実戦教師塾・琴寄政人の〈場所〉

震災と原発で大揺れの日本、私たちにとって不動の場所とは何か

石破首相・下 実戦教師塾通信九百三十四号

2024-10-18 11:28:09 | ニュースの読み方

石破首相・下

 ~「自衛」と「同盟」~

 

 ☆初めに☆

石破茂が首相になることを、私たちの多くが待っていたような気がします。わけあって石破氏は、自分の党からコケにされていた。私たちの新首相への期待は、すでに幾ばくか肩透かしを食らっているようですが、私たちが石破氏に期待してしまうまでのいきさつを確認した方がいいと思われます。一方、国際的な緊張を前に、煽られてばかりいる私たちです。「平和ボケ」の私たちに、考えるための具体的な手立てはないのでしょうか。ないはずはない。

 1 森加計問題

 忘れそうだが、石破氏は党内きってのタカ派だ。憲法九条・第2項を撤廃するというのが、その代表と言える。

「(戦争放棄の)目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」

この項目を廃棄する考えは、今もって変わっていない。では、石破氏へのシンパシーを私たちはどのように持つに至ったのだろう。中でも、森友・加計学園問題は大きかったはずだ。4年前の総裁選に出馬するにあたって日経始め報道各誌に、長期政権にあった安倍内閣が目を剥いてびっくりするような発言をしている。要旨は以下のようだった。

「キャッチフレーズは「納得と共感」。首相になった場合に森友・加計学園問題や「桜を見る会」の問題を再調査する。検証しなければいけないことがあるとすれば、検証していかなければならない。政治が『何かごまかしている』『ウソを言っている』という思いが(国民の間に)ある以上、納得にも共感にもならない」

この問題に対し、渦中の自民党でこれほどはっきり言う人間がいたのかと、留飲を下げた人も多かったと思う。実は時期を同じくして、繰り返し都知事に挑戦し続けている、元幕僚長の田母神俊雄との間で石破氏は激論を交わしている。田母神氏は雑誌『Will』で突っ込み、石破氏は同じく『正論』で受けた。もともと田母神氏は、靖国神社に参拝したことのない石破氏**に我慢がならなかった。そこに油を注いだのが石破氏の、

「『日本は侵略国家ではない!』それは違うでしょう。西欧列強も侵略国家ではありましたが、だからと言って日本は違う、との論拠にはなりません。『遅れて来た侵略国家』と言うべきでしょう」

という田母神氏への反論である。「こういう御仁が自衛隊のトップに君臨していたのである」と、田母神氏が激怒したのはもちろんだ。また、2008年に起きた護衛艦「あたご」と漁船の間の海難事故で、漁船側にふたりの死者が出たことで、この時防衛大臣だった石破氏が遺族に謝罪に出向いた件にも言及する(これは海難審判では「あたご」に回避義務があり、刑事裁判では無罪になるという経過をたどった)。こんな防衛大臣の下で、自衛隊員が胸を張って活動出来るはずがない、と田母神氏は反論したわけである。当時、田母神氏は「石破茂氏には、どうしても総理大臣になって欲しくない」と繰り返し語っていたが、その石破氏、総理大臣になってしまった。

**今朝の報道で、石破総理が「昨日、靖国神社参拝」とあった。田母神氏との激しいやり取りは、2010年代後半のものだ。田母神氏は「(石破氏地元の)護国神社さえ参拝していなかった」と、批判している。

 2 集団的自衛権

 しかし、これが国際紛争・戦争に及ぶと、石破氏の持論が前面に押し出される。小泉政権の下で防衛庁長官だった石破氏が2004年のアジア安全保障会議で、また地方講演で、首相を力強くサポートする姿は圧巻だ。

「自由と民主主義を否定する集団から自由と民主主義の体制を守るためには、かかる集団との対話は意味を持ちません。力を含むあらゆる手段を用いて断固として戦うほかはありません」

