実戦教師塾・琴寄政人の〈場所〉

震災と原発で大揺れの日本、私たちにとって不動の場所とは何か

2020師走(4) 実戦教師塾通信七百三十六号

2020-12-25 11:11:09 | 報告

2020師走(4)

 ~行く年来る年~

 

 ☆初めに☆

今年最後の子ども食堂「うさぎとカメ」は、子ども単独のリピーターや親子連れで、50人近い人たちが訪れました。

良く見てね、後ろのデコレーション、MerryChristmas!です。

写真の左側でよく見えませんが、業者の方からの寄付で大箱に干しぶどうが入ってます。この日は、ぶどうのつかみどり(ビニール袋による)に、子どもたちの歓声があがり続けました。

この日調理したピラフと唐揚げ、そして醤油や缶入りパン、名店『ペジーブル』のマフィンなどを配布しました。「本当に助かります」という大人たちの声が多くて、スタッフ一同感動の一日でした。来年の会食再開の日が待たれます。

 

 ☆岩手県知事☆

知事は法学部出身ながら、外務省時代に公衆衛生学では随一と言われるアメリカの大学に留学していたそうです。それが生きたのかも知れないという、いつも読者に紹介している地域システム研究所の所長です。隣の宮城の知事に対しては、現場対応に無能な「石頭」と、ずいぶん厳しい。バイオ燃料の研究・供給をしている方でもあります。「……温室効果ガス排出実質ゼロが目玉の一つに上がりました。 大陸諸国のエネルギー戦略の建前から孤立できないエネ弱小国の『国際協調』恭順でしょうが……島国としてのリアルな戦略は不可欠です。……生産・製造・運輸と生活のエネ消費を相当減らすのであれば可能性は見えて来るかもしれませんが、自由放埓、飽食を知った国の民主制はそんな耐乏を甘受するだろうか」という、いつもの辛口批評もありがたいです。

 

 ☆慰安婦問題☆

次は慰安婦本人から、慰安婦問題を告発する団体への告発のニュース。長年にわたって朝鮮半島問題を研究して来た方からの意見ゆえ、私には追いかけに少し無理もあるので、部分的に抜き書きします。

「(事件は)尹美香というリーダー格の北朝鮮シンパ元慰安婦支援活動家が、元慰安婦支援団体への国庫補助金、寄付・募金などを横領したということにあります。………このスキャンダルを告発した李容洙という元慰安婦と自称する老婦人も、『憎しみ』がどうだとか、とても偉そうなことをいえた義理ではないということです。………この老婦人が元慰安婦だという『証拠』は、彼女自身の『証言』以外に何もないのです。『慰安婦李容洙』を知っているという人もいないし、記録も第三者の証言もないのです。李容洙は、これまでに20回ほど、自分の慰安婦体験の証言をしてきていますが、そのたびに発言内容がコロコロと変わり、事実関係がどんどん矛盾し辻褄が合わなくなっている部分がとても多い。………李容洙にしてみれば、尹美香は私を利用して国家のヒーローとなり、国会議員にまで出世し、横領で私腹を肥やしている、ということでのやっかみ・恨みが積もりに積もっての仲間割れでしょう」

確かにこれが本当ならば、事件が積年の慰安婦問題を変えるきっかけとなるとは思えません。残念です。

 

 ☆文句☆

◇横審(横綱審議委員会)◇

ふざけるな、です。何が「横綱に対する見方が厳しくなってる」(11月場所後の発言)だ。休場の計算法で帳尻を合わせようって魂胆だろうが、それで辞めるに辞められず休み続けた稀勢の里との差別化を謀(はか)れますか。相撲ファンをごまかして、二横綱、とりわけ白鵬を引退に追い込もう(鶴龍は時間の問題だと思うので)とは、長年の白鵬ファンの私としては、許せない年の暮れです。そして初場所での白鵬に期待するのです。

