実戦教師塾・琴寄政人の〈場所〉

震災と原発で大揺れの日本、私たちにとって不動の場所とは何か

大飯原発  実戦教師塾通信三百十二号

2013-09-03 17:03:35 | ニュースの読み方
大飯(おおい)原発活断層パス?

    ~大丈夫か?規制委員会~


 1 経過


 熱帯夜の寝不足で、寝ぼけた目が覚める思いだった。

「大飯『活断層でない』」

とは、今日付けの東京新聞の見出しだ。記事はB6ノートの大きさほどで、まあそこそこと言えるのだが、トップ記事ではない。トップは埼玉・千葉での竜巻(たつまき)の記事。そして汚染水問題を公害問題として福島県民が東電を訴(うった)えるというものだった。こともあろうに、朝のNHKのニュースではまったく報道されなかったと思う。驚いたのは私だけだったのだろうか。
 7月末にこの断層問題の「見極(みきわ)めがされる」と報道された。8月中旬以降の議論が、
「(規制)委員会内で意見対立」とか、
「科学的な議論をせよ」
のような報道はされていたが、今日いきなり結論を出されたと思った方がよさそうだ。私たちは詳細(しょうさい)を知らない。大飯原発の活断層問題がどのように動いてきたのか、振り返っておく必要を感じた。
 今まで切り抜いてきた読売・朝日・東京・福島民報の記事で検証する。
 昨年10月23日、関西電力大飯原発の規制委員会調査団の初会合があった。この時、規制委員会は「原発の新規制基準」を発表している。覚えているだろうか。それまでの活断層の活動時期「13万年~12万年前以降」を、この新基準は「40万年前以降」に拡大する、というものである。倍以上の延伸(えんしん)である。
 またまた携帯では困難かと思うが、地図を見てもらおう。
            
 かの有名な「F6断層」は、拡大地図の方の青いラインである。関西電力(以下「関電」と表記)の当初想定した部分である。関電はそれを後で「F6断層を掘りあてた」と赤いラインの部分に訂正する。その断層を長さ70m、幅50m、深さ40mにわたって掘り下げて調査したものだ。この断層特定のため、関電は「試掘溝(しくつこう)」を掘ってきた(海に向かって三つあるオレンジの部分)。これがそもそもの「活断層の疑いあり」の発端(ほったん)となったものだ。それを関電は、調査が終わらないうちに埋めている。念のため確認するが、この試掘溝をもとに、
「きちんと掘り下げて調べないといけない」
としたのは規制委員会である。関電は、大飯原発建設の時に「当たり前のように」この作業をしていない。
 F6断層の訂正もあって、調査は困難と混乱を極めたらしい。それでも関電は「早く調査して欲しい」と、言ってみれば「強気の姿勢」で規制委員会に催促(さいそく)した(3月)。
 国内で唯一(ゆいいつ)再稼働(さいかどう)している大飯原発を、継続(けいぞく)出来るかどうかの判断は、言ってみれば、この断層問題をどうクリアするかという問題だった。断層問題をクリアしなければ、
「9月の定期検査さえもしない」
と、田中委員長は言っていた。
 6月の規制委員の話では「個人的感想」という限定付きでだが、
「大飯原発は新規制基準に適合する。決定的欠点ない」(更田委員)
と言っている。この原発新規制基準が7月8日に発足した。では、大飯のF6断層が「活断層ではない」とされたのは、活断層「40万年」が採用されてそうなったのかと思ったら、そうではなかった。今回のF6断層に関して、規制委員会は「これが動いたのは、12~13万年前より古い断層である」とした、のだ。分かるだろうか。もとの古い基準でもって「F6断層は動かない」としたのだ。つまり、断層問題に関しては、新基準を「保留」にし、採用していない。
 狐(きつね)につつまれる、とはこういうことを言うのではないだろうか。どうなっているのだ。読売新聞が言うように、
「科学的な議論をせよ」
と言っても、それが困難な状況となっている。まあ、読売の場合は、
「さっさと再稼働しろよ」
ということなのだが。


 2 じぇじぇ!

 ことは昨年12月の総選挙で自民党が圧勝で始まる。その翌日(よくじつ)、この当時はまだ首相でなかった自民党の安倍総裁は、さっそく
「『原発ゼロ』見直し」
を明言(めいげん)する。
 原子力規制委員会が発足(ほっそく)してからずっと、委員会は
「電力需給(じゅきゅう)とか、社会経済的なことにかかわらず、科学的、技術的見地(けんち)から規制を行う」
としてきた。これが徐々(じょじょ→「じぇじぇ!」ではない)に変わっている。3月下旬、規制委員会幹部は自民党の会合(かいごう)に呼ばれて
「原電に反論の機会を与えなさい」
と言われている。時を同じく、田中委員長が
「(基準違反だからと)例えばポンと二十基止めたら世の中どうなっちゃうのか」
と、驚きの発言をしている。そもそも規制委員会の設立理念(せつりつりねん)は、
「その時の政府や事業者から自由なもの」
だったのだ。しかし、やっぱりそうは行かないようだ。この規制委員会が、また政府の御用機関なる旧保安院のように成り下がるのだろうか、と思った方がいい。
 大飯のF6断層を早期(そうき)から「活断層だ」と見ていた東洋大学の渡辺満久教授は、断層の位置が調査の中で変わったことを取り上げ、
「つまり、じゃあF6断層以外のものは信頼性(しんらいせい)があるのか、ということにもなります」
「関電がきちんと調べていたのかどうか…他の原発でも…電力会社や国の審査のいいかげんさが、はっきりした」
と言っている。
 目を離せない。


 ☆☆
暑いですね。ったく。30度を切る日を、週刊天気予報では、8月31日からと予告していました。でも明日も予報は32度。エアコンやらねえぞ、クールジェルスカーフで頑張るぞ!です。
中学校の体育祭、もちろん応援団の活躍情報が入ってきます。わくわくですね~
頑張れえ~!

 ☆☆
昨日、朝のニュースの終わりに
「では皆さん、今日も一日お元気で」
と言うはずの阿部アナウンサーが、
「では今日はこれで失礼します」
という終わり方でした。おおいに違和感(いわかん)を持ったそのあと、阿部アナウンサーは、
「このあとがドキドキします」
と結んだのです。私はNHKの『あまちゃん』の始まりが、テレビを消す時間と決めているのですが、昨日は見てしまいました。
東日本大震災の、あの日の放映だったのですねえ。

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おやすみなさい (そえきん)
2013-09-05 00:42:39
きょうは、昨日買った、サントリーオールド、水割り二杯、始めに恵比寿ビール500でドラマwomanを観ながら晩酌を。
帰ってきたのは、PM8時頃でしたが、酒を飲むのは久しぶりなので、怖かったので、帰り次第、台所を徹底的に掃除して、食器等は全て漂白して、綺麗にしてから始めました。
罪を犯した人が人助けを…そんなような事をドラマでいっていましたが…
ドラマの舞台は池袋の鬼子母神、ここの鬼は角がないんですよね…
返信する

コメントを投稿