「イラクが大混乱に陥って……飛び火していったとして、一番困るのは(石油のない)日本人じゃないですか」

石破氏はこの辺にして、私たちの「自衛」を考えてみよう。国を揺るがす出来事はなかったのか。「自衛」とは、そこから考え得るものだ。それで思い起こすのは、オウム真理教である。日本全体の機能がいかがわしい宗教集団に覆されるのではないか、と恐れおののく時もあったと思う。この時、自衛隊に出動要請をしたのは、東京都知事である。「地下鉄爆撃」の誤報を、オウム真理教によるサリン攻撃であるとただちに判断し、初期段階で自衛隊は待機していたという。教訓にしたいのは、相手が理屈の通らない集団だったら(実際、紛れもないテロ集団だった)どんな違法な捜査がされても構わないと、私たちが思ったことだ。そんな考えの決定的欠陥をさらしたのは、警察庁長官狙撃事件だった。オウムとは関係のない事件と分かるまで信者に対して嫌疑をかけ、あらゆる手法が使われた。

 興味深いのが福島第一原発事故だ。これも国の存亡にかかる大事故である。物質的・経済的、医療的支援が世界各国から寄せられた。そして人的支援もされるのだが、とりわけ原発事故の対応に現場まで赴いたのがアメリカ軍だった。トモダチ作戦は「強固な日米同盟」の証明とされた。しかし、押さえておかないといけない。命の危険を賭して現場にいたのは、東電の現場職員だ。そして「日本」の自衛隊・「日本」の消防・「日本」の警察、以上である。アメリカ軍は2011年の3月17日、危険回避のため原発から80キロ圏外へ避難する。「敵前逃亡」した米軍を、集団的自衛権議論の俎上に上げない手はない。憲法九条第2項撤廃と共に集団的自衛権の行使を持論とする石破氏が、「イラクに派遣された自衛隊が、戦闘エリアになったからと言って撤収(**敵前逃亡)なんかすることが出来るはずがない」と言った石破氏が、この件についてどんな論評をするか聞いてみたい。

 **( )内は私の解釈による勝手な加筆です。

 

 ☆後記☆

週刊新潮の記事に、コメントが欲しいとの連絡を受けました。言われずともやるつもりでした。昨日発行の新潮に「取手いじめ事件」が、大きく取り上げられました。地裁の「原告(元担任)の処分を撤回しろ」という判決を支持し、県の立ち上げた第三者委員会を批判する記事です。来週も続く連載なのです。前に書きましたが、事件の控訴審は今月の31日に判決があります。つまり、新潮の連載が終わった翌週です。控訴審も原告有利に動いていると見た新潮が、掲載に踏み切ったのではないかと、私は思いました。来週に書くつもりです。

一方、ノーベル平和賞という驚きのニュースもありました。ちゃんと書かないといけません。後日、改めて書きます。「非核の火」を引き継いだ、福島県・楢葉町の早川住職も喜んでいることでしょう。

今年も庭の金木犀が満開。家の中まで香りがむせ返るようです🥀

明日は、子ども食堂「うさぎとカメ」ですよ~ 定番の焼きそばにポテトフライを添えま~す🍝 食欲の秋🍄💛

チラシ裏面の通信です。皆さん、おいでくださ~い👪


ヤジ 実戦教師塾通信九百十七号

2024-06-14 11:25:13 | ニュースの読み方

ヤジ

 ~原則と逸脱~

 

 ☆初めに☆

「つばさの党」なる団体が、物議をかもしています。政策らしきものは全く見当たリません。この連中がN党、そしてガーシー議員⁉に続く、ストレス発散民族と見ていいでしょう。でも今回の記事は、こういう者どもに対する批判ではありません。またしても、「表現の自由」が絡んでいるからです。戦う土俵が違うんです。