◇野党◇

GOTOトラベルやめろの合唱が止むかと思いました。停止宣言を政府がしたからです。しかし野党は、我々の主張が正しいと認められた今後どうするか検討しよう、とは言わなかった。先週の国会で、「GOTOを発進推進し今度は停止だ、一体何をやってるんだ」という追求したのは立憲民主だったかな。前に斎藤美奈子が「野党の皆さんは、本当に支持率を減らすのがお上手」と言ってた。繰り返されますね。

3丁目ならぬ2丁目の夕日。我が家から撮りました。

 

 ☆スーパー☆

「お客様は神様だよ~」的、賽銭(さいせん)を投げるようなお釣りの(トレイへの)置き方、そして支払いが済んでいないのに、すでに次の客の品を打っている(二人制レジではなかったです)等、おそらくは店員の個人的資質によるのでしょうが、これは余りにひどくないかナと思い、次の日、店長にことの次第を話しました。前にここで書きましたが、ものとお金のやり取り以外のことを買い物はしてると思う、という話です。コロナによる世の中の淡白さの中、一般的にもビニールカーテン越しのやり取りや言葉のやり取り激減が進み、買い手のストレスが増しているのも間違いない、という話です。次に行ったら、店内の空気が違ってて驚きました。さりげない店員の声が多く聞こえているのです。店長さんにお礼を言いました。

今年も岡山の友人から牡蠣が届きました。一斗缶の蓋が持ち上がるほどにあった立派な牡蠣は、みんな取りにきて底が見えるようになってしまいました。

 

 ☆MerryChristmas!☆

今日は遅めの終業式。一学期は教室から校歌を歌う子どもたちの声が聞こえてました。バカな校長はリモート終業式とかで、映像を教室に流している。自分で準備しろヨ。もっとバカな校長は、教室の映像を流せと言ってる。まっとうな校長先生は、校内放送です。そんなことはいいや。今日はクリスマス。ニュースキャスターの「早く寝ない子にはサンタさんは来ませんよ」という締めの言葉が温かい。みんなにいいクリスマスが来ますように、二学期お疲れさま!

そして読者の皆さん、今年もこのブログに来ていただいて、ありがたいです。また来年もよろしくお願いします!

多分こっちのカードはまだ見せてないかナ。60年以上前のものです。極貧の我が家に、毎年届いたカード。あったかい、ホントにあったかい。お蔭で元気でいます。サンタさん、ありがとう。


2020師走(3) 実戦教師塾通信七百三十五号

2020-12-18 11:23:19 | 福島からの報告

2020師走(3)

 ~福島の10年を~

 

 ☆初めに☆

今年最後の学校周りをしました。子どもの行事がなくなったことやコロナによる家庭の内紛、そして忘年会がないことや職員の鬱(うつ)など、ネガティブな話が多く出ました。そんな中、「やっぱり担任は楽しいです。教室に行くと元気になります」は、教務の先生の言葉です。事故対策の先生が来ない中、急遽の担任をずっと兼務しているのです。また、GOTOトラベル中止で家族旅行を断念した校長先生は、福島の美味しい酒と高級魚を注文したと言います。ホッとする気持ちももらっています。

これが柏の和食処『和さび』お持ち帰り惣菜。牡蠣(カキ)と鰺のフライ。

 

 1 思いがけない仕打ち-牛の場合

寒さもぬるく、外に出る牛さんたちもいました。楢葉の渡部牧場。

渡部さんに、最近の牛の相場を聞いて始まった話だった。師走なのだが、ハードな導入となった。忘れそうなものを、記憶から持ち出せて良かったと思っている。

 コロナによる牛の価格下落は今年4~5月の第一波がヤマで、今は少し落ち着いてきたという。価格補償の関連で、話は「あの時」に移った。避難指示が出た時、多くは家や家畜をそのままに避難した。しかし、事態が尋常でないと思った農家は、トラックに牛を積んで一緒に避難した。避難先の二本松の牧場に預けたという。明暗が分かれた。残して来た牛を避難させたいと、渡部さんたちが思った時はもう遅かった。警戒区域への立ち入りが禁止された。4月下旬。牛の移動が出来なくなったのだ。そしてひと月もしないうち、殺処分の通達が降りる。来たのは農水省の役人だったな、渡部さんが言った。

