実戦教師塾・琴寄政人の〈場所〉

震災と原発で大揺れの日本、私たちにとって不動の場所とは何か

所作 実戦教師塾通信九百二十八号

2024-09-06 11:24:58 | 武道

所作

 ~立ち居振る舞い~

 

 ☆初めに☆

私たちは荷物(相手)に対し、楽をしようと思います。しかし、相反する動きをしていることが良くある。荷物の負荷に従ったり、相手が押して来たら押し返す、というのがそれです。若さに任せた習慣は、加齢に伴い全く逆生産的な結果を生みます。そして、衰えに拍車をかけ、痛みや病を進行させます。普段、道々歩く人たちを見て感じて、気を付けていることを書きます。皆さんも実際にやってみれば気が付き、身に付きますよ。

 1 身体という荷物

 一番肝心なのは、私たちは厄介な「お荷物」=「我が身」を抱えていることだ。それがあるお陰で、振り向いたり立ち上がったりしただけなのに、ぎっくり腰になる。四つ足の動物に、そんなことは起こらない。手放すわけには行かない、この「お荷物」の特徴・傾向を捕まえることが大切だ。「我が身」だって楽をしたいのである。

 片手で荷物を提げる時、前方で行うと余計重くなるが、やってしまう。これを回避するため、体の真横に荷物を提げる方法がひとつ。両手荷物の方が楽だったり、リュックを背負った方が楽なのは、荷物とのバランスが取れるからだ。人間の身体の重心は、もともと少しだけ前の方にあり、意識しないと前かがみとなる。加齢に伴い腰が曲がるのは、自然現象と言える。つらいと思いながら、余計つらい格好になっていく。原因の一端である筋肉の衰えを、サプリメントや無理な筋トレでカバーする前に、荷物と自分が合体した「新しい自分」とバランスをとるのが大切だ。

左図のやり方は、良く見かける悪い例。実は、真横に提げるより、右図のように後ろにやった方が遥かに負担が軽減する。自然に背筋が伸びる。この時、反対の手は、自然に前方から上方へと振れるはず。もしくは、横に振り出すはず。このことにより、全身の均衡が整い身体も楽になる。もちろん、荷物は後方に固定したままだ。荷物を持たない方の手は、荷物と合体した身体の均衡を求めて彷徨う感じを覚えるはずだ。こうして、腰への負担は格段に下がる。

 2 狐のしっぽ

 前項の補足だが、荷物を前に提げ、反対の手を後ろに振りながらバランスを取る方法もあるが、腰(背)の伸びが全く劣る。でも、全身を使っての均衡保持という点ではいい。この空いてる手が、キツネや犬のしっぽに該当する。

遠くのものに手を伸ばそうとする時、こうすると腰の負担にならない。左側は近めの場所にある時で、右側は遠めだ。腰を中心に身体は均衡を保っている。右側では、足も「狐のしっぽ」になっている。

これは地面や床にあるものを拾おうとしている。左図は、オリンピックでも柔道でもいいが、選手が床のタオルを拾う時などで見かけるシーン。足だけ上がってる場合も多い。カッコいいとか悪いとかではない、身体が楽なのである。「お手本」を仲間に示したら「全身を片足で支えられない」「足が開かない」等で不評だったが、足が上がらないとか狭い場所の時は右図でいい。最後に、応用編。相手の動きを封じる。椅子か箱に相手を腰掛けさせる。

相手の額に、我が親指か人差し指をあてがう。重心を極められた相手は、身動きできない。普通は大体失敗して、相手は立ち上がってニヤリと見返すのです。やって行くうちに、相手の重心とか呼吸を見極めることが分かっていく。「よくよく吟味すべし」(『五輪書』)とは、宮本武蔵からのメッセージ。

 

 ☆後記☆

日曜の東京はすごい雨でした。台風の雨なので、帰る頃には青空も見えた代々木体育館です。

 少し小降りになった神宮橋       雨上がりの代々木体育館

何せ、全国からはもとより海外からの出場や招待もあるので、台風は大変な影響をもたらしたようです。今年も剛柔会・宗家の山口剛史先生とツーショットです。後ろが来賓席ですが、今年は遅れる方や来られない方たちの空席が目立ちました。横断幕の向かって左側が、剛柔流・流祖の宮城長順。右側が初代代表の山口剛玄です。

実は、先月の子ども食堂「うさぎとカメ」で使ったご飯のお米は、先生が「良かったら使ってね」と寄付してくれたものだったので、お礼申しあげました。積み上げた実績と共に、普通はプライドもまとわりつくものなのに、先生は気取ることなくいつも変わらない。今年の演武は、ここ数年の中で、一番安定しているように見えました。

集団演武のあと、先生の型

 ☆☆

二学期が始まりました。手のひらにじっとり汗をにじませながら、始業式を待った子どもも多いのです。あちこちの学校の話から察するに、どうやらこの辺りのエリアはソフトな着地が出来た様子です。先生方の気遣いも良かったのでしょう。今月は三連休が二回あります。それが過ぎれば、さすがに暑さも収まる。気を晴らす。少しずつ👪

子ども食堂「うさぎとカメ」は、二学期も頑張りま~す🍚

 ☆☆

昨日から福島にいま~す🍠🍄


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