 1 首相・安倍

「こんな人たちに負けるわけには行かないんです」

懐かしくもないが、7年前の秋葉原駅頭における安倍元首相の「抗議」の声だ。「安倍やめろ」の横断幕とポスター、そして聴衆の「ヤジ」に対して出されたものだ。もちろん私も、首相が官邸主導で、この2年前に進めた安保法案の強引に憤った。また、小泉政権下での内閣主導システムは、安倍内閣で大きく進んだ。官邸・内閣ですべてが進んでいくことに、いら立ったのである。ついでに、辻元議員の国会質問に「さっさと質問しろよ」とヤジを飛ばしたのもこの男だ。そんな奴がヤジにムカついてるゼ、ぐらいにも思った。でもやはり、抵抗があった。ことは、駅頭の占有許可をもらっての選挙演説なのだ。街頭デモのことで言おう。あれはまず、デモ申請をして、公安委員会から道路使用許可を得る。学生時代に何度もやったが、参加人数「千人」などと書く。宇都宮大学は全学で3千人強、そんなに出るのかと聞かれるが、そうだと答えると、それ以上相手は何も言わない。一方、デモへの妨害もある。右翼が街宣車で突っ込んできたこともある。過激なデモを抑えるのが警察なら、デモ妨害の右翼を止めるのも警察である。選挙演説も同じだ。首相・安倍に頭に来ていたのは、私も同じだ。しかし、ことは駅頭の候補者演説であり応援である。

 2 ぜひとも傷害罪で

 この首相の発言に対し、多くの批判が飛び交った。例えば、州知事選の演説会場で、「ターミネーター」のシュワルツェネッガーが玉子をぶつけられたこと。それに対し、シュワ氏が「ベーコンも寄こせ」と対応したことを、首相・安倍の「こんな人たちに……」と並べ、いかに安倍氏が「大人げないか」としたのだ。また、オバマ大統領が当選した時、相手候補(マケイン)の支持者に「まだ、私を支持していない……皆さんの声も聞こえています」と言ったことをあげ、同じく「聞く耳を持たない」首相だと批判したこと。確か、ボルテールだったか「私はあなたの意見には反対だ。しかし、あなたがそれを主張する権利は、命をかけて守る」 を取り上げた人もいたと思う。でもこれって、双方が「相手をリスペクトする」状態が前提となっている。そうでない誹謗中傷はもちろん、相手の声をかき消すヤジは考慮されていない。仮にそんな状況を想定したとして、ボルテールは「単に相手を潰すのが目的なら、私はそれを叩き潰すだろう」と言ったかも知れないゾ。北海道での街頭演説聴衆排除は、プラカードを掲げた静かな人たちもその対象になったそうだ。しかし、秋葉原の件はどうなんだ。プラカード・横断幕のメッセージはいい、と思う。でも、エスカレートした事態は、聴衆間でのもめ事へと続いたとも聞く。安倍先生が器の大きい人だったら臨機応変、この場で幾ばくか質疑応答しただろう。実は「私は都議選に立候補した方を応援に来たのです。私への批判は別なところでお願い出来ませんか」と首相にやられたら、安倍やめろのシュプレヒコールは出来なくなったはずだ。しかし安倍先生は、もちろんそうせず「こんな人たちに……」とやった。この発言が原因で、くだんの都議候補は敗北を喫したともいう。しかし、これらを「表現の自由」として来たしっぺ返しは、現実のものとなってるんじゃないのか。

 衆院補選の立候補者・乙武氏に、同じく立候補した「つばさの党」が「不倫、不倫!」と、大音量で叫びたてた。よその陣営を追い回す「カーチェイス」も繰り返した。今でこそ警察の動きは速やかだが、こうなるまでじれったい思いをした人たちは多かった。しかし警察は、この種の問題が単なる「妨害」なのか、デリケートな「表現の自由」が絡むのか、判断に苦しむのだ。政権批判を「表現の自由」として進めるのは、論点がずれて行くことを思い知るべきだ。「批判にきちんと反論しなさい」が真っ当なのであって、「批判するのは自由だ」では、不確かな・不誠実な言葉にも道を拡げる。5年前、愛知の「表現の不自由展」を巡る出来事を、ここで少しばかりレポートしたことがあった(664号)。その時と同じことを言います。相手と正面から向き合うためとして、「表現の自由」を道具にすることは、役に立たないどころか障害になる。「何を言いたいか」ではなく「言いたいことを言いたい」が前面に立つからだ。