 ペットをはばかるような「密」の避難状況だ。ペット連れの人たちは、避難所の外や車で過ごした。まして家畜も一緒に避難を、と考えた農家は少なかった。何よりみんな、二、三日後には戻れると思っていた。和牛農家(肉牛飼育)と違い、酪農家(乳牛飼育)は、牛を家族のように思う。10年以上をともにするからだ。それが殺処分となる。もうあんな思いはしたくない、と涙ながらに言った渡部さんの奥さんを思い出す。

 事故が人を追い出し追いかけ、分け隔てた。残った家畜もあった。「命を守る」ための目的で。大学の被曝研究対象として。そして、南相馬・馬追い祭のために、その馬が残された。あとは残らなかった。

 

 2 思いがけない仕打ち-人の場合 

 コロナは感染するが、放射能は伝染しない。スクリーニングをしない警戒区域の住民は移動してはいけない、という通達はあったのだろうか。そんなはずはない。渡部さんでさえ記憶があいまいな気がするが、それは渡部さんのせいではない。まず、膨大な量の放射線がばらまかれたことで、警戒区域の人々の健康不安が生まれた。3月末に全国の病院や赤十字が、福島にスクリーニング要員を一斉に派遣した。

行列した人々が受けたのは線量検査であって、移動を許可するか否かの検査ではない。しかし、メディアから流れた映像は、誤った認識を誘った。警戒区域の人たちはとんでもないことになっている/サーベイメーター(検査機)が反応している/あの人たちが入院もせずに避難してくる等。とりわけ首都圏の人々にパニックをもたらした。避難に使った車両の汚染もあっただろう。でも、それは第一原発で事故収拾に当たり、高線量にさらされた車両ではない。一体私たちは、何を分かっていたというのだろう。ここで「来るな!」「出て行け!」が生まれた。被災者は、スクリーニングをしなければ不安だった。この「遠方への避難前にスクリーニングを」という思いが「スクリーニングをしないと避難できない」という思いを作って行ったような気がする。「スクリーニングはすませて来ましたか」という、避難先での言葉が追い打ちをかける。忘れてはいけない。

 しかし未だに多分、多くの人が「被曝したらスクリーニングをしないと移動してはいけない」と思っている。この次に原爆事故が起こったとき、間違いなく同じ事態が発生する。不確かな情報と知識がそのままだからだ。

 

 3 来年

すっかり大きくなった猫ちゃんたちは、なんにでもじゃれつく。私の財布についてる鎖に、随分とご執心でした。

アタシはねえ、と、さっきの話に奥さんが介入する。親戚を頼って避難しても気づかいいらないから、胃の痛みに苦しむことなんかないのよ、と言う。避難の際は親戚や知り合いを頼りにして欲しいと、政府や行政の最近の発言である。被災者の現実を分かってない、という私に奥さんが言ったのだ。だって、実家には独身のお兄ちゃんがひとりいるだけだから、と。居間に笑いが響く。

 最近、農業短大にいる息子が「これは肉質がいい」と、牧場の牛を評定するようになったという。私は、やはり勉強の成果は出るんですねえと感心したのだが、渡部さんは、いや、学校で教わった通りに言ってるだけだよと笑う。「A5(牛肉の一番高いグレード)の牛を育てた」って言ってるけどよ、先生や担当の人がいねかったら出来るもんじゃねえ、とも言った。そう言いながら渡部さんの顔は、まんざらでもない。嬉しそうなのだった。

 来年こそいい年でありますように。

 

 ☆後記☆

師走だというのに、福島への道すいてました。高速を早めに降りて国道を使ったのですがこれもスイスイで、車を降りて日立の海を眺めてしまいました。人の少ない師走です。暮れは東京の道場に行くかどうか思案中ですが、大晦日の東京散歩はあきらめました。あとは紅白見ずにどう過ごすかですね。皆さんはどうするのでしょうか。

