンフレットをいただきました。小雨の中でした。

これが観光キャンペーンのポスター。再掲示します。こちらは晴れ渡った空に、波が映えます。来ましたよ。

 

 1 夕筋浜

  空に延びる遮断機。踏切の向こうには、歩行者しか行けないような坂道が浜まで続いている。

 

やがて警報機が鳴り、遮断機がおり始めた。自分が踏切の中にいることを思い出して、慌てて外へ出る。

ツートンの鮮やかな特急が、あっという間に通り過ぎる。てっきり二両ほどのディーゼル機関車が、かわいらしく通り過ぎるものだと思っていた。ここは常磐線なのです。「撮り鉄の非常識」ってのをやっちゃってたみたい。

 

 2 売り棚

 「天気が良くて休みの日と来たら、夕筋の通りはたくさんの人でさ」、いつも通り、二ツ沼の直販所「のらっこ」に寄って踏切に行ったことを話すと、おばちゃんが言う。恥ずかしくて洗濯物を干せないよ、と近隣の人たちが言っているらしい。ポスターのことがある前から、撮影スポットとして注目されていたようだ。

 熱心な読者は覚えているかもしれない、広野町で最初にお米の生産を再開した方の奥さんが、この日のレジのひとりだった。私の新刊につづられたまま、お米の生産と販売の苦労話、そして天皇陛下の「このお米は美味しい、どこの米なのか」というひと言がメディア上に出て、それからは注文の電話が鳴りっぱなしという話を振り返った。しかし、その後の経過は若干違っていたようだ。

「いやあ、そういう時期はあっという間に終わってね。阪神淡路大震災の被災者の皆さんを中心に支援をいただいたけど、興奮が冷めるように注文はなくなってさ。今でも続いて買ってくれてるのは一人かな」

第三者の「支援」なるものは、結局いい加減なのだろうか。話は続いた。どうにかなってるのは、息子夫婦の地道な営業努力のおかげ/ネットでの販売網を丁寧にひとつひとつ拡げて/お礼や時候の挨拶もかかさない等々。

「生産者の役割は、作ったらお終いという時代じゃないよ。売る方もやらないといけない時代だよ」

前回来た時に増して、「のらっこ」の売棚がさみしい。また売れてしまったというんですか、気になって尋ねる。実はね、今までは生産者組合がここの経営者だったんだけど、この春から「町営」になったんだよ、という。町が生産者を選別しているのだろうか。そんなはずはない。広野は楢葉と比して畑地の面積が狭いからな、とは楢葉の渡部さんの見解だ。生産者の生産意欲が下がって来たのだろうか。元気のいい組合長さんが、この日はいなかった。歯に衣着せぬ物言いを、次には聞きたい。広野産のニンニクを買った。本物ってこんなにと思うくらい、強い匂いは車に充満した。

 

 3 祭の復活

 牛の相場の底が見えて来た、とは値段が落ち続けてきたということだ。これから上向くかもしれないとういことではあっても、渡部さんの表情に陰りが見えるのは仕方がないことなのだ。私のような能天気が何のお手伝いもせず、ぶらぶらしてていいのかと多少の後ろめたさを持ちつつ、ぶらぶらしている。

お祭りの話になった。もちろん、福島と言えば「相馬野馬追」。奥さんが小学校の頃の運動会で、騎馬戦はこの野馬追もどきだった。天から降って来る神旗を奪い合う。新聞紙を棒状にしたもので、馬上の騎士が旗を絡めとる。これが祭だと、聞いていて思う。みんなそうやって、祭を受け継いでいく。千葉には祭はないのか、と聞かれた。そんな全国に名前を轟かせるものが、千葉にあるわけがない。ディズニーランドなら毎日お祭りやってるよ、逃げるが勝ちである。

 体中ワクチンだらけだよ、6回接種したおばあちゃんが笑っていう。私が一度たりとも接種したことがないことで、嫌な顔をされたことがない気がするが、ホントはどうなんだろ。日本中が大騒ぎしていた頃、競り場の本宮では、ワクチン接種証明書がないと場内に入れなかった。そんなくだらないことをやってたのか、と口の減らない私である。重症化する病気だゾという渡部さんに、どんな病気でも重症化する人はいる、とやっぱり口の減らない私だ。そんなこと言って、コロナに感染して4日間で死んだなんて吠え面かくなよ、渡部さんのひと言で居間が笑いで膨れた。

 

 ☆後記☆

元気なお庭の花やコキア。隣にナスが沢山植わってました。

いつも通り、野菜をたくさんいただきました。みんなと分けましたが、ナスは私のもの。いいですね~ 旬の味は

柏でも4年ぶりにお祭りが復活します。街が動く、街を動かすという熱気が、今年は神輿の若頭の顔に満ちています

そうだ、花火も再開します。たまや~🎆