 目の不自由な知り合いの議員が、街頭演説で腰抜けどもからヘイトを浴びた。そのことを前にレポートした。市議会で福祉部長が、あろうことか「この事案は差別ではない」と公言したため、私が役所に乗り込んだレポートだ。私は新大久保のヘイトも埼玉のクルド人ヘイトも、残念ながら、「つばさの党」の妨害行為も目にしていない。出向けばいいのかな。遭遇したいものだ。電話ボックスの上に座り込み「不倫!」と怒鳴っている奴の足を引っ張って、地面に引きずりおろしたいと思う。シュワ氏のように、大人の対応が出来そうにない。その場合の罪は「公職選挙法違反」ではなく「傷害罪」で願いたい。そん時は「真面目にやれ、この野郎」と言おうか、それとも「こんな人たちに負けるわけには行かないんです」って言おうかな。

 

 ☆後記☆

寝苦しい季節がやって来ましたね。梅雨入りはまだだし気温も抑えめかなと思いますが、対応が難しい。扇風機はかけないで、窓を開けて寝てます。もちろん、今年も昼間のエアコンは断固しません💦

近所の観音寺。アジサイの見頃はこれからです🥀

夏に必須アイテム神輿🥁 神輿の若頭が、向島から送ってくれました。

 ☆☆

子ども食堂「うさぎとカメ」、明日となりました。飾り寿司は「アンパンマン」です🍙 新鮮な野菜もいっぱいですよ~🥕 明日の「もしもしカメよ」も送りま~す✉


ガザ・補 実戦教師塾通信八百九十一号

2023-12-15 11:45:57 | ニュースの読み方

ガザ・補

 ~世界の困難と因縁~

 

 ☆初めに☆

予定を変更して、ガザについて書きます。「補」なんてはずはないですが、仕方ない。何か出来ることはないのか、と思って書くことしか出来ない。これは何のためでもありません、自身のメンタルを維持するため整理しているようなものです。誰が見てもイスラエルがやっているのは、皆殺し作戦です。いまガザでは、イスラエルばかりでなく、世界中を憎悪する人々が大量に作り出されている、と言っていいのだと思います。現在の状況に何の関与も出来ませんが、西欧・東欧、そしてイスラム世界が、一体どのように共存してきたのか、振り返ります。矛盾は希望でもあります。

 1 寛容なイスラム教?

 イスラム世界が成立したあと、ついこの間(と言っても200年ぐらい前)まで、信じがたいと言っていいが、アラビア語で話すユダヤ教徒がパレスチナの地にいた。ご存知の通り、イスラム教もユダヤ教もれっきとした一神教であって、他の追随を許さない歴史がある。しかし、イスラム教の聖典「コーラン」がアラビア語というのは別に、キリスト教の前身でもあったユダヤ教の聖典・「聖書」のアラビア語訳があったのである。アラブとユダヤの世界が共存していた。驚いたついでだが、イスラム教の雄・オスマン帝国は、グーテンベルクが発明して間もない印刷技術を入手している。追放先のスペインから帰還した、ユダヤ教徒が持ち帰った技術だった。注目したいのが、ギリシャ正教(「キリスト教」)徒が印刷所の開設を、オスマン帝国から許可されていることである。そして方や、イスラム教・オスマン帝国の印刷は、何故かここから100年ほど遅れて始まる。オスマン帝国において、非イスラム(「非ムスリム」と呼ばれる)人が、ムスリム人より優先した。もちろん社会生活全般は、イスラム的様式が優先した。しかしこれらが、多様な宗教や民族が共存していたオスマン帝国、と言われる所以だ。西欧技術を使用するにあたって躊躇したせいもあったのだろうが、それなら印刷技術を全面的に禁止することも出来た。でも、しなかった。「厳格で封建的なのがイスラム教だと思ったら間違いだ」という声が届くことがある。それはこの辺りの事情から来るのかもしれない。