前号で予告した岩手県知事の話と「慰安婦問題」は、次号としました。よろしくです。

子ども食堂、明日で~す。

 


2020師走(2) 実戦教師塾通信七百三十四号

2020-12-11 11:08:26 | 福島からの報告

2020師走(2)

 ~双葉郡に分け入って~

 

 ☆初めに☆

いわき四倉の干物屋「ニイダヤ水産」は、今年もなんとか年を越せそうです。肝心の魚があがって来ないのよ、と嘆く事務員さんです。いわゆる「常磐もの」と呼ばれる茨城/福島/宮城沖で捕れる魚、それがさっぱりダメなんだそうです。一方、店内には「干物女子応援隊」の色紙が貼ってありました。ずっと前に来た新潟大学からのボランティアが、つい最近駆けつけてくれたといいます。大学の時に来てから5年ほど経ってます。おそらくは20代後半に差しかかった5人ほどの女子が笑っていました。

楢葉の渡部さんからいただいた煮物。こんにゃくはご近所の農家の手作りだそうで、優しい食感と出汁が中までしみこんで……美味しい。

この10年間感じ続けてきた楢葉町、そして双葉郡の場所を確かめるため、普段行かない場所に足を踏み入れました。熱心な読者しか覚えてないと思いますが、楢葉歴史資料館から郷土資料が送られて来ました。「中世」の部分が実に魅力的なものでした。南北朝から原発まで続く道という私の勝手な妄想を、歩きつつこの目で見たいと思ったのです。

 

 1 高岡城

 少し歴史をおさらい。天皇親政(しんせい)を立ち上げるため鎌倉幕府を倒して、いわゆる建武の新政を興(おこ)した後醍醐天皇が足利尊氏によって倒される。その後、吉野の南朝と京都の北朝に分かれて南北朝となる。当たり前のことだが、この影響が全国に及んでいた。いわき久ノ浜から広野/楢葉までの楢葉郷、そして富岡から南相馬までの標葉(しねは)郷は南党(南朝方)だった。南党の勢いは、楠木正成/新田義貞たちの敗走とともに衰える。しかし、その後もこのエリアの南党勢力は、新しい幕府に追随しようとしない。海道(「浜通り」と言い替えても可)一帯は同盟を結んでいた。「海道一揆」と呼んでいる。これを岩城(いわき)氏が追撃する。

 いわきから国道6号線をくだり広野町に入ってすぐ、浅見川沿いに左に折れる。この川を挟んで戦闘が展開される。

やがて高岡城址が見えだす。高岡城は岩城氏が楢葉氏を攻略するための城だった。

城には狭い山道から入るのだが、この頃の城が山城と言われるように、石垣を主としたものではない。基本は土塁である。登るに従い道はもう獣道のようで、いつ熊が出てもおかしくない。

林道がさらに濃く狭く暗くなる中を登ると、祈念碑のある山頂にたどり着いた。頂上から広野の海が見えるが、そこからも軍勢が押し寄せたという。

この戦いがどのように現在に繋がっているのか、その入り口はまだまだ遠いのだろう。

 

 2 親切な人々

 高岡城は広野町教育委員会で尋ねた。それだったら事前に知らせてくれれば案内差し上げたのにと残念そうに言い、親切に地図を出して教えてくれた。もうなんにも残ってなくてとか、車の置き場所なら心配することはありませんという言葉を、半ば不安に思いながら私は出発した。

 説明によればこの辺だと思いながら車を転がしていると、その様子を遠巻きにする立ち話中のおばちゃん二人組がいた。すみませんとあいさつし、高岡城の所在を聞けばビンゴだった。車のナンバーを見て、柏から来たのかいと言う。委員会の人と同じく、行ってももう何もないよと言い、車はどうすればいいでしょうかと聞けば、ここに置いとけばいいと言う。大丈夫よと、もう顔は笑っていた。それから私は山歩きで汗をかいたのだ。

 やっぱり来て良かったと思った。師走の暖かい日差しが注いでいた。

 

 ☆後記☆

一昨日はジョンレノンが亡くなって40年の命日でした。もちろんイマジンを聴きました。

今年も敬愛する岩手の先輩から、リンゴが送られて来ました。

折原浩が「伝習館」講演のため宇都宮大学に来て、今日で50年です(ブログ114号参照)。林学科共闘委員会の先輩方、そして教育共闘の仲間たち、みんな元気ですか。

☆☆

リンゴの岩手の先輩から入ってきた岩手県知事の情報を、次回に若干しようと思います。それと、同じく前回の「慰安婦問題」は、少しばかり訂正をしようと思います。朝鮮半島の専門家からアドバイスが入ったのです。

☆☆

来週の土曜日、子ども食堂です。チラシでは「会食」を予定していましたが、同じくチラシにただし書きしたように、「配布」となりました。クリスマスデザートも用意します。良かったらどうぞ。

 


2020師走(1) 実戦教師塾通信七百三十三号

2020-12-04 11:06:43 | 日記

2020師走(1)

 ~振り返るあれこれ~

 

 ☆初めに☆

師走になりました。コロナのお蔭で、落ち着きのなさがいつもと違います。でも、いつもの温かさもありますね。行きつけの珈琲豆店『豆壱』で、お店のオリジナル「クリスマスブレンド」を買いました。隣にあったそば屋の名店『信濃屋』あとにはラーメン屋、『豆壱』をはさんだ隣には弁当屋が入りました。斜向かいにあったコンビニのあとには、食パン専門店『乃が美』が入ったのです。ラーメン店と『乃が美』は、ある時間帯に行列で、この界隈が前と違った雰囲気になりました。

同じく行きつけの和食処『和さび』ですが、先日も満員で入れませんでした。翌日は予約して「鰯三昧(ざんまい)」を食べました。梅干し煮や大葉をはさんだ天ぷら、大根巻きなどに舌鼓を打ったのです。でも平日は「寂しい」そうで、お昼に惣菜を始めるそうです。カキフライやカレイのから揚げなど。買いに行こうと思ってます。

懐かしのミゼットを買いました。手前はだいぶ前のものですが、東京ガスの田村正和です。

 ☆コロナの街☆

前回の記事が、ニュースからの転用だと思った人が結構いました。ニュースだったら私も危機感を持たなかった。身近な場所から届いたどっさりの報告だったので、何か違うと思ったのです。コロナがもたらしているものは、思いの外深く広いようです。

街に何かよそよそしさを感じるのは私だけではないでしょう。マスクからは表情が、その人が見えない。これは間違いなく、私たちの奥にストレスを持ち込んでます。また、買い物のレジが「よそよそしさ」を担っているのも間違いありません。以前だったらお釣りをトレイに置かれたら、そのまま店を出てしまうこともありました。それが今はどうでしょう。仕方がないんですがね。「さっさと帰ったら」と言われているような気分です。買い物はものとお金のやり取り以外のことをしてたんですね。レジのビニールカーテンが「邪魔だ」と、客が乱暴に払うニュースを読者も見たかも知れません。大変なのはもちろん店員ですが、この鬱屈感/見えない感は相当なものだと思いました。

先日、買ったものも多かったし、後ろにたくさんのお客さんが控えてたもので、すみませんリュックに入れるの手伝ってもらえますかと言うと、店員さんは、手伝ってよろしいですか&チャックもしめますかと言うのです。久しぶり「日本、まだ捨てたもんじゃない」のフレーズが浮かびました。

こちらも冬支度を急いでます。手賀沼ほとりのススキ。

 ☆無軌道な敬い☆

「~だそうです」に余韻を残すため?の「~だそう」の勢いが止まった気がします。これは敬語ではありませんが、一方で、「バイト敬語」などと呼ばれる「よろしかったでしょうか」、これも勢いが削(そ)がれてる気がします。今度「よろしかった……」を言われたら、「よろしかったです」と返そうかナと待ち受けてるのですが、どうも最近聞かれない。どうやらたくさんの方が気になってた言葉のようです。いいことだ。