 2 西側と違うアイデンティティ

 ここまででも分かる通り、中東・バルカンエリアの国家事情は複雑に入り組む。ユダヤ教・キリスト教・イスラム教は、それぞれに制圧を試み、その中のあるものは抵抗し、あるものは「敵方」に改宗した。この結果、例えば、アラブ人の中で複数の宗教が入り混じることが起きた。そして、これも例えば、ユダヤ教に西欧・東欧・中東の民族が存在するという事情が生まれた。国家や民族の境界はモザイクのようになった。しかし、部族や宗教、そして文化・言語をまとまりとする国家形態は、一定の形を保っていた。大航海時代のコロンブスやガマがすさまじい暴力で乗り込んでも、王族・部族、あるいは封建国家の根底は揺るがなかった。日本における鉄砲伝来も、ザビエルの時代も同じだ。これが変わる。産業革命後のイギリスにフランスが続き、それにドイツとロシアが必死に続こうとしたのは、それまでとはレベルを画する世界の制圧戦略だった。先端技術のもたらす、圧倒的な軍事力と財力、そしてそれらが形作る文化は、世界の到達すべき目標となるのに時間はかからなかった。アジアでの本格的開始はアヘン戦争であり、黒船だった。それでも日本は、これをひと括りのまとまりを作るきっかけとした。むしろ、文明開化のレールの下に、新たな国家形成へと向かった。しかし、バルカン・中東エリアは違った。すでに危険な均衡状態だったこのエリアは、西側の「近代」という異様な侵出によって、もっと危うい場所にさらされた。端折って(はしょって)しまって申し訳ないが、それが例えば、以前の「帝国」レポートで触れたポスニア紛争だ。ユーゴ人とムスリム人、クロアチア人の三者が混在するボスニアは、三者共存の合意で何とか対立・抗争を避けていた。不安定な中で、三者は将来の平和的解決を見据えるしかなかった。しかし、強硬なドイツがミスリードし、ボスニアの独立を認める。ついに不安定な均衡は崩れ、ボスニアが内戦状態となる。さらに、その尻ぬぐいと称して「平和のため」に、なんとNATO軍はサラエボを空爆するのである。不安定な共存という意味では、パレスチナとイスラエルの二国家共存(オスロ合意)もそうだった。アメリカやG7など西側が、イスラエルのジェノサイドを支持したのは、サラエボを空爆したNATOと全く同じ図だ。

 

 ☆後記☆

当たり前なんですが、やっぱり中途半端になってしまいます。ユダヤ人問題、そして日本が果たせる役割も、いずれ書く機会もあると思います。焦燥感と無力感が募ります。きっと皆さんも同じだろうと思っています。

 ☆☆

こんな時も勇気と元気をもらえます。幸せな気持ちになれます。オオタニさんの記者会見、見ましたか。話すべきことと出来ないことを選択する表情は思慮深いのですが、時にはユーモアを交えてさばいて記者たちの笑いを取る。何よりも、楽しそう。う~ん。エンゼルスへの配慮も感心しましたね。良かった、見れて。リタイア組バンザ~イ🎊✋

 ☆☆

子ども食堂「うさぎとカメ」、今年最後となりました。明日ですよ。天気は何とかなりそうですが、ドキドキ❤💛 初めてのフリマ風やり方です。そして、去年に続き、今年も公園でテントを張って🎪 みんなみんなおいで~。手をつないで🍩 みんなで歌おうMerryXmas🎅 HappyXmas🎄 お待ちしてま~す😊

明日発行「もしもしカメよ」№24。

岩手の別々なお二人から、蜜のたっぷり入った飛び切りのリンゴが届きました。MerryXmas🎅


ガザ・下 実戦教師塾通信八百八十九号

2023-12-01 11:40:16 | ニュースの読み方

ガザ・下

 ~「両方に非がある」ではなく~

 

 ☆初めに☆

目まぐるしく変化するガザ地区ですが、恒久的「停戦」にならないものかと、気をもむことしか出来ないでいます。私たちの無力感の出所は、少なくとも100年前、遠くは紀元前にあると思われます。今回のレポートが、紀元前まで及ぶのは無理としても、民族的・文化的・宗教的・経済的、そしてこれらを統括する、いま流行りで言う地政学的事情が複雑に絡む中、暴力的に突出したのがヨーロッパ(西側)だったという結論になります。ハマスが民間人を無差別殺戮したことは、言い逃れようがありません。残念ながら「不安定な共存」が解決の入口です。

 1 「隠れ家の発見」

 11月15日、イスラエル軍がガザのシファ病院に突入。「親愛なる世界の皆さん(Dear World)」という御丁寧な挨拶の後、「隠れ家を発見した。これでも我々の言うことがまちがっていると言うのか」と、兵隊さんがのたまった。ただし、この時の映像はトンネルの入り口だけだ。このニュースにいち早く反応したのは、私が知る限りでは東大の高橋和夫だ。「自分たち(イスラエル)が作ったくせに、今さら何を……」という発言に続いたニュースは、イスラエル元首相(バラク)の「我々が作った」だった。突入の5日後である。住民の防空壕は別として、これで「病院に隠れ家」も言いがかりでないことになるが、イスラエル自ら「隠れ家」を建設した理由も明白だ。このエリアで地上のインフラが標的にされるのを、イスラエルは分かっていた。第三次中東戦争から始まり武装組織ハマスに奪われるまで(1967年~2005年)の間、イスラエルはガザを全面支配していた。地下には電気・水道・医療施設など、あらゆるものを非常時のため用意しておく必要があった。確かにこれなら、イスラエルが病院の地下を「熟知」していたのもうなずける。しかし、病院地下の「指令部」を公表するのは突入から7日後だ。その間一体何をしていたのだ。シファ病院が必死に行った地下での手術や治療のあとを撤去するとか、架空の「指令室」を設置する等々をしていたのではないか、と勘ぐっておく必要もありそうだ。「病院はハマスに電気や水を送っていた」と、内部の水道管や電線を指さしてイスラエル兵が言う。イスラエルは地上のインフラを壊滅させた。そうなれば、病院がこれらを活用するのを分かっていて言っている。何をかいわんや、である。こんな愚劣なまやかしに、だまされてはならない。

 2 全能の「反ナチ」

 アメリカばかりでなく、西側の歴史認識の中心には、ユダヤ人へのジェノサイドがある。ユダヤ人に対する不当なことは、どんな些細な出来事も、全て「ナチズム」として回収され排撃される。ユダヤ人は批判されてはいけないのだ。1881年、ドイツに接収される前のロシア・ウクライナ地方で行われた「ポグロム」で始まるユダヤ人集団虐殺は、ヒットラーが政権をとる時期を頂点とし、ヨーロッパ全土に広がる。前も書いたが、ドイツを先頭にした欧米・西側諸国は、これらの原因を、すべて「ナチスが悪かった」とする。「根本原因は我々にはなかった」という反省姿勢は、その後の行動をミスリードする。1947年、国連はこの「反省」の下、「聖地エルサレム」にユダヤ人を「帰還させる」議決を行う。翌年、イスラエルは建国を宣言。「追放されていたユダヤ人」に代わって、パレスチナ人が暴力的に追放される。現在の「入植」活動として、それは続いている。ここで少しだけでも、ユダヤ人の悲劇の歴史を振り返った方がいいだろうか。ユダヤ人の追放が始まったと言われる紀元前バビロンの時期は考えれば分かるように、民族の排除・追放は国々の戦闘数だけあった。それがユダヤ人に関しては、何故か二千年にわたって続いた。そのことを検証しなければ「ヒトラーの成功」も解明されないし「大戦の反省」も出来ない。

 武力でパレスチナを追い出す方針は当然、第一次中東戦争の引き金となる。イスラエルがなした戦闘行為は、ユダヤ人が受けた惨禍を考えれば仕方がない、と国連(西側)が考えるとすれば、それは筋違いだ。パレスチナ住民はナチスではなかったのだ。現在のガザの悲惨を前にしても、「ナチスの影」におびえる西側は、イスラエルを批判するのに及び腰となっている。思い起こすのは、先月8日に出たG7外相の「自国および自国民を守るイスラエルの権利」なる文言を含む、イスラエルの戦闘行為擁護の声明文だ。止まぬ戦火を前に、さすがにトーンダウンしているようだが、西側の「原点」を私たちは目の当たりにしている。日本人がずっと蔑視して来たアジア諸国、とりわけ朝鮮半島の人々を振り返らないといけないように、西側は何故にユダヤ人を憎んで来たのかを振り返らないといけない。平和的手立てを最近の話で言うと、韓国が15世紀頃に倭寇(わこう)に盗まれたとする対馬の仏像を巡り争われた件は、裁判と外交によって、日本への返還が決まった。また、ナチスの下で行方の分からなくなった美術品が、やはり裁判や交渉の結果、所有者や国に戻っている。あくまで成功例と言えるが、平和的手立てはあったようだ。

 3 「アラブの憎悪」

 すでに、字数がだいぶかさんだ。第一次大戦でイギリスがやらかした珍事は、知っている方も多いはず(でも、今回の戦闘に関連して取り上げる人は少なかった)。時の外相・バルフォアが国々をまたいで行った「三枚舌」外交を、簡単にでも振り返っておかないといけない。バルフォアは、①イギリスのユダヤ人同盟(シオニスト)に対しパレスチナでの国家樹立を約束。②同じくトルコ領内のアラブ人にパレスチナ国家を約束。③パレスチナ地域をイギリス・フランス・ロシアの勢力圏とする。三つの相反する外交をやってのける。第一次大戦で拡大した民族自決権運動はしかし、西側からの経済的支配下というハンディを持っていた。その弱みに付け込んだ、イギリスのしたたかな外交である。大戦後、約束は反故にされ、パレスチナはイギリスの統治領となる。翻弄されるアラブの姿の一端を、映画「アラビアのロレンス」が伝える。軍の閣僚とロレンスとの不可解な会話で、映画は始まる。西側に翻弄されたのは、ロレンスもだったのか。しかし、ロレンスがイギリスの先兵だったのか、アラブの英雄だったのか、未だに結論は出ていない。

 

 ☆後記☆

ずい分中途半端になってしまいました。日本の中東での立ち位置など、書くのはとても無理でした。民族・国家・宗教の問題も重要なのに……。近いうちに書けるといいなと思っています。「ユダヤ人」については多くが必要かなと思います。「ユダヤ教の信者がユダヤ人」という、日本人からすると不思議かなと……。イスラエルに暮らしていても、ユダヤ教の信者でないものは「ユダヤ人」ではなく「イスラエル人」という世界です。

ついに師走です! 近くの大津ヶ丘公園の銀杏も、見事に色づきました🍁

今年最後の子ども食堂「うさぎとカメ」です。メインのハンバーガーにデザート、おもちゃや古着も用意して、フリマ風にやってみようと思っています。テントも張って公園で🎪 天気にな~れ🌞 MerryXmas🎅❄🔔

 みんなみんな、いらっしゃ~い


ガザ・上 実戦教師塾通信八百八十八号

2023-11-24 11:48:40 | ニュースの読み方

ガザ・上

 ~問われる「立場」~

 

 ☆初めに☆

連日続く目を背けたくなる映像に、皆さんはどのように対処しているのでしょう。どんなにちっぽけに思えても、出来ることを続けるしかない、私はそう思っています。ガザを巡る記事を二回にわたって書きます。今回は、ニュースの伝えることが中心です。いつも通り、なぜニュースは伝えないのだろうと思えることを書きます。そして、まじめな研究者や活動家からのレポートが、この頃ようやく取り上げられて来るようになりました。イラク空爆の時のこと、第一次大戦時の「バルフォア宣言」などです。次週は、この問題を考えるにあたって必要な歴史認識を書きます。

 1 「ハマスの拠点」

 イスラエルの再三にわたる、国際法上・人道上許しがたい戦闘行為が続く理由は「ハマスの蛮行」が理由だ。イスラエルの先端技術レーダー網と、多数の無人機による24時間の警戒がなぜ突破されてしまったのか、ネタニヤフ首相は記者団の質問にしどろもどろだった。直近、首相は経済政策の失敗と幾多の賄賂疑惑で失脚寸前だった。つまり、ハマスの奇襲攻撃がまさに首相の反転攻勢の機会となったことは、未だ報道上に浮上している。イスラエル市民の「家族を殺したのはあいつらだ!」と怒る時の「あいつら」とは、ハマスではない。イスラエルの政府を指すのである。補足すれば、イスラエルが病院を攻撃するにあたっては、それが「ハマスの拠点」として熟知した上で敢行されないといけない。ずい分手こずった上に、その「成果」が思わしくないわけである。「カラシニコフが出てきた、病院にこんなものが必要なのか」と、病院内にあったというライフルを示してイスラエル兵が言ったという。戦闘能力は今さら比べるも愚かな重装備のイスラエルが、ライフルを発見して大騒ぎしている。現在のライフルなど、大戦時の竹やりのようなものだ。沖縄に進撃した米軍が「竹やりが出てきた、民間人に必要なものか?」なるたとえで考えればいい。中東・湾岸の人たちは、イスラエルの主張していることなど、はなから相手にしていない。ライフルはイスラエル軍が自身で持ち込んだものだ、ぐらいに思っているだろう。一体、我々がどれだけ騙されて来たのかという彼らの積念の思いは次回に譲るが、イスラエルの主張を慎重に見極めようとしている「西側」に、中東・湾岸の人たちが憎悪を募らせているのは間違いがない。それにしても、命の危険を顧みず病院に寄り添って取材を続ける記者たちの存在は、医療従事者の「患者を見捨てて病院を去るわけには行かない」思いと共に胸を打つ。

 2 「人間の盾」

 イスラエルは、病院が「ハマスの拠点」と言うだけでなく、ハマスが傷病者や新生児を「人間の盾」にしているとも批判する。この「人間の盾」は、イラクのフセイン政権が崩壊して、雨後の筍のごとく登場したISの作戦でよみがえった。しかし、事情は今回と全く違っている。あの時ISは、病院や学校に避難したのではない。逆だ。アメリカ主導の国際連合軍から空爆の危険がある建物に、住民を誘導したのである。では、ウクライナの場合はどうだったか。千人以上のマリウポリ市民が避難した製鉄所「アゾフスターリ」を、ロシアはウクライナ側の卑劣な「人間の盾」だと非難した。生命の保証をするというロシアの呼びかけに、この時市民は誰も応じなかった。それは市民が拘束されているからだ、というロシアの主張を今は置いておく。ガザ問題を考える場合、ロシアがウクライナ軍に対し投降を呼びかけた事実が重要だ。イスラエルは、病院にいる?ハマスに対して、一度でも投降を呼びかけたのか。報道から伝わって来るのは、例えば「イスラエル側がシファ病院に数分以内に突入すると通達してきた」(ガザの保健省報道官)のような一方的通告で、ハマスへの投降呼びかけがあったとすれば、ここにあるように、それは病院攻撃と同時だった。病院を攻撃するということは、どこでも攻撃の対象になるゾと言ってる。ジュネーブ条約なんぞ、なんぼのもんや、というのだ。これらのことに対し、報道からは「国連の無力」と繰り返される。しかし、国連は無力となったのではない。これも次回に譲るが、一連の悲劇は、国連が加担して作り上げた中東・湾岸の構造がもたらしたものだ。

 

 ☆後記☆

ここまで書けば、賢明な読者には次回の記事が想像出来ようというものですね。まことに欧米(西側)の、中東・湾岸(だけではない)に対する侮蔑を知るにつけ、愕然とします。とにもかくにも「戦争反対」は正しい、というわけには行かないと思うはずです。私たちの「立場」が問われています。次回は、日本が「西側」とは違う独自のスタンスで、今までこのエリアと関わって来たことも書きたいと思っています。中東・湾岸で、日本は愛されていたのです。

先週の子ども食堂「うさぎとカメ」です。「優美会」から協力いただいた、飾り寿司「トトロ」!です。まっくろくろすけも大人気で、子どもたちには嬉しい&困難な選択だったようです😊

こちらは、これから肉を仕込むところの「トン汁」。鍋から上がる湯気、いいでしょう? 食べるまで、うどんが少しふやけてしまう。難しかったけど「美味しかったです」の声の数々。嬉しい

手前は、お土産用で5キロ入り袋のお米です。柏市・社協(社会福祉協議会)が始めた食糧倉庫活用のお陰です。皆さん、お米を喜んでくれるんです🍙

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昨日から福島に来てま~す。今年最後です。暮れにレポートします