でも、日本の「丁寧なことはいいことだ」というどっしようもない勘違いは、このまま勢いを止めませんね。昨日もどっかの首相ですけど、「基礎疾患を『お持ち』の方」などとおっしゃる。それは持っているものが「立派なもの」の時に使うんです。基礎疾患を「持っている方」はそう思ってませんよ。また、「あせらなくてもよろしい」で十分なのに、「あせっていただかなくてもよろしい」なるGOTOにもの申すキャスターも「いただけない」。「いただく」は自分の側の行為、「あせってる」のはキャスターのあなたではなく経営者なのです。と、ずいぶん小難しい話になってしまう。わざわざ「敬語」を難しくしてる現状なんです。本当はもっと簡単に話せばいいんですよ、日本語は。あ、これで「さすが国語の先生!」は出ませんね? お蔭でだいぶ減りました。最近は「言語学」とか「現象学」と言ってくださる方が出てきました。嬉しい。

結構な杉の紅葉。近くは大津ヶ丘団地沿いの道。

 ☆慰安婦☆

韓国で元慰安婦を支援する代表的な団体「正義記憶連帯」(正義連)と「ナヌムの家」が資金不正疑惑に揺れている。
疑惑の発端は元慰安婦の李容洙(イヨンス)さん(91)が5月上旬の記者会見で語った疑問だった。李さんは正義連の活動に関わってきたが、「寄付金が元慰安婦のために使われていない」と話した。同月下旬には「30年間も利用され、だまされてきた」と訴えた。

元慰安婦を支援する団体「正義記憶連帯(正義連)」が、元慰安婦の方から告発されました。寄附金が慰安婦のために使われていない、認知症の慰安婦からお金をだまし取る、国会議員の私的な流用など、おびただしい。裁判で事実が明らかになることを望むのはもちろんですが、この展開は今までにないものです。

「集会は憎悪だけを教えている」

この訴えが、元慰安婦(李容珠・イヨンス)から出てきたのは、歴史的な出来事です。「済州島で慰安婦狩り」という吉田清治がウソだったことも、「相手は軍ではなく、民間の売春あっせん業者だった」という元慰安婦の証言も、李氏の訴えの前に吹き飛ばされているように見えます。今年の日韓関係ニュースでトップだったのが、この慰安婦発言だと思うのですが、コロナのためでしょうか、扱いが小さすぎます。

冬の訪れを告げる手賀沼。向こうが手賀沼大橋。

 ☆藤井二冠☆

最後は明るい話題で締めましょう。もちろんここは藤井二冠、藤井君です。

普段、投了図(勝敗を決した場面)を見ても、どこが終わってるんだかさっぱり分からない私が、珍しく投了図を理解できたことがありました。多分、先立っての王位タイトル戦のひとつと記憶してます。確かに藤井君が詰んでました。しかし、相手の木村一基側を見て驚きました。これもあと一歩で藤井君を追い詰めてるのです。藤井君が「運がよかった」と良くいいます。そして藤井君に勝った相手は「ギリギリなんです」と言う。それが分かった気がしました。

それもいいけど、藤井君が「勝負メシ」として食べる食事/食堂の話、いいですねえ。自分とこは老舗(しにせ)でもなんでもない常連客の食堂、とへりくだる東京・千駄ヶ谷「みろく庵」の女将さんは、「藤井君の連勝中は初めてのお客さんたちが『ここだ、ここだ!』ってやって来られて……。一日百食程度だった注文が、ピーク時には五百食になりました。もちろんありがたい話なんですが、正直ちょっと疲れてしまって……」と、こぼしたそうです。いい話です。

瀬戸にそして日本に、また明るい光を、です。

 

 ☆後記☆

今年も師走特集を始めます。今回の最後は、先月の朝日新聞にあった、水木しげる「幸福の七カ条」からひとつ。

「才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ」

特に後半がいいなあ。頑張ろうと思えます。

昨日から福島に来ていま~す。

我孫子側から見た手賀沼大